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「ブログ(2025年)」の記事一覧

「動物図書館 開館30周年記念 絵本の読みきかせイベント」を開催しました!

8月16日(土)に「動物図書館開館30周年記念 絵本の読みきかせイベント」を開催しました。
イベントの様子

まず最初に、みなさんより投票いただきました「しれとこきょうだいヒグマ ヌプとカナ」の絵本をエゾヒグマ飼育担当者の佐賀が読み聞かせをし、坂東統括園長と「エゾヒグマ」について解説いただきました。エゾヒグマの頭骨などを観察し、さらには近年のエゾヒグマとの付き合い方など、非常に学びの深いものとなったとご来場された方よりお声をいただきました。

ベテラン3名

また、もう一冊は昔の旭山動物園がえがかれた絵本をよみ、坂東統括園長をはじめとしたベテラン飼育員の中田主幹とエゾヒグマ担当の佐賀が当時を振り返り、ここでしか聞くことができない話が飛び出すなど、昔の旭山動物園をより身近に感じられる内容となりました。最後は旭山動物園を代表するベテラン3名のクロストークとなり、ご来場いただいた方々にも大変多くの喜びの声をいただきました。

旭山動物園開館30周年記念イベントに、ご来場いただきました皆さん、ありがとうございました!

1983(昭和58)年に骨格標本や、はく製を展示する動物資料展示館が1階にオープンし、1995(平成7)年5月13日には、それまでレクチャー室として使われていた2階が動物図書館としてオープンしました。絵本の読み聞かせもこの年から始まりました。これまで動物図書館が長く皆さんに親しまれ続けたのも、ご利用いただいた皆さんのおかげです。これからも、子供たちのみならず大人の方へも、新しい発見や学び、動物の楽しいを提供できる、ワクワクする動物図書館をお届けしたいと思います。今後とも動物図書館をどうぞよろしくお願いします!

動物図書館 中谷真弓

動物園だより302号「クロスワードパズル」の答え発表!
 抽選会も行いました!

動物図書館から発行している「動物園だより」302号で実施した、
クロスワードパズルへのたくさんのご応募、ありがとうございました。
今年も、旭川市内を中心に道内外の方からたくさんのご応募いただきました。
 

さて、「クロスワード」の答えを発表させていただきます。
今回の問題も旭山動物園で飼育している生きもの、園内で観察できる生きもの、
北海道で観察できる生きものに関わる問題を中心に作成しました。


だより302
(今回は魚や昆虫の問題も作りました)

答え

答えは「ヤセイドウブツ」でした。


そして、夜の動物園の初日、8月10日、
坂東統括園長による厳選なる抽選を行いました。
板東さん抽選
(厳選なる抽選を行う坂東園長)
 

抽選で選ばれた10名の方には、
近日中に賞品を発送させていただきます。

賞品は…
賞品

私たちの一番身近にいる「ヤセイドウブツ」の「スズメ」を作りました。
「スズメ」の体の白い部分と背中の茶色い部分は、
「こども牧場」で飼育しているヒツジの毛を使用しています
(その他の部分は市販の羊毛と市販のフエルトと目玉パーツを使用)。
手作りなので一体一体微妙に違います。※一人1体のプレゼントとなります
 

クロスワードに挑戦していただいた皆さん、ご応募、本当にありがとうございました!
当選者の発表は賞品の発送をもってかえさせていただきますことをご了承ください。
 

引き続き、動物図書館をよろしくお願いいたします!
 


投稿者:動物図書館 北川裕美子

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夜の動物園開催期間中のスペシャルイベントと
ワークショップのお知らせ

8月16日(土)に開催します
「動物図書館開館30周年記念絵本の読みきかせイベント」で
読む絵本が決まりましたのでお知らせいたします!
投票いただきました皆さんありがとうございました!

決まった本は・・・・・
ヒグマの本

「しれとこのきょうだいヒグマ ヌプとカナ あかしのぶこ作 ハート出版」
に決定いたしました!
期間中109名の方に投票いただき、
この本には49名約半分の方が投票くださいました。
ポスター

当日は飼育担当者と坂東統括園長が「エゾヒグマ」について解説いたします。
また、もう一冊は昔の旭山動物園がえがかれた絵本をよみ、
坂東統括園長をはじめとしたベテラン飼育員が当時を振り返ります。
イベントに参加していただいた方へはプレゼントも用意しています。どうぞお楽しみに!


また、今年の夜の動物園では、
「出張!動物図書館 工作ワークショップ~作って学ぼう動物のこと~」を開催いたします!
日時 8月13日(水)から16日(土)までの17:00~18:00
場所 やすらぎの森休憩所にて
日によって作れる動物を変えていますので、ぜひお楽しみください!

工作
 

投稿者:動物図書館 中谷真弓


 

新規と継続 イベントの夏

 夏です。「北海道は夏が短いからねぇ…」なんて言っていたのは昔の話で、今年は6月下旬から夏が始まっていました。北海道の清々しい乾いた夏はどこへ行ったのでしょう?
 さて、旭山動物園の夏は多くのイベントが開催されます。最近始まった新しいイベントや昔から長く続く恒例のイベントが盛りだくさんです。まずは6月28日、「いのちの青年弁論」が今年初めて開催されました。高校生の皆さんが動物や環境をテーマに、自身の経験や考えを熱く語る企画です。聴衆の胸にはどう響いたでしょうか?そして同日の夕方、今年で2回目となる「あさひやま・キッズ・Zoo」です。閉園後の動物園を子どもたちだけで自由に散策し、感性と好奇心に任せて好きな動物に会いに行ける、とても貴重な特別開園です。園内へ歩き出す子どもたちをジッと見つめ「うちの子大丈夫かしら…」と心配そうに見送る親御さんとは対照的に「行ってきまーす」と無邪気に手を振る子どもたち。閉園時間となり、笑顔で親元へ戻ってきた子どもたちは一回り成長しているように見えました。
 続いて8月は昔から開催しているイベントで、小学5、6年生を対象とする「サマースクール」です。飼育員が先生となり、飼育実習を通してもっと深く動物を知り、命の大切さを学びます。第1回は1976年なので、一期生は還暦を迎える頃でしょうか?49年前のことですが、おそらく当時の参加者は今でも覚えてくれていると思います。さらに8月のお盆の時期に行う「夜の動物園」は開園時間を午後9時まで延長し、動物たちの夜の様子を見ていただくもので、こちらは開園20周年の1987年から続くイベントです。始めたきっかけは当時のカバの担当者が「カバは夜行性で夜活発になるんだよなぁ、見せたいなぁ」の一言で「やってみるか!」となったと先輩から聞いたことがあります。
7月1日、58回目の開園記念日を迎えた旭山動物園。これからもイベントを通していろいろな角度から動物の魅力を発信できるよう取り組みますので、皆さんのご参加をお待ちしております。

カバ
カバの姿を間近で見入る子どもたち
 
令和7年8月5日
旭山動物園 中田

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夏休みは動物図書館へ!

