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「ブログ(2024年)」の記事一覧

新メンバー紹介します!

 30度を越える真夏日が続き強い日差しに肌がこんがりと焼けるような気がする、と思いきや今これを書いている外では落雷と共に雨が窓を強く叩く音が響いており何とも夏の不安定な気候に驚かされておりますが皆様いかがお過ごしでしょうか?
初めまして。

 4月から旭山動物園で勤務しております、長屋と申します。
 以前までは動物とはあまり関係の無い仕事をしていたので動物を飼育する、観察する日々が新鮮かつ楽しい反面、体力勝負!な仕事内容に己の体の悲鳴を聞きながら毎日全力で業務に励んでおります。
私はカバ、キリンを担当させて頂いておりますが、今回はカバでもキリンでもなく新たなメンバーについてお話させていただければと思います。
 現在きりん舎のバックヤードでは、キリンとの共生飼育を目指してホロホロチョウを飼育しております。6月半ばに生まれたばかりの雛がやって来て1か月ほど経ちましたが、手のひらサイズだったひよこたちは今では両手でわしづかめるようなサイズにまで成長しました。

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片手に収まってしまう程の小ささ
 

 逃げ足が速く、かつ高く飛び上がることのできる強靱な脚力を持っているため、収容しているケージを軽々と飛び越え脱走し、部屋中を猛スピードで駆け回る姿を見てなんと肝の冷えたことか!まだ小さいから大丈夫だろうなどと思っておりましたが、想像していたよりもずっと成長が早くもうこんな事までできるのか!という驚きが日々絶えません。もちろん脱走防止のためケージには蓋を取り付けました。ひとまずはこれで安心です。
 

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やって来たばかりのホロホロチョウ 
 

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現在のホロホロチョウ
画角に収まらないほど素早く、かつ高く飛びます
 

 まだまだ羽が成鳥のものとは異なり茶色くふわふわとしたもので子供っぽさを感じますが、くちばしの先が色づいてきたり鳴き声がぴよぴよといった可愛らしいものからホイッスルを鳴らしたときのような鋭い声に変わってきておりからだの大きさ以外にも様々なところで成長を感じております。もう少ししたら切羽(風切り羽を切り、飛んで逃げるのを防ぐ処置)を行ってお外デビューもさせようかと考えております。
 キリンと一緒に放飼して皆様にお見せできるのはまだもう少し先になってしまうとは思いますが、楽しみに待っていただければと思います。


きりん舎・かば館担当:長屋咲子

動物園だより296号「クロスワードパズル」の答え発表!
 抽選会も行いました!

動物図書館から発行している「動物園だより」296号で実施した、
クロスワードパズルへのたくさんのご応募、ありがとうございました。
今年も、旭川市内を中心に道内、関東圏、関西圏、九州の方などたくさんのご応募いただきました。
 

だより
(旭山動物園だより296号)


 

では「クロスワード」の答えを発表させていただきます。
こたえ

答えは「ホッカイドウサン」でした。
 

そして、7月21日、坂東統括園長による厳選なる抽選を行いました。
坂東さん
(厳選なる抽選を行う坂東統括園長)
 

抽選で選ばれた10名の方には、近日中に賞品を発送させていただきます。


賞品は…
今年は4月にシマフクロウが、5月にエゾタヌキが誕生…ということで、
北海道で生きる動物の誕生が続きました。

クロスワードの答えは「ホッカイドウサン=北海道産」ということで、
エゾタヌキの何かにしようと考えていた結果、
賞品

(8頭生まれましたが10頭制作しました。10名様なので笑)

「こども牧場」で飼育しているヒツジの毛を使って作った
「羊毛 子ダヌキ」を作りました。
手作りなので、表情がみんな違います。
※白い部分以外は市販の羊毛を使用しました
 

クロスワードに挑戦していただいた皆さん、ご応募、本当にありがとうございました!
当選者の発表は賞品の発送をもってかえさせていただきますことをご了承ください。

引き続き、動物図書館をよろしくお願いいたします!
 


投稿者:動物図書館 北川裕美子

図書館ぶろぐアーカイブ

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新しい発見に出会える場所~動物図書館

 動物園内に「動物図書館」があるのをご存じですか?こども牧場の隣にある動物資料展示館の2階にあるんです。決して広くはありませんが、絵本・児童書・図鑑・専門書など、動物に関する本を2,500冊以上蔵書しています。開館時間中は、図書館スタッフが常駐しており、調べ物の相談をすることもできます。生きものについて興味や知りたいことがあれば、ここでその答えが見つかるかもしれません。
 拾った羽根がどんな鳥のものか調べたいと来館された方に、原寸大写真図鑑をご紹介し、羽根の実物と図鑑の写真を照らし合わせて答えが見つかり、喜んでいただけたこともありました。生きものに関する「大きさ」や「色味」といった、インターネットで調べても正確なイメージを捉えづらい内容について調べる必要があったので、図書館資料が役に立ちました。
動物図書館だけにしかない資料もあります。歴代図書館スタッフ渾身の力作「おりがみえほん」は、動物の顔などを折り紙で折って貼り、楽しみながら園内の動物について学べる、持ち帰りOKの手作り冊子です。また、こうほう旭川市民「あさひばし」で毎月掲載している「動物園からの手紙」も第1号からのスクラップブックを作成しており、自由に閲覧いただけます。
 動物図書館では、来園者が気軽に立ち寄っていただけるよう、スタッフによる絵本の読み聞かせや、『旭山動物園だより』、『あさひやまどうぶつえんみにだより』の作成、配布なども行っています。また、昨年から新たに設置している「だれのもの?」コーナーは、園内動物の貴重な毛や羽根を展示し、触れる体験ができたりと、老若男女問わず好評で、幅広く楽しんでいただいています。目的がなくても全然問題ありません。ふらっと立ち寄っていただくだけでも、きっと何か発見があると思います。来園された際は、ぜひ動物図書館にも足を延ばしてみてください。
 

写真
マヌルネコ(上)とブタ(下)のおりがみえほん。
他にも多くの動物のものがあります


 

 

令和6年7月22

旭山動物園 沼田

どうぶつえん日記アーカイブ

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ゴマフアザラシの繁殖期のお話

 夏の日盛りに木陰の恋しい季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
 昨年11月にこども牧場からの異動で、あざらし館の担当となりました、志子田と申します。
 今回は、ゴマフアザラシにとっての一大イベント、繁殖期についてお話をしようと思います。
 旭山動物園では、5頭のゴマフアザラシを飼育しています。その内、ぽちゃ丸、ましろ、麦が旭山生まれで、麦はぽちゃ丸の娘、ましろは麦の異母姉妹など、血の繋がりがあります。一方で、限られた場所での飼育となると、どうしても避けられない問題があります。同じペア同士が繁殖をし続けると、血が濃くなってしまい、近親交配の危険性も出てきてしまいます。そのため、2022年12月に、オスのマンタローと稚内市立ノシャップ寒流水族館生まれのオスのラッキーとの個体の交換がありました。
 ゴマフアザラシは3?4月頃に繁殖期を迎えます。ラッキーが来てから初めての繁殖期を迎えた2023年は、メスと闘争があったり、オスとしてまだまだ受け入れられていないのか、求愛行動は見られませんでした。
 しかし、2024年のラッキーは今までとは違いました!胸の辺りを震わせて水中でコンコンコンと音を出したり、大きな声で鳴いたり、メスが困ってしまうくらいずーっと傍に居るなどの求愛行動が確認できました。
 そして、気になる恋の結果はというと…?
 ぽちゃ丸とましろのメス2頭との交尾が確認できました!はれてオスの役目を果たせたラッキー!よくやった!
 

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交尾は水中で行います


 ぽちゃ丸は何度も出産経験のあるベテランママですが、ましろは今までオスに相手にされたことがなく、もし出産となると初産となります。また、2021年の出産を最後に旭山動物園ではゴマフアザラシの仔は生まれていません。
 出産シーズンは翌年3~4月なので、約4年振りの出産になるかもしれませんし、もしかしたら2頭同時に生まれる可能性もあります。しかし、まだまだ先のお話にはなりますので、まずは妊娠しているかどうか、ただただ祈るばかりです。
 妊娠していた場合には、その後の経過についても皆様へお伝え出来ればと思います。それでは、お楽しみに!
 

