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8月1日、まさかな…と思いつつ恐る恐る巣箱を覗いてみると、い、いたー!!! 驚きのあまり一度蓋を閉めてしまいましたが、もう一度開けて記録用に写真を撮りました。 何の写真かって?それはもちろんエゾモモンガの仔の写真です。3頭の出産を確認しました。 エゾモモンガ舎で飼育しているメスの「べに」が7月30日から巣箱にこもるようになりました。いつも外に出ているのにおかしいなと思い、思い切って巣箱を覗いてみたのが1日です。 なぜこんなに驚いているかというと、実は今年の繁殖は諦めていたからです。 5月7日「べに」とオスの「ウトナ」の交尾を確認しました。数回に渡ってしっかりと交尾していたので、これは着いただろう!と確信し準備を始めていました。どの動物も交尾を確認したら計算してだいたいの出産時期の目安を出しますが、調べてもエゾモモンガの正確な妊娠期間が分からなかったため、エゾリスの妊娠期間である40日を参考におおよそ1ヶ月半、遅くても6月末までには産まれるだろうと予想していました。 しかし6月を過ぎ、7月終盤になっても生まれる気配はなく... 繁殖期も終わるし、交尾はしていたけど今回は妊娠しなかったんだな~と思っていた矢先の出産でした。 恐らく5月以降に私の見てないタイミングで交尾していたのでしょう。 エゾモモンガは目、耳の穴は開かず、毛も生えておらず、さらには指もくっついている状態で生まれてきます。最初に見たときはあまりの未熟さに驚いてしまいました。 生まれたてはマウスの新生児と大差ないのですが、唯一違うのは目の大きさでしょうか。皮膚から薄く透けている眼球が明らかに大きいです。
生後約5日_指がくっついている
生後約2週間_指が離れ始める
生後約3週間_体毛が生えてくる
生後約35日_2頭目が開く
せっかくの機会なので、エゾモモンガ舎内で飼育している個体を紹介します。 まずは「べに」。今回出産をした母モモンガです。一般の方が保護したのちに、旭山にやってきて、今は4歳。 人工哺育のため人間を怖がらず、警戒心も薄いです。べには幼いときから人間に育てられたため、当初は育児放棄するのではと心配していましたが、心配ご無用でした。 一生懸命子育てしてくれていますが、私が子どもに近づいてもほとんど警戒せず観察させてくれてとっても有り難いです。
次にオスの「ウトナ」。保護個体で、人工哺育で育ち、今年で1歳です。若いので元気いっぱいで開園中も走り回っていることが多いです。
最後にメスの「おはぎ」。他園からやってきた個体で、約6歳の個体です。おばあちゃんですが食欲旺盛でたくさん食べます。なお、現在は治療中のため一時的に隔離しておりますが、治療が終わればこの中に戻します。
(左)ウトナ(中央)おはぎ(右)べに
エゾモモンガ舎内は巣箱を4つ設置しており、自分達の好きな場所で寝られるようにしているのですが、メスの2頭と子どもたちは、実は出産当初から1つの巣箱でみんなで寝ていました。 大体の動物は子育て中は気が立っていて、ほかの動物を警戒し寄せ付けない!というイメージがなんとなくあったのですが、べにがおはぎを追い出すこともなく、おはぎも気を遣って出て行くでもなく、毎日同じ巣箱に戻っていく2頭の様子を見ていると、この寛容さはさすがモモンガだな...と非常に感心させられます。 (私だったら自分の出産、子育て中にほかのメスが隣でぐーすか寝ていたら嫌ですけどね…) ちなみにオスは子育てに関与しないので、ウトナは窓側の巣箱で一頭で寝ているのですが、子育て中の巣箱の中に入ろうとしたらべにに怒られていました。 べになりのボーダーラインがあるのでしょうね。
【最後に】 4月から飼育員になった私の目標の1つが「エゾモモンガの繁殖」でした。 飼育の先輩方からは、旭山でエゾモモンガはいままで繁殖したことがないと聞かされていました(後日調べたところ19年前に一度産まれていましたが、短命だったようです)。 そんなこと言われたらやるっきゃない!!絶対に自分が担当のうちにエゾモモンガを繁殖させてやるぞ!!と根拠も無く意気込んでいたところ、思ったよりも早く目標を達成できましたが、正直なところペアの相性が良かっただけで、私が担当じゃなくても繁殖していただろうと思います。 なによりも嬉しいのはエゾモモンガ舎内で繁殖をしてくれたことです。令和2年に建設されたエゾモモンガ舎は夜行性のエゾモモンガの姿を日中にご覧いただけるよう、昼夜逆転施設になっています。 通常のエゾモモンガとは真逆の生活を送るモモンガたちがその中で繁殖をしてくれた、ということはストレスなく昼夜逆転できている、そしてここでの生活が自分達にとって安心できる環境だと感じてくれているのでは、と思います。 まだまだ小さい彼らですが、すごい速度で日々成長しています。最近は巣箱から出るようになり、おっかなびっくり周囲を探検しています。是非その姿を見に来てくださいね。
外の世界だー!(9/17)
【お願い】 モモンガ、リスたちにあげていたカボチャの種が底を尽きてしまいました。私一人で消費できるカボチャの量には限界がありまして…皆さんのご家庭ででたカボチャの種をご寄付頂けるととても助かります(非常にカビやすいので、洗ったのちにしっかりと乾燥させた状態だと嬉しいです)。櫻井からのお願いでした。
エゾモモンガ舎・北海道産動物舎(小動物・野鳥)担当:櫻井結夢
北海道は秋の虫たちが優しく奏で、朝晩はすーっと冷え込む季節になりました。皆様いかがお過ごしでしょうか? 7月からこども牧場でお仕事させていただいております、芦原絵莉子と申します。一度きりの人生!と京都からはるばる海を渡って参りました。これまでは幼稚園、保育園で勤務してきて、今回動物園。園とご縁の深い人生を歩んでおります。動物園にも子ども達が沢山遊びに来てくれます。子ども達や動物達と関わると何かしら面白いことが起こるのです。笑いあり癒しありの楽しい日々が過ごせること、とても嬉しく思っております。
私は僭越ながら、クジャクを担当しています。担当させていただいて間も無く、メスのクジャクが卵を温め始めました。着任早々なんとわくわくさせてくれることでしょう。お腹の下には卵が5個。何も知らなかった私は5羽の雛が生まれてくるのかも!?と、夢見心地がとまりませんでした。クジャクは28日間卵を温めます。
予定日は8/14。予定日当日はそわそわしながら朝早めに出勤しました。しかしその日は生まれず。そんなピッタリいかないのだろうと、それから毎日、今日こそはと見守りましたが、生まれず…。他の動物園の事案も調べてみると40日を越えて生まれた例を見つけたので、腰を据えて見守ることに。お母さんは変わらずしっかりと卵を抱いていますが、その後も一向に生まれる気配なし。生まれてほしい希望が強すぎて虫の声さえもヒナの囀りに聞こえてきたものです。(もちろん宙耳でした)
お母さん頑張ってます
実はそのお母さんが温め始めてから20日ほどして、別のお母さんクジャクも別の場所で卵を温め始めていました。そちらの予定日は9/3でしたが、先の例があるので、全く期待せず9/3を迎えました。また期待しすぎて気を揉むのはごめんです。ですがなんとこちらはピッタリ9/3に雛が1羽生まれたのです!!続いて9/4にも2羽。計3羽が誕生しました!!(拍手喝采)
うちの子、生まれたわ?
ヒナのかわいさといったらもうたまりません。小さくふわふわで、嘴はピンク色。頭のパヤパヤもまだありません。お母さんは子ども達のことを懸命に守ろうとして、飼育員や他のクジャクが近づくと怒ります。寝る時はお母さんの羽の中に子どもを隠して温めて眠るのです。
お母さん、飼育員を警戒中
4日ほど経った頃、1羽が少し遅れる姿が見られるようになってきました。他の2羽が越えられる段差を越えられなかったり、目を閉じてパタっと横たわる姿も。7日目の朝、はぐれて戻れなかったのか、お母さんに見放されてしまったのか、雨に打たれて弱り、亡くなってしまいました。命が誕生し、健康に大きく育つということは、当たり前ではないのです。今こうして私たちが生きて出逢って感動しているということもなんと尊いことなのか、教えてもらっている毎日です。
ところで、先に温めていたお母さんはどうなったかって?本当に不憫なことですが、9/4に卵を回収しまし た。48日間も頑張って温めたのに、生まれなかったお母さん。人間に卵を回収された翌日、なぜかぴよぴよヒナたちが。あれ?私の子、やっぱり生まれていたのね!と言わんばかりに、ヒナたちを羽の中に納めてしまう場面も。誘拐です(笑)。本物のお母さんは激怒。本当に本当に不憫でなりませんが、自然界とはそういうものなのです。
元気に育っているクジャクのヒナ
クジャクのオスが羽を広がる綺麗な姿は、今から来年の5月頃までは見ることができませんが(今年の恋の季節終了)、今はクジャクのかわいいヒナをご覧いただけます。ぜひ、クジャク舎へ見にいらしてくださいね。
こども牧場担当:芦原絵莉子
9月14日にアビシニアコロブスの「アビ」が出産しました。まだ性別はわかっていません。 「アビ」はしっかりと仔を抱いており、出産翌日から外放飼場に出ています。 アビシニアコロブスの仔はおとなとは違い、全身の毛が白いです。白い毛は生後3ヶ月頃からおとなと同じ配色に変わっていきます。 仔の成長の様子はSNS等でお伝えしていく予定です。
環境省レッドリストで絶滅危惧1A類に指定されているシマフクロウは、1990年頃には100羽以下にまで個体数を減らしていましたが、関係者の長年の保護活動によって100つがいの繁殖が確認されるまでに回復してきています。 今後は、生息地の中心である道東地域からの分散が期待されており、多くの河川が流れる旭川市にも大雪山系を超えシマフクロウが定着する日が来るかもしれません。 そんなシマフクロウを身近に感じ、保全活動について知っていただくことを目的としてイベントを開催いたします。
旭山動物園 シマフクロウ舎、イベントホール
先着30名
お申し込みはパンフレットQRコードより
※大人(高校生以上)は旭山動物園への入園料が別途かかります
旭川市環境部環境総務課 0166-25-5350
旭山動物園では会計年度任用職員を募集しています。
勤務条件、応募方法などの詳細は、ハローワーク旭川(新しいウインドウが開きます)をご確認ください
業務内容は、電話・窓口対応等一般業務、イベント業務補助です。
旭山動物園では、一定額以上を現金にて寄附をいただいた企業又はそれに準ずる団体を応援企業として紹介しています。
寄附申込方法(企業等)はこちらのページへ
令和5年度寄付いただいた企業のご紹介はこちらのページから
旭山動物園では幼児及び児童の描画教育と動物愛護精神の向上を図るために、児童動物画コンクールを実施しています。
1,190点
入選作品は次のとおりです。受賞者の皆様には別途、通知いたします。
幼児の部 旭川市長賞(最高賞)髙木 友莉菜さんの作品
小学校低学年の部 旭川市長賞(最高賞)太田 愛浬さんの作品
小学校高学年の部 旭川市長賞(最高賞)木下 詩唯さんの作品
旭山動物園児童動物画コンクール優秀作品14点(幼児部門2点、小学校各学年2点)を全道幼児・児童動物画コンクールに推薦しました。審査の結果、本園から次の作品が入賞いたしました。
令和6年9月29日(日曜日)午前11時から
旭川市長賞・旭川市教育委員会教育長賞・優秀賞 計28点(優良賞・努力賞を除く)
旭山動物園 野外ステージ
令和6年9月29日(日曜日)から令和6年11月3日(日曜日)まで
全受賞作品 計103点
旭川市旭山動物園内 いこいの広場休憩所
令和6年11月11日(月曜日)から令和6年12月5日(木曜日)まで
旭川市長賞・旭川市教育委員会教育長賞・優秀賞 計28点
旭川信用金庫本店(旭川市4条通8丁目)
応募作品の返却は全ての展示会終了後に返却いたします。
旭川市(旭山動物園)
旭川市教育委員会 北海道新聞社旭川支社
旭川信用金庫 国際ソロプチミスト旭川 特定非営利活動法人旭山動物園くらぶ
前回のブログから一日が経ちました。 どうしても近況報告を兼ねてのキリンばっかになりがちなので、カバのお話をば。
カバと言えば立派な歯。 百吉は犬歯(牙)が伸びすぎてきて、歯を削切しています。 野生下であれば、色々な物をかじって歯が削れていくのですが、動物園は何でもかじって壊されて良い物ばかりではありません。 もちろん、かじる用の丸太やガス管は用意していますが、たかがしれています。 本来この牙は、ケンカのときに使う物で、それこそ野生下であれば失うわけにはいきません。 しかし、歯が伸びすぎると、牙が皮膚を突き破って出てきたり、口が閉じなくなり細菌が繁殖したりするので、飼育下であれば必要なケアはしなければなりません。
人間では考えられませんが、歯を切るときは糸ノコでギコギコします。 ハンドサインで口を大きく開け、位置を調整してくれるので、後は口を開けっぱなしにしてもらうのですが、開けっぱなしというのが簡単で難しい。 口を開けっぱなしにしてもらうためにはどうしたらよいのか。その答えは口の中を触り続けるです。 「え?」と思う方がいるかもしれませんが、言葉の通りです。
ペタペタギコギコ
キチンと集中していないと腕を噛まれ引き込まれるので、この間は来園者に話しかけられても基本無視しています。すみません。 ただ、この方法は理にかなっていて、野生下のカバは口内の汚れを鳥につついて取ってもらうという光景が見られます。 その間は、口を開けたままジッと黙っているので、口の中をイジられるのは心地が良いようです。心地が良すぎてウトウトし出すこともしばしばです。
そして、切った牙や抜けた歯を利用して、新たな展示物を準備中です。
より立体のミュージアムを目指して(作:清水)
まだまだやりたいこと、作りたい物は溢れているので、楽しみにお待ちいただければと思います。
魚の同居は悪戦苦闘中!