夏休みが始まり、おかげさまで大にぎわいの動物図書館です。

暑い園内で動物を観察した後は、涼しい館内で動物の調べ物をしたり、動物に関する絵本を読んだり、つくりものコーナーで工作をしながら動物について楽しく学んでみませんか?
つくりものコーナーでは、小さいお子さんから大人の方まで楽しんでいただけるコンテンツを用意しています。
塗り絵やペーパークラフト、北海道の動物について学べるおりがみ絵本、少し難しい工作など取りそろえております。楽しいだけで終わらず、その後ろにある環境問題まで学べるコンテンツとなっています。ぜひ、夏休みの思い出に、夏休みの自由研究にいかがでしょうか。

<おりがみ絵本>

おりがみ 

<ペーパークラフト>  
ペーパークラフト

<工作コーナーの様子>

工作コーナー1 工作コーナー2

動物図書館でお待ちしています!

投稿者:動物図書館 中谷真弓


投稿者:動物図書館 中谷真弓

オシドリの繁殖について

 6月頃ととりの村の屋内施設で、オシドリのヒナがかえりました。

 冬の間、ととりの村の鳥たちは屋内で過ごします。今年はオシドリのオスたちは早いうちからメスの取り合いをしており交尾も確認していました。
 そこで水禽舎内の大池に、オシドリ用の巣箱を設置してみました。巣箱は野生のオシドリがよく巣を作る木の洞をイメージして、少し高い位置に取りつけました。
 2月ごろになるとメスが何度も巣箱から出入りしている姿が見られました。4月頃になると巣箱の中からメスの姿が確認できるようになり、じっとこちらを見るメスと目が合いました。卵を温めている真っ最中だったのかもしれません。
 本当に卵を抱いているのか確かめるために、メスが巣箱から出ている隙に中を覗いてみるとたくさんの卵がありました。それからしばらくの間、巣箱の中のヒナたちがいつ飛び出してくるのか、楽しみにしながら見守っていました。
 そんなある日、餌の準備をしていると、ふと異臭が漂ってきて、大池の近くに腐った卵が落ちているのを見つけました。監視カメラの映像を確認すると、メスが卵をくわえて巣箱の外に出し、床に置いていたのです。どうやら腐った卵をずっと巣箱の中に入れておくと巣箱の中の環境が悪くなってしまうため孵化しなかった卵を自ら運び出していたようでした。卵を見てみると穴が開いており、ここにクチバシをさして運んだようです。

 そしてついにある朝水禽舎に行くと1羽のヒナが大池で泳いでいました。
 しかし他のヒナと母鳥はまだ巣箱の中です。生まれたばかりのヒナは自分で体温を調整することができないため、水に入った後は日に当たったり母鳥にくっついて温められます。全ての卵が孵り母鳥が巣箱から出てこないとこのヒナは死んでしまう可能性があります。
 その後他の作業をしながら何度も確認しに行きましたが、母鳥はまだ巣箱の中で飛び出したヒナはキンクロハジロのあとを一生懸命について行っていました。
 そして夕方頃、全てのヒナが母鳥と一緒に巣箱から出てきて最初に飛び出してしまったヒナと合流していました。これで一安心です。

1

オシドリの親子

 ところが次に確認に来てみると、今度はオシドリのオスたちがメスとヒナを追っており、メスは必死な様子で部屋の角でヒナたちを翼で隠していました。

2
母鳥を囲むオス

 このままではヒナがオスたちに攻撃されてしまう可能性があるため、急いで他の飼育スタッフと連携してオスたちを他の部屋に移しました。
 メスが抱卵している間、オスたちはずっとメスがいる巣箱の上・左右・前で待機しており,一見メスや巣箱を守っているようでしたが、まだ繁殖期だったため実は巣から出てくるメスを繁殖相手として待っていたのかもしれません。

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巣箱を囲むオス
 

 美しいストーリーだけではない動物の世界を感じた瞬間でした。


ととりの村・オオカミの森担当:原田佳

7/26(土)「昆虫ハウス」オープンしました!

動物資料展示館(1階)・動物図書館(2階)の建物の横に、ビニールハウスが建ちました!
その名も「昆虫ハウス」です!
名前のとおり昆虫がいます。 

ミヤマクワガタ
昆虫ハウス内では、昆虫たちがハウス内を自由に飛び回っています。
涼しければ、ミヤマクワガタなどの甲虫たちに会えるかも!
奥のハウスではチョウが花の蜜を吸っていたりします。
カラスアゲハは、動物図書館で幼虫から育てていた個体です!
ミヤマクワガタ
(ミヤマクワガタ)
カラスアゲハ

(カラスアゲハ)
 

目の前にいるので捕まえたくなるかもしれませんが、
ハウス内は捕獲禁止(園内での採集も禁止)です。
ケースのない空間で、じっくりと観察を楽しんでください。
 

また、なるほどガイドでは昆虫のお話、さらに、さわってみたい方へは甲虫へのふれあいも可能です。
ぜひ、「昆虫ハウス」へ遊びにきてくださいね!
 

※なるほどガイド時以外は人はいませんので、自由に出入りすることが可能です。
※入口に「おやくそく」が書いてありますので、ルールを守って昆虫ハウスを利用してください。

投稿者:動物図書館 北川裕美子・中谷真弓

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五感で楽しむ動物園

 旭山動物園は、7月1日に58回目の開園記念日を迎えました。開園以来、日本最北の動物園として、多くの皆様に親しまれ、支えられ、長い歴史を積み重ねてきたことに深い感慨を覚えます。
 さて、旭山動物園の魅力とは何か、と考えたとき、皆さんは何が思い浮かぶでしょうか?
 旭川に暮らす1人として、「四季の移り変わりが明瞭なこと」が魅力の一つだと思います。
 一年を通じて寒暖の差が大きくも、大雪山連峰の恵みを受けた上川盆地に位置する旭山だからこそ感じられる魅力があるのでは、と考えています。
 春には満開のエゾヤマザクラが園内を彩り、夏には園内の木々の緑がうっそうと生い茂り、秋には紅葉を迎え、冬には雪化粧に覆われた園内。それぞれの季節で動物達も輝きを増しています。そんな魅力あふれる園内では、ぜひ皆さんの「五感」を研ぎ澄まして、巡っていただけると嬉しいです。夏のこの季節、園内の草木に混ざって感じられる道産動物達の匂いを感じ、園内のセミの鳴き声に重なるシンリンオオカミの遠吠えを聴き、アミメキリンがホロホロチョウの群れの中をゆっくり歩く姿を眺め、こども牧場のカイウサギ達に触れる・・・。 
 五感を研ぎ澄ませながら、動物達と同じ空間を共有するひととき、命のぬくもりや生きていることの尊さを感じられるのではないでしょうか。
 では最後に「味覚」は?といえば、もちろんあります。動物園内にある各飲食店では、魅力的なメニューが数々揃っています。ぜひ食でも旭山をお楽しみください。
さて、8月10日から16日かけては、夏の恒例イベント「夜の動物園」が開催されます。普段中々見ることのできない夜の動物達の活動的な一面を御覧いただけます。皆さんにはぜひ「五感」で楽しんでいただければと思います。