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何故かましろもくっついてきてゴマ団子に
 

あざらし館担当:志子田紗希

新遊具ができました

 4月から新たにレッサーパンダ舎・マヌルネコ舎の担当になり、3ヶ月がたちました。
 最初は同じに見えていたレッサーパンダたちの顔も毎日見ているとだんだんと見分けがつくようになりました。性格や行動パターンもそれぞれの個体ごとに違っていて、日々観察していると面白い発見がたくさんあり新鮮です。
 さて、5月下旬にレッサーパンダ舎(アクリル側)に新遊具が完成しました。
予告などはしていませんでしたので、来園された方の中にはびっくりしたかたもいるかもしれません。
 

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新遊具
 

 きりん舎で以前使用していたものを再利用し、レッサーパンダたちが快適に過ごせるようにということで設置しました。簡易的な日陰としての役割もあります。
 現在では、すっかりレッサーパンダたちのくつろぎスポットになっていますが、設置した当初は突如現れた新遊具に驚き一旦戻ってくる個体や、しっかりと確認した後におそるおそる登ってみる個体がいたりとそれぞれ新鮮な反応を見せていました。
 野生では木の上で暮らす動物なので、高いところが落ち着くのか外に出ているほとんどの時間を新遊具で過ごしています。
 来園された際はぜひ新遊具でくつろぐレッサーパンダたちを見ていただければと思います。
 

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くつろぐ菫菫(ジンジン)
 

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降りる菫菫(ジンジン)
 

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くつろぐ蓮蓮(レンレン)
 

レッサーパンダ舎・マヌルネコ舎、タンチョウ舎担当 土井 尚哉

「だれかのはたけ」はだれのはたけ?

動物図書館のある動物資料展示館の前庭に、春、「だれかのはたけ」をつくりました。
看板
(4月の閉園期間中に造成しました)

廃材で畑の枠を作り、
園内にある堆肥場から堆肥を運び、ダチョウの担当スタッフからは
ダチョウの糞もいただきました。
堆肥を運んでいるときに土の中から出てきたカブトムシの幼虫の糞も、「はたけ」の土に入っています。
(カブトムシの幼虫は動物図書館で飼育中です)

5月15日、セリ科とマメ科、アブラナ科(2種類)のタネを植えました。
6月29日の「だれかのはたけ」はこんな感じ(朝、水をあげたのに昼には乾いていました)。

アブラナとマメ

(アブラナ科とマメ科の「はたけ」 )

せり
(セリ科の「はたけ」 )

アブラナ科とマメ科の「はたけ」 は、結構育っていて、だれかに食べられている葉があります。
セリ科の「はたけ」は、なぜか右の方の芽が出てきていませんが、まあまあ成長しているようです。
この日の朝、アブラナ科の葉の裏を見ると

はの裏

(緑の幼虫が2匹います)

「だれか」がいました。それも2匹。ほかの葉にもいました。
何という虫の幼虫なのでしょう。とりあえず、現在は彼らの「はたけ」のようです。

あと、「はたけ」 のそばの昆虫ネットでは、ダチョウの放飼場にあるクリの葉にいた幼虫を飼育しています。
ちなみに、ヤナギにいた昆虫の幼虫は6月20日にサナギになりました。まもなく羽化します。
さなぎ

(どこにサナギがあるかわかりますか?)

ちなみにこのサナギは、幼虫時代にヤナギの葉を食べて育つ
「コムラサキ」というタテハチョウ科の昆虫のものです。

幼虫時代からサナギまで、ヤナギの葉に擬態しています。


投稿者:動物図書館 北川裕美子

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オシドリのヒナが産まれました

 繁殖のためにバックヤードで飼育していたオシドリの卵が孵化し、3羽のヒナが産まれました。
 初日はお隣のキンクロハジロの部屋に迷い込むというハプニングもありましたが、順調に生育し大きくなっています。
 

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オシドリのヒナ
 

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オシドリオス(エクリプス)とヒナ
 

 オシドリのヒナはマガモ・カルガモのヒナと見た目がそっくりですが、頭の形が少し違うように思います。
 今後来園者の方にも観察してもらえるように展示場の環境作りを頑張りたいと思います。
 

ととりの村・オオカミの森担当:原田 佳

こども牧場のヒナたち

 旭山動物園では、4月にシマフクロウが誕生し、ととりの村では、現在カモのヒナたちがすくすくと成長していて、にぎやかな時期になりました。これらの動物に加え、こども牧場でもニワトリとアヒルのヒナが元気に成長しています。
 まず、ニワトリは5月にふ化し、こども牧場のスタッフルームで羽が生え揃うまで飼育し、6月頃からニワトリ舎に引っ越しをし展示を開始しました。一方、アヒルのヒナは、6月に旭山動物園に来園したばかりで、ニワトリ同様に、今はこども牧場のスタッフルームで飼育をしています。まだ、公開はしていませんが、もう少し成長するとアヒル舎に引っ越しをする予定です。
 ヒナたちでにぎやかになったニワトリ・アヒル舎をご覧いただければと思います。そして、ヒナたちの成長にもぜひご注目を!
 

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日向ぼっこするニワトリのヒナたち

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6月に来園したアヒルのヒナたち

こども牧場・教育担当:佐賀真一

シマフクロウヒナと保全に関する取り組み

 今年の4月9日にシマフクロウのヒナが生まれ、旭山動物園でのシマフクロウの繁殖は3度目となりました。過去いずれも♂ロロ×♀モコのペアでの繁殖です。
 同じペアからの繁殖が多くなると、国内の飼育下シマフクロウ個体群のなかで血統の偏りが生じてしまうため、今回の繁殖がこのペアでの最後になるかもしれないと思っていました。実績十分のこのペアに任せておけばヒナが生まれるのは確実なのかもしれませんが、野生下のシマフクロウの現状を考えた時に、ただ飼育下でヒナが生まれ個体が増えるだけよりも、将来的にシマフクロウの保全に繋がるような取り組みにしたいと思い、人工孵化を実施しその生まれたヒナを巣に戻すことを行いました。
 これは例えば何らかの原因によって巣が放棄され、卵の状態やヒナの状態で保護される、野外で絶滅しそうな時に飼育下の卵やヒナを野生の巣に戻す取り組みに繋がる可能性があります。そのような状態にならない方が良いにこしたことはないですが、将来的にライチョウやツシマヤマネコのように野生下と飼育下、域内と域外が連携した野生動物の保全の取り組みを目指したものです。
 実際に生体や卵を移動させたりといった具体的な取り組みはまだありませんが、普及啓発の面では域内と域外の連携はすでに動き出しています。今年の春から環境省主導のもと普及啓発連携チームが制作したパネルが旭山動物園のシマフクロウ舎に展示されています。とても充実した内容でわかりやすくまとまったパネルに仕上がっていますので是非来園された際にはじっくりと目を通していただき、シマフクロウを取り巻く環境や自然のことについて興味を持っていただければと思っています。このパネルの展示に関しては、さらに設置箇所や内容も増えていく予定になっています。
 今後のシマフクロウの保全に向けた域内域外、官民一丸となった動きに期待が高まります!
 

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最近のヒナの様子。親は心配そうにしていますが、高いところにも移動するようになりました
 

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域内域外連携チーム作成のシマフクロウに関するパネル。
野外でのシマフクロウの状況や保全活動についてなど読み応えありの力作!
 