きりん舎・かば館、両生類・は虫類舎担当:鈴木達也
題字書者 大橋 夏海
本事業の進捗状況について広く発信し、開催に向けて機運の醸成を図ることを目的にホームページを開設しました。情報を更新した際は、本園公式SNSでお知らせします。
9月5日(木) 開催の模様をYouTubeにアップしました
7月1日(月) 旭川信用金庫本店様にて描かれた作品をご覧いただけます
6月17日(月) 令和6年度動物墨画パフォーマンスが終了しました
6月13日(木) オープニングセレモニーの実施について
6月6日(木) 北北海道ダイハツ販売株式会社様から御協賛をいただきました
5月9日(木) パフォーマンス順についてお知らせします
4月8日(月) ホームページを開設しました
本事業への参加予定校について
日本製紙株式会社様から御協賛をいただきました
春の陽気を感じる園内では、動物たちが屋外で活発に動き回る姿や、無邪気で愛くるしい姿をご覧いただくことができます。本日、4月8日から26日までは、夏期開園に向けた準備のため閉園となります。閉園期間中もホームページやSNSで動物たちの様子を更新していきますが、ぜひ、4月27日からの夏期開園に足を運んでいただき、動物たちの素晴らしさを感じていただければと思います。
さて、本園では、動物や環境問題に対する関心を更に深めていただくことを目的に、動物を主とした書道パフォーマンス事業「動物墨画パフォーマンス」を、上川管内(高文連上川支部)の高等学校及び高等支援学校と連携をし、令和6年度も開催する運びとなりました。
今回で4回目の開催となりますが、回を重ねるごとに参加される生徒さんの想いというものがパフォーマンスに強く表現され、チームで書き上げられていく過程のワクワク感、書き上げられた書の圧倒感、そして感動をもたらしてくれます。
今回は旭山動物園内、野外ステージでの開催となります。どなたでもご覧いただけますので、動物たちのすぐ近くで、より迫力のあるパフォーマンスをご覧いただき、生徒たちによる、動物と書の融合、そして躍動するパワーを間近に感じてください。
令和6年4月8日
旭山動物園 園長 田村 哲也
日時:令和6年6月15日(土)・16日(日) 13時からパフォーマンス開始
※15日(土)は12時45分よりオープニングセレモニーを行います
※雨天時の場合は、6月22日(土)・23日(日)に変更する場合があります。
会場:旭山動物園内 野外ステージ
令和5年度に実施しました大雪アリーナでの模様は、次のURLからご覧いただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=VVwAWH6I9K8(新しいウインドウが開きます)
開催要綱(PDF形式 205キロバイト)
上川管内の高等学校及び高等支援学校、あわせて9校が参加を予定しています。
参加校及び参加チーム数は次のとおりです。
今年も暑い夏でした。お盆時期の「夜の動物園」では、地元の方を中心に多くの来園があり、賑わいを見せていました。やはり家族連れが多いですが、近年は若者同士のグループも増えている印象です。オオカミの遠吠えを聞いて盛り上がったり、夜店で買った軽食を美味しそうに食べたりしている姿を見ていると、自然とこちらも楽しい気持ちになってきます。この春に生まれた子ダヌキの行動には、いつもわくわくさせられますが、動物も人も、若者や子どもには、大人を元気にしてくれるパワーがあるようです。 今年は、初めて「あさひやま・キッズ・ZOO」というイベントを6月に実施しました。この企画は、子ども達だけを対象とした特別開園で、保護者や引率者には休憩所で待機してもらいました。子どもの成長に大人のサポートは欠かせませんが、知らず知らずのうちに自由な発想や自主性を奪っていることもあるかもしれません。その子が興味を持った「今一番」の時間を大切にできればと思い、動物園を子ども達だけの空間にしたのです。親の手を離れて、勇気を持って一人で園内に入っていく子どもの後ろ姿を見て、我が子の成長の一端に立ち会えたとの声もいただきました。 この他にも動物園では、「サマースクール」を毎年実施しています。小学校高学年を対象とした飼育実習で、今年で47回を数えるほどの伝統があり、実は、この参加者から今の飼育スタッフも生まれています。さらに、9月には「スタディキャンプ」として、小学生を対象とした宿泊体験も試みます。動物の気配を感じながら園内で一晩を過ごし、五感をもって体感することで、動物や環境問題への理解が深まることを期待しています。 このように、動物園は次代を担う子ども達にとって貴重な経験や多様な学びを提供できるフィールドです。園内で活き活きとしている子ども達の姿を見ながら、このフィールドをさらに充実させていこうと思った、今年の夏でした。
令和6年9月5日
旭山動物園 田村
これまでの日記はこちら
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前回のぶろぐから2ヵ月が経ちました。 レッサーパンダには、あっという間に他人扱いされていますが、マヌルネコは未だに「なぜお前がここに!?」みたいな顔をしてくれます。
さて、タイトルのとおり「ゲンキとあさひのお話」の続きです。 現在、キリンに関して12時~14時の間は展示をお休みしています。 ゲンキは継続的に薬やサプリを与えていますが、相変わらず肩の痛みをまだ引きずっているようで本調子ではありません。
問題はあさひの方で、いよいよ歩き方の違和感が大きくなってきました。 歩く際に左前肢が外側に開いてしまい、足先で踏ん張っている様子が見られます。
左前肢がグニャッてる
これが短期的なものなのか、体が耐えきれなくなってきているかは、現状定かではないですが、少なくとも足への負担はこの歩き方では大きいハズです。 そのため、負荷がかかる時間を減らすため、放飼時間を短くしています。
前回のぶろぐを見て、「砂の部屋は?」と思う方がいるかもしれませんが、結果的には砂を頑なに拒み使ってくれませんでした。 今はあさひの為に用意した砂部屋をゲンキが我がもの顔で満喫しています。
ご満悦
そのため、あさひの部屋をまたも改良し、全面乾草を引きクッション性を高める方向でケアをしています。 それに加え、先にも述べたとおり放飼時間も短くし、少しでもキリンらしく生活ができる時間が長くなるよう、出来ることをこなしていきます。
ゲンキに構われたいあさひ
旭山動物園ではやっと厳しい夏の暑さが緩み過ごしやすい季節がやって来ました。
夏は飼育事務所の冷凍庫に首につける冷え冷えリングがぎゅうぎゅうに入っていましたが、これを付けて外に出ても15分くらいでただのリングになってしまっていました。
さて、今年のととりの村についてお話したいと思います。 まずは4年前にカルガモの巣で孵ったキンクロハジロについてです。 4年前、池で泳いでいるカルガモ親子をよく見たら一羽だけなんだか黒いヒナがいる。。。 カルガモのヒナにつつかれても潜ってかわし、毎日一生懸命カルガモのお母さんについて泳いでいたキンクロハジロが、今年卵を産みました。 何の目印もない草むらで巣を作っていたので、間違えて踏んでしまわないように注意深く見守っていました。孵ったヒナは5羽で、危険回避のために鳴き声をあげたり、他のカモが近づいてきたら追い払ったり、しっかりとヒナたちのお世話をしていました。 カルガモの群れの中で育ったたくましいお母さん。ちゃんとキンクロハジロとして生きていけるのかなと心配をしていましたが、立派な母鳥になりました。 太くて黄色い足環を付けているので探してみてくださいね。
カルガモについていくキンクロハジロのヒナ(4年前)
巣を作っていた場所
立派な巣ができていました
母鳥になってヒナをお世話している様子
そして2つ目はカラスの侵入です。3年前にもカラスが入ったことがあり大変な目にあっていたので何とかヒナたちを守らなければと戦々恐々としていたのですが、今年入ったカラスはどうやら幼鳥でカラス自身も何が起こったのかわかっていない状況でした。 ととりの村の裏の木では毎年カラスが繁殖をしているのですが、この幼鳥はどこからか誤って入ってしまったようです。 網の外では親たちが大騒ぎしてカラスの子どもの様子を見にきたり餌を運んだりしていたのですが上手に受け取ることができずカモたちの餌を食べていました。 しかしカラスの子どもが餌の近くに行くと、カモたちが一斉に近づいて来て追い払われていました。 そんなある日、そのカラスが池の中の何かを取ろうとしたのか、池の中に落ちたらしく池の脇にあるオーバーフローのところにしがみついていました。 網を使ってそっと捕まえたところ、怒って作業着についていた紐を引っ張っていました。口の中は鮮やかなピンク色をしており、やはり幼鳥であることが確認できました。 その後ととりの村の裏のカラスの巣があった場所につれて行き、カラスたちの目の前で離しました。もしかしたらその後カラスから攻撃をされるかなと心配をしていましたが、それ以来カラスが一羽もととりの村の近くに来なくなりました。
ととりの村に入ったカラスの幼鳥
他にも今年はミンクの侵入事件、カメの甲羅干し、エゾリスの訪問など色々なことがあったのですが、長くなりすぎてしまいましたので他の機会にお話しできればと思います。
最後にシンリンオオカミについてですが、先日レラが死亡しましたがワッカとノチウは元気です。 数ヶ月前からレラの体調に気づき、近くにいて気にしてきたであろう2頭は私たちよりも状況をよくわかっていたのかもしれないですね。3頭から2頭になってからの関係性や変化についても今後お伝えしていこうと思います。
日陰で涼むワッカとノチウ ととりの村・シンリンオオカミ担当 原田 佳
イベントの詳細につきましては、現在調整中です。
決定している内容から情報を発信させていただき、都度、更新していきます。
【ページ内リンク】
・参加団体
・期間中のイベント
・昨年実施の様子
旭山動物園では環境に関する取組の一環として、9月22日(日)・23日(月・祝)の2日間、昨年に引き続いて、「あにまる・ハッピー・マーケット」を開催します。
本イベントでは、参加団体より選りすぐりの商品が販売されます。その商品の購入は、団体の活動支援につながることとなり、環境保全に向けた行動の第一歩を体験して、興味・関心を持っていただくことを目的としています。
商品は、参加する団体のスタッフが対面販売を行いますので、普段では、なかなか知ることができない話を聞くことができます。
あにまる・ハッピー・マーケットを昨年に引き続き開催します。様々な視点から野生生物の保全活動を行っている団体が集まってくれました。その活動を多くの方に知っていただくこと、その活動を支援することが大きな目的になります。それぞれの団体が魅力的なオリジナルグッズを販売し、その商品を手にすることが活動の支援につながります。
今回も、公益社団法人日本動物園水族館協会北海道地区加盟9園館による「北海道産いきもの保全プロジェクト」 が参加することとなり、その活動についても知っていただけたらと思います。
多くの皆様のご来園をお待ちしております。
令和6年9月1日
開催日:令和6年9月22日(日)~9月23日(月・祝)
時間:9時30分から17時15分まで(最終入園は午後4時00分まで)
旭山動物園内 ととりの村 前
※動物園内での実施のため入園料が必要となります。
・旭川市旭山動物園
・特定非営利活動法人 旭山動物園くらぶ
公式ホームページはこちら(新しいウインドウが開きます)
http://www.irbj.net
認定特定非営利活動法人
ボルネオ保全トラスト・ジャパン
https://www.bctj.jp
参加者が考えたデザインを巣箱に焼きレーザー加工(ササキ工芸)
※設置後の様子については、逐次、当園ホームページ等に掲載をして情報発信を行います。
・旭山動物園公式Instagramにてライブ配信を予定しています。
・時刻は前後する場合もありますので予めご了承ください。
9月22日(日)
・10:30~(クロストーク)公益財団法人知床財団×旭山動物園
・12:00~(クロストーク)株式会社猛禽類医学研究所×旭山動物園
・13:30~(クロストーク)認定特定非営利活動法人ボルネオ保全トラスト・ジャパン×旭山動物園
・15:00~(クイズ大会)北海道産いきもの保全プロジェクトによる 北海道のいきもの○×クイズ
9月23日(月・祝)
・12:45~(クロストーク)天売島ケイマフリぷろじぇくと×旭山動物園
日時 9月22日(日)~9月23日(月・祝) 両日9:30~17:15
会場 ととりの村前 特設テント内
内容 ・ペーパークラフトで動物を作ろう
・チリモンを探せ
・海の生きものむりえ
・エゾシカ皮でチャ作ろう作ろう
参加 無料
会場 いこいの森広場休憩所
内容 各種団体の活動についてのパネル等展示
令和6年8月1日(木)エゾモモンガ舎で飼育しているメスの「べに」が3頭出産しているのを確認しました。
過去の記録を見たところ、旭山動物園でエゾモモンガが繁殖するのは約20年ぶりのようです。
現在は毛も生え、順調に生育しておりますが、子どもたちは巣箱の中にいるためまだその姿をご覧いただくことはできません。
9月中旬ぐらいに巣箱から出始めると思います。近況はSNS等で発信していきますので、楽しみにお待ちください。
エゾモモンガの子どもたち(8月5日)
エゾモモンガの子どもたち(8月25日)
令和6年8月24日(土)にアムールヒョウの「みらい」が出産しました。 仔は1頭で、28日現在、良好な状況です。
なお、展示開始時期は未定となっております。
8月24日撮影
晋陽湖公園のホームページはこちら(新しいウインドウが開きます)
それぞれ特徴ある施設に足を運び、北海道に生息する様々な生き物のことを知っていただくことを目的に、「わくわくスタンプラリー2024」を実施します。
令和6年9月1日から令和7年3月31日まで※各施設の休園日などは、それぞれの施設の公式ホームページにてご確認ください
「北海道いきもの保全プロジェクト」に参加する9園館
オリジナルの限定缶バッジセットをプレゼントします。
配布は各施設で対応しています。景品の交換は、お一人様につき1回までです。
北海道は、日本の中でも独自の貴重な生態系が築かれています。9園館が協働で持続可能な生物多様性の保全に向け、北海道に生息している生物や環境の域内・域外保全活動を積極的に実施していきます。
・札幌市円山動物園 ・旭川市旭山動物園 ・おびひろ動物園 ・釧路市動物園 ・おたる水族館 ・新さっぽろサンピアザ水族館 ・登別マリンパークニクス ・サケのふるさと千歳水族館
・AОAО SAPPОRО ※日本動物園水族館協会に加盟している北海道の動物園・水族館
・北海道の野生生物の域内保全・域外保全に係る活動 ・北海道の野生生物の保全に係る調査・研究 ・北海道の野生生物の生態や自然保護についての教育普及啓発 ・職員の相互研修 ・施設の相互利活用 北海道産いきもの保全プロジェクト 活動方針(R6.7.3改訂)(PDF形式 630キロバイト) 北海道産いきもの保全プロジェクト 活動内容(PDF形式 298キロバイト)
9月のWEBカレンダーの動物はレッサーパンダです。
ネパールレッサーパンダとシセンレッサーパンダの2亜種に分けられます。旭山動物園で飼育しているシセンレッサーパンダは、中国南部からヒマラヤにかけて生息しており、やわらかい赤茶色の体毛に白いまだら模様の顔が特徴のレッサーパンダです。
レッサーパンダ舎は2つの放飼場に分かれており、左側では出窓で休んだりエサを食べている様子を間近で観察でき、右側では頭上の吊り橋を渡る様子や木に登るすがたなどを観察できます。現在飼育している5頭は、全て血のつながった個体のため顔が似ていますが、個体看板を見てそれぞれの顔や性格をじっくり観察してみると見分けられるかもしれません。
お使いのパソコンのモニターのサイズ(ピクセル)を選んでクリックしてください。 カレンダー2408_16:9(JPG)
カレンダー2408_16:10(JPG)
12月から4月の半ばまで、こども牧場での勤務でしたが今年度から『きりん舎かば館』に勤務場所が変わり、1日の流れもガラッと変わりました!2月にぶろぐを書かせていただいた時は「牧場前で雪像を製作しています」という内容でしたが、製作物でいえば場所が変わってきりん舎かば館でも現在進行系で取り組んでいます! (夏期開園に合わせて展示されているものも既にあります) 旭山動物園では行動展示やもぐもぐタイム、なるほどガイドなどその動物を魅せる様々な工夫が各所にありますが、「手書き看板」もそのひとつです。 ここかば館では、カバはもちろん1階テラス前にキリンについての看板もあります。 図鑑やテレビなどで当たり前のように存在を知っているキリンとカバ。網目模様で首が長い動物。身体も口もデカい動物。表面的なことは分かっていても、普段はどんなものをどうやって食べて、どんな暮らしをしているのか。その生態は意外と知らないことばかり...。 「カバが汗のようにかいてる赤いのは何?」「うんちを飛ばすのはなんで?」「キリンはどうやって身を守るの?」「角のゴツゴツは何のためにあるの?」などなど! その動物についてふと疑問に思ったことの説明が手書き看板に載っているかもしれません!なので是非足を運んでいただいた際には、きりん舎かば館に限らず色々な看板にも注目して見ていただきたいと思っています!
看板に付いた撒き糞の跡(ここまで飛びます、探してみてね)
これからも「これを分かりやすく伝えたい!」と思ったものは、スペースの限り増やしたいと思っていますので、よろしくお願いします! 最後に少しながらカバやキリンについての「あれやこれや」を描いてみたのでそちらも載せます。ありがとうございました!