レッサーパンダ
季節の彩りに包まれ
のびのびと過ごすレッサーパンダ
 
令和7年7月7日
旭山動物園 加藤

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ぺんぎん館の熱帯魚

 ぺんぎん館に熱帯魚水槽があるのをご存知でしょうか。

 来園者の方々にはよく「急に水族館が現れた!」と驚かれます。熱帯魚水槽を任せられてから今年度で3年目に突入した私も、初めに引き継ぐというお話を聞いたときは「ぺんぎん館に熱帯魚がいたんだ」と同じ反応をしていました。私たちから見れば小さな世界で生きている熱帯魚たちですが、この3年間で毎日のように様々な変化が起こっています。

 熱帯魚水槽は3つあり、真ん中の水槽にはイボハタゴイソギンチャクがいます。そのため、真ん中の水槽にはイソギンチャクと共生できる魚、毒に刺されない魚を入れないといけません。

1
イボハタゴイソギンチャク


 ミツボシクロスズメダイの幼魚(幼魚の間はイソギンチャクと共生する)を入れてみる→数匹を入れてだんだんと姿が消える→カクレクマノミ(イソギンチャクと共生するで有名)を入れてみる→数匹入れてだんだん姿が消えるor刺される(ちなみに刺されたカクレクマノミはその後回復し隣の水槽で元気に泳いでいます!)

 あれ?共生できるはずじゃ…消えたってことはもしかしてイソギンチャクが食べちゃった…?調べても何故だかよく分からず…
このイボハタゴイソギンチャクが元気すぎる、また魚とイソギンチャクの相性などもあるのかもしれません。

 そこでイボハタゴイソギンチャクと最も相性が良いとされるトウアカクマノミを1匹入れることにしました!すると…相性良さそう!と言うよりもあのイボハタゴイソギンチャクがちょっと押されてるようにも見えるほどグリグリとイソギンチャクの中に入っていきます。成功です!!

2

こんな可愛い姿も見せてくれます


3

こっちを見ている…


 しかしトウアカクマノミはとても気が強いので、他のクマノミを追いかけたり攻撃したりもします。やむなく他のクマノミを隣の水槽に移動し、トウアカクマノミを追加で数匹入れることにしました。

 クマノミの仲間は1番大きい個体がメス、次に大きい個体がオスになり、ペアが成立します。同じような大きさのトウアカクマノミを数匹入れてから、1匹だけ特に大きく成長しました。そして、元々水槽に入れていた1番大きいトウアカクマノミとペアになりました。そして、追加でトウアカクマノミを入れてからちょうど3ヶ月後に卵を産み始めました!!

2
ピンクのつぶつぶがトウアカクマノミの卵

 クマノミの仔魚を成長させるのはかなり難しく、まだトウアカクマノミの仔魚を成長させるには至ってはいませんが、今後も頑張っていきたいと思っていますので楽しみにお待ち下さい。

 また、隣のハマクマノミも卵を産んでいて、1匹だけ稚魚が成長中ですのでぜひ見に来てください。この稚魚がここまで大きくなったのはある偶然が重なったためでした。トウアカクマノミの話で長くなってしまったので、この話は今後いつかのブログで書きたいと思います。

 ぺんぎん館に来られた際には、熱帯魚水槽も覗きに来てください!

ぺんぎん館担当:松尾美優

動物図書館では、いろんな昆虫を育てています!
羽化の瞬間も観察できるかも!

動物図書館では今、昆虫を飼育しています。

ミヤマクワガタ

 現在、ミヤマクワガタなど甲虫の仲間とチョウの仲間を飼育しています。

6月3日、チョウのサナギ観察ケースを設置しました。
6月7日、イチモンジチョウが1匹、羽化しました。
羽化

(羽化したばかりのイチモンジチョウ)
イチモンジチョウは、園内にあるタニウツギを食草としているタテハチョウの仲間です。
5月27日から続々とサナギになっていて、これから続々と羽化予定です。
翅の表と裏
動物図書館ではイチモンジチョウの他に、
同じタテハチョウの仲間のコムラサキの幼虫も飼育しています。
コムラサキはヤナギを食草としています。
コムラサキも続々とサナギになっています。
コムラサキの幼虫
(脱皮直後のコムラサキの幼虫)
 

卵から幼虫が出てきて、幼虫は脱皮を繰り返して大きくなって、
そしてサナギになって、しばらくしたら空を飛ぶための翅をつけ羽化…。
そんな大変身の様子を観察できるかも! 
 

先日、動物図書館で飼育している昆虫のお話をする
「こんちゅう」のなるほどガイドも始めました。
ぜひ動物図書館に遊びにきてくださいね。
 

ただ今、動物資料展示館の前庭に「昆虫ハウス」作っています。
昆虫好きの方、お楽しみに!

投稿者:動物図書館 北川裕美子

図書館ぶろぐアーカイブ

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自然と人の間で

 桜のシーズンも終わり新緑や田んぼに張られた水がキラキラと輝いています。今年は桜の開花のニュースよりもヒグマの出没やエゾシカを襲っている、食べているなどの目撃ニュースの方が多かったのではと感じました。目撃情報が増えているのはヒグマが人の生活圏の近くに現れる頻度が高くなっている、日中に活動的になっているなどの傾向はあると思いますが、道民の関心が高くなっているから今までは気づかなかったけど気づくようになった、あるいは今までは見たけど通報しなかった情報が集まるようになり結果的に目撃が増えている一面もあるのでしょう。ヒグマの数が「爆発的」に増えているということではないことには注意が必要だと思います。自分もヒグマに関心が高いのでネットでチェックするのですが、自分の開くネットニュースで自分だけ優位にヒグマ関連のニュースが多く表示されるのかもしれませんね…。
 ヒグマ情報の中でエゾシカを襲ったり食べていたりしている目撃情報を目にしますが、肉食傾向が強くなると、とか肉の味を覚えたらとか不安を感じる指摘も見られます。本来のヒグマは草食傾向が強く、肉食はまれと一般的には言われていますが果たしてそうなのでしょうか?明治から昭和にかけてエゾシカは豪雪の影響やなんといっても狩猟により激減しました。絶滅宣言が出されたり禁猟になったりもしていました。その様な状態が数十年続いたのです。食べたくてもいなくなってしまったのです。その代わりにフキやドングリなどが食べ放題、そんな食生活が何世代にもわたり続いていたのだと思います。現在は明治以前の状態に戻りつつあるのでは、そんなことを考えたりもします。
 一昨年保護収容したすなすけは二冬を超えヒグマらしい容貌になってきました。ですがまだまだこどもの無邪気な一面が顔を出します。警戒心より好奇心そんな一面が見られます。すなすけは野生にいたら独り立ちをして自分の新たな住処を見つけなければいけません。新たな場所に踏み出すには「警戒心より好奇心」はとても大事な感性かもしれませんね。でもそれが人里に近づきすぎ、捕獲駆除せざるを得ないことにもつながってしまいます。すなすけのむしゃきな姿を見ながらふと考えてしまいました。