フクロウ・えぞひぐま館担当:大内章広

ヒツジたちの夏

 4月から動物園で働いている小西と申します。
 こども牧場でヒツジを担当させていただいていますが、ヒツジとはどんな動物なのか?と調べることから始め、今ではすっかりヒツジの虜になっています。
 ヒツジと聞けば、モコモコの暖かそうな羊毛に包まれている姿を想像すると思います。
 こども牧場のヒツジたちもモコモコの羊毛をまとっており、触るととっても柔らかく、まるで布団のような心地よさを感じることができます。
 しかし来る夏の暑さに備え、5月末に"毛刈り"を行いました。
 毛刈り前は毛が多くて痒いのか、自分で柵に体を擦り付けて上手に体をかく姿を目にしましたが、毛刈り後はサッパリ・スッキリし、足取りも軽やかになったように見えます。
 

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毛刈り前でモコモコのユノ

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毛刈り後のスッキリしたユノ


 しばらくはモコモコの羊毛が見られず、少し寂しい気がしますが、毛のないヒツジは今の時期しか見ることができませんので、どんな体をしているのか、じっくり観察してみてください!
 そして、こども牧場には今年の2月に生まれた仔ヒツジの「ナツメ」がいます。私がヒツジの担当に就いた頃のナツメは、まだ哺乳瓶でミルクを飲んでいる赤ちゃんでした。
 仔ヒツジの成長と共にお母さんヒツジの母乳は少しずつ出る量が減っていき、やがて出なくなって離乳となります。同じようにナツメの成長にあわせ、ミルクの量を減らし離乳しましたが、授乳の時間になるとミルクを欲しがり鳴くので、私も飲ませてやりたい気持ちをぐっと堪えて、無事に卒乳できました。
 それからのナツメは青草のおいしさを知ったのか、放飼場内に生えている雑草を食べ歩き、
 時には柵の間から顔を出し、場外の草をつまみ食いするほどに…。
 6月から、餌として青草を与えはじめましたが、大人のヒツジやヤギに負けず劣らず、モリモリ食べている姿は、もう赤ちゃんではなく立派なこどものヒツジです。
 だんだんと体も大きくなってきて、ほんの少しだけ貫禄を感じるナツメの成長を皆さんにも見守っていただけると嬉しいです!
 

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嬉しそうに尻尾を振りながらミルクを飲むナツメ(4月頃)

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たくさん草を食べて成長中のナツメ


こども牧場担当:小西彩夏

エゾタヌキとアライグマの近況

 5月11日にエゾタヌキの「うみ」が出産し、約1か月がたちました。8頭のこどもたちは順調に育っており、数日前からは親について巣箱の外へ出てくるようになりました。
 今回はカメラを設置した巣箱で出産してくれたので、出産当日の様子から録画することができています。5月25日に別の巣箱へ引越しをして鳴き声だけの生存確認になり少し心配していましたが、6月1日に元の巣箱に戻ってきたので、録画による確認がまたできるようになりました。
 録画を見ていると、父親の「こたろう」とこどもたちだけで過ごす時間がけっこうあることがわかりました。また、私が巣箱に近づくと警戒して怒るのはこたろうです。(うみもまったく警戒しないわけではありませんが)
夫婦で子育てをすることは知ってはいましたが、こんなにも父親が関わる姿に驚いています。
 

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子を抱いて眠るこたろう
 

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6月8日撮影


 今後はこどもたちが外で過ごす時間が増えてくると思うので、たくさんの方にエゾタヌキの家族の様子を観察していただけると嬉しいです。
 

 それともうひとつ、今年3月にアライグマの「もり」亡くなり、4月からは新入りの「しんしん」(オス)を飼育展示しています。今年3月に旭川市内で捕獲された個体で、年齢は不明ですが若そうな印象です。まずは環境に慣れてもらうことを優先しているので、放飼場には隠れられる場所を作っているため、姿が見えない時間もありますがご了承ください。といっても、最近はモート(脱走防止の堀)にいることが多く、姿は見やすくなっています。何度も下りるので、現在はハシゴを常設していつでも上り下りできるようにしています。
 

 しんしんを通して、旭川でのアライグマ問題にも関心を持っていただけると嬉しいです。

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モートにいるしんしん


北海道産動物舎、サル舎担当:佐藤和加子

どうぶつえん日記・令和6年6月「飼育員の創意工夫と命の躍動が始まる春」

4月8日からの約20日間にわたる休園期間は、飼育員にとって一年で最も忙しい時期となります。一日のスケジュールとしては、まず午前中に各担当動物の飼育作業をあらかた終わらせ、13時から2時間の共同作業。砂や砂利をねこ(一輪台車)で運び入れたり、放飼場の改善やプール掃除などやること満載です。放飼場の改善は太い丸太を立てたり組んだりと、なかなかの力仕事です。ライオンの放飼場に組んだ丸太のお立ち台は必見です。また今年はチンパンジーやオランウータンなどサルの仲間に消防ホースを編んだハンモックの設置が流行しました。あまりの売れ行きに在庫のホースがなくなる勢いでした。「みんなくつろいでくれるかなぁ?」共同作業が終わったら動物の収容や給餌などの飼育作業をこなし、今度は看板の更新です。旭山動物園は各担当者が手書きでパネルを書くのが伝統です。手書きには温かみがあり、担当者の想いがより伝わりやすいと感じています。ぜひご覧ください。
そしてこの時期、動物たちにもいろいろな動きがありました。主なところではゴマフアザラシの交尾、ホッキョクグマのホクトとピリカの同居、アムールヒョウのデンとみらいのペアリング、シマフクロウのふ化など、皆さまに明るいニュースと命の輝きをお届けできるよう奮闘します。そんなこんなであっという間に夏期開園日です。ゴールデンウィークは好天に恵まれた日が多く、来園者のはじける笑顔を見ると4月の苦労も吹っ飛びました。
この日記が掲載される頃にはは過ごしやすい気候になっていることでしょう。ぜひ初夏の旭山で輝く動物たちに会いに来てくださいね。
 

ライオン
お立ち台でくつろぐライオン一家


 

 

令和6年6月11

旭山動物園 中田

どうぶつえん日記アーカイブ

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マガモ・カルガモのヒナが産まれました

 ととりの村では、「赤ちゃんがいる!」「かわいい!」と言う声が聞こえる季節がやってきました。
 最初にカルガモのヒナが孵化し、母鳥の後ろをついて泳ぐ4羽のヒナが見られました。
 母鳥がしっかり面倒を見て順調に育っているようです。
 一方その3日後くらいに孵化したマガモのヒナは、母鳥の後をついていかないヒナが1羽いて、人が歩く道の方へ走っていくヒナを母鳥が追いかけていく様子が見られ世話に苦労しているようでした。
 カモのヒナたちは孵化するとすぐに泳いだり自力で食べ物を食べることができますが、採食場所までの誘導、危険から逃れるための警戒、雨の日や寒い日に自力で保温することができないため母鳥のお腹や羽の下に入って温まるなど、しばらくは母鳥の世話になります。
 そんな親子の様子を観察したり、マガモとカルガモのヒナの違いを見つけたり、今年はモニターで巣箱の中の様子も見ることができますので、ぜひ観察してみてください。
 

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カルガモのヒナ(左)とマガモのヒナ(右)
 

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カルガモの親子
 

ととりの村・オオカミの森担当:原田佳

ゲンキとあさひのお話

 6年やっていた小獣舎(レッサーパンダ・マヌルネコ・ホッキョクギツネ)の担当も変わり早1カ月。
 現在はカバとキリン、引き続きの両生類は虫類舎を担当しています。未だに、ふとした時に自然と小獣舎の作業をやるために体が動いており、そのたびに「あぁ、もう担当じゃないんだった」と我に返り、6年のルーティーンというのは恐ろしいものです。
 担当が変わり初めて尽くし、、、と言いたいところですが、キリンもカバも代番(担当者が休みの時の担当)として通年やっていたことがあるので、基本的な作業自体は履修済ということになります。その分、自分が担当になった時はこうしたいというのをようやく出来る機会が来ました。
 やりたいことを語っていく前に、まずはゲンキとあさひのお話を。昨年までゲンキとあさひは放飼場で同居していました。今期からは別々で展示をしています。
 ゲンキに関しては、過去にメスの陰部が気になりすぎて、首を下げ前傾姿勢のまま活動していたことにより肩を痛めて以来、定期的にぶり返し、そのたびにケアを行っています。また、協力的なこともあり削蹄も行えています。
 

 あさひに関してですが、先天的な骨格の変形によって、股関節が外側に開き、蹄の付け根などの関節の腫れがみられ、全体的に体重も後ろにかかっています。これは完治するものでもなく、手術云々以前にキリンの場合は麻酔を打つこと自体が、死に直結する可能性が段違いです。ゲンキはまったく悪気があるわけではなく、むしろあさひのことが大好きなので首をスリスリしに行くのですが、それが万全ではないあさひにとっては負担になるため別居をしています。もちろん、完治するものではないから放置というわけではなく、投薬や寝室の床材を砂と乾草に替え脚への負担を軽減するとともに、足元の湿度を上げ蹄が自然と削れるようにしています。また、それでもある程度の蹄のケアは必要になるので、そこに行き着くまでのトレーニングも継続して行っています。
 繰り返しになりますが、これは完治するものではありません。これから体が成長するにしたがって、脚への負担も増えていくので、できるケアは積極的に行いあさひが少しでも快適に生活できる時間を長くしていきたいです。