カバの!あれやこれや
キリンの!あれやこれや
きりん舎・かば館担当 : 清水駿之介
各開催日3週間前の午前9時より電話受付します。
旭山動物園(0166-36-1104)まで、お電話ください
※募集内容は、急きょ変更になる場合もありますので、ご了承ください ※現時点で決定している内容です。以降分は、決まり次第随時お知らせいたします。
※新型コロナウイルス感染症拡大の状況により、イベントが中止となる可能性がありますのでご了承ください。
とことん旭山とは
動物園裏側探検(きりん舎・かば館)(左)と 開園前の動物園一人占め(右)
今年の夏期開園より、シマフクロウ保全のための普及啓発として域内保全関係者と動物園が連携してパネルを制作しています。 春からはシマフクロウがどんな鳥なのか?保護増殖事業って何?なぜ動物園で飼育するのか?といった内容の3部作のパネルが展示されています。その後もさらに、人工巣箱についてやフクロウの気持ちの読み取り方などのわかりやすいパネルや、野外のヒナの成長と飼育下のヒナの成長を比較できる展示など次々増えていきました。 そしてつい先日、最新作の夏休み子ども向けクイズパネルを設置しました。クイズを解きながらシマフクロウについて楽しく学べるようになっていますので、是非来園した際はこれらのパネル、展示をじっくりと見ていただきたいと思います。 これであなたもシマフクロウ博士だ!
最新作のシマフクロウクイズ!シマフクロウ舎の展示エリアにあるよ!
シマフクロウ舎・えぞひぐま館担当:大内章広
北海道の短い夏、いかがお過ごしでしょうか。夏休み中、旭山動物園へお越しのみなさん、ぜひ動物図書館へお立ち寄りください!動物図書館にある、工作コーナーを、夏休みの自由研究などにご活用いただくのはどうでしょうか。 工作コーナーのご案内をします。 おりがみ絵本コーナーのリニューアル!人気順にランキング形式で掲示し、よりわかりやすくなりました。また、夏限定として、「カブトムシ・クワガタ」のおりがみ絵本とぬりえが登場しています!
次に、昨年大人気だった「オニヤンマ」が再登場!オニヤンマやトンボの一生について調べたり、身近な昆虫や、私たちの暮らす環境がトンボなどの昆虫に与える影響まで、学びを広げるきっかけとなるといいですね。(こちらは小学生の中学年以上を対象としています。所要時間:15分~)
そして次に人気なのが、「エゾシカの革のハギレチャーム」です。現在深刻な問題となっているエゾシカ問題ですが、有害駆除されたあとのエゾシカの行方はご存じでしょうか?貴重なエゾシカの革を使用したかわいいチャーム制作を通じて、少しでも私たちに出来ることは何かなと、考えるきっかけとなると嬉しいです。(こちらはハサミを使用します。所要時間:10分~)
最後に、「まるたにお絵かき」は、園内でせん定された枝を使用しています。絵が苦手な方でも大丈夫です!下絵を描いた物に色を塗るだけで出来ます!もちろん絵に自信のある方は独自のイラストを描いて思い出のいちページとして来園記念にしてもらえたら嬉しいです。(こちらはポスカを使用します。所要時間:5分~)
※こちらの工作はひとり1種類1個の制作をお願いしています。また、その日の材料がなくなり次第終了となります。
それぞれ、「楽しい」だけで終わらせず、その背景にあるものを調べ、自分に出来ることまで考察する。そんな夏休みの工作を、お手伝い出来たらと思います。みなさん、ステキな夏休みを!
園内を歩き疲れたら、涼しい動物図書館でゆっくり動物の本を読んだり、お子さんと一緒に工作をしたり、ぜひ楽しい時間をお過ごしください!
投稿者:動物図書館 中谷 真弓
いよいよ夏本番です。猛暑を想定して身構えていたのですが今のところ(7月下旬)猛暑にはなっていません。今年は夏本番の前に、ぺんぎん館、ほっきょくぐま館の日よけの新設やもうじゅう館でも日射対策の擬岩の改修、レッサーパンダの日陰兼遊具の設置、さらには獣舎内の空調新設などを行いました。毎年記録を塗り替える想定外が恒例になっているのでまだまだ気を引き締めて対策を続けていかなければと考えています。内地の動物園の方が、冗談半分、本気半分で夏場は動物園の開園はできなくなるかもねと話していました。外出自粛を行政として発信する中で屋外施設メインの動物園が集客を促すようなことはできなくなるのではとの懸念が現実味を帯びているからです。 さてエゾタヌキのお話です。今年ゆっくりロードのエゾタヌキのペアが繁殖に成功して8頭の子タヌキが順調に成長しています。両親は幼獣での保護個体です。巣箱内に設置したカメラで出産の様子を一部始終観察できました。メス親(うみ)が産み落としたそばからオス親(こたろう)が子をなめていて、出産は長時間に及んだのですが、どちらがうみかわからないくらいにこたろうがずっと寄り添っていました。オス親がここまで出産に関わるのを目の当たりにして、とても新鮮な驚きでした。こたろうは時にはうみに餌を運び、積極的に子守をし、巣を守っていました。生後一ヶ月頃から子ダヌキたちはおっかなびっくり巣の外に顔を出しプチ冒険をするようになりました。生まれた8頭の子は今ではすっかりタヌキ模様になっています。 そういえば30年くらい前の話になるのですが、繁殖しても子育てをしないためにエゾタヌキの人工保育に取り組みました。生後一ヶ月令くらいで毛の色が親と同じになる頃に足の裏や目の周りの皮膚がカサカサになり痂皮が形成されミルクは飲むのに成長が止まり痩せて死亡してしまいました。当時できる限りの検査はすべてしたのですが原因がわかりませんでした。翌年も同じ結果になってしまいました。当時ミルクは牛乳や安価な一般的な犬用ミルクなどを使用していました。3度目の春、段ボールに入れられた子犬が飼育事務所前に捨てられていました。見るとタヌキと同じく足の裏、目の周りなどが痂皮で覆われていて痩せていました。これは!と思い犬の疾病を調べたら、剛毛犬種で成長期に亜鉛が欠乏するとこの症状が出ることがわかりました。この子犬に亜鉛の添加剤を混ぜたミルクを与えるとみるみる症状は改善し、無事にもらい手を見つけることができました。そして3度目の挑戦、亜鉛の添加剤をミルクに混ぜエゾタヌキの人工保育に成功しました。ふと子ダヌキたちを見ていて思い出しました。
令和6年8月7日
旭山動物園 坂東
シンリンオオカミのレラ
シンリンオオカミのレラは7月27日に放飼場で自力で立てなくなり、その後獣舎で看護を続けていましたが、8月3日の朝に死亡しているのを確認しました。 オオカミの森では長女のレラ(13歳)、次女のワッカ(10歳)、末っ子でオスのリーダー・ノチウ(9歳)の3頭で飼育していました。 レラが自力で立てなくなってからは、獣舎で皮下補液や投薬等の治療を行い、飼育員が危険のないように細心の注意を払いながら餌や水を与え、馬肉をよく食べ水も飲んでいました。 また褥瘡(床ずれ)ができないように複数の飼育員で1日3回の体位変換とハエ対策のために体を拭くなどし、涼しい室内でこまめな給水を行なっていましたが、8月1日頃から食欲が減りました。最後までレラが穏やかに過ごし、少しでも快方に向かえるようにという思いで看護を行なっていました。 リーダーで父親のケンと母親のマースが死亡してから、レラと妹のワッカが激しいケンカをしてノチウが仲裁に入るということが頻繁にあり、レラが2頭の妹弟と距離をとって過ごすことも多かったですが、近年は関係性が変化し年を重ねるごとに3頭の距離が近くなっていったように思います。 レラは下位のオオカミではありましたが、給餌の際には落ち着いて待っていることができず、上位のノチウとワッカの順番の時にも割って入り食べようとするところがありました。またガイドの最後におやつをあげる時にも他の2頭にひるむことなくおやつを食べに来る様子が見られました。 昨年の秋にはレラが遠吠えに参加することが多く、ノチウがレラに強くあたる時にはワッカが仲裁に入ることもありました。遠吠えの後やガイドの始まりにノチウとワッカがレラを挟んで顔をすり寄せお互いに顔を舐めるような場面も多くありました。また、獣舎でレラに検査を行なっている時には、ノチウが獣舎の近くを何度も確認しに来る様子が見られました。
2023年秋
2024年春
最後まで群れの中でということは叶いませんでしたが、強く当たられる経験を何度しても前に出てきて餌を食べ、堂々と丘の上に座り、次第に群れの中で認められていったレラは他の妹弟に劣ることなく強いオオカミであったと思います。
オオカミの群れ社会は群れによっても属する個体の個性によっても異なりますが、これからもオオカミたちの生き様を見ていただけると幸いです。
オオカミの森・ととりの村担当 原田 佳
死亡した「レラ」
令和6年8月3日朝、シンリンオオカミの「レラ(13歳)」がオオカミの森寝室で死亡しました。解剖の結果、心不全による死亡と診断しています。レラは7月27日に放飼場で動けなくなり、緊急で寝室に搬入後、心機能障害などの治療を行っていました。
暑い日が増えてきたなと思っていたら、あっという間に8月突入。北海道ではあと半月もすればスタッドレスタイヤやストーブのCMが流れる頃ですね。 さて、最近のもうじゅう館で変わったことというと、4月からのアムールヒョウのデンと未来の同居とアムールトラのザリアのプチ引っ越しでしょうか。 アムールヒョウのデンと未来は繁殖を目指して同居中です。同居は至って順調で、メスの未来の発情、そして交尾も確認できています。ただお互いに繁殖経験がなく、交尾も慣れていないようで、交尾が成立しているか?という場面が多いですが、あとは成功を祈りながら見守るのみです。
アムールトラのザリアですが6月末にもうじゅう館の旧ヒグマ舎に引っ越しをしました。寝室の環境には徐々に慣れつつありますが、外へ出るのはもう少し時間がかかりそうです。(ザリアはアメリカから旭山に来た時も外へ出るのに数ヶ月かかったらしいです。) 急いでもしょうがないのですが、担当者としては室内にいるより外に出て太陽を浴びて、プールに入ってのびのびしてほしいという気持ちもあります。。。 どこかのタイミングでは外に出ると思います。それまでもうしばらくお待ちいただければと思います。
もうじゅう館・フラミンゴ舎担当:若山晃暉
7月27日の午前にシンリンオオカミのレラが外の放飼場で横たわっているのが発見され、収容し治療および検査を行いました。 放飼場でノチウとワッカがレラの首元やお尻を噛んでいたこともあり、現場を見た方は攻撃されていると思われたかもしれませんが、レラに外傷はなく、おそらく他の2頭が弱っているレラを気にかけ優しく噛んで確認をしていたのだと思います。 レラは13歳と高齢で、一般的な体力も衰えてきていますが、妹弟のワッカ・ノチウとともに生活をしていました。
これまでの経過ですが、レラは3月頃から体調を崩すことが多くなりました。 日中寝ている時間も多くなってきたため検査をしたところ心臓に原因があることが分かりました。心臓の動きを良くするお薬を与えたところ回復が見られたため投薬を続けていましたが、日によって体調の悪い日と良い日がありました。それでもガイドの最後には歩いてきて、他の2頭と同じくらいの勢いでおやつを食べていました。
現在は寝室で点滴をし安静に過ごしていますが、ノチウとワッカが網越しにレラの姿を確認できるようにしてあります。 今日はヒナ肉も食べ、自分で体の状態を右下にしたり左下にすることができています。 今後も獣医と相談しながら、少しでもレラが快方に向かうように努力していきたいと思います。
シンリンオオカミ・ととりの村担当 原田 佳
8月のWEBカレンダーの動物はニホンザルです。
北海道以外の日本各地に生息し、ヒトを除くサルの仲間で最も北に生息しています。雑食性で、果実や木の実、葉、昆虫、小動物などを食べます。数等のオスとメス、子どもからなる群れを作り、オスは数年たつと違う群れに移動します。
個体に注目してみると、群れの中での立ち位置や、他の個体との関わり方、血縁関係などが発見できます。ぜひ、一緒に飼育している二ホンイノシシとの距離感にも注目してみてください。
30度を越える真夏日が続き強い日差しに肌がこんがりと焼けるような気がする、と思いきや今これを書いている外では落雷と共に雨が窓を強く叩く音が響いており何とも夏の不安定な気候に驚かされておりますが皆様いかがお過ごしでしょうか? 初めまして。
4月から旭山動物園で勤務しております、長屋と申します。 以前までは動物とはあまり関係の無い仕事をしていたので動物を飼育する、観察する日々が新鮮かつ楽しい反面、体力勝負!な仕事内容に己の体の悲鳴を聞きながら毎日全力で業務に励んでおります。 私はカバ、キリンを担当させて頂いておりますが、今回はカバでもキリンでもなく新たなメンバーについてお話させていただければと思います。 現在きりん舎のバックヤードでは、キリンとの共生飼育を目指してホロホロチョウを飼育しております。6月半ばに生まれたばかりの雛がやって来て1か月ほど経ちましたが、手のひらサイズだったひよこたちは今では両手でわしづかめるようなサイズにまで成長しました。
片手に収まってしまう程の小ささ
逃げ足が速く、かつ高く飛び上がることのできる強靱な脚力を持っているため、収容しているケージを軽々と飛び越え脱走し、部屋中を猛スピードで駆け回る姿を見てなんと肝の冷えたことか!まだ小さいから大丈夫だろうなどと思っておりましたが、想像していたよりもずっと成長が早くもうこんな事までできるのか!という驚きが日々絶えません。もちろん脱走防止のためケージには蓋を取り付けました。ひとまずはこれで安心です。
やって来たばかりのホロホロチョウ
現在のホロホロチョウ 画角に収まらないほど素早く、かつ高く飛びます
まだまだ羽が成鳥のものとは異なり茶色くふわふわとしたもので子供っぽさを感じますが、くちばしの先が色づいてきたり鳴き声がぴよぴよといった可愛らしいものからホイッスルを鳴らしたときのような鋭い声に変わってきておりからだの大きさ以外にも様々なところで成長を感じております。もう少ししたら切羽(風切り羽を切り、飛んで逃げるのを防ぐ処置)を行ってお外デビューもさせようかと考えております。 キリンと一緒に放飼して皆様にお見せできるのはまだもう少し先になってしまうとは思いますが、楽しみに待っていただければと思います。
きりん舎・かば館担当:長屋咲子
動物図書館から発行している「動物園だより」296号で実施した、 クロスワードパズルへのたくさんのご応募、ありがとうございました。 今年も、旭川市内を中心に道内、関東圏、関西圏、九州の方などたくさんのご応募いただきました。
(旭山動物園だより296号)
では「クロスワード」の答えを発表させていただきます。
答えは「ホッカイドウサン」でした。
そして、7月21日、坂東統括園長による厳選なる抽選を行いました。 (厳選なる抽選を行う坂東統括園長)
抽選で選ばれた10名の方には、近日中に賞品を発送させていただきます。
賞品は… 今年は4月にシマフクロウが、5月にエゾタヌキが誕生…ということで、 北海道で生きる動物の誕生が続きました。 クロスワードの答えは「ホッカイドウサン=北海道産」ということで、 エゾタヌキの何かにしようと考えていた結果、
(8頭生まれましたが10頭制作しました。10名様なので笑) 「こども牧場」で飼育しているヒツジの毛を使って作った 「羊毛 子ダヌキ」を作りました。 手作りなので、表情がみんな違います。 ※白い部分以外は市販の羊毛を使用しました
クロスワードに挑戦していただいた皆さん、ご応募、本当にありがとうございました! 当選者の発表は賞品の発送をもってかえさせていただきますことをご了承ください。
引き続き、動物図書館をよろしくお願いいたします!