すなすけ
推定2歳のすなすけ
 
令和7年6月5日
旭山動物園 坂東

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環境の変化と伝える力

 新年度がスタートして1か月ほど経ちました。この時期は職員の入れ替わりがあったり、休園期間中にやることがたくさんあったりと、園全体がいつも慌ただしく落ち着かない感じです。でも、新鮮な気持ちをもたらしてくれるのもこの時期です。新しく迎え入れた職員も徐々に職場環境にも慣れて力を発揮してくれています。
 休園期間中は、動物たちにとって、日中過ごす放飼場はいつもと変わりありませんが、その先に見えている景色が明らかに違っています。いつもいるはずの人がほとんどいなくなるからです。来園者の存在が動物のストレス要因になると言われたりしますが、そう単純な話ではありません。特に、旭山動物園の場合、動物の活き活きとした行動を引き出す仕掛けに来園者を「利用」させてもらっている施設が多くあるので、興味や関心の向き先となる来園者がいなくなって、動物たちは不思議な感覚になっている様子です。好奇心旺盛なアザラシは、たまに人を見かけると円柱水槽越しに熱心にこちらを注視してきます。アザラシに限らず、自分たちは観ている側だと思っていたら、実は動物から観察されているのが面白いところです。
 話は変わりますが、今年度は高校生による「弁論」イベントを企画しています。園内の青空の下、動物や環境をテーマとして、自身のこれまでの経験や考えをスピーチしてもらう発表の場です。言葉の力を使って、伝えようとする高校生の勇姿をご覧いただけますのでご期待ください。
 旭山動物園は、「伝える」ことにこだわりを持った動物園です。動物の生態などを伝える手書き看板は、30年ほど前に予算がなくて始まったもので、それ以来、毎年リニューアルされた飼育職員の力作が園内に並びます。また、全国の動物園に先駆けて行うようになった動物の解説ガイドでも、担当職員が自分の言葉で動物の特徴や魅力を伝えています。「伝える」ことを通じて動物と来園者の架け橋となる取組は、今後もしっかりと継承していくつもりです。

ユキヒョウ
こちらを観察するユキヒョウのユーリ
 
令和7年5月7日
旭山動物園 田村

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58回目の開園

 皆様、こんにちは!
 今年の4月から旭山動物園に配属され、主にダチョウを担当している小久保と申します。
 よろしくお願いいたします。

 異動初日、ドキドキしながらバックヤードでダチョウと対面した時の衝撃は、今でも忘れられません。
 「からだ でかっ」「目 でかっ」「足 すごっ」
 実際に目の当たりにしたダチョウは、想像をはるかに超える大きさと迫力でした。

 午後は、早速共同作業に参加しました。
 皆さんはこの道具の名前をご存知でしょうか? 

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 こちらは「もっこ」という道具です。
 土砂などの運搬に使われる、網状の道具なのですが、この「もっこ」を使って、トナカイ舎のずっしりと重い堆肥等を運搬するというミッションが課せられました。
 市役所に採用されてから15年以上、デスクワーク一筋。
 飼育員として異動してきた者としては、おそらくかなり年長者になるかと思います。
 その結果…はい、初日で見事に腕が上がらなくなってしまいました。
 日頃の運動不足を痛感するとともに、飼育員の皆様の体力と気力に改めて頭が下がる思いでした。

 そして、いざ獣舎の掃除や給餌に取り掛かろうとするのですが…
 ダチョウたちは、こちらの思うようにはなかなか動いてくれません。
 掃除をしたいのにのんびり歩き回り、せっかくエサを設置しても、すぐに食べに来てくれるわけでもない。
 「これが野生生物・・」という、
 当たり前かもしれませんが、これまで来園者として旭山動物園に来ていた時とは全く違う世界のリアリティを、肌で感じています。

 のんびり歩いていたり、地面を何かを探すように丁寧につついていたり…
 その一挙手一投足からは、 その堂々とした身体の大きさも相まって、とても雄大な動物であることをひしひしと感じます。
 彼らの自由気ままな振る舞いを観察していると、時間がゆっくりと流れているような、不思議な感覚に包まれます。

この度の58回目の開園に向けては、実際に私がこの数週間で感じたダチョウの不思議さや力強いけれどどこかユーモラスな魅力を、来園される皆様にも少しでも感じていただきたいと思い、新しい看板を作成いたしました。
 御来園の際には、ぜひ足を止めてご覧いただけると嬉しいです。

 まだまだ飼育の現場に慣れないことばかりですが、一日も早く仕事を覚え、これまでの事務経験で培ってきた視点や知識も生かして、新しい旭山動物園の魅力を発信していきたいと思っていますのでよろしくお願いします。

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正面からのダチョウ

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桜の木の下で

ダチョウ・こども牧場担当:小久保和明
 

シンリンオオカミのヌプリとアオイについて

旭山動物園ではバックヤードでペアで飼育している、オスのヌプリとメスのアオイというシンリンオオカミがいます。

2月下旬頃、オスのヌプリの後肢が下がり気味になる症状が見られました。
その後、1日の中で寝ている時間が多くなり、歩行のふらつきや、視線がどこを見ているのか分からないような様子があったため、獣医に相談し、いくつかの可能性を考えたうえで食滞を改善する目的とふらつきを改善する目的の2種類の投薬を行ったところ、改善が見られ、以前と同じように毎日を過ごすことができるようになりました。
 

サムネ1

ヌプリ

アオイは今16歳で、一昨年の秋頃から後肢が上手に動かせなくなる症状が出て、投薬により改善し状態を保っていました。ヌプリは13歳で、昨年死亡したレラと同じく、旭山動物園の最初のペアであるケンとマースの最初の仔の一頭です。13歳とは思えないほど若々しく元気に過ごしていたので、急激な体調の変化にとても驚きました。
 

サムネ2

アオイ
 

その後、3月下旬頃にヌプリにまた同じような症状が見られました。
それと同時に、メスのアオイにも普段超えられる段差を超えられない様子が見られ、ヌプリとアオイが同時に普段与えているエサを食べなくなりました。

そのため、普段のエサに加え、トリ肉や馬肉をペースト状にしたものを置いた結果、アオイはペースト状の肉を食べ、ヌプリは何度もにおいを嗅ぎに行き、周りを気にして見渡しては引き返すことを繰り返し、食べませんでした。
その後、アオイもペースト状の肉を食べなくなり、奥にある産室で寝ていることが多くなりました。

投薬をする必要があったため、2頭を間仕切りで仕切り、お薬の入ったエサを置いて食べてくれるよう様子を見ていました。しかしヌプリはアオイが寝ている産室の近くにいるか、外にエサを置いた後もエサを食べずにアオイがいる部屋と間仕切りの間を行ったり来たりする様子が見られたため、ヌプリの精神的な状態を優先して間仕切りを解放し、2頭がいつでも一緒にいられるようにしました。
 

サムネ3

獣舎の全体図 


 

すると、2頭の様子に変化が見られました。
ずっと産室で寝ていたアオイがふらつきながらも外に出てきて歩き始めました。ヌプリも歩行に困難はありましたが、ふらつきながらも前の日より力強く歩き始めました。

この時点で、ヌプリもアオイも食滞の改善を目指すお薬を続けていましたが、大きな変化が見られなかったため、ふらつきを改善するお薬に切り替えて様子を見守ることにしました。細かく切ったお薬をリンゴに入れて、水飲みの近くやよく寝ている場所の近く、出口付近に置いたところ、夜中にどちらかが少し食べたようでした。