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あさひ初めての新寝室


 さて、ここからは担当としてやりたいことですが、まずは共生展示。きりん舎かば館は「大きな生物の足元には小さな生き物がいて、初めて生態系が成り立つ」というコンセプトがあります。そのため、キリンとカバの足元が見れる下階にアフリカの昆虫や両生類などが展示されています。前まではキリンはホロホロチョウとモモイロペリカンも一緒に放飼していました。先にも述べたように、ゲンキとあさひは単独での展示になりますが、本来の野生下では色々な刺激を受けながら生活しています。小さな生き物で直接干渉せずとも、同じ空間に他の生き物がいるだけで精神的にも得られるものがあると考えています。
 カバでもアフリカに生息している魚を入れれるよう調整中です。カバの糞がエサになったり、カバの皮膚をつついたり、本来の生き物間の作用を期待しています。
 また、展示物に関しても文字だけでなく、より五感に訴えるような半体験型の展示物を随時作成しています。ただ文字を追うだけでなく見て触れて子どもも興味を持つような展示物が必要だと感じています。パネルに関しては、まずはパッと見て目につくような絵本味のある素晴らしい物をキリンカバの他の職員達が作ってくれました。

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コンセプトアート
 

 他にもシンプルに自分が驚いた物として、マイナーな需要ですが濡れたキリンの蹄の展示を行いたいです。濡れると手で曲げられるほど蹄が柔らかくなり、湿った放飼場を歩くことで立体的に蹄が削れると同時に、関節が前後左右に柔軟に使われることで硬い場所だけ歩いているよりもよっぽど脚の健康につながります。幸いぬかるむような床ではないですし、放飼場に水たまりができ歩くコースが変わるのも担当的にはありがたいことです。どうしても雨の日の動物を見ると可哀想という声が聞こえてきますが、雨の日には雨の日なりに色々なポジティブな効果があります。そういったこと含め濡れた蹄と普段の蹄を展示したいと思っています。あと、めっちゃ臭いのも感じていただければと思います。
 そして、一番必要だと思っているのが屋根です。一度ゲンキが首を挟めた関係で、放飼場の雨よけを撤去しているため、雨が降ると小さなくぼみに収まらない体を詰めているのを見て、なんだかなぁと思っていました。屋根を付ける位置はもちろんのこと、キリンに破壊されない耐久性、絶対に首が挟まらないような構造、旭川の積雪量を考慮した形状など様々な要因が絡んでくるため、色々と調整を行っているところです。
 

 文字ばっかは良くない旨を語りつつ文字量多い文章を今書いていますね。
 ありがたいことに多くのマヌラー(マヌルネコファン)とレサラー(レッサーパンダファン)の方から「担当変わっちゃったんですね」とのお声をいただきます。これからもジララーとヒポラーから同じ言葉をかけられるよう、誰よりも楽しみながら動物と向き合っていきたいですね。
 

きりん舎・かば館、両生類・は虫類舎担当:鈴木達也

あれ、もう6月?

 ふと気づくともう6月になっており、もう1年の半分が終わろうとしていることに驚いています。

 4月からオランウータンの担当になり、モリトとモカとの日常も少し馴れてきた様に感じます。モリトは16歳になり、大人のオスの特徴である「フランジ」と「のど袋」が大きくなってきています。モカは8歳になり、顔はまだあどけないのですが、体はぐんぐんと大きくなってきています。

 4月の閉園期間中はオランウータン館のレイアウト変更を行っていました。消防ホースを張り巡らせたり、ハンモックを作ったり、丸太を立てて穴を開けて中にエサを隠せる様にしたり、、、。オランウータンならどんな風に使うのかな?と想像しながら工夫をしたのですが、実際に使っているところを見るとうれしくなります。

 今後も色々とオランウータンたちがびっくりするけれど楽しめるような展示ができるように工夫していきたいと思います。


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大人っぽくなってきたモリト
 

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何にでも興味津々なモカ
 

おらんうーたん館担当・獣医師:佐藤伸高

動物図書館の「だれのもの?」コーナーに寄っていきませんか?

 夏期開園がはじまり、初夏の風を感じながら過ごしている動物図書館です。さて、もう来館いただき体験された方はご存じかと思いますが、今年の夏期開園から新しい体験コーナーが登場しました!
「だれのもの?」コーナーをご紹介いたします。

「だれの毛?」コーナー

け

モフモフしていて触ってみたい~!という声が数多く寄せられている「ユキヒョウ」や、百獣の王「ライオン」のタテガミ、園内に響く遠吠えの主「シンリンオオカミ」などなど、たくさんの「毛」を集めてクイズにしました!ここでしかさわれない猛獣たちの貴重な毛にふれ、毛の役割について学んだり、強いては彼らの故郷に想いを馳せてみてはいかがでしょうか?
 

次に紹介するのは「だれのはね?」コーナー

はね

美しい色や柄がたくさんあり、見た目もとても華やかで人気があるコーナーです。飛ぶため、目立つためなどなど、「はね」ってこんな役割があったんだ!と改めて感じてもらえること間違いなしです!


そして、昨年に引き続き人気の「だれのうんち?」コーナー
うんち

いろいろな動物の「うんち」取りそろえております。


いずれのコーナーも触れて体験できるものとなっています。楽しめること間違いなしです!

ぜひ旭山動物園へお越しの際は、動物図書館へお立ち寄りくださいね!


投稿者:動物図書館 中谷 真弓

ハンモックを取り付けました

 満開だった桜も散り、初夏を迎え新緑が増えて北海道にも短い夏がやってきます。先日、旭山に近い桜岡の田んぼにつがいのタンチョウがエサをついばんでいる姿を通勤途中に見られました。旭川で私も初めて見ることが出来、タンチョウを担当していたこともありうれしくおもいます。
 チンパンジーたちも天気の良い日は屋外で日光浴ができ気持ちよさそうです。
 室内外や寝室に消防ホースを利用したハンモックを設置しました。ハンモックを利用してくつろいでいる姿が見られればと思っています。また屋外にはエサを取る様子が見られる場所が何カ所かありますが、室内にもそのような場所ということで丸太や消防ホースを取り付けました。丸太には穴を開けエサをいれたり消防ホースにエサを隠したりしてチンパンジーが道具を活用する様子も観察できればと思います。
 

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(消防ホースを利用したハンモック)
 

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(丸太や消防ホースでエサを採るようすが見られるかも)
 

(ちんぱんじー館担当 髙井正彦)

【北海道の野鳥】レイアウト一新!

GWが終わり、桜も散り始めていますが、これを書いている日はなんと市内で雪が降りました。さすが北海道です。
はじめまして。今年の4月から飼育担当となった櫻井と申します。
いままでデスクワークをしてきた体にムチを打ち、ヘロヘロになりつつなんとか4月を乗り越えました(旭山動物園は4月が超ハードなのです)。

私はエゾモモンガ、エゾリス、野鳥、カラス、エゾユキウサギなど、北海道に生息する動物たちを担当しています。

北海道産動物舎の中にある北海道の野鳥は、展示のレイアウトを一新しました。
獣舎の中には大きな丸太が5本立っていたのですが、アカゲラ達がたくさん開けた穴がぽっかりと空いており、これ以上突っつくところがなさそうだったので、飼育員同士で協力し合って運びだし、新たに丸太を入れました。
先輩職員に教えてもらいながら中央にはせせらぎを設置し、池もできました。やっぱり水の流れがあると雰囲気が出て「良い感じ」になったのでは!?と思います。

 

新たに追加したせせらぎと池。鳥が水浴びをします。

新たに追加したせせらぎと池。鳥が水浴びをします。
 

池ができたのでオシドリのペアも仲間入り。
オスの飾り羽が非常に綺麗ですが、この羽も夏には抜け落ち、雌と同じような色合いになります。

 

手前が雌、

手前が雌、奥のカラフルなのが雄

この鳥、なんか見たことあるけど名前は知らないなーってことありませんか?私も足が細くてちょこまか歩く白黒の鳥が「ハクセキレイ」という名前だと、飼育担当になるまで知りませんでした。
ここにいる鳥たちは北海道の身近な鳥です。野生でも見ることはできますが、改めて観察するとみんな個性が豊かで、ここでぼーっと鳥たちを眺める時間が好きです。

 

こちらがはくせき

こちらがハクセキレイ


憧れの飼育員になって約1ヶ月、覚えることもたくさんありますが、動物が近くにいる環境で働けることに喜びを感じます。
来園された方に北海道の動物の素晴らしさを伝えていけるよう、日々邁進していきます!
 