投稿者:動物図書館 北川裕美子
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動物園内に「動物図書館」があるのをご存じですか?こども牧場の隣にある動物資料展示館の2階にあるんです。決して広くはありませんが、絵本・児童書・図鑑・専門書など、動物に関する本を2,500冊以上蔵書しています。開館時間中は、図書館スタッフが常駐しており、調べ物の相談をすることもできます。生きものについて興味や知りたいことがあれば、ここでその答えが見つかるかもしれません。 拾った羽根がどんな鳥のものか調べたいと来館された方に、原寸大写真図鑑をご紹介し、羽根の実物と図鑑の写真を照らし合わせて答えが見つかり、喜んでいただけたこともありました。生きものに関する「大きさ」や「色味」といった、インターネットで調べても正確なイメージを捉えづらい内容について調べる必要があったので、図書館資料が役に立ちました。 動物図書館だけにしかない資料もあります。歴代図書館スタッフ渾身の力作「おりがみえほん」は、動物の顔などを折り紙で折って貼り、楽しみながら園内の動物について学べる、持ち帰りOKの手作り冊子です。また、こうほう旭川市民「あさひばし」で毎月掲載している「動物園からの手紙」も第1号からのスクラップブックを作成しており、自由に閲覧いただけます。 動物図書館では、来園者が気軽に立ち寄っていただけるよう、スタッフによる絵本の読み聞かせや、『旭山動物園だより』、『あさひやまどうぶつえんみにだより』の作成、配布なども行っています。また、昨年から新たに設置している「だれのもの?」コーナーは、園内動物の貴重な毛や羽根を展示し、触れる体験ができたりと、老若男女問わず好評で、幅広く楽しんでいただいています。目的がなくても全然問題ありません。ふらっと立ち寄っていただくだけでも、きっと何か発見があると思います。来園された際は、ぜひ動物図書館にも足を延ばしてみてください。
令和6年7月22日
旭山動物園 沼田
夏の日盛りに木陰の恋しい季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。 昨年11月にこども牧場からの異動で、あざらし館の担当となりました、志子田と申します。 今回は、ゴマフアザラシにとっての一大イベント、繁殖期についてお話をしようと思います。 旭山動物園では、5頭のゴマフアザラシを飼育しています。その内、ぽちゃ丸、ましろ、麦が旭山生まれで、麦はぽちゃ丸の娘、ましろは麦の異母姉妹など、血の繋がりがあります。一方で、限られた場所での飼育となると、どうしても避けられない問題があります。同じペア同士が繁殖をし続けると、血が濃くなってしまい、近親交配の危険性も出てきてしまいます。そのため、2022年12月に、オスのマンタローと稚内市立ノシャップ寒流水族館生まれのオスのラッキーとの個体の交換がありました。 ゴマフアザラシは3?4月頃に繁殖期を迎えます。ラッキーが来てから初めての繁殖期を迎えた2023年は、メスと闘争があったり、オスとしてまだまだ受け入れられていないのか、求愛行動は見られませんでした。 しかし、2024年のラッキーは今までとは違いました!胸の辺りを震わせて水中でコンコンコンと音を出したり、大きな声で鳴いたり、メスが困ってしまうくらいずーっと傍に居るなどの求愛行動が確認できました。 そして、気になる恋の結果はというと…? ぽちゃ丸とましろのメス2頭との交尾が確認できました!はれてオスの役目を果たせたラッキー!よくやった!
交尾は水中で行います
ぽちゃ丸は何度も出産経験のあるベテランママですが、ましろは今までオスに相手にされたことがなく、もし出産となると初産となります。また、2021年の出産を最後に旭山動物園ではゴマフアザラシの仔は生まれていません。 出産シーズンは翌年3~4月なので、約4年振りの出産になるかもしれませんし、もしかしたら2頭同時に生まれる可能性もあります。しかし、まだまだ先のお話にはなりますので、まずは妊娠しているかどうか、ただただ祈るばかりです。 妊娠していた場合には、その後の経過についても皆様へお伝え出来ればと思います。それでは、お楽しみに!
何故かましろもくっついてきてゴマ団子に
あざらし館担当:志子田紗希
「モユク☆カムイ121号」が完成しました。
今回の表紙は、6月15日(土)・16日(日)に開催した動物墨画パフォーマンスの9作品。
「モユク☆カムイ」は動物園東門管理事務所、園内サポートセンタ-、動物図書館、こども牧場で配布しています。動物園にお越しの際は、手にとってご覧ください。
モユク☆カムイ121号へのリンクは
モユクカムイ121号(PDF形式 4,857キロバイト)
1・ぼくは動物大使 その82 北海道が誇るエリート家畜
2・特集 どうぶつ達の恋の季節~発情期の行動~
3・飼育研究レポート オオカミの生息地~いてローストーン国立公園に行ってきました~
4・2024年度 新人スタッフ紹介
5・主なできごと・編集後記・飼育動物数
モユク☆カムイは、園内(動物園東門管理事務所、サポートセンタ-、動物図書館、こども牧場)での配布のほか、郵送での取扱いも行っています。また、在庫があればバックナンバーもお渡しできますので、詳しくは旭山動物園(0166-36-1104)までお問い合わせください。
モユクカムイについての詳細はこちら
4月から新たにレッサーパンダ舎・マヌルネコ舎の担当になり、3ヶ月がたちました。 最初は同じに見えていたレッサーパンダたちの顔も毎日見ているとだんだんと見分けがつくようになりました。性格や行動パターンもそれぞれの個体ごとに違っていて、日々観察していると面白い発見がたくさんあり新鮮です。 さて、5月下旬にレッサーパンダ舎(アクリル側)に新遊具が完成しました。 予告などはしていませんでしたので、来園された方の中にはびっくりしたかたもいるかもしれません。
新遊具
きりん舎で以前使用していたものを再利用し、レッサーパンダたちが快適に過ごせるようにということで設置しました。簡易的な日陰としての役割もあります。 現在では、すっかりレッサーパンダたちのくつろぎスポットになっていますが、設置した当初は突如現れた新遊具に驚き一旦戻ってくる個体や、しっかりと確認した後におそるおそる登ってみる個体がいたりとそれぞれ新鮮な反応を見せていました。 野生では木の上で暮らす動物なので、高いところが落ち着くのか外に出ているほとんどの時間を新遊具で過ごしています。 来園された際はぜひ新遊具でくつろぐレッサーパンダたちを見ていただければと思います。
くつろぐ菫菫(ジンジン)
降りる菫菫(ジンジン)
くつろぐ蓮蓮(レンレン)
レッサーパンダ舎・マヌルネコ舎、タンチョウ舎担当 土井 尚哉
動物図書館のある動物資料展示館の前庭に、春、「だれかのはたけ」をつくりました。 (4月の閉園期間中に造成しました) 廃材で畑の枠を作り、 園内にある堆肥場から堆肥を運び、ダチョウの担当スタッフからは ダチョウの糞もいただきました。 堆肥を運んでいるときに土の中から出てきたカブトムシの幼虫の糞も、「はたけ」の土に入っています。 (カブトムシの幼虫は動物図書館で飼育中です) 5月15日、セリ科とマメ科、アブラナ科(2種類)のタネを植えました。 6月29日の「だれかのはたけ」はこんな感じ(朝、水をあげたのに昼には乾いていました)。
(アブラナ科とマメ科の「はたけ」 ) (セリ科の「はたけ」 ) アブラナ科とマメ科の「はたけ」 は、結構育っていて、だれかに食べられている葉があります。 セリ科の「はたけ」は、なぜか右の方の芽が出てきていませんが、まあまあ成長しているようです。 この日の朝、アブラナ科の葉の裏を見ると
(緑の幼虫が2匹います) 「だれか」がいました。それも2匹。ほかの葉にもいました。 何という虫の幼虫なのでしょう。とりあえず、現在は彼らの「はたけ」のようです。
あと、「はたけ」 のそばの昆虫ネットでは、ダチョウの放飼場にあるクリの葉にいた幼虫を飼育しています。 ちなみに、ヤナギにいた昆虫の幼虫は6月20日にサナギになりました。まもなく羽化します。
(どこにサナギがあるかわかりますか?)
ちなみにこのサナギは、幼虫時代にヤナギの葉を食べて育つ 「コムラサキ」というタテハチョウ科の昆虫のものです。
幼虫時代からサナギまで、ヤナギの葉に擬態しています。
これまでのしいくのぶろぐはこちら
「旭山動物園だより297号」では、 エゾタヌキの子どもやシマフクロウのヒナ、マガモ・カルガモのヒナの誕生についてなどを、
「あさひやまどうぶつえんみにだより130号」では「メス」について紹介しています。
ぜひ、園内を観察するときの参考にしてください。 旭山動物園だより297号へのリンクは 動物園だより297号(PDF形式 535キロバイト)
あさひやまどうぶつえんみにだより130号へのリンクは みにだより130号(PDF形式 4,827キロバイト)
「動物園だより」「みにだより」は、「動物図書館」のほか 園内の各門や「こども牧場」で掲示しています。 各門やサポートセンターではA4モノクロ版を配布しています。動 物資料展示館にはバックナンバー(A4カラー版)を配布しています。 動物園にお越しの際は手にとってご覧ください。
繁殖のためにバックヤードで飼育していたオシドリの卵が孵化し、3羽のヒナが産まれました。 初日はお隣のキンクロハジロの部屋に迷い込むというハプニングもありましたが、順調に生育し大きくなっています。
オシドリのヒナ
オシドリオス(エクリプス)とヒナ
オシドリのヒナはマガモ・カルガモのヒナと見た目がそっくりですが、頭の形が少し違うように思います。 今後来園者の方にも観察してもらえるように展示場の環境作りを頑張りたいと思います。
ととりの村・オオカミの森担当:原田 佳
旭山動物園では、4月にシマフクロウが誕生し、ととりの村では、現在カモのヒナたちがすくすくと成長していて、にぎやかな時期になりました。これらの動物に加え、こども牧場でもニワトリとアヒルのヒナが元気に成長しています。 まず、ニワトリは5月にふ化し、こども牧場のスタッフルームで羽が生え揃うまで飼育し、6月頃からニワトリ舎に引っ越しをし展示を開始しました。一方、アヒルのヒナは、6月に旭山動物園に来園したばかりで、ニワトリ同様に、今はこども牧場のスタッフルームで飼育をしています。まだ、公開はしていませんが、もう少し成長するとアヒル舎に引っ越しをする予定です。 ヒナたちでにぎやかになったニワトリ・アヒル舎をご覧いただければと思います。そして、ヒナたちの成長にもぜひご注目を!
日向ぼっこするニワトリのヒナたち
6月に来園したアヒルのヒナたち
こども牧場・教育担当:佐賀真一
7月のWEBカレンダーの動物はエゾタヌキです。
日本国内では本州や九州のホンドタヌキと北海道のエゾタヌキの2亜種が生息しています。雑食性で、ネズミや魚、カエル、昆虫、木の実など色々なものを食べます。
旭山動物園では『北海道小動物コーナー』と『北海道産動物舎』で飼育しています。
『北海道小動物コーナー』では5月に8頭の子どもが生まれました。巣箱から出て過ごしている時間も少しずつ増えてきていますので、ぜひ、家族の様子を観察してみてください。
お使いのパソコンのモニターのサイズ(ピクセル)を選んでクリックしてください。 カレンダー2407_16:9(画像形式(JPG) 2,013キロバイト)
カレンダー2407_16:10(画像形式(JPG) 2,179キロバイト)
本事業の進捗状況について広く発信し、開催に向けて機運の醸成を図ることを目的にホームページを開設しました。
情報を更新した際は、本園公式SNSでお知らせします。
6月21日(金) スイーZOOの考案が進んでいます(旭川市立大学短期大学部vol1)
6月1日(土) ホームページを開設しました
関係者による1stミーティングを5月27日(月)に開催しました
昨年に引き続き、カーボンニュートラルなど環境保全活動を推進する、地元企業の日本製紙株式会社の協力を得て、「美味しくサステナビリティ」をキャッチコピーに、「旭山スイーZOO」と称して、スイーツの事業を展開していきます。
この事業は、地元の食に関わるサステナブルな要素や、旭山動物園にちなんだ要素を取り入れたスイーツを考案いただき、今年10月の「旭山スイーZOOフェア2024」にて販売を行います。2025年5月30日から17日間の日程で「第28回全国菓子大博覧会・北海道 あさひかわ菓子博2025」が開催され、同期間中に「旭山スイーZOOフェア2025」を園内で開催することを念頭に、事業を展開して参りますので、フェア2024については、フェア2025で販売するスイーツの中間発表のような位置付けとなります。
持続可能な社会を作り上げていくためにはどのような取組が必要なのか、何が出来るのかなど、これまで本園で行ってきた事業とは違う「食」という視点から、環境保全やサステナビリティに対する興味や関心を広げたいと考えております。 幅広い年代の方が親しめる「スイーツ」というジャンルにおいて、新しい話題と魅力を創出し、これまで以上に多くの方にご来園をいただきたいと思います。
令和6年6月1日
旭川市旭山動物園 園長 田村 哲也
日本製紙株式会社が開発した木材由来の機能性食品添加物で、木を構成する繊維をナノレベルまで細かくほぐすことで生まれる、サステナブルなバイオマス素材。スイーツ自体にサステナブルな食品を使用することで、サステナビリティについて興味や関心を広げてもらうきっかけとなればと考えています。
日時:令和6年10月13日(日)・14日(月・祝) 13:00~15:00(時間帯は予定)
会場:園内3つの休憩所
今年の4月9日にシマフクロウのヒナが生まれ、旭山動物園でのシマフクロウの繁殖は3度目となりました。過去いずれも♂ロロ×♀モコのペアでの繁殖です。 同じペアからの繁殖が多くなると、国内の飼育下シマフクロウ個体群のなかで血統の偏りが生じてしまうため、今回の繁殖がこのペアでの最後になるかもしれないと思っていました。実績十分のこのペアに任せておけばヒナが生まれるのは確実なのかもしれませんが、野生下のシマフクロウの現状を考えた時に、ただ飼育下でヒナが生まれ個体が増えるだけよりも、将来的にシマフクロウの保全に繋がるような取り組みにしたいと思い、人工孵化を実施しその生まれたヒナを巣に戻すことを行いました。 これは例えば何らかの原因によって巣が放棄され、卵の状態やヒナの状態で保護される、野外で絶滅しそうな時に飼育下の卵やヒナを野生の巣に戻す取り組みに繋がる可能性があります。そのような状態にならない方が良いにこしたことはないですが、将来的にライチョウやツシマヤマネコのように野生下と飼育下、域内と域外が連携した野生動物の保全の取り組みを目指したものです。 実際に生体や卵を移動させたりといった具体的な取り組みはまだありませんが、普及啓発の面では域内と域外の連携はすでに動き出しています。今年の春から環境省主導のもと普及啓発連携チームが制作したパネルが旭山動物園のシマフクロウ舎に展示されています。とても充実した内容でわかりやすくまとまったパネルに仕上がっていますので是非来園された際にはじっくりと目を通していただき、シマフクロウを取り巻く環境や自然のことについて興味を持っていただければと思っています。このパネルの展示に関しては、さらに設置箇所や内容も増えていく予定になっています。 今後のシマフクロウの保全に向けた域内域外、官民一丸となった動きに期待が高まります!
最近のヒナの様子。親は心配そうにしていますが、高いところにも移動するようになりました
域内域外連携チーム作成のシマフクロウに関するパネル。 野外でのシマフクロウの状況や保全活動についてなど読み応えありの力作!