次の日からは、普段のエサとペースト状にしたトリ肉や馬肉に加え、細かく切ったヒナ肉やウズラ、リンゴや白菜など、いろいろな素材を置いて様子を見ました。

2頭を一緒にした影響、または前日に少しだけお薬を口にしたためか、ヌプリは細かく切った馬肉とヒナ肉をペロリと食べ、アオイも細切りにしたヒナ肉と馬肉を食べました。この日もリンゴにお薬を仕込んでいましたが、少し食べた様子がありました。

ヌプリがよく食べるようになってきたため、翌日はヒナ肉に必要な量のお薬を入れて置いたところ、しっかり食べてくれました。アオイも少しずつ外にいる時間が長くなってきました。

翌日、朝から2頭が外にいたため、檻越しに手差しでヒナ肉を与えたところ、2頭とも食べてくれたため、急いで必要量のお薬をヒナ肉の中に入れて与えました。すると、翌日から少しずつ2頭の歩行に改善が見られ、外に出て歩き回ったり休んだりする時間が増えました。特にヌプリは軽快に歩き回る様子が見られました。

その後、一番状態の悪いアオイの後肢のために床材をどう調整するかを考えたり、2頭の投薬についても状態を見ながら減らしたり増やしたりしながら様子を見ています。

野生のオオカミであれば、このような不調や高齢による変化が命に関わることもあります。飼育下だからこそ、エサやお薬、環境のサポートによって今の暮らしを続けられています。

それは本来のオオカミの姿とは少し違うかもしれませんが、2頭がともに過ごすことで見られる行動や変化から、「オオカミが群れで生きる動物であること」の意味を改めて感じさせられます。複数で暮らすことを大切にするオオカミならではの一面が、そこにあるように思います。

今は2頭とも食欲もあり、外に出て来て通りすぎる人を見たり休んだりして過ごしていますが、いつ状況が変化するかは分かりません。

少しでも2頭が健やかに、穏やかに暮らすことができるよう、これからも全力を尽くしていきたいと思っています。
 


シンリンオオカミ 担当
原田 佳
 

冬の振り返りとアムールヒョウの成長

 早くも新年度、今は夏期開園に向けての閉園期間です。それにしてもこの冬は暖かくて雪が少なく、 旭川らしくない冬でしたね。気温は昔の札幌みたいな感じでした。さらには海外からの来園者の急増、これは旭山に限ったことではありませんが、結果的には冬季間は昨年の1.3倍ほどの入園者数になりました。冬の北海道はますます世界的な観光地になっていきそうです。
 昨年生まれたアムールヒョウの子も元気に過ごしています。昨年11月に骨折をしてしまい、 治療経過は順調でしたが、治療経過中にすり足で歩くので肉球のパット(皮膚)が擦れて穴が開き(本人はいたって平気で、それが困りもので足を着かないなどかばってくれたほうが治りは早いのですが)、結局、冬期間はほぼ室内で過ごすことになりました。
 現在は骨折も快方に向かい、 徐々に皮膚も張ってきました。成長期で元気が有り余っているのでもっと運動させてあげたいのですが、夏期開園を迎え屋外放飼場に出せるようになれば皆さんとも対面できるかなと思います。アムールヒョウは旭山動物園を象徴する動物でもあるし愛称は公募かなと話していたのですが、公開できずにいたため先送りのような状態で、現在悩み中です。母親のみらいは初産に加え、子どもが治療続きの中でもとても上手に育児をしています。
 新しい春がやってきますが、飼育員もみらいに負けないように飼育環境の整備や夏期開園の準備などを頑張っていきます。 今年度の夏期開園は4月26日(土曜日)からです。ぜひ足を運んでいただければと思います。

アムールヒョウ
母親のみらい(奥)と仔(手前)
 
令和7年4月10日
旭山動物園 坂東

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あさひ。超ダッシュ。

キリンの担当になってもう一年というべきか、まだ一年というべきか。
なんにせよキリンカバには多くの変化を持たせられた一年であったと感じます。

さて、雪解けもだいぶ進みキリンの放飼ができるようになってきました。
本園のキリンたちは足が悪いため雪が積もっている間は、外には出さず室内で過ごしていました。
 

サムネ1

洒落乙な掲示

しいくのブログ「冬のカバ・キリン」

およそ半年ぶりの外。ゲンキはのんびり外に出て、永遠と雪を食べ続けています。
カシもピーマンもそっちのけ。今度からはゲンキの好きな食べ物は雪と答えることになります。
 

サムネ3

雪旨いのか?
 

 一方あさひも久々の外。掃除中は顔のみ出る程度にシュート(出入用の扉)を開けていたのですが、外が見れるだけでテンションが上がっていました。
いざ、外に出ると、、、



サムネ1
おい!

サムネ1
やめろ

足は悪いですが、何よりも楽しいが勝ってしまい爆走。
そのうえ、ほんの少し残っていた雪の上でわざわざドリフトを決めていました。
こりゃダメです。ということで、あさひはもう少しだけおあずけになります。
元気なのは素晴らしいことなんですけどね、、、

さて、来年度からはいよいよ様々な工事が始まることと思います。
積雪耐久の関係があるので、巨大とはなりませんが屋根の話も現実的に前進しています。
ホロホロチョウも産卵が始まり、外放飼の準備も色々と進めていかなければなりません。

 

サムネ1

こうきゅうたまご


 

私が一年で最も楽しみな閉園期間。やるべきことやりたいことが尽きなくてとても待ち遠しい。来年度もキリン舎かば館のパワーアップをお楽しみに。


きりん舎かば館・両生類は虫類舎 担当
鈴木 達也
 

毛生え薬研究会

 ペンギンは1年に1回全身の羽が生え替わります。これを換羽といいます。なぜ換羽をするかというと、1年間同じ羽を使っていると撥水性や保温性が無くなってきてしまうからです。動物園で暮らしている分には多少羽の機能が弱くなってきてもそこまで問題にはなりませんが、自然界ではちょっとの羽の濡れや体温の低下が命取りにつながります。
 旭山動物園ではキングペンギンは1月から4月にかけて換羽が行われます。ところがまれに換羽が起こらない個体がいます。原因は不明です。そしてもっとまれに2年間換羽が起こらない個体がいます。さすがに2年間換羽が起こらないと色がセピア色っぽくなり、見た目にもハゲてきているように見えます。未だに謎は多いのですが、鳥の換羽には甲状腺ホルモンが関係していることがわかっています。甲状腺ホルモンは私たちヒトの体でも非常に重要な役割を果たしています。調べてみると、猛禽類では甲状腺ホルモンを投与することで換羽が起こったという研究が見つかりました。お、それならペンギンでも換羽が起こるのでは!?ということで甲状腺ホルモンの投与を開始してみました。するとどうでしょう無事に換羽が始まったのです。もちろん薬には副作用などのリスクもあるので、毎日のエサの量などの健康状態のチェックを行いながら投薬しています。
 来園者の方とこのお話しをしていると必ず、それって毛生え薬なんですか?と聞かれます。毛生え薬、、、ではないけれど羽生え薬って言っても良いのかな?