作業中

作業中、頭上にいてびっくり

北海道産動物舎、モモンガ舎ほか担当:櫻井 結夢

どうぶつえん日記・令和6年5月「四季を感じる場所でありたい」

4月から旭山動物園の園長となりました田村です。これから坂東統括園長とともに「二人三脚」での体制となります。どうぞよろしくお願いします。今後このコーナーは、何名かのスタッフによる持ち回りで書かせていただきます。
さて、この原稿を書いているのは冬期開園が終了し、休園期間となったばかりの時期です。新しい仲間(職員)も入り、慣れない環境で頑張ってくれています。休園期間は何かと慌ただしいです。冬仕様から夏に衣替えするだけでなく、施設のメンテナンスや修繕が目白押しです。飼育スタッフは手書き看板の更新や放飼場のアレンジと、動物の魅力を伝えるのに工夫を凝らす時期でもあります。開園間近になるとその慌ただしさがピークを迎え、そのまま一気に年間で最も混雑するゴールデンウィークに突入です。この日記が更新される頃には、山場を越えて少し一段落できるので、入って来た職員が仕事のペースを掴めるのもようやくこの時期からです。
私事ながら、動物園勤務も6年目を迎えました。それまでの勤務場所と違って、動物園に来てからは圧倒的に季節を感じるようになりました。通勤時の車窓から見る景色の移ろいに心を動かされることも少なくありません。もちろん園内も季節感満載です!春の桜に始まり、新緑の木々、蝉の鳴き声、鮮やかな紅葉、初雪の凜とした美しさ、どれもが街中にいるもよりもずっと深く感じられます。
たまに動物園に来られると、せっかくだからといろいろな動物を駆け足で観てしまいがちですが、観る動物をできるだけ絞って、ゆっくりコーヒーでも飲み、その時々の季節を感じながら公園のように過ごすのもお勧めです。旭山動物園は、地元の誇れる施設として思っていただけるだけでなく、皆さんに身近な存在でありつづけたいと思っています。どうぞお気軽に足を運んでください。

桜
春は園内を彩る桜が満開


 

 

令和6年5月7

旭山動物園 田村

どうぶつえん日記アーカイブ

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「旭山動物園だより」「どうぶつえんみにだより」の最新号を発行しました

4月27日の夏期開園日は気温が28.4度まで上がり、夏のような陽気でしたが、
翌日は14.7度までしか気温が上がらず、しかも太陽が出ない曇り。動物図書館ではストーブをつけました。

そんな寒い日でも力強く咲いているサクラ。
園内では、ダチョウの放飼場内のエゾヤマザクラが4月20日に開花し、
その後に続くように園内各所で咲き始めました。
ダチョウの桜
ダチョウの放飼場内のエゾヤマザクラは、色がとても濃いです。
4月28日現在、この木は満開となっています!
園内には、さる山の横の坂は並木、マヌルネコ舎の横や、第2こども牧場のブタの放飼場内、
北海道産小動物コーナーなど、いろいろな場所にサクラが咲いています。

リュウキンカとチョウ

黄色い花も咲いています。両生類・は虫類舎そばの野草園ではエゾノリュウキンカが満開。
エゾスジグロシロチョウが花に訪れていました。
園に訪れた際には動物観察と一緒に春の花もお楽しみください。


さて、先日、夏期開園にあわせて、旭山動物園だより・みにだよりの最新号を発行しました。
「旭山動物園だより」は、夏期開園第一号恒例となったクロスワードパズルとなっております。
旭山動物園や生き物、自然に関する問題となっております。園内で無料配布をしておりますが、来られない方は、ファイルをダウンロードしてご利用ください。

「あさひやまどうぶつえんみにだより」では、いろんな生きものの姿や
過ごし方が変わる「春」を紹介しています。
園内で飼育している生きもののほかに植物や昆虫も紹介しています。

ぜひ、園内観察の参考にしてみてくださいね。


投稿者:動物図書館 北川裕美子

旭山動物園だより296号

内容:クロスワードパズルに挑戦

だより296

「旭山動物園だより」はこちらからダウンロードできます(新しいウインドウが開きます)

 あさひやまどうぶつえんみにだより129号

内容:「春」

みにだより129
 

「あさひやどうぶつえんみにだより」はこちらのページからダウンロードできます。(新しいウインドウが開きます)

図書館ぶろぐアーカイブ

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ゲンちゃん日記・令和6年4月「博物館として認められました」

モニュメント

坂東前園長の思いが込められた

モニュメント

 先日、市内で行われたヒグマの冬眠調査に同行してきました。さすがに冬眠穴は見つけられないので、冬眠から目が覚めて雪の上に足跡がないかを調査しました。冬眠明けのヒグマがいれば水を求めて移動するはずなので、冬眠しているであろう山と渓流の間の斜面を歩き、横断する足跡を確認するという作戦です。調査地では足跡を確認することはできませんでした。思ったより雪が深くまだ冬眠中の可能性が高いと思われました。今年は春期捕獲も施行されることとなっておりヒグマとの関係に変化の兆しが出るのか注目です。
 冬期開園も無事に終わりました。想定よりも来園者が多く、特に海外からの来園者の多国籍化が進んでいる印象でした。冬の北海道の観光はこれからますます伸びるでしょう。動物園として楽しんでもらうこと+気づいてもらうことを充実させていかなければと思います。もぐもぐタイムの解説に英語を交えるなど皆それぞれに試行錯誤しながら前向きに取り組みを始めています。
  そういえば、博物館法が改正されたのを機会に、旭山動物園は登録博物館を目指し申請をし登録博物館となることができました。今までは博物館に相当する施設と言った曖昧な位置づけだったのですが、国が認める正式な博物館(ミュージアム)となることができました。収蔵物(動物)の展示手法や研究、来園者へのガイドなどの手法、外部との連携や活動が評価されました。動物園は地球の命を扱う貴重な博物館だとの思いがずっと昔からあって、20年以上前に建てたぺんぎん館から現在に至るまで各館のモニュメントには密かに○○ミュージアムと英語で表記していました。百数十万人が訪れる地方の博物館は数えるほどしかないはずです。もちろんこれはスタートラインなのですが、改めて動物園の役割を見直しより充実した動物園(ライフミュージアムかなぁ)を目指していきます。
 

 

 

                                  令和6年4月7

                                  旭山動物園 統括園長 坂東 元

シンリンオオカミのレラ・ワッカ・ノチウ

 最近のオオカミの森では春の日差しが気持ちいいのか、レラ・ワッカ・ノチウの3姉弟が雪が溶けて出てきた土の上でよく寝ています。オオカミたちが暮らす放飼場を掃除しながら歩くと、緑の芽が生えてきているところもありやっと冬が終わったなと感じます。
今年は長女のレラが13歳、次女のワッカが10歳、末っ子のノチウ(オス)が9歳になります。3頭は4年前に父親のケンが死亡してから少しずつ関係性を築いてきました。
 ケンがいなくなってから、リーダーとして他の2頭を気にかけてきたノチウ。
 1年ほど前にレラとワッカに麻酔をかけて検査をしたことがありました。検査が終わり、レラとワッカがいる寝室の隣にある通路をのぞくと、寝室と通路の間にある仕切りにぴったりくっついて丸くなっているノチウの姿がありました。通路には外の放飼場へ行くことができるシュートがあるのですが、検査中は開いていたため1頭で出て行くこともできたのに、ノチウはずっとそばでじっとしていました。
 今読んでいる本に、あるシンリンオオカミの群れのお話がありました。
 オオカミが絶滅した地域にオオカミを再導入した際、2頭のペアとその子どもたちからなるパックを、まず囲い地に住まわせ、一定の期間が過ぎて慣れてきた頃に囲い地の一部を解放したところ、まず父親が外に出て行ったそうです。しかし母親と子どもたちは、外を警戒して出て行くことができません。
 その後何日も出口は開いているのに母親と子どもたちは囲い地の中にいました。ある日スタッフが囲い地の外を点検していると、出て行ったはずの父親が、囲い地のすぐ近くで母親と子どもたちが出てくるのを待っているのを確認したそうです。このお話を読んだ時、レラとワッカの検査をしていた時のノチウの行動を思い出しました。警戒心の強いオオカミがする行動とは思えませんでした。
 