フクロウ・えぞひぐま館担当:大内章広
4月から動物園で働いている小西と申します。 こども牧場でヒツジを担当させていただいていますが、ヒツジとはどんな動物なのか?と調べることから始め、今ではすっかりヒツジの虜になっています。 ヒツジと聞けば、モコモコの暖かそうな羊毛に包まれている姿を想像すると思います。 こども牧場のヒツジたちもモコモコの羊毛をまとっており、触るととっても柔らかく、まるで布団のような心地よさを感じることができます。 しかし来る夏の暑さに備え、5月末に"毛刈り"を行いました。 毛刈り前は毛が多くて痒いのか、自分で柵に体を擦り付けて上手に体をかく姿を目にしましたが、毛刈り後はサッパリ・スッキリし、足取りも軽やかになったように見えます。
毛刈り前でモコモコのユノ
毛刈り後のスッキリしたユノ
しばらくはモコモコの羊毛が見られず、少し寂しい気がしますが、毛のないヒツジは今の時期しか見ることができませんので、どんな体をしているのか、じっくり観察してみてください! そして、こども牧場には今年の2月に生まれた仔ヒツジの「ナツメ」がいます。私がヒツジの担当に就いた頃のナツメは、まだ哺乳瓶でミルクを飲んでいる赤ちゃんでした。 仔ヒツジの成長と共にお母さんヒツジの母乳は少しずつ出る量が減っていき、やがて出なくなって離乳となります。同じようにナツメの成長にあわせ、ミルクの量を減らし離乳しましたが、授乳の時間になるとミルクを欲しがり鳴くので、私も飲ませてやりたい気持ちをぐっと堪えて、無事に卒乳できました。 それからのナツメは青草のおいしさを知ったのか、放飼場内に生えている雑草を食べ歩き、 時には柵の間から顔を出し、場外の草をつまみ食いするほどに…。 6月から、餌として青草を与えはじめましたが、大人のヒツジやヤギに負けず劣らず、モリモリ食べている姿は、もう赤ちゃんではなく立派なこどものヒツジです。 だんだんと体も大きくなってきて、ほんの少しだけ貫禄を感じるナツメの成長を皆さんにも見守っていただけると嬉しいです!
嬉しそうに尻尾を振りながらミルクを飲むナツメ(4月頃)
たくさん草を食べて成長中のナツメ
こども牧場担当:小西彩夏
5月11日にエゾタヌキの「うみ」が出産し、約1か月がたちました。8頭のこどもたちは順調に育っており、数日前からは親について巣箱の外へ出てくるようになりました。 今回はカメラを設置した巣箱で出産してくれたので、出産当日の様子から録画することができています。5月25日に別の巣箱へ引越しをして鳴き声だけの生存確認になり少し心配していましたが、6月1日に元の巣箱に戻ってきたので、録画による確認がまたできるようになりました。 録画を見ていると、父親の「こたろう」とこどもたちだけで過ごす時間がけっこうあることがわかりました。また、私が巣箱に近づくと警戒して怒るのはこたろうです。(うみもまったく警戒しないわけではありませんが) 夫婦で子育てをすることは知ってはいましたが、こんなにも父親が関わる姿に驚いています。
子を抱いて眠るこたろう
6月8日撮影
今後はこどもたちが外で過ごす時間が増えてくると思うので、たくさんの方にエゾタヌキの家族の様子を観察していただけると嬉しいです。
それともうひとつ、今年3月にアライグマの「もり」亡くなり、4月からは新入りの「しんしん」(オス)を飼育展示しています。今年3月に旭川市内で捕獲された個体で、年齢は不明ですが若そうな印象です。まずは環境に慣れてもらうことを優先しているので、放飼場には隠れられる場所を作っているため、姿が見えない時間もありますがご了承ください。といっても、最近はモート(脱走防止の堀)にいることが多く、姿は見やすくなっています。何度も下りるので、現在はハシゴを常設していつでも上り下りできるようにしています。
しんしんを通して、旭川でのアライグマ問題にも関心を持っていただけると嬉しいです。
モートにいるしんしん
北海道産動物舎、サル舎担当:佐藤和加子
4月8日からの約20日間にわたる休園期間は、飼育員にとって一年で最も忙しい時期となります。一日のスケジュールとしては、まず午前中に各担当動物の飼育作業をあらかた終わらせ、13時から2時間の共同作業。砂や砂利をねこ(一輪台車)で運び入れたり、放飼場の改善やプール掃除などやること満載です。放飼場の改善は太い丸太を立てたり組んだりと、なかなかの力仕事です。ライオンの放飼場に組んだ丸太のお立ち台は必見です。また今年はチンパンジーやオランウータンなどサルの仲間に消防ホースを編んだハンモックの設置が流行しました。あまりの売れ行きに在庫のホースがなくなる勢いでした。「みんなくつろいでくれるかなぁ?」共同作業が終わったら動物の収容や給餌などの飼育作業をこなし、今度は看板の更新です。旭山動物園は各担当者が手書きでパネルを書くのが伝統です。手書きには温かみがあり、担当者の想いがより伝わりやすいと感じています。ぜひご覧ください。 そしてこの時期、動物たちにもいろいろな動きがありました。主なところではゴマフアザラシの交尾、ホッキョクグマのホクトとピリカの同居、アムールヒョウのデンとみらいのペアリング、シマフクロウのふ化など、皆さまに明るいニュースと命の輝きをお届けできるよう奮闘します。そんなこんなであっという間に夏期開園日です。ゴールデンウィークは好天に恵まれた日が多く、来園者のはじける笑顔を見ると4月の苦労も吹っ飛びました。 この日記が掲載される頃にはは過ごしやすい気候になっていることでしょう。ぜひ初夏の旭山で輝く動物たちに会いに来てくださいね。
令和6年6月11日
旭山動物園 中田
ととりの村では、「赤ちゃんがいる!」「かわいい!」と言う声が聞こえる季節がやってきました。 最初にカルガモのヒナが孵化し、母鳥の後ろをついて泳ぐ4羽のヒナが見られました。 母鳥がしっかり面倒を見て順調に育っているようです。 一方その3日後くらいに孵化したマガモのヒナは、母鳥の後をついていかないヒナが1羽いて、人が歩く道の方へ走っていくヒナを母鳥が追いかけていく様子が見られ世話に苦労しているようでした。 カモのヒナたちは孵化するとすぐに泳いだり自力で食べ物を食べることができますが、採食場所までの誘導、危険から逃れるための警戒、雨の日や寒い日に自力で保温することができないため母鳥のお腹や羽の下に入って温まるなど、しばらくは母鳥の世話になります。 そんな親子の様子を観察したり、マガモとカルガモのヒナの違いを見つけたり、今年はモニターで巣箱の中の様子も見ることができますので、ぜひ観察してみてください。
カルガモのヒナ(左)とマガモのヒナ(右)
カルガモの親子
ととりの村・オオカミの森担当:原田佳
6年やっていた小獣舎(レッサーパンダ・マヌルネコ・ホッキョクギツネ)の担当も変わり早1カ月。 現在はカバとキリン、引き続きの両生類は虫類舎を担当しています。未だに、ふとした時に自然と小獣舎の作業をやるために体が動いており、そのたびに「あぁ、もう担当じゃないんだった」と我に返り、6年のルーティーンというのは恐ろしいものです。 担当が変わり初めて尽くし、、、と言いたいところですが、キリンもカバも代番(担当者が休みの時の担当)として通年やっていたことがあるので、基本的な作業自体は履修済ということになります。その分、自分が担当になった時はこうしたいというのをようやく出来る機会が来ました。 やりたいことを語っていく前に、まずはゲンキとあさひのお話を。昨年までゲンキとあさひは放飼場で同居していました。今期からは別々で展示をしています。 ゲンキに関しては、過去にメスの陰部が気になりすぎて、首を下げ前傾姿勢のまま活動していたことにより肩を痛めて以来、定期的にぶり返し、そのたびにケアを行っています。また、協力的なこともあり削蹄も行えています。
あさひに関してですが、先天的な骨格の変形によって、股関節が外側に開き、蹄の付け根などの関節の腫れがみられ、全体的に体重も後ろにかかっています。これは完治するものでもなく、手術云々以前にキリンの場合は麻酔を打つこと自体が、死に直結する可能性が段違いです。ゲンキはまったく悪気があるわけではなく、むしろあさひのことが大好きなので首をスリスリしに行くのですが、それが万全ではないあさひにとっては負担になるため別居をしています。もちろん、完治するものではないから放置というわけではなく、投薬や寝室の床材を砂と乾草に替え脚への負担を軽減するとともに、足元の湿度を上げ蹄が自然と削れるようにしています。また、それでもある程度の蹄のケアは必要になるので、そこに行き着くまでのトレーニングも継続して行っています。 繰り返しになりますが、これは完治するものではありません。これから体が成長するにしたがって、脚への負担も増えていくので、できるケアは積極的に行いあさひが少しでも快適に生活できる時間を長くしていきたいです。
あさひ初めての新寝室
さて、ここからは担当としてやりたいことですが、まずは共生展示。きりん舎かば館は「大きな生物の足元には小さな生き物がいて、初めて生態系が成り立つ」というコンセプトがあります。そのため、キリンとカバの足元が見れる下階にアフリカの昆虫や両生類などが展示されています。前まではキリンはホロホロチョウとモモイロペリカンも一緒に放飼していました。先にも述べたように、ゲンキとあさひは単独での展示になりますが、本来の野生下では色々な刺激を受けながら生活しています。小さな生き物で直接干渉せずとも、同じ空間に他の生き物がいるだけで精神的にも得られるものがあると考えています。 カバでもアフリカに生息している魚を入れれるよう調整中です。カバの糞がエサになったり、カバの皮膚をつついたり、本来の生き物間の作用を期待しています。 また、展示物に関しても文字だけでなく、より五感に訴えるような半体験型の展示物を随時作成しています。ただ文字を追うだけでなく見て触れて子どもも興味を持つような展示物が必要だと感じています。パネルに関しては、まずはパッと見て目につくような絵本味のある素晴らしい物をキリンカバの他の職員達が作ってくれました。
コンセプトアート
他にもシンプルに自分が驚いた物として、マイナーな需要ですが濡れたキリンの蹄の展示を行いたいです。濡れると手で曲げられるほど蹄が柔らかくなり、湿った放飼場を歩くことで立体的に蹄が削れると同時に、関節が前後左右に柔軟に使われることで硬い場所だけ歩いているよりもよっぽど脚の健康につながります。幸いぬかるむような床ではないですし、放飼場に水たまりができ歩くコースが変わるのも担当的にはありがたいことです。どうしても雨の日の動物を見ると可哀想という声が聞こえてきますが、雨の日には雨の日なりに色々なポジティブな効果があります。そういったこと含め濡れた蹄と普段の蹄を展示したいと思っています。あと、めっちゃ臭いのも感じていただければと思います。 そして、一番必要だと思っているのが屋根です。一度ゲンキが首を挟めた関係で、放飼場の雨よけを撤去しているため、雨が降ると小さなくぼみに収まらない体を詰めているのを見て、なんだかなぁと思っていました。屋根を付ける位置はもちろんのこと、キリンに破壊されない耐久性、絶対に首が挟まらないような構造、旭川の積雪量を考慮した形状など様々な要因が絡んでくるため、色々と調整を行っているところです。
文字ばっかは良くない旨を語りつつ文字量多い文章を今書いていますね。 ありがたいことに多くのマヌラー(マヌルネコファン)とレサラー(レッサーパンダファン)の方から「担当変わっちゃったんですね」とのお声をいただきます。これからもジララーとヒポラーから同じ言葉をかけられるよう、誰よりも楽しみながら動物と向き合っていきたいですね。
旭山動物園では幼児及び児童の描画教育と動物愛護精神の向上を図るために、児童動物画コンクールを実施します。多くの皆様の応募をお待ちしています。
実施要領(第56回)(PDF形式 130キロバイト)
旭山動物園内の動物及び風景
幼児の部、小学校低学年の部(1~3年生)、小学校高学年の部(4~6年生)の3部門で募集します。
令和6年6月20日(木曜日)~令和6年8月20日(火曜日)
規格外の作品は審査対象となりません。
四つ切(54.2cm×38.2cm)
幼児の部では八つ切(27.1cm×37.9cm)でも可
クレヨン、水彩、パステル類その他これに類するもの
次の応募用紙に必要事項を記し、画用紙裏面に貼り付けて、東門管理事務所(東旭川町倉沼)にご持参または郵送によりご提出ください。
応募用紙(PDF形式 76キロバイト)(団体用)
※個人で御応募される場合もこちらの応募用紙を御利用いただいて構いません。もしくは、応募チラシ裏面の応募用紙を切り取って御利用ください。
受賞作品は本園及び本コンテスト協力団体等で展示する場合がありますので、あらかじめご了承ください。
ご応募いただいた動物画につきまして、審査会を開催して受賞作品を決定します。
北海道新聞社旭川支社長賞
旭川しんきん賞
国際ソロプチミスト旭川わくわく動物賞
旭山動物園くらぶ賞
旭山動物園賞
審査員特別賞
計 22点(全部門合計)
審査会終了後、本園ホームページにて発表するとともに受賞者全員に通知します。
令和6年9月29日(日曜日)
本園で展示会を行うほか、本コンクール協力団体において別途展示会を行う場合があります。本園以外の展示に際しては、別途本ホームページでお知らせいたします。
応募作品は全ての全展示会終了後に返却いたします。
ふと気づくともう6月になっており、もう1年の半分が終わろうとしていることに驚いています。
4月からオランウータンの担当になり、モリトとモカとの日常も少し馴れてきた様に感じます。モリトは16歳になり、大人のオスの特徴である「フランジ」と「のど袋」が大きくなってきています。モカは8歳になり、顔はまだあどけないのですが、体はぐんぐんと大きくなってきています。
4月の閉園期間中はオランウータン館のレイアウト変更を行っていました。消防ホースを張り巡らせたり、ハンモックを作ったり、丸太を立てて穴を開けて中にエサを隠せる様にしたり、、、。オランウータンならどんな風に使うのかな?と想像しながら工夫をしたのですが、実際に使っているところを見るとうれしくなります。
今後も色々とオランウータンたちがびっくりするけれど楽しめるような展示ができるように工夫していきたいと思います。
大人っぽくなってきたモリト
何にでも興味津々なモカ
おらんうーたん館担当・獣医師:佐藤伸高
6月のWEBカレンダーの動物はヨーロッパフラミンゴです。
地中海沿岸、シベリア西部、インド北西部およびアフリカに分布しています。大型のフラミンゴで、全長110センチメートルになり、羽の色は白っぽく、くちばしの基部や脚がピンク色をしています。
フラミンゴ舎では、ヨーロッパフラミンゴのほかに生息地の異なるチリフラミンゴ、ベニイロフラミンゴの全3種を飼育しています。それぞれのフラミンゴの特徴を比較しながら、じっくり観察してみてください。
お使いのパソコンのモニターのサイズ(ピクセル)を選んでクリックしてください。 カレンダー2405_16:9(画像形式(JPG) 2,013キロバイト)
カレンダー2405_16:10(画像形式(JPG) 2,179キロバイト)
夏期開園がはじまり、初夏の風を感じながら過ごしている動物図書館です。さて、もう来館いただき体験された方はご存じかと思いますが、今年の夏期開園から新しい体験コーナーが登場しました! 「だれのもの?」コーナーをご紹介いたします。
「だれの毛?」コーナー
モフモフしていて触ってみたい~!という声が数多く寄せられている「ユキヒョウ」や、百獣の王「ライオン」のタテガミ、園内に響く遠吠えの主「シンリンオオカミ」などなど、たくさんの「毛」を集めてクイズにしました!ここでしかさわれない猛獣たちの貴重な毛にふれ、毛の役割について学んだり、強いては彼らの故郷に想いを馳せてみてはいかがでしょうか?
次に紹介するのは「だれのはね?」コーナー
美しい色や柄がたくさんあり、見た目もとても華やかで人気があるコーナーです。飛ぶため、目立つためなどなど、「はね」ってこんな役割があったんだ!と改めて感じてもらえること間違いなしです!
そして、昨年に引き続き人気の「だれのうんち?」コーナー
いろいろな動物の「うんち」取りそろえております。
いずれのコーナーも触れて体験できるものとなっています。楽しめること間違いなしです!