サムネ1

換羽中のキングペンギン。古い羽が浮いてきてモコモコした姿になります。


 

サムネ2

2年間換羽していないセピア色のキングペンギン(赤い○)


 

                                         獣医師・オランウータン担当:佐藤

こども牧場のブタは今日も元気

 気がつけば3月も終盤に差し掛かり、もうすぐで4月になります。降る雪も雨に変わり少しずつ春の訪れを感じます。
 第2こども牧場では、今日もブタが2頭(うめ・ゆず)仲良く暮らしています。気温が高くなり雪解けで濡れた地面が乾くと、うめとゆずはくっついてお昼寝をすることがあるので、動物園に来る際は、ブタやこども牧場の動物たちを見に来てください。

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ブタの「うめ(奥)」と「ゆず(手前)」

こども牧場担当:紺野聖空

チンパンジー今冬の様子

 3月に入り季節は少しずつ春の足音が聞こえています。朝の通勤途中の近くの川ではハクチョウが羽を休めていました。これから多くの水鳥が渡ってくる姿も増え、他の動物たちも春の陽気を感じてより変化がある時期でもあります。
 チンパンジー11頭も冬の間、当園で10年以上取り組んでいることが風邪予防対策で長ネギを与えています。さらに今年は今までと違った冬期の過ごし方をしていました。天気や気温・体調を考慮しながら短い時間ですが外に出て日差しを浴びながら雪をいじったり、食べてみたり、その反面、雪の上は歩こうとしない場面も見られました。
 ちんぱんじー館出口の左側の出窓には実はヒーターが昨年春に設置され暖かく過ごせる場所を増設した場所がありみんな集結してコミュニケーションをとっている姿が、間近で見ることができます。現在雄2つと雌のグループで時間帯は不定期ですが出窓にいる元気な様子を見てもらえればと思います。ぜひ、見に来てください。
 

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長ネギを食べるチンパンジーたち


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ちんぱんじー館出口左側にある出窓スペース

ちんぱんじー館担当:高井正彦

動物たちの食事事情

今まで取り組んできた活動を評価していただき、昨年2月末に旭山動物園が登録博物館に認定されてから、早いもので1年が経ちました。今後も、観光施設であるだけでなく、博物館としての社会的役割もしっかりと果たしたうえで、魅力的な動物園(博物館)であり続けるため、現状に甘えることなく、常に1歩前を見据えた取組を目指していきたいと思います。
さて、最近、物価高騰に伴う様々な商品の値上げのニュースをよく目にしますが、動物の餌も例外ではありません。とはいえ、餌は動物たちの命をつなぐ、正に生命線です。餌の予算はしっかりと確保して、できるだけ新鮮なもの、それぞれの動物にあったものを必要な量与えています。そのうえで、安い仕入先を探すのはもちろん、餌自体を工夫してコストを下げる努力も欠かせません。現在餌用の肉類は馬肉・鹿肉・鶏肉を使用していますが、比較的安価で入手できる鹿肉を、できるだけ使うようにしています。ただ安いからというだけではなく、低カロリーでヘルシーなので動物の健康維持にも役立ちますし、数の増加が問題となっているエゾシカをただ駆除するのではなく、次の命につなげる、という意味合いも込め、現在もうじゅう館やほっきょくぐま館で使用しています。また、ゴマフアザラシは、夏場と冬場で食べる量が倍近く変わる(脂肪を蓄える秋口以降は多く、脂肪の落ちる夏は少なくなる)ため、仕入れる餌(魚)の量もこれに合わせて無駄が発生しないよう調整しています。
寄附で頂いた餌も活用しています。時期により、ニホンザルが好んで食べているカボチャやサツマイモなどの野菜のほか、ドングリやクルミといった木の実など、多くの餌が届きます。皆様の温かい善意に本当に感謝しています。
このように、コスト意識も持ちつつ、動物ごとの生態にあわせて餌の量や種類を調整し、各担当が責任を持って動物たちの命や健康を守っています。園内で動物が餌を食べている場面を見かけたら、裏にこんな努力や工夫があることを少し思い出してもらえたらうれしいです。
 

アザラシ
冬場は食欲旺盛、ゴマフアザラシ
 
令和7年3月5日
旭山動物園 沼田

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「春の足音、ヤギの足跡」

  気温が上がり雪解けが進む中、旭山動物園こども牧場では4月の休園期間に向け、ヤギ・ヒツジ放飼場の雪の搬出を進めています。

地面がぬかるむ前に準備を整える必要があるためです。そんな中、ヤギやヒツジたちは変わらずのんびりとエサをねだっています。


サムネ1


飼育員の脚に頭を擦り付けるよもぎ
 

第2牧場ではこの数年で高齢の個体が相次いで亡くなり、新たな世代のヤギたちが台頭しています。
4年前に来園したよもぎは以来若いヤギのまとめ役でしたが、より若い世代の下剋上を受けて大人しくなり今では隠居生活を送っています
。一方、同世代のもみじは直接の頭付き合いには弱いものの、高所で過ごす経験が最も長く橋の上でのエサ争いには誰よりも強くなりました。
 

サムネ1

橋の上に登るもみじ

現在の群れのリーダーは2歳のオスヤギ・かえで。エサの取り合いのときは誰にも容赦しませんが、人に対しては甘えんたがりな一面も見せます。
妹のあかねと母親のこむぎは今も同じ小屋で仲良く過ごしており、血縁の絆の強さがうかがえます。

サムネ1

小屋の中で身を寄せ合う母娘

早いもので冬季開園も一ヶ月と少しを残すばかりとなりました。
雪の中でも元気に駆け回る個性豊かなヤギたちに、ぜひ会いに来てください。

こども牧場 ヤギ担当:堀川

恋の季節

 皆さんこんにちは。昨年の11月からフラミンゴの担当となりました。
 冬期間のフラミンゴたちは屋内で飼育しているため、その姿を皆さんにお見せ出来ないのがとても残念です。そこで今回はフラミンゴの近況をお伝えします。

 旭山ではヨーロッパフラミンゴ、チリーフラミンゴ、ベニイロフラミンゴの3種類のフラミンゴを飼育しており、よく見るとそれぞれ特徴があります。

 嘴が青みピンクのヨーロッパ、嘴白くて体が桃色のチリー、体も嘴も朱色のベニイロ、となっております。

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どれがどれか分かるかな?


 私が掃除をするために中に入ると鳴きながら一斉に移動するフラミンゴたち。しばらくすると落ち着いて鳴き止むのですが、最近はむしろ声が大きくなっていくのが気になりました。
 掃除中にこっそりとフラミンゴを観察していると、2種の求愛ディスプレイ(求愛のために自分の体や動作を誇示する動作)を確認できました。

 まず1つめが首を長く伸ばし、素早く顔を左右に振る動きの「旗振り」
 2つめが細かく鳴きながら勢いよく羽を広げ、素早く閉じる「敬礼」です。

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2羽で敬礼

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アピールアピール!


 (残念ながらホームページには動画を掲載できないので、ディスプレイの様子は2月15日投稿の旭山動物園公式SNSからご覧ください!)

 もうひとつ代表的なディスプレイに「行進」がありますが、今回は確認できませんでした。

 まだまだ寒い旭川ですが、フラミンゴたちの熱い恋の季節は始まっているようです!