1

ノチウ(オス・末っ子)
 

 「オオカミの社会性」は一言で言い表せないほど多くの発見があり面白いなと日々感じます。
 今年ワッカの行動にも少し変化が見られました。
 子どもたちだけになってからは、ワッカがレラに対し強気な態度をとりケンカが多く、レラが2頭から距離を置く様子がよく見られました。  しかし月日が経つにつれ、2頭の激しいケンカが減っていっているように思えました。ワッカが好んでレラの近くで休んだりするのも多くなったように思います。ある時はワッカのお尻にレラが頭を乗せて寝ていることもありました。そして一番驚いたのは、ノチウがレラに対し怒った際、ワッカがノチウとレラの間に入り止めようとしたことです。ノチウがレラに対し怒ることも珍しいですが、ワッカが止めに入る行動をするとは想像もしませんでした。

2
ワッカ(次女)
 

 レラは遠吠えの時にはいつも寝ていたりしらっとしているですが、今年の秋は遠吠えに参加する姿がよく見られました。ケンとマースはたくさんの子どもを育ててきましたが、レラは産まれた弟妹たちの面倒を見てきました。順位は下位ではあるけど、群れの様子を見て距離を置いたり前に出てきたり、色々な経験をして自分の立ち振る舞いを確立していったように思います。そんなレラが先日体調を崩した際には、ワッカとノチウがずっとレラを気にかけ、そばに行ったり顔を舐めに行く様子が見られました。幸い次の日にはレラが元気を取り戻したため、ワッカとノチウも普段通りになりました。

3
レラ(長女)
 

 そしてこの時期はシンリンオオカミの繁殖期でもあります。オオカミたちは巣穴を作ってそこで出産をします。旭山のオオカミたちは姉弟なので繁殖はしませんが、メスのワッカは色々なところに穴を掘っています。このままでは穴だらけになってしまうので、春の閉園期間に飼育員たちで土や砂利を詰めて穴を埋めます。
 埋めた穴はまたすぐに掘り返されてしまうのですが、オオカミの本能を発揮してくれるのは嬉しいので、またみんなで楽しく埋めようという気持ちになります。
 これから穴埋めの時期がやってきますが、オオカミたちの健康に感謝しながら、また日々の発見をお伝えできたらと思います。

4
遠吠えの時の様子
 

オオカミの森・ととりの村担当:原田佳

しいくのぶろぐアーカイブ

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「旭山動物園だより」「どうぶつえんみにだより」の最新号を発行しました

春分の日が過ぎました。
陽射しは暖かく感じるようになりましたが、まだ雪も残っていますし、雪も降りますし、朝の気温は氷点下。
こんな天気じゃ春はまだかな…と思うのですが、木のてっぺんでさえずるカラ類や、
飛来し始めたハクチョウ、少し出てきた土、山の木のまわりにできた雪のくぼみを見ると、
もう春はそこまできているんだなと実感します。
※3月19日午後、ブログ作成中にものすごい量の雪が降ってきましたが、すぐやみました(笑)
 

園内では雪の上を歩いたり、走り回ったりするのはもちろん、
雪の上にねそべったり、雪を食べる動物も多く飼育しています。
キタキツネ

雪の上で気持ち良さそうにのびるキタキツネ(3/19)
マヌルネコ
マヌルネコは長く密にはえた冬毛で寒さをしのぎます(3/19)
エゾユキウサギ

エゾユキウサギの毛はまだ冬仕様のようです(3/19)
 

さて、先日、旭山動物園だより・みにだよりの最新号を発行しました。
動物園だよりでは「いい雰囲気のオスとメス」ということで、
ホッキョクグマやエゾシカなど、繁殖が期待されるペアを紹介しています。

みにだよりでは、とりの「め」がどう見えているのかを紹介しています。
気になる鳥の目がどこにあるか、園内観察、野外観察の参考にしてみてくださいね。
※どうぶつえんみにだよりで紹介しているカモ類4種、インドクジャク、チゴハヤブサは、冬期開園中は観察できません
 

次の動物園だより・みにだよりの発行は、4月27日の夏期開園日ごろを予定しています。
動物園だよりでは夏期開園日恒例の、クロスワードパズルとなっていますので、お楽しみに。



投稿者:動物図書館 北川裕美子

旭山動物園だより295号

内容:いい雰囲気のオスとメス ほか

だより295号

「旭山動物園だより」はこちらからダウンロードできます(新しいウインドウが開きます)

 あさひやまどうぶつえんみにだより128号

内容:とりの「め」

みにだより128号
 

「あさひやどうぶつえんみにだより」はこちらのページからダウンロードできます。(新しいウインドウが開きます)

一足早い春の贈り物

 肌寒い日と日差しの温かい日が入れ替わるように訪れ、三歩進んで二歩下がりつつも春の足音が徐々に近づいてくるようなこの頃ですが、皆さま如何お過ごしでしょうか。
 春の訪れに先駆けて、こども牧場では新たな出会いがありました。
 去る2月20日のお昼時、牧場で飼育しているヒツジの「イツカ」が放飼場の一角で座り込んでいました。
 お昼を食べに来ないなんて珍しいな、などと思いつつ目の前に一掴み乾草を置いてあげて、少し目を離して戻ってきたところ……先程置いた乾草の上にヒツジの赤ちゃんが居て、「イツカ」がそれを甲斐甲斐しく舐めてあげていたのです!

1
ヒツジの赤ちゃんを舐める「イツカ」


 生まれたての赤ちゃんにはまだまだ厳しい気温だったため、暖かい屋内へと運びしばらく飼育をしていましたが、3月4日から一般のお客さんにも観察してもらえるように第2こども牧場の一部を開放して親子のヒツジを観覧することができるようになっております。
 時折跳ね回ったり、お母さんの背中に乗ったりと仔ヒツジらしい元気な行動が見られます。体重も日に日に増えてゆき、顔つきも幼児から子供の顔に、お母さんのマネをして草を食べる様子も見られすくすくと成長しています。
 

2

「イツカ」の背中に乗るナツメ
 

 牧場の新しい仲間となったこの仔ヒツジ(オス)は「ナツメ」という愛称になりました。ヒツジの成長は速く、半年も経てば大人とほとんど変わらない大きさに成長してしまいます。小さくて可愛らしいうちに(大人になっても可愛いですが)是非こども牧場に足を運んで、親子のヒツジに会いに来てください。


こども牧場担当:堀川草太

「春遠からじ」

 暖かくなったり寒くなったりおかしな天気ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
 2月20日頃、あざらし館では陸上の氷雪を全部割り、白い部分が完全になくなりました。

1
2月20日
 

 「このまま春か?」と思うくらいの陽気にアザラシにも異変が・・・暖かくて勘違いしたのかいつもは3月末から4月が発情期ですが、オスがガゥガゥと発情鳴きをしていました。こんなことは初めてです。発情鳴きはこの日だけでした。
 

2

3月2日
 

 かと思えば3月初め、今度は急なドカ雪と寒さで一気に冬に逆戻り。これが普通なのでしょうが・・・まだ春は遠そうですね。皆様も体調管理に気をつけてゆっくり春を待ちましょう。
 