ぜひ旭山動物園へお越しの際は、動物図書館へお立ち寄りくださいね!
満開だった桜も散り、初夏を迎え新緑が増えて北海道にも短い夏がやってきます。先日、旭山に近い桜岡の田んぼにつがいのタンチョウがエサをついばんでいる姿を通勤途中に見られました。旭川で私も初めて見ることが出来、タンチョウを担当していたこともありうれしくおもいます。 チンパンジーたちも天気の良い日は屋外で日光浴ができ気持ちよさそうです。 室内外や寝室に消防ホースを利用したハンモックを設置しました。ハンモックを利用してくつろいでいる姿が見られればと思っています。また屋外にはエサを取る様子が見られる場所が何カ所かありますが、室内にもそのような場所ということで丸太や消防ホースを取り付けました。丸太には穴を開けエサをいれたり消防ホースにエサを隠したりしてチンパンジーが道具を活用する様子も観察できればと思います。
(消防ホースを利用したハンモック)
(丸太や消防ホースでエサを採るようすが見られるかも)
(ちんぱんじー館担当 髙井正彦)
5月11日にゆっくりロードのエゾタヌキ舎で飼育しているエゾタヌキの「うみ」が出産しました。 巣箱にカメラを設置して子育ての様子を観察しています。 仔は8頭の姿を確認しています。
生後1ヶ月頃から外へ出てくると思われます。 巣箱の中での様子はSNSでご紹介する予定です。
巣箱の中のうみとこどもたち(5月14日撮影).JPG
死亡した「だいち」
こども牧場で飼育していたラブラドールレトリバーの「だいち」(オス、6歳)が2024年5月16日に死亡しました。4月上旬に体調を崩し、検査の結果、腎臓の状態が悪く、腎機能障害と診断し治療を行っておりました。解剖の結果、腎不全による死亡と診断しています。 2017年12月2日生まれで、2020年4月9日に来園した「だいち」はとても人なつっこく、こども牧場や園内を散歩している際にも多くの方に愛された個体でした。
園内での宿泊を通じて、普段では感じられない動物の表情や音、匂いそして風景など、旭山動物園を深く体感してもらい、これまでとは違った角度から動物に触れることによって、深く動物や環境保全への関心を高めてもらうことを目的とします。
主催 NPO法人旭山動物園くらぶ 旭川市旭山動物園
令和6年9月14日(土)・15日(日)1泊2日 15時 集合 翌日9時30分 解散(予定)
※当園までの移動に係る交通費及び宿泊費等については、各自で御負担ください。
旭川市旭山動物園内(宿泊場所は展示館内を予定)
持参いただく寝袋にて就寝します。荷物の詳細は、参加者に別途お知らせします。
2,000円(夕食、朝食ほか代金を含みます。)
参加申込書の内容を踏まえ検討を行うため、現時点においては決まっていません。 園内で宿泊するからこそできる出来る内容にしたいと考えています。
小学校第5・6学年の児童
10名
※参加申込者が定員を超えた場合は抽選を行って参加者を決定します。
GWが終わり、桜も散り始めていますが、これを書いている日はなんと市内で雪が降りました。さすが北海道です。 はじめまして。今年の4月から飼育担当となった櫻井と申します。 いままでデスクワークをしてきた体にムチを打ち、ヘロヘロになりつつなんとか4月を乗り越えました(旭山動物園は4月が超ハードなのです)。
私はエゾモモンガ、エゾリス、野鳥、カラス、エゾユキウサギなど、北海道に生息する動物たちを担当しています。
北海道産動物舎の中にある北海道の野鳥は、展示のレイアウトを一新しました。 獣舎の中には大きな丸太が5本立っていたのですが、アカゲラ達がたくさん開けた穴がぽっかりと空いており、これ以上突っつくところがなさそうだったので、飼育員同士で協力し合って運びだし、新たに丸太を入れました。 先輩職員に教えてもらいながら中央にはせせらぎを設置し、池もできました。やっぱり水の流れがあると雰囲気が出て「良い感じ」になったのでは!?と思います。
新たに追加したせせらぎと池。鳥が水浴びをします。
池ができたのでオシドリのペアも仲間入り。 オスの飾り羽が非常に綺麗ですが、この羽も夏には抜け落ち、雌と同じような色合いになります。
手前が雌、奥のカラフルなのが雄 この鳥、なんか見たことあるけど名前は知らないなーってことありませんか?私も足が細くてちょこまか歩く白黒の鳥が「ハクセキレイ」という名前だと、飼育担当になるまで知りませんでした。 ここにいる鳥たちは北海道の身近な鳥です。野生でも見ることはできますが、改めて観察するとみんな個性が豊かで、ここでぼーっと鳥たちを眺める時間が好きです。
こちらがハクセキレイ
憧れの飼育員になって約1ヶ月、覚えることもたくさんありますが、動物が近くにいる環境で働けることに喜びを感じます。 来園された方に北海道の動物の素晴らしさを伝えていけるよう、日々邁進していきます!
作業中、頭上にいてびっくり 北海道産動物舎、モモンガ舎ほか担当:櫻井 結夢
4月から旭山動物園の園長となりました田村です。これから坂東統括園長とともに「二人三脚」での体制となります。どうぞよろしくお願いします。今後このコーナーは、何名かのスタッフによる持ち回りで書かせていただきます。 さて、この原稿を書いているのは冬期開園が終了し、休園期間となったばかりの時期です。新しい仲間(職員)も入り、慣れない環境で頑張ってくれています。休園期間は何かと慌ただしいです。冬仕様から夏に衣替えするだけでなく、施設のメンテナンスや修繕が目白押しです。飼育スタッフは手書き看板の更新や放飼場のアレンジと、動物の魅力を伝えるのに工夫を凝らす時期でもあります。開園間近になるとその慌ただしさがピークを迎え、そのまま一気に年間で最も混雑するゴールデンウィークに突入です。この日記が更新される頃には、山場を越えて少し一段落できるので、入って来た職員が仕事のペースを掴めるのもようやくこの時期からです。 私事ながら、動物園勤務も6年目を迎えました。それまでの勤務場所と違って、動物園に来てからは圧倒的に季節を感じるようになりました。通勤時の車窓から見る景色の移ろいに心を動かされることも少なくありません。もちろん園内も季節感満載です!春の桜に始まり、新緑の木々、蝉の鳴き声、鮮やかな紅葉、初雪の凜とした美しさ、どれもが街中にいるもよりもずっと深く感じられます。 たまに動物園に来られると、せっかくだからといろいろな動物を駆け足で観てしまいがちですが、観る動物をできるだけ絞って、ゆっくりコーヒーでも飲み、その時々の季節を感じながら公園のように過ごすのもお勧めです。旭山動物園は、地元の誇れる施設として思っていただけるだけでなく、皆さんに身近な存在でありつづけたいと思っています。どうぞお気軽に足を運んでください。
令和6年5月7日
閉園期間中の4月8日にシマフクロウのヒナが1羽ふ化しました。当園では初めての人工ふ化での繁殖になります(人工孵化は国内の施設では釧路市動物園で2例(1998、2006年)があります)。今回のペアは、ロロ(オス:1996年釧路市動物園生まれ)とモコ(メス:野生由来、右目失明)で、2月末に産卵した卵になります。
誕生したヒナは、孵化後5日目に親鳥の巣箱に戻し、現在は親鳥が順調に世話を行い生育しています。 今回の人工孵化については先行して実施されているライチョウやツシマヤマネコのように、動物園が積極的に国内の希少野生動物の保全に関わっていくために、あらゆる可能性を考慮し飼育下で様々な事象を実施、検証することで、知見や技術を積み重ねシマフクロウの保全に寄与することを目的として実施しました。
4月13日 巣に戻した日の様子
現在飼育下では個体群の遺伝的多様性の維持、確保が課題となっています。野生下で個体数の少ないシマフクロウが飼育下に新たに入ってくることは稀なことなので、現在飼育している個体で維持していかなければなりません。ただ、同じ個体(ペア)での繁殖に偏ってしまうとあっという間に多様性は失われてしまい、個体群を維持していくことが困難になってしまいます。
5月1日のヒナの様子
4月27日の夏期開園日は気温が28.4度まで上がり、夏のような陽気でしたが、 翌日は14.7度までしか気温が上がらず、しかも太陽が出ない曇り。動物図書館ではストーブをつけました。
そんな寒い日でも力強く咲いているサクラ。 園内では、ダチョウの放飼場内のエゾヤマザクラが4月20日に開花し、 その後に続くように園内各所で咲き始めました。 ダチョウの放飼場内のエゾヤマザクラは、色がとても濃いです。 4月28日現在、この木は満開となっています! 園内には、さる山の横の坂は並木、マヌルネコ舎の横や、第2こども牧場のブタの放飼場内、 北海道産小動物コーナーなど、いろいろな場所にサクラが咲いています。
黄色い花も咲いています。両生類・は虫類舎そばの野草園ではエゾノリュウキンカが満開。 エゾスジグロシロチョウが花に訪れていました。 園に訪れた際には動物観察と一緒に春の花もお楽しみください。
さて、先日、夏期開園にあわせて、旭山動物園だより・みにだよりの最新号を発行しました。 「旭山動物園だより」は、夏期開園第一号恒例となったクロスワードパズルとなっております。 旭山動物園や生き物、自然に関する問題となっております。園内で無料配布をしておりますが、来られない方は、ファイルをダウンロードしてご利用ください。
「あさひやまどうぶつえんみにだより」では、いろんな生きものの姿や 過ごし方が変わる「春」を紹介しています。 園内で飼育している生きもののほかに植物や昆虫も紹介しています。
ぜひ、園内観察の参考にしてみてくださいね。
「旭山動物園だより」はこちらからダウンロードできます(新しいウインドウが開きます)
「あさひやどうぶつえんみにだより」はこちらのページからダウンロードできます。(新しいウインドウが開きます)
「モユク☆カムイ120号」が完成しました。
今回の表紙は、「アズマヒキガエル」。
モユク☆カムイ120号へのリンクは
モユクカムイ120号(PDF形式 9,819キロバイト)
もくじ
1・ぼくは動物大使 その81 もっと知ってほしい身近なカエル
2・特集 坂東園長からのごあいさつ
3・飼育研究レポート マレーシア・ボルネオ島現地訪問報告~ボルネオ恩返しプロジェクト~
4・旭山動物園が博物館になりました
園内での動画・写真の撮影やその公開において、他の来園されている方に迷惑を与える事案が多数生じており、また園内を利用した営業行為に対して適正に対応するため、令和6年度の夏期開園から、次の取扱いとさせていただきます。 なお、来園者が撮影された動画及び画像を起因とするトラブルに関して、本園では一切責任を負いませんので、ご承知おきください。
●園内での動画撮影 ・商用・収益を目的としたオンデマンド配信 ・全てのライブ配信 は禁止とさせていただきます。
●園内での写真撮影 ・撮影した写真を商用・収益目的で使用する場合は、事前に手続きが必要となります。
令和6年4月25日 旭川市旭山動物園 園長
この度、旭山動物園のホームページをリニューアルしました。
もぐもぐタイム・ワンポイントガイド等のタイムスケジュールは、ホームページ及びX(旧Twitter)にて更新しておりましたが、ホームページのリニューアルに伴い、ホームページ上のみでの更新となります。
その日のスケジュールは、イベント・本日のスケジュールからご確認ください。
もぐもぐタイム・ワンポイント等のタイムスケジュールが、上記ページに反映されない不具合については、解消しました。
令和6年4月27日(土)から令和6年度の夏期開園がスタートします。
今シーズンで57年目を迎えますが、これまでには多くのチャレンジがあり、また多くの方々の支えがあり、現在の旭山動物園があります。職員一同、歩みを止めることなく、動物に向き合い、来園者や応援してくださる皆さんにしっかりとメッセージを届けてまいります。 また、今年2月に登録博物館の認定を受けました。将来のゼロカーボンZOOに向けた取組も本格的にスタートします。多くの役割や可能性が期待される中、今まで以上に幅広く様々な活動に取り組んでまいります。
令和6年4月25日
旭川市旭山動物園長 田村 哲也
【通常開園】
令和6年4月27日(土)から10月15日(火)まで
午前9時30分から午後5時15分まで(最終入園は午後4時まで)
令和6年年10月16日(水)から2024年11月3日(日・祝)まで
午前9時30分から午後4時30分まで(最終入園は午後4時まで)
【夜の動物園】
2024年8月10日(土)~2024年8月16日(金)※予定
午前9時30分から午後9時00分(最終入園は午後8時まで)
5月のWEBカレンダーの動物はホッキョクグマです。
北極周辺の陸地や氷上を活動エリアとしているクマ科の大型哺乳類です。「海辺にすむ」という意味をもつ学名"maritimus"が示す通り大きな体ながら泳ぎが得意で、クマ科では唯一の海洋性です。そのため他のクマよりも体が長く泳ぎに適した流線型の体型をしています。
「ほっきょくぐま館」には2つの放飼場があり、巨大プールのある放飼場ではその泳ぎだけでなく、足の裏や毛並みまで、間近に観察することができます。柵のない放飼場では、「シールズアイ」からホッキョクグマの獲物であるアザラシの目線で観察することができます。
ぜひホッキョクグマの大きさや能力を感じてください。
坂東前園長の思いが込められた
モニュメント
先日、市内で行われたヒグマの冬眠調査に同行してきました。さすがに冬眠穴は見つけられないので、冬眠から目が覚めて雪の上に足跡がないかを調査しました。冬眠明けのヒグマがいれば水を求めて移動するはずなので、冬眠しているであろう山と渓流の間の斜面を歩き、横断する足跡を確認するという作戦です。調査地では足跡を確認することはできませんでした。思ったより雪が深くまだ冬眠中の可能性が高いと思われました。今年は春期捕獲も施行されることとなっておりヒグマとの関係に変化の兆しが出るのか注目です。 冬期開園も無事に終わりました。想定よりも来園者が多く、特に海外からの来園者の多国籍化が進んでいる印象でした。冬の北海道の観光はこれからますます伸びるでしょう。動物園として楽しんでもらうこと+気づいてもらうことを充実させていかなければと思います。もぐもぐタイムの解説に英語を交えるなど皆それぞれに試行錯誤しながら前向きに取り組みを始めています。 そういえば、博物館法が改正されたのを機会に、旭山動物園は登録博物館を目指し申請をし登録博物館となることができました。今までは博物館に相当する施設と言った曖昧な位置づけだったのですが、国が認める正式な博物館(ミュージアム)となることができました。収蔵物(動物)の展示手法や研究、来園者へのガイドなどの手法、外部との連携や活動が評価されました。動物園は地球の命を扱う貴重な博物館だとの思いがずっと昔からあって、20年以上前に建てたぺんぎん館から現在に至るまで各館のモニュメントには密かに○○ミュージアムと英語で表記していました。百数十万人が訪れる地方の博物館は数えるほどしかないはずです。もちろんこれはスタートラインなのですが、改めて動物園の役割を見直しより充実した動物園(ライフミュージアムかなぁ)を目指していきます。
令和6年4月7日
旭山動物園 統括園長 坂東 元
チンパンジーの「タケル(18歳)」が4月2日の朝、死亡していました。 タケルは、ちんぱんじー館で2頭のオスのチンパンジー(ピースケ22歳、コースケ15歳)と同居飼育し展示していました。
過去にもチンパンジー同士の闘争や、それに伴う外傷はありましたが、2024年1月頃から「ピースケ」から「タケル」への攻撃時の執拗さが強くなる傾向が認められていました。 3月25日頃より元気、食欲も低下傾向でしたが、寝室と屋内展示場の移動は他2頭と共にしており、前日も同様でした。
そして、4月2日の朝に飼育担当者が屋内展示場床で死亡した状態で発見しました。 解剖の結果、闘争による外傷性ショックによる死亡と診断しております。