エゾモモンガ舎・北海道産動物舎(小動物・野鳥)・フラミンゴ担当:櫻井結夢

「ん?」

再びカエってきました。
両生は虫類舎の鈴木です。
いつぞやは「しいくのぶろぐ」にてカエルの色のお話をしました。

しいくのぶろぐ「黄ガエル青ガエル」(2024年10月23日更新)
 

前回は、青いアマガエルが青くなくなって戻らないとのことだったのですが、

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                       【ばっちり青いアマガエル】
 

はい。ばっちり真っ青になっています。

電気は以前のものと同じものを使用し、周りの植物も以前のまま。特に視的要因として大きな変化は与えていません。唯一変化させたことといえば、日照サイクル。
今までは、出勤し獣舎についてから電気をパチリとしていたので、光にさらされる時間は9時15分~17時30分の固定でした。
現在、タイマー式に変更し、外の日照サイクルに何となく合わせるようにしています。
アマガエルの体色変化はストレス状態及び視的要因によるものが大きいという先入観があったので、これはいかに。。。
果たして日照時間の長さとは別に、日照サイクルがストレスないし体色に与える影響が直接あるのか定かではありませんが追って研究する必要がありそうです。
なんにせよ、人も生き物も正しい生活リズムを送るのが大切なようです。遅寝遅起きは駄目だということで。

それとは別に、カバの寝室にて緑色のカエルを捕まえました。
ちょうど緑のアマガエルが欲しかったので良かった良かった。


サムネ
【ん?】
 

と思ったら、残念これはシュレーゲルアオガエルというカエル。
いかにも外国風な名前ですが日本固有種です。ただ、北海道には本来生息していません。
野菜に紛れてきたのか、本州からはるばる旭川に来たようです。
そもそも北海道で見たのも初めてで、無模様緑のカエルは「アマガエル」という先入観があったため、顔に違和感を覚えながらも判明が遅れました。
先の青アマガエルの体色変化もそうですが、先入観を持たない大切さを改めて感じます。
 

きりん舎・かば館・両生類は虫類舎
鈴木 達也
 

ヘビ、お嫌いですか?

 第66回旭川冬まつりが無事終了しました。「繋がりと共生」をテーマとし、旭川と関わりの深い様々な動物たちの大雪像に力強さと未来が見えました。動物園でもこの期間内の8日から10日の3日間「雪あかりの動物園」として開園時間を延長し、アイスキャンドルに照らされた園内や冬の動物たちの夜の姿をご覧いただけたかと思います。寒い中、ご来園ありがとうございました。
 さて、ヘビ年ですね。ヘビという動物、みなさんはどのような印象でしょうか?あのニョロニョロとした動きが…舌のちょろちょろが…ヌルヌルしてそうで…毒があるし…。怖い、気持ち悪いととかく嫌われがちな動物ですが、その行動には意味がありすごい能力を持っています。
 まずはニョロニョロ。ご存じの通りヘビには足がありません。お腹側にある板状になったうろこ(腹板)と全身の筋肉を使い移動します。種によって前後に伸縮するタイプや砂地などで横ばいに動くタイプ、またよく見る左右にくねる、いわゆる「蛇行」タイプがあります。それに耳がないので音はお腹から伝わる振動で感じ取っているのです。そして舌のちょろちょろ。ヘビには鼻の穴はありますが、プラス舌を出し入れすることで臭いの粒子を舌につけて体内にある器官で臭いを感知しているのです。そしてヌルヌル。実は、ヘビのうろこは人の爪などと同じ性質のケラチンでできているので、ツルツルでスベスベなんですよ。あとは毒。2700種以上いるヘビの中で毒を持つ種は全体の20%弱で、ほとんどの種類には毒がないのです。
 どうですか?体の秘密はまだまだあります。知れば知るほど深い動物ですね。ヘビがいるということは餌となるネズミなどの小動物が豊富だということ、小動物がいるということは森が豊かで循環がうまく回っている整った環境だということ。私たちもヘビのように細く長く、いい環境で過ごしたいですね。
 

ヘビ
北海道ではおなじみのアオダイショウ
 
令和7年2月12日
旭山動物園 中田

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ニワトリが産む巨大卵の正体!

 コケコッコー!!2月になりましたが、今年は例年より雪も少なく、既に春のように暖かく感じる旭川です。

 こども牧場のニワトリは毎年冬になると、寒いからか外の砂場は出たがらないのですが、ここ数日は暖かさもあり、自ら砂場に飛び出て行き、砂に体をこすりつけて砂浴び楽しんでいます。

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砂浴びをするニワトリ


 そんなニワトリは毎日卵を産みますが、最近やけに大きな巨大卵がよく産まれるのです。

 旭山動物園のニワトリの卵は白色卵(ハクショクレグホン種とボリスブラウン種の交雑)と茶色卵(ボリスブラウン種)の2種類産まれます。卵の平均の重さは約60gくらいですが、巨大卵はなんと106gとずっしり。見た目の大きさも明らかに他のより大きいのです。

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巨大卵と通常卵

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巨大卵の重さ

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通常卵の重さ

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卵の大きさ比べ

 今までは、巨大卵が産まれても中身は未確認のままでしたが、中身が気になってきたので、ついに割ってみる事にしました。

 巨大卵を割ると.....

 なんと黄身が2つ!!!!しかも2つの黄身はほぼ同じ大きさ。他の卵と比べても、黄身が小さいということもなく平均的で、立派な双子卵でした。残念ながらどの個体が産んでいるかはわかりませんが、ここ最近はよく産まれています。

 こども牧場のニワトリ・アヒル舎では、ニワトリが産んだ卵が毎日見れます。巨大卵がみれるかもしれません!

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巨大卵の中身!黄身が2つ

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こども牧場のニワトリ舎


 ちなみに、割った後の卵はニワトリたちが美味しく卵を食べました。
 みなさんは黄身が2つの卵にであったことはありますか?

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卵を食べるニワトリ

こども牧場担当:大河原沙織

ブラッザグェノンの近況

 「おしらせ(しいくにゅーす)」でもお伝えした通り、昨年の11月17日にブラッザグエノンが生まれました。現在は母親から少し離れて遊んでいる様子もみられるようになりました。

 冬期は気温が低いので、展示時間を短縮しています。お昼頃の1~2時間くらいの間に、テラスのヒーターが点いていたら、そこにいるので覗いて見て下さい。

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サル舎・ぺんぎん館担当:田中千春

今年もこの季節が…

 2月6日~11日、旭川冬まつりが開催されます。これに合わせて旭山動物園でも2月8日~10日の3日間、「雪あかりの動物園」として開園時間を20時30分まで延長し、冬の夜の動物園を楽しんでいただきます。園内にはたくさんのアイスキャンドルが優しく照らし、静寂の中の動物たちの息づかいを感じていただければと思います。

 で、このアイスキャンドル、職員たちの手作りなんですよ!工程は「水入れ」→「運び」→「吊るし」→「放置」→「穴あけ」→「水抜き」→「完成」です。ポイントは気温!氷点下15度くらいがベストで一晩吊るすと、翌日風船の外側だけが凍り真ん中は水状態。ここでドリルを使い穴をあけ中の水を抜くと完成です。

 寒すぎると全部が凍りただの丸い氷の塊になり、気温が高いと凍ってくれないという、なかなか繊細な作業なのです。

 最近は凍れる日が少なく、二晩吊るす時もあります。

 これも温暖化の影響ですかね?!ともあれ目標は850個!あと数回はこの作業が繰り返されます。みなさん、当日をお楽しみに!