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「春?」
 

あざらし館担当・副園長:中田真一

ゲンちゃん日記・令和6年3月「世代のバトンタッチ」

ジャック

立派なフランジを持つ

オランウータンのジャック

異常高温の日が続き驚くほど雪解けが進んでいます。毎年なにか観測史を塗り替える気候の異変が起こりますが、それが当たり前になってきました。馴れていいことでは決してないのですが・・・。
日記を書いている2月は、学生との道東ツアー、さらにボルネオでの活動と続き少々オーバーヒート気味です。
ホッキョクグマのホクトが円山での繁殖のために一時的に旅立っていたのですが、戻ってきました。ピリカとの繁殖のためです。ホクトが旭山に到着し、麻酔をかけていた同時刻に、オランウータンのジャックが死亡しました。ジャックは42歳、高齢ではありましたが老齢とは言えない年齢でした。昨年の暮れから尿路結石を患い、回復したのですが、その後すぐに動きが緩慢になり、力が入らない状態になりました。意識ははっきりとあり食欲もありました。検査結果や症状から心臓系の疾患と推察し、投薬での治療を行ってい安静に保つことに努めていましたが、状態が急変し死亡となりました。ジャックは平成14年、前年にオープンした空中散歩の「オランウータン舎(当時の名称)」にリアンのペアとなるべく広島の安佐動物公園から引っ越してきました。当時は、ほっぺたのフランジが発達したオス成獣との新たなペアリングは行わないのが通例でした。オスとメスとの体格差が著しく、単独生活が基本なので、オスの感情次第でメスが死亡してしまう事故に繋がる危険があるからでした。異例のペアリングと言うことになります。ペアリングは性成熟に達しない年齢の個体で行われることが多かったのですが、これは本来メス親や兄弟と過ごす成長の過程を経ておらず、同居は成功しても繁殖に至らないケースがほとんどでした。ジャックもメスとの同居はしていたのですが繁殖には至らず、同居メスが先立ったため、さらなるペアリングは断念し単独で暮らしていました。他園からは、ジャックとのペアリングはやめた方がよいのではと言われたのですが、見事にペアリングは成功しリアンとの間に子をもうけることができました。あのオランウータン舎は、まさにこのことを目指して建てた施設でした。ジャック、リアンの繋がりでボルネオでの「恩返しプロジェクト」が生まれ、ボルネオゾウの一時避難施設の建設に繋がりました。
ジャックの存在があることで森人(モリト)のフランジは大きくなりませんでしたが、ジャックの存在がなくなりモリトのフランジはみるみる大きくなると思われます。世代のバトンタッチです。
今年もたくさんの命のヒストリーが生まれ、未来へと続いていきます。

 

 

                                  令和6年3月6

                                  旭山動物園 園長 坂東 元

「動物園飼育技術者研究会へ参加してきました

 ちょっと前の話になりますが、1月23日~25日に福岡市動物園で開催された「動物園技術者研究会」に参加してきました。
 この研究会では日本動物園水族館協会に加盟している園館の飼育員や獣医師が参加して、研究発表を行います。
 旭山からはオオカミとニホンザルに関する発表を行いました。機会があれば皆さんにもお伝えできたらと思います。
 コロナ禍ではオンライン開催だった研究会ですが、昨年度からは対面開催となり、私も久しぶりの対面研究会への参加でした。
 やはり対面では質疑応答も活発ですし、休憩時間などにも情報交換ができて大変有意義な会となったと思います。
 インターネットやSNSが発達した中でも、動物園スタッフと直接顔見知りになると困ったときにも質問しやすくなるので、他の園館の若手スタッフが積極的に名刺交換をしているのを見て、自分が初参加した時を思い出しました。
 最終日には福岡市動物園を見学しましたが、新しいゾウ舎やペンギンの施設を見ることができました。
 福岡市動物園は博多中心部からも近いのですが、旭山以上に坂が多く、動物舎もその坂を利用する形で作られているのが印象的でした。
皆さんも機会があれば是非行ってみて下さいね。
 今後も研究会での経験を園内に還元して、よりよい飼育を目指していきます。

研究会は博多のホテルで行われました

研究会は博多のホテルで行われました

手前がペンギン、奥がゾウの施設です

手前がペンギン、奥がゾウの施設です

てながざる館担当・獣医師:中村亮平

「個」からその先へ

 先日、えぞひぐま館で「すげー、めっちゃ人いるじゃん!大谷翔平でもいるのかよ?」という秀逸な一言を耳にしました。
 冬期開園がはじまってから外の放飼場への馴致を行っている「すなすけ」を見るために集まっていた人たちのことでした。「すなすけ」があちこちに動き回るたびに、人もあちこちに動き、カメラを向け、歓声があがる、そんな一幕でした。
 たしかに小さい頃の動物は愛らしく動きもまた独特なことが多いため人を魅了するのも納得できますが、動物園でのそのような光景には違和感があるのも確かです。また、旭山やヒグマだけではなくいろいろな動物で最近の「推し活」ブームのような様相を呈しているような気もしています。
 奇しくもこれまでの歴史を見ていると、動物園やメディアはそういったスター動物やアイドル動物を生み出したがる傾向があるように思います。ただあまり「個」にフォーカスしてしまうと、「○○ちゃんだからかわいい」、「○○ちゃんだからすごい」となってしまい、その先にあるはずの種としてその動物の魅力に気づかなかったり、興味や関心を持つことが無くなってしまう、あるいは誤った認識を持ってしまうようになるのではないでしょうか。
 旭山動物園のえぞひぐま館では、「すなすけ」に興味を持っていただいた先に、ヒグマという動物について、ヒグマと人との関わりやそれらを取り巻く自然や社会などについても知ってもらい関心を持って動物園を後にしてほしいと願っています。
 そのためにもまだまだ未熟で不完全ですが、伝えていく努力を怠らないよう自分自身に言い聞かせ、自戒の意味も込めてここに書かせてもらいます。

1
「すなすけ」が動くと人も大移動

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外に出ている「すなすけ」


えぞひぐま館・フクロウ担当:大内章広

カメのいるミニ動物図書館ができました!

 こども牧場の隣にある動物図書館をもっと知ってほしい!と思い、一度展示動物の都合でなくなってしまったミニ動物図書館を、なんと今回復活させました!
 こども牧場のとなりにある、「動物図書館」の本が、こども牧場内でも読むことができます。小さなスペースですが、座ってゆっくり休憩もできますので、外が寒い!歩き疲れた!という時に休憩場所としてもご利用してください。
 そして、このミニ動物図書館内には、こども牧場の動物の中でも絶大な人気を誇る、あの!「ホルスフィールドルクガメ」を展示していますので、じっくり観察ができます。

 さらに!さらに!動物図書館で体験できる工作の情報や、ミニミニうんち展もありますので、こども牧場に来た際には、うんちクイズに挑戦してください。秘密のうんちが発見できますよ。
 こども牧場だけでなく園内の動物たちを観察して、もっと知りたい!ここが気になる!と思ったら、動物図書館にはたくさんの動物に関する本がありますのでぜひ立ち寄ってみてください。

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第一こども牧場室内にあるミニ動物図書館
 

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ミニ動物図書館内のおすすめ本やうんち展
 

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秘密のうんちは誰のうんち?
 

こども牧場担当:大河原沙織

ゲンちゃん日記・令和6年2月「環境問題や野生動物との関わりを”自分ごと”と考えられる大人に 」

すなすけ

放飼場の様々な所に興味を持つ
好奇心旺盛な「すなすけ」

冬も後半。この日記が公開される頃には、雪あかりの動物園の開催も目の前ですね。日記を書いているのは1月下旬。厳しい冷え込みが続かず、アイスキャンドル作りに不安を抱えながら準備を進めています。
今、最終調整に追われているのが、知床から釧路までを巡り、人と自然との関わりを考える学生ツアーです。観光・ボランティア・漁業・保全・研究など、様々な形で自然と向き合っている方々の思いや考え方を、体験を通して学びます。コロナ禍で中断していましたが、学生さんを連れたスタディツアーは過去に2回マレーシアのボルネオ島サバ州で行いました。学生の皆さんが、将来の進路を考える上でも、大人になっても、環境問題や野生動物との関わり方を、「人ごと」ではなく「自分ごと」として考えられる人になって欲しいという思いで、このツアーを続けています。厳冬期での屋外体験が多いので、皆さんが体調を崩さず、天気も見方してくれることを今から祈っています。
さらに今月は、ボルネオ島での活動も動きます。コロナ禍での活動空白期間の現状や今後の考え方や関わり方などを、現地に赴きサバ州政府と協議します。本格的な活動再開に向けた仕切り直しになります。
あっという間に春の予感です。春といえばヒグマが冬眠から覚めますね。昨年はドングリの不作などでヒグマの栄養状態が悪かったため、今年は子の生まれる数が少ないと予想されています。これからヒトとヒグマの関係はどうなっていくのでしょうか?旭山動物園の「すなすけ」は、たくましく成長しています。好奇心旺盛な愛らしい姿から、近寄りがたい雰囲気を放つ姿に見る見る成長していくでしょう。つくづく、ヒグマは北海道の自然の優しさと厳しさの象徴なんだなと感じます。  

 

 

                                  令和6年2月6

                                  旭山動物園 園長 坂東 元

雪あかりの動物園の準備中…

 明日からいよいよ2月。雪あかりの動物園まであと10日…。準備が着々と進められています。
ですが、最近の気温がとても温かく、雪あかりの動物園で園内を照らす「しずく型アイスキャンドル」がまだ予定の数まで達していません…。昨年の夏の暑さも異常でしたが、今年の冬の温かさも異常な感じがします。
 

 さて、今日から雪の遊び場の製作が始まりました。
 雪の遊び場では、雪の滑り台2つ(長いの短いの)と、あと2つ雪で製作をしていきます。
 こちらは何ができるのか当日まで楽しみにお待ちください。
 

1

 滑り台(ほぼ完成!?)
 

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 板を押さえて何かを製作中
 

 雪あかりの動物園については、ホームページやSNSで随時情報が更新されていきます。
 情報をチェックしながら、ぜひ雪あかりの動物園へお越しください。

こども牧場・教育担当:佐賀真一

雪像製作中です!(こども牧場広場にて)

 昨年12月からこども牧場で勤務しております、清水駿之介と申します。クジャクを担当させていただくことになりました。

 自分は今まで動物についての専門分野を学んできたことは一切なく、何もかも未経験な新人でございます。こども牧場の動物たちや担当のクジャクも0からの勉強になりますので基本的な情報を知っていくとともに身近な目線に立ち、独自の視点からも色々なことを発見できるように広い視野を持ち日々精進してまいります。

 クジャクの飼育担当になって実際に業務にあたってみた感想を申し上げると、一言で言うなら「分からない」というのが率直な思いです。クジャクという鳥は落ち着いてる鳥かと思ったら他の個体にちょっかいをかけたり、自分のすぐ側まで来て様子を見てきたりする個体もいて性格が全然掴めない。また何と言ってもオスの羽の色、メスの首の色がどちらも美しい。どうなったらこんな色になるように身体が出来るのか、全く分からない。分からないからこそ自分はこの生き物についてもっと知りたい!そして伝えたい!そう思っています。暖かくなると外展示も始まりますので、自分も楽しみな気持ちでいっぱいです。

 また現在、こども牧場広場にて雪像を製作中です!来園される皆様の前で作業してますので秘密裏に進めることは出来ませんが、完成までお楽しみに!そしてその横にはすべり台がございます。こちらの方は出来上がってますので是非遊んでみてはいかがでしょうか!(こども牧場飼育員一同すべりにすべった後に水で固めましたので耐久性は十分だと思います!)

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途中の雪像とすべり台

こども牧場担当:清水駿之介

 皆さんは小さい頃に乳歯が抜けた時のことを覚えていますか?なかなか取れなくて、扉に縛りつけて抜いたとか、抜けた歯を屋根に投げたとか、どんな思い出がありますか?
 乳歯から永久歯に生え変わるのは人間だけではありません。タイミングは違えど、多くの動物が生え変わります。そこで、昨年発見した乳歯を紹介したいと思います。
 まず一つ目がこちら

1
キリンのアサヒの乳歯
 

 キリンのあさひの歯(切歯)です。
 キリンには上の前歯が存在しないので、必然的に下前歯ということになります。
 あさひも成長途中とはいえ大きさは3メートルほどになりますが、歯は意外と小さいなという印象です。
 続いてはこちら

2
ライオンの乳歯
 

 ライオンの乳歯(臼歯、裂肉歯)です。抜け落ちた日付的にフウか、レイのものですがどちらかはわかりません。
 僕らの奥歯とはちがいとても鋭く、読んで字の如く、肉を裂くための歯、ハサミとしての役割をします。


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ライオン乳歯コレクション
 

 ライオンの歯は今のところここまで集まっています。見つけた歯は個別に袋に入れ、日付と種名、わかれば個体名を入れて保管しています。 記名をしておかないと数年後の自分や、別の担当者になった時にどの動物の物なのかがわからなくなり困るのでしっかりと記入します。必要になれば、ガイドなどで活用しています。
 また乳歯のコレクションが増えたらお知らせしたいと思いますので、お楽しみに!
 

もうじゅう館 フラミンゴ担当 若山晃暉

「旭山動物園だより」「どうぶつえんみにだより」の2024年・新年号を発行しました

ミシシッピアリゲーター

(2015年まで飼育していた「ミシシッピアリゲーター」)
 

先日、旭山動物園だより・みにだよりの最新号を発行しました。

2024年の干支は、十二支のうち唯一実在しない生きもの「辰」。
「動物園だより」も「どうぶつえんみにだより」も、辰年にちなんだ記事になっています。
 

いろいろ資料を読んでいて、わかってきたのが、
「辰」は「は虫類」がベースになっているということ。
「タツノオトシゴ」という魚が海にいますが、「ドラゴン」ではないこと。
西洋の「辰(ドラゴン)」は火を吐く「怪物」で
東洋の「辰(龍)」は人にやさしい「神様」だということ… などなど。
 

旭山動物園では1967年から2015年まで、「ミシシッピアリゲーター」を飼育していました。
今号の動物園だより・みにだよりでは、大きな「は虫類」の「ワニ」を使って「辰」を表現してみました。
 

神社やラーメンの丼にも描かれている「辰(龍)」。
ゲームやファンタジーの世界に出てくる「ドラゴン」。
調べれば調べるほど、いろんな「辰」がいます。

私たちの近くにはいろんな「辰」が存在しています。
今年はぜひ、「辰」のモチーフになった「は虫類」を観察してみてはいかがでしょうか。


追記:
動物読書感想文コンクールの作品募集の締切は1月26日です。
ご応募、お待ちしております!
 

動物読書感想文コンクールの詳細はこちら
募集要領・応募用紙のpdfは、ここからもダウンロードできます。

動物読書感想文_募集要領(PDF形式 121キロバイト)

動物読書感想文_応募用紙(PDF形式 101キロバイト)


投稿者:動物図書館 北川裕美子

旭山動物園だより294号

内容:2024年は辰年 辰年くいず ほか

だより294号

「旭山動物園だより」はこちらからダウンロードできます(新しいウインドウが開きます)

 あさひやまどうぶつえんみにだより127号

内容:2024年の干支は「は虫類」のようないきもの「辰」

みにだより127号
 

「あさひやどうぶつえんみにだより」はこちらのページからダウンロードできます。(新しいウインドウが開きます)

ゲンちゃん日記・令和6年1月「新たな環境で令和6年を迎えます」

ピリカ

娘の「ゆめ」が他の動物園へ移動し

1頭での放飼となったピリカ

皆さん、新しい年を迎えました。今年もよろしくお願いいたします。
辰年はなかなかイメージに合う動物がいなくて動物園的には困ってしまってしまうこともあります。爬虫類の○○ドラゴンとか飼育していれば象徴的に辰年っぽいですね。水族館ならタツノオトシゴでしょうか。ちなみに、辰(龍)は十二支で唯一想像上の生き物ですが、架空でも存在すると信じられていた生き物だとか、本来はワニや恐竜の化石をイメージした動物だったのではないかなど、その由来には諸説あります。自分としては、自然の圧倒的な力をコントロールする存在なのではないかと思います。今年は地球に優しい龍でいてくれたらと願います。
これを書いているのは12月上旬、天気予報とにらめっこをしています。今年中に安定した根雪きになるのか、まだ確信が持てません。過去一番遅かったペンギンの散歩の開始日は12月28日。記録更新にならなければいいのですが…。
ここ数日は日中解けた雪が夜に凍るので、翌日の午前中は園内もツルツルで大変です。融雪や砂まきをしても、海外客の中には夏のスニーカーの方も多く、手すりにつかまって歩くのもままならない状況です。それでも雪と氷を楽しんでいる様子が救いではありますが。
ほっきょくぐま館を見ると、ピリカが一頭でいることがまだ不自然に感じますが、ライオンの子フウとレイ、カバの凪子も独り立ちできる場を見つけなければとも思います。みんなたくましく育っており、胸を張って送り出せることがうれしくもあるのです。
さて、今年はどんな一年になるでしょうか。良い年にしたいなと思います。皆さんにとっても良い一年でありますように。
 





 

                                  令和6年1月7

                                  旭山動物園 園長 坂東 元

新年のごあいさつ

 新しい年を迎えました。久しぶりに澄み渡る青空でした。12月は記録的な積雪で、来る日も来る日もみんな雪かきに追われちょっとうんざり気味でしたので新年早々の快晴でまさに気分一新でした。放射冷却で冷え込みはしましたけど・・・。
 恒例になるのではと危惧された?年越しインスタライブは、何せ今年の干支の語呂合