最近のオオカミの森では春の日差しが気持ちいいのか、レラ・ワッカ・ノチウの3姉弟が雪が溶けて出てきた土の上でよく寝ています。オオカミたちが暮らす放飼場を掃除しながら歩くと、緑の芽が生えてきているところもありやっと冬が終わったなと感じます。 今年は長女のレラが13歳、次女のワッカが10歳、末っ子のノチウ(オス)が9歳になります。3頭は4年前に父親のケンが死亡してから少しずつ関係性を築いてきました。 ケンがいなくなってから、リーダーとして他の2頭を気にかけてきたノチウ。 1年ほど前にレラとワッカに麻酔をかけて検査をしたことがありました。検査が終わり、レラとワッカがいる寝室の隣にある通路をのぞくと、寝室と通路の間にある仕切りにぴったりくっついて丸くなっているノチウの姿がありました。通路には外の放飼場へ行くことができるシュートがあるのですが、検査中は開いていたため1頭で出て行くこともできたのに、ノチウはずっとそばでじっとしていました。 今読んでいる本に、あるシンリンオオカミの群れのお話がありました。 オオカミが絶滅した地域にオオカミを再導入した際、2頭のペアとその子どもたちからなるパックを、まず囲い地に住まわせ、一定の期間が過ぎて慣れてきた頃に囲い地の一部を解放したところ、まず父親が外に出て行ったそうです。しかし母親と子どもたちは、外を警戒して出て行くことができません。 その後何日も出口は開いているのに母親と子どもたちは囲い地の中にいました。ある日スタッフが囲い地の外を点検していると、出て行ったはずの父親が、囲い地のすぐ近くで母親と子どもたちが出てくるのを待っているのを確認したそうです。このお話を読んだ時、レラとワッカの検査をしていた時のノチウの行動を思い出しました。警戒心の強いオオカミがする行動とは思えませんでした。
ノチウ(オス・末っ子)
「オオカミの社会性」は一言で言い表せないほど多くの発見があり面白いなと日々感じます。 今年ワッカの行動にも少し変化が見られました。 子どもたちだけになってからは、ワッカがレラに対し強気な態度をとりケンカが多く、レラが2頭から距離を置く様子がよく見られました。 しかし月日が経つにつれ、2頭の激しいケンカが減っていっているように思えました。ワッカが好んでレラの近くで休んだりするのも多くなったように思います。ある時はワッカのお尻にレラが頭を乗せて寝ていることもありました。そして一番驚いたのは、ノチウがレラに対し怒った際、ワッカがノチウとレラの間に入り止めようとしたことです。ノチウがレラに対し怒ることも珍しいですが、ワッカが止めに入る行動をするとは想像もしませんでした。
ワッカ(次女)
レラは遠吠えの時にはいつも寝ていたりしらっとしているですが、今年の秋は遠吠えに参加する姿がよく見られました。ケンとマースはたくさんの子どもを育ててきましたが、レラは産まれた弟妹たちの面倒を見てきました。順位は下位ではあるけど、群れの様子を見て距離を置いたり前に出てきたり、色々な経験をして自分の立ち振る舞いを確立していったように思います。そんなレラが先日体調を崩した際には、ワッカとノチウがずっとレラを気にかけ、そばに行ったり顔を舐めに行く様子が見られました。幸い次の日にはレラが元気を取り戻したため、ワッカとノチウも普段通りになりました。
レラ(長女)
そしてこの時期はシンリンオオカミの繁殖期でもあります。オオカミたちは巣穴を作ってそこで出産をします。旭山のオオカミたちは姉弟なので繁殖はしませんが、メスのワッカは色々なところに穴を掘っています。このままでは穴だらけになってしまうので、春の閉園期間に飼育員たちで土や砂利を詰めて穴を埋めます。 埋めた穴はまたすぐに掘り返されてしまうのですが、オオカミの本能を発揮してくれるのは嬉しいので、またみんなで楽しく埋めようという気持ちになります。 これから穴埋めの時期がやってきますが、オオカミたちの健康に感謝しながら、また日々の発見をお伝えできたらと思います。
遠吠えの時の様子
オオカミの森・ととりの村担当:原田佳
カテゴリー>しいくのぶろぐ>アーカイブ>年数を選択してご覧ください
デザイン新たに、今年も4月1日から初回入園日から1年間ご入園いただけるお得な旭山動物園パスポートを販売します。今年のデザインは、アムールヒョウをモチーフとしています。ぜひご利用ください。
あべ 弘士 氏(絵本作家・元旭山動物園飼育係)
初回提示された日から1年間(有効期限の日付まで)、旭山動物園に入園できます。
1,400円(税込)
販売箇所詳細はこちらでご確認ください。
初回提示された日から1年間、旭山動物園と旭川市科学館(サイパル)にご入園いただける共通パスポートも販売しています。
2,230円(税込)
4月のWEBカレンダーの動物はヒツジです。
ヒツジは、毛を刈らないと伸び続けるように改良されている家畜種です。旭山動物園ではサフォーク種とポールドーセット種の2品種に加え、昨年の11月からミックスのヒツジを飼育しています。11月に来園した「イツカ」(ジャコブ種とロマノフ種のミックス) は、2月に「ナツメ」(オス)を出産し、すくすくと成長しています。
ヒツジの親子の姿や、そのほかの家畜種は、第2こども牧場で見学いただけます。
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春分の日が過ぎました。 陽射しは暖かく感じるようになりましたが、まだ雪も残っていますし、雪も降りますし、朝の気温は氷点下。 こんな天気じゃ春はまだかな…と思うのですが、木のてっぺんでさえずるカラ類や、 飛来し始めたハクチョウ、少し出てきた土、山の木のまわりにできた雪のくぼみを見ると、 もう春はそこまできているんだなと実感します。 ※3月19日午後、ブログ作成中にものすごい量の雪が降ってきましたが、すぐやみました(笑)
園内では雪の上を歩いたり、走り回ったりするのはもちろん、 雪の上にねそべったり、雪を食べる動物も多く飼育しています。
雪の上で気持ち良さそうにのびるキタキツネ(3/19) マヌルネコは長く密にはえた冬毛で寒さをしのぎます(3/19)
エゾユキウサギの毛はまだ冬仕様のようです(3/19)
さて、先日、旭山動物園だより・みにだよりの最新号を発行しました。 動物園だよりでは「いい雰囲気のオスとメス」ということで、 ホッキョクグマやエゾシカなど、繁殖が期待されるペアを紹介しています。 みにだよりでは、とりの「め」がどう見えているのかを紹介しています。 気になる鳥の目がどこにあるか、園内観察、野外観察の参考にしてみてくださいね。 ※どうぶつえんみにだよりで紹介しているカモ類4種、インドクジャク、チゴハヤブサは、冬期開園中は観察できません
次の動物園だより・みにだよりの発行は、4月27日の夏期開園日ごろを予定しています。 動物園だよりでは夏期開園日恒例の、クロスワードパズルとなっていますので、お楽しみに。
3月18日にアライグマの「もり」(オス、13歳)が死亡しました。 昨年12月頃から食欲が落ち、好んで食べるものを様々試して与えていました。 2月末からは活動量が落ち、展示を中止していました。 解剖の結果、老衰と診断しました。
肌寒い日と日差しの温かい日が入れ替わるように訪れ、三歩進んで二歩下がりつつも春の足音が徐々に近づいてくるようなこの頃ですが、皆さま如何お過ごしでしょうか。 春の訪れに先駆けて、こども牧場では新たな出会いがありました。 去る2月20日のお昼時、牧場で飼育しているヒツジの「イツカ」が放飼場の一角で座り込んでいました。 お昼を食べに来ないなんて珍しいな、などと思いつつ目の前に一掴み乾草を置いてあげて、少し目を離して戻ってきたところ……先程置いた乾草の上にヒツジの赤ちゃんが居て、「イツカ」がそれを甲斐甲斐しく舐めてあげていたのです!
ヒツジの赤ちゃんを舐める「イツカ」
生まれたての赤ちゃんにはまだまだ厳しい気温だったため、暖かい屋内へと運びしばらく飼育をしていましたが、3月4日から一般のお客さんにも観察してもらえるように第2こども牧場の一部を開放して親子のヒツジを観覧することができるようになっております。 時折跳ね回ったり、お母さんの背中に乗ったりと仔ヒツジらしい元気な行動が見られます。体重も日に日に増えてゆき、顔つきも幼児から子供の顔に、お母さんのマネをして草を食べる様子も見られすくすくと成長しています。
「イツカ」の背中に乗るナツメ
牧場の新しい仲間となったこの仔ヒツジ(オス)は「ナツメ」という愛称になりました。ヒツジの成長は速く、半年も経てば大人とほとんど変わらない大きさに成長してしまいます。小さくて可愛らしいうちに(大人になっても可愛いですが)是非こども牧場に足を運んで、親子のヒツジに会いに来てください。
こども牧場担当:堀川草太
暖かくなったり寒くなったりおかしな天気ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか? 2月20日頃、あざらし館では陸上の氷雪を全部割り、白い部分が完全になくなりました。
2月20日
「このまま春か?」と思うくらいの陽気にアザラシにも異変が・・・暖かくて勘違いしたのかいつもは3月末から4月が発情期ですが、オスがガゥガゥと発情鳴きをしていました。こんなことは初めてです。発情鳴きはこの日だけでした。
3月2日
かと思えば3月初め、今度は急なドカ雪と寒さで一気に冬に逆戻り。これが普通なのでしょうが・・・まだ春は遠そうですね。皆様も体調管理に気をつけてゆっくり春を待ちましょう。
「春?」
あざらし館担当・副園長:中田真一
公表文(PDF形式 93キロバイト)
立派なフランジを持つ
オランウータンのジャック
異常高温の日が続き驚くほど雪解けが進んでいます。毎年なにか観測史を塗り替える気候の異変が起こりますが、それが当たり前になってきました。馴れていいことでは決してないのですが・・・。 日記を書いている2月は、学生との道東ツアー、さらにボルネオでの活動と続き少々オーバーヒート気味です。 ホッキョクグマのホクトが円山での繁殖のために一時的に旅立っていたのですが、戻ってきました。ピリカとの繁殖のためです。ホクトが旭山に到着し、麻酔をかけていた同時刻に、オランウータンのジャックが死亡しました。ジャックは42歳、高齢ではありましたが老齢とは言えない年齢でした。昨年の暮れから尿路結石を患い、回復したのですが、その後すぐに動きが緩慢になり、力が入らない状態になりました。意識ははっきりとあり食欲もありました。検査結果や症状から心臓系の疾患と推察し、投薬での治療を行ってい安静に保つことに努めていましたが、状態が急変し死亡となりました。ジャックは平成14年、前年にオープンした空中散歩の「オランウータン舎(当時の名称)」にリアンのペアとなるべく広島の安佐動物公園から引っ越してきました。当時は、ほっぺたのフランジが発達したオス成獣との新たなペアリングは行わないのが通例でした。オスとメスとの体格差が著しく、単独生活が基本なので、オスの感情次第でメスが死亡してしまう事故に繋がる危険があるからでした。異例のペアリングと言うことになります。ペアリングは性成熟に達しない年齢の個体で行われることが多かったのですが、これは本来メス親や兄弟と過ごす成長の過程を経ておらず、同居は成功しても繁殖に至らないケースがほとんどでした。ジャックもメスとの同居はしていたのですが繁殖には至らず、同居メスが先立ったため、さらなるペアリングは断念し単独で暮らしていました。他園からは、ジャックとのペアリングはやめた方がよいのではと言われたのですが、見事にペアリングは成功しリアンとの間に子をもうけることができました。あのオランウータン舎は、まさにこのことを目指して建てた施設でした。ジャック、リアンの繋がりでボルネオでの「恩返しプロジェクト」が生まれ、ボルネオゾウの一時避難施設の建設に繋がりました。 ジャックの存在があることで森人(モリト)のフランジは大きくなりませんでしたが、ジャックの存在がなくなりモリトのフランジはみるみる大きくなると思われます。世代のバトンタッチです。 今年もたくさんの命のヒストリーが生まれ、未来へと続いていきます。
令和6年3月6日
旭山動物園 園長 坂東 元
このたび、旭山動物園は法律上の博物館としての要件を満たしていることが認められ、令和6年2月29日付で博物館法に規定する登録博物館として登録されました。
ちょっと前の話になりますが、1月23日~25日に福岡市動物園で開催された「動物園技術者研究会」に参加してきました。 この研究会では日本動物園水族館協会に加盟している園館の飼育員や獣医師が参加して、研究発表を行います。 旭山からはオオカミとニホンザルに関する発表を行いました。機会があれば皆さんにもお伝えできたらと思います。 コロナ禍ではオンライン開催だった研究会ですが、昨年度からは対面開催となり、私も久しぶりの対面研究会への参加でした。 やはり対面では質疑応答も活発ですし、休憩時間などにも情報交換ができて大変有意義な会となったと思います。 インターネットやSNSが発達した中でも、動物園スタッフと直接顔見知りになると困ったときにも質問しやすくなるので、他の園館の若手スタッフが積極的に名刺交換をしているのを見て、自分が初参加した時を思い出しました。 最終日には福岡市動物園を見学しましたが、新しいゾウ舎やペンギンの施設を見ることができました。 福岡市動物園は博多中心部からも近いのですが、旭山以上に坂が多く、動物舎もその坂を利用する形で作られているのが印象的でした。 皆さんも機会があれば是非行ってみて下さいね。 今後も研究会での経験を園内に還元して、よりよい飼育を目指していきます。
研究会は博多のホテルで行われました
手前がペンギン、奥がゾウの施設です
てながざる館担当・獣医師:中村亮平
3月のWEBカレンダーの動物はチンパンジーです。
タンザニアから中央、西アフリカなどの熱帯雨林地帯を中心に生息しています。果実や葉、種子、樹皮などを主食とするほか、昆虫や小型の哺乳類や鳥類なども食べ、シロアリ塚に棒を差し込み捕食したり、石で木の実を割ったりと、類人猿の中でもよく道具を使用することでも知られており、好奇心が強く、高い学習能力を持っています。
昨年8月に生まれた笑蓮(エレン)は、母親のフルトのそばですくすくと成長しています。群れでの交代展示となるため、見学いただけない日もございますが、SNSでも日々の様子を配信していますので、今後の成長もあたたかく見守ってください。
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先日、えぞひぐま館で「すげー、めっちゃ人いるじゃん!大谷翔平でもいるのかよ?」という秀逸な一言を耳にしました。 冬期開園がはじまってから外の放飼場への馴致を行っている「すなすけ」を見るために集まっていた人たちのことでした。「すなすけ」があちこちに動き回るたびに、人もあちこちに動き、カメラを向け、歓声があがる、そんな一幕でした。 たしかに小さい頃の動物は愛らしく動きもまた独特なことが多いため人を魅了するのも納得できますが、動物園でのそのような光景には違和感があるのも確かです。また、旭山やヒグマだけではなくいろいろな動物で最近の「推し活」ブームのような様相を呈しているような気もしています。 奇しくもこれまでの歴史を見ていると、動物園やメディアはそういったスター動物やアイドル動物を生み出したがる傾向があるように思います。ただあまり「個」にフォーカスしてしまうと、「○○ちゃんだからかわいい」、「○○ちゃんだからすごい」となってしまい、その先にあるはずの種としてその動物の魅力に気づかなかったり、興味や関心を持つことが無くなってしまう、あるいは誤った認識を持ってしまうようになるのではないでしょうか。 旭山動物園のえぞひぐま館では、「すなすけ」に興味を持っていただいた先に、ヒグマという動物について、ヒグマと人との関わりやそれらを取り巻く自然や社会などについても知ってもらい関心を持って動物園を後にしてほしいと願っています。 そのためにもまだまだ未熟で不完全ですが、伝えていく努力を怠らないよう自分自身に言い聞かせ、自戒の意味も込めてここに書かせてもらいます。
「すなすけ」が動くと人も大移動
外に出ている「すなすけ」
えぞひぐま館・フクロウ担当:大内章広
こども牧場の隣にある動物図書館をもっと知ってほしい!と思い、一度展示動物の都合でなくなってしまったミニ動物図書館を、なんと今回復活させました! こども牧場のとなりにある、「動物図書館」の本が、こども牧場内でも読むことができます。小さなスペースですが、座ってゆっくり休憩もできますので、外が寒い!歩き疲れた!という時に休憩場所としてもご利用してください。 そして、このミニ動物図書館内には、こども牧場の動物の中でも絶大な人気を誇る、あの!「ホルスフィールドルクガメ」を展示していますので、じっくり観察ができます。
さらに!さらに!動物図書館で体験できる工作の情報や、ミニミニうんち展もありますので、こども牧場に来た際には、うんちクイズに挑戦してください。秘密のうんちが発見できますよ。 こども牧場だけでなく園内の動物たちを観察して、もっと知りたい!ここが気になる!と思ったら、動物図書館にはたくさんの動物に関する本がありますのでぜひ立ち寄ってみてください。
第一こども牧場室内にあるミニ動物図書館
ミニ動物図書館内のおすすめ本やうんち展
秘密のうんちは誰のうんち?
こども牧場担当:大河原沙織
オランウータンの「ジャック」(オス、42歳)が2024年2月14日に死亡しました。
おらんうーたん館で暮らしていたジャックは、2023年12月初旬より食欲不振、元気消失となり展示を中止し、麻酔下検査で尿管結石と診断し治療を行い、12月下旬には元気食欲とも回復してきていました。尿管結石の経過確認のために12月末に再度麻酔下検査を行った結果、結石の消失(排泄)は確認できたものの、麻酔検査後に再度元気消失傾向となりました。運動不耐性(力が入らない、動きたがらない)が認められ、12月末に採取していた血液を再度検査した結果などから心臓疾患を疑い、強心剤の投薬治療などを行っていましたが2月14日に死亡しました。解剖の結果、肺水腫・心嚢水の貯留・心筋の変性を認め、心不全と診断しました。
「ジャック」の来歴 1981年9月22日 多摩動物公園生まれ 2002年4月23日 安佐動物公園より来園(多摩動物公園からのブリーディングローン) メスの「リアン」(2019年死亡)との間に3頭の繁殖に成功し、現在2頭の子(オスの「モリト」、メスの「森花・モカ」) を旭山で飼育しています。
2月14日に札幌市円山動物園よりホッキョクグマの「ホクト(オス)」が来園しました。
「ホクト」の展示については、様子を見ながら開始をし、「ピリカ(メス)」との今後の繁殖を目指していきたいと考えています。
放飼場の様々な所に興味を持つ 好奇心旺盛な「すなすけ」
冬も後半。この日記が公開される頃には、雪あかりの動物園の開催も目の前ですね。日記を書いているのは1月下旬。厳しい冷え込みが続かず、アイスキャンドル作りに不安を抱えながら準備を進めています。 今、最終調整に追われているのが、知床から釧路までを巡り、人と自然との関わりを考える学生ツアーです。観光・ボランティア・漁業・保全・研究など、様々な形で自然と向き合っている方々の思いや考え方を、体験を通して学びます。コロナ禍で中断していましたが、学生さんを連れたスタディツアーは過去に2回マレーシアのボルネオ島サバ州で行いました。学生の皆さんが、将来の進路を考える上でも、大人になっても、環境問題や野生動物との関わり方を、「人ごと」ではなく「自分ごと」として考えられる人になって欲しいという思いで、このツアーを続けています。厳冬期での屋外体験が多いので、皆さんが体調を崩さず、天気も見方してくれることを今から祈っています。 さらに今月は、ボルネオ島での活動も動きます。コロナ禍での活動空白期間の現状や今後の考え方や関わり方などを、現地に赴きサバ州政府と協議します。本格的な活動再開に向けた仕切り直しになります。 あっという間に春の予感です。春といえばヒグマが冬眠から覚めますね。昨年はドングリの不作などでヒグマの栄養状態が悪かったため、今年は子の生まれる数が少ないと予想されています。これからヒトとヒグマの関係はどうなっていくのでしょうか?旭山動物園の「すなすけ」は、たくましく成長しています。好奇心旺盛な愛らしい姿から、近寄りがたい雰囲気を放つ姿に見る見る成長していくでしょう。つくづく、ヒグマは北海道の自然の優しさと厳しさの象徴なんだなと感じます。
令和6年2月6日
ホッキョクグマの「ホクト(雄)」が、2024年2月14日に札幌市円山動物園より来園することになりました。 ホクトは、当園で2021年にピリカ(雌)との間で繁殖に成功(「ゆめ(雌)」が成育、ゆめは2023年12月に神戸市王子動物園へ移動)した後、2022年11月に繁殖のために札幌市円山動物園へ移動しました。 今回、再度当園へ移動し、ピリカと繁殖を目指すことになります。 絶滅危惧種であるホッキョクグマは国内および海外の動物園間で協力して繁殖に取り組んでいる動物になり、今回の移動も日本動物園水族館協会のホッキョクグマ種別計画管理者とも相談の上決定しています。
なお、「ホクト」の展示およびピリカとのペアリングについては到着後の様子を見ながら進めるため、日時は未定になります。
明日からいよいよ2月。雪あかりの動物園まであと10日…。準備が着々と進められています。 ですが、最近の気温がとても温かく、雪あかりの動物園で園内を照らす「しずく型アイスキャンドル」がまだ予定の数まで達していません…。昨年の夏の暑さも異常でしたが、今年の冬の温かさも異常な感じがします。
さて、今日から雪の遊び場の製作が始まりました。 雪の遊び場では、雪の滑り台2つ(長いの短いの)と、あと2つ雪で製作をしていきます。 こちらは何ができるのか当日まで楽しみにお待ちください。
滑り台(ほぼ完成!?)
板を押さえて何かを製作中
雪あかりの動物園については、ホームページやSNSで随時情報が更新されていきます。 情報をチェックしながら、ぜひ雪あかりの動物園へお越しください。
2月のWEBカレンダーの動物はマヌルネコです。
シベリア南部から中国、イラン、アフガニスタン等の標高が高い草原や半砂漠に生息しています。ほかのネコ科の動物と比べ目の位置が高く、耳が横についているのは、生息地に隠れるところが少なく、狩りをするときなどに目立たなくするためと言われています。また、草の隙間からのぞくことが少ないので、瞳孔は常に丸いです。 イエネコとは違った、マヌルネコ特有の生態をぜひ観察してみてください。
昨年12月からこども牧場で勤務しております、清水駿之介と申します。クジャクを担当させていただくことになりました。
自分は今まで動物についての専門分野を学んできたことは一切なく、何もかも未経験な新人でございます。こども牧場の動物たちや担当のクジャクも0からの勉強になりますので基本的な情報を知っていくとともに身近な目線に立ち、独自の視点からも色々なことを発見できるように広い視野を持ち日々精進してまいります。
クジャクの飼育担当になって実際に業務にあたってみた感想を申し上げると、一言で言うなら「分からない」というのが率直な思いです。クジャクという鳥は落ち着いてる鳥かと思ったら他の個体にちょっかいをかけたり、自分のすぐ側まで来て様子を見てきたりする個体もいて性格が全然掴めない。また何と言ってもオスの羽の色、メスの首の色がどちらも美しい。どうなったらこんな色になるように身体が出来るのか、全く分からない。分からないからこそ自分はこの生き物についてもっと知りたい!そして伝えたい!そう思っています。暖かくなると外展示も始まりますので、自分も楽しみな気持ちでいっぱいです。
また現在、こども牧場広場にて雪像を製作中です!来園される皆様の前で作業してますので秘密裏に進めることは出来ませんが、完成までお楽しみに!そしてその横にはすべり台がございます。こちらの方は出来上がってますので是非遊んでみてはいかがでしょうか!(こども牧場飼育員一同すべりにすべった後に水で固めましたので耐久性は十分だと思います!)
途中の雪像とすべり台
こども牧場担当:清水駿之介
皆さんは小さい頃に乳歯が抜けた時のことを覚えていますか?なかなか取れなくて、扉に縛りつけて抜いたとか、抜けた歯を屋根に投げたとか、どんな思い出がありますか? 乳歯から永久歯に生え変わるのは人間だけではありません。タイミングは違えど、多くの動物が生え変わります。そこで、昨年発見した乳歯を紹介したいと思います。 まず一つ目がこちら
キリンのアサヒの乳歯
キリンのあさひの歯(切歯)です。 キリンには上の前歯が存在しないので、必然的に下前歯ということになります。 あさひも成長途中とはいえ大きさは3メートルほどになりますが、歯は意外と小さいなという印象です。 続いてはこちら
ライオンの乳歯
ライオンの乳歯(臼歯、裂肉歯)です。抜け落ちた日付的にフウか、レイのものですがどちらかはわかりません。 僕らの奥歯とはちがいとても鋭く、読んで字の如く、肉を裂くための歯、ハサミとしての役割をします。
ライオン乳歯コレクション
ライオンの歯は今のところここまで集まっています。見つけた歯は個別に袋に入れ、日付と種名、わかれば個体名を入れて保管しています。 記名をしておかないと数年後の自分や、別の担当者になった時にどの動物の物なのかがわからなくなり困るのでしっかりと記入します。必要になれば、ガイドなどで活用しています。 また乳歯のコレクションが増えたらお知らせしたいと思いますので、お楽しみに!
もうじゅう館 フラミンゴ担当 若山晃暉
(2015年まで飼育していた「ミシシッピアリゲーター」)
先日、旭山動物園だより・みにだよりの最新号を発行しました。 2024年の干支は、十二支のうち唯一実在しない生きもの「辰」。 「動物園だより」も「どうぶつえんみにだより」も、辰年にちなんだ記事になっています。
いろいろ資料を読んでいて、わかってきたのが、 「辰」は「は虫類」がベースになっているということ。 「タツノオトシゴ」という魚が海にいますが、「ドラゴン」ではないこと。 西洋の「辰(ドラゴン)」は火を吐く「怪物」で 東洋の「辰(龍)」は人にやさしい「神様」だということ… などなど。
旭山動物園では1967年から2015年まで、「ミシシッピアリゲーター」を飼育していました。 今号の動物園だより・みにだよりでは、大きな「は虫類」の「ワニ」を使って「辰」を表現してみました。
神社やラーメンの丼にも描かれている「辰(龍)」。 ゲームやファンタジーの世界に出てくる「ドラゴン」。 調べれば調べるほど、いろんな「辰」がいます。
私たちの近くにはいろんな「辰」が存在しています。 今年はぜひ、「辰」のモチーフになった「は虫類」を観察してみてはいかがでしょうか。
追記: 動物読書感想文コンクールの作品募集の締切は1月26日です。 ご応募、お待ちしております!
動物読書感想文コンクールの詳細はこちら。 募集要領・応募用紙のpdfは、ここからもダウンロードできます。
動物読書感想文_募集要領(PDF形式 121キロバイト)
動物読書感想文_応募用紙(PDF形式 101キロバイト) 投稿者:動物図書館 北川裕美子
娘の「ゆめ」が他の動物園へ移動し
1頭での放飼となったピリカ
皆さん、新しい年を迎えました。今年もよろしくお願いいたします。 辰年はなかなかイメージに合う動物がいなくて動物園的には困ってしまってしまうこともあります。爬虫類の○○ドラゴンとか飼育していれば象徴的に辰年っぽいですね。水族館ならタツノオトシゴでしょうか。ちなみに、辰(龍)は十二支で唯一想像上の生き物ですが、架空でも存在すると信じられていた生き物だとか、本来はワニや恐竜の化石をイメージした動物だったのではないかなど、その由来には諸説あります。自分としては、自然の圧倒的な力をコントロールする存在なのではないかと思います。今年は地球に優しい龍でいてくれたらと願います。 これを書いているのは12月上旬、天気予報とにらめっこをしています。今年中に安定した根雪きになるのか、まだ確信が持てません。過去一番遅かったペンギンの散歩の開始日は12月28日。記録更新にならなければいいのですが…。 ここ数日は日中解けた雪が夜に凍るので、翌日の午前中は園内もツルツルで大変です。融雪や砂まきをしても、海外客の中には夏のスニーカーの方も多く、手すりにつかまって歩くのもままならない状況です。それでも雪と氷を楽しんでいる様子が救いではありますが。 ほっきょくぐま館を見ると、ピリカが一頭でいることがまだ不自然に感じますが、ライオンの子フウとレイ、カバの凪子も独り立ちできる場を見つけなければとも思います。みんなたくましく育っており、胸を張って送り出せることがうれしくもあるのです。 さて、今年はどんな一年になるでしょうか。良い年にしたいなと思います。皆さんにとっても良い一年でありますように。
令和6年1月7日
「モユク☆カムイ119号」が完成しました。
今回の表紙は、「ゴマフアザラシ」。
モユク☆カムイ119号へのリンクは
モユクカムイ119号(PDF形式 5,068キロバイト)
1・ぼくは動物大使 その80 流氷とともに ゴマフアザラシ
2・特集 動物のお引越し事情 ~動物たちの移動の裏側紹介~
3・飼育研究レポート 24年ぶりのヒグマの保護受け入れ
4・こども牧場からのお手紙~新しい仲間が増えました~
新しい年を迎えました。久しぶりに澄み渡る青空でした。12月は記録的な積雪で、来る日も来る日もみんな雪かきに追われちょっとうんざり気味でしたので新年早々の快晴でまさに気分一新でした。放射冷却で冷え込みはしましたけど・・・。 恒例になるのではと危惧された?年越しインスタライブは、何せ今年の干支の語呂合わせ的な生き物が旭山にはいないので、いろいろと画策したのですが断念となりました。どこかホッとしつつも残念でもありました。その代わりにと言うことでもないのですが大晦日と今日の日中に連続インスタライブとなりました。 大晦日のライブ配信中に自分的には感動的なことがありました。ホッキョクグマのルルの行動です。ルルは今年30歳を迎えます。昨年の暮れから寝室から屋外放飼場に出るのを渋ったり、放飼場でも休んでいる時間が長くなったりと老いたのかなと感じさせる行動が目立つようになっていました。そこで担当者が気分転換にとピリカとルルの放飼場をチェンジしてみたのです。ルルにすると2021年の冬のピリカ出産の都合でサツキ(23年10月死亡)と共に数ヶ月過ごして以来の屋内観察側の放飼場です。 ライブ配信中にバシャバシャという水の音が聞こえたのでもしやと思い駆けつけると、ルルが水中から上がりポリタンクをくわえて遊んでしました。そして自分に気づくとかくれんぼしている(獲物を狙う、待ち伏せる)ようにこちらを探し水中に飛び込んできました。 旭山動物園の飼育展示コンセプトのひとつに、動物にとってお客さんがストレスの対象ではなく興味を抱く猫じゃらしのように観える環境を具体化して動物のもつ本来の行動を引き出す、動物も来園者もwinwinになる、という考え方です。他にもお客さんをカラスではなくスズメに見えるように、などなどあるのですが。 ルルも昔は来園者が少ない時間帯によくやっていた行動です。20年近く前をふと思い出す光景でした。キラキラとした目が若い頃のルルでした。とてもうれしい出来事でした。 今年もあっという間に過ぎていく予感がしますが、一日一日を大切に動物園の持つ可能性を一つでも具体化し、階段をできるなら駆け上がる年にできればと思います。 今年もよろしくお願いいたします。
インスタライブ中の一コマ
園長:坂東 元
フッターです。