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1.水入れ

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2.運ばれ待ち

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3.運び

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4.ベテランは2個持ち

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5.吊るし

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6.白いスライムたち

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7.穴あけ

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8.水抜き

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9.前回の完成品

主幹:中田真一

ゴマフアザラシの採血が成功しました!

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 新年あけましておめでとうございます!
 皆様はどんな年末年始をお過ごしでしたか?
 旭山動物園は12月30日〜元旦までお休みで、1月2日から開園でしたが、年始早々たくさんの方々に来園いただいており、喜ばしい限りです。
 今年も皆様にとって素晴らしい1年になるよう、お祈り申し上げます。

 さて、あざらし館でも飼育員が声を上げて喜ぶような嬉しいニュースがありました!

 気になる内容はというと…
 ハズバンダリートレーニングによって、ゴマフアザラシの麦の無保定採血が成功しました!!(ハズバンダリートレーニングとは、健康管理を目的とし、動物に協力してもらいながら受診動作を行うためのトレーニングです。)

 そもそもトレーニングをしていないアザラシの採血は、プールの水を抜き、アザラシの頭に毛布をかけて飼育員が人力で保定して採血するという、中々に強引なやり方なんです。

 これだと、アザラシも飼育員もかなり負担がかかり、ベストな採血方法とは言えないと思います。

 そこで、2023年の9月頃から麦がリラックスしながら無理なく無保定採血を行えるように、採血のハズバンダリートレーニングを始めました。

 採血に向けてのトレーニングの流れとしては
 (1)後肢が触れようになる
 (2)後肢のどこを触っても待てる
 (3)後肢を広げたり裏返したりできる
 (4)後肢のどこを触っていても完全に脱力した状態で待てる
 (5)後肢にお湯をかけられる
 (6)後肢にタオルを乗せられる
 (7)後肢にタオルを乗せながらお湯をかけても待てる
 (8)針を刺す場所に指で刺激を与える
 (9)針を刺す場所に爪楊枝の頭や先で刺激を与える
 (10)針を刺す場所に先を丸めた針で刺激を与える
 (11)針を刺す場所に本物の針を刺し、採血を行う
という流れで進めていきました。

 元々、ボディタッチは100点満点な個体でしたので、後肢は割と早い段階で脱力して触れて待てる段階まで進みました。

 しかし、そこからがとても長かった…!
 旭山動物園は屋外での飼育なので外気温が上がると水温も上がり、夏場は暑いときで水温30度になることも…。その影響もあってか、夏場は食欲が下がり、トレーニングがままならず、また振り出しに戻ってしまうということがしばしば続きました。
 トレーニング意欲も戻ってきた2024年9月頃、再度本格的に後肢の付け根から採血できるようにトレーニングを再開しました。

 その後、なんとか後肢に刺激を与える段階まで進みましたが、思うように麦が落ち着いてじっと待てる状態を作ってあげることが出来ず、試行錯誤の日々が続きます。(この時点で採血トレーニング開始から1年と3か月が経過していました。)

 そこで今一度色々と採血トレーニングのやり方を調べ、「今まで行っていた後肢の付け根ではなく、後肢を裏返し、指から採血をしてみよう!」ということになりました。

 すると…!嫌がることもなく、血管もすぐに見つけることができ、先を丸めた針でツンツンしてみても無反応でした!(2024年12月10日)

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お湯をかけて浮かび上がる血管

 これはいけるのでは!?と、すかさず本物の針で、いざ採血を試みました!
 獣医さんも初めてのアザラシの採血なので、初回は上手く血が返ってこず、検査に必要な量は採れませんでしたが、「針を刺してじっと待てる」は難なくぬるっとクリアできました!(志子田は心の中でガッツポーズしてました)

 そして、同日の夕方にリベンジ採血…!

 その結果!なんとなんと!!血液検査に必要な量も採血できて(獣医さんすごい)、麦も落ち着いて(麦えらすぎ)リラックスした状態で採血することができたんです!!(担当者2人、これまた歓喜の声を静かめにあげます)

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採血成功の瞬間

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麦の血液の記念撮影

 その後、無事血液検査も終わり、麦は健康そのものということが分かりました。
 麦はこれから性成熟を迎える年齢(4歳になります)なので、ホルモンの値が季節や妊娠によってどう変わっていくか、現在は定期的に採血を行い、指標を作っていっています。

 アザラシたちの健康を守るためにもトレーニングは必要不可欠です。もぐもぐタイム中と、それ以外の時間に不定期でトレーニングを行っています。見かけた際は、ぜひ温かく見守ってくださいね!

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お魚が無くて信じられない様子の麦

あざらし館担当:志子田紗希

動物園の新年と未来への取組み

 明けましておめでとうございます。皆さん、お正月はいかがお過ごしでしたか。動物園の営業は12月30日から1月1日あまでお休みでしたが、ご存じのとおり動物の飼育に休みはありません。年末年始も飼育職員は交代で勤務していて、実はこの期間にも「ペンギンの散歩」は実施しています。ペンギンの習性を生かして冬の運動不足を解消しようと始めたものなので、お客さんがいなくても行うのです。お客さんがいないため、散歩コースから脱線してしまう自由気ままなペンギンの姿が見られるのは飼育職員の特権かもしれません。3月に入ってからも続けられるよう、周りの雪を集めながらコースを維持しているのですが、気がかりなのは、年々雪解けが早まっているため、この先も同じように続けていけるのか心配になります。
 温暖化の影響を受けている動物の代表格がホッキョクグマです。息継ぎのた頭を出したアザラシを、氷の上で待ち構え捕食するため、氷がなくなると狩りができなくなってしまいます。絶滅が危惧されているホッキョクグマの「種の保存」のため、全国の動物園・水族館では協力して繁殖に取り組んでいます。そうした中、旭山動物園では2021年の「ゆめ」に引き続き、繁殖にチャレンジしていて12月中の出産が期待されましたが、残念ながら今日1月6日の時点で出産には至っていません。
 旭山動物園では「Zero Carbon ZOO(ゼロカーボンズー)」の取組みも始めています。これは、動物園で生じる二酸化炭素の排出量を将来的に実質ゼロにしようとするものです。でも、ただ単に太陽光などの再生可能エネルギーに置き換えていくといった話ではありません。緑が多く、様々な動物を見られる当園は、自然を感じられる場所です。市民や来園者の方々に気候変動の問題や持続可能な生活スタイルなどを伝えることで、将来世代のために環境意識を高めてもらい、地球に優しい行動に移してもらうきっかけの場所となるのがメインテーマです。今年はそれに向けて意義のある1年にしたいです。
 

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自由気ままに散歩するキングペンギンたち(1月1日撮影)
 
令和7年1月6日
旭山動物園 田村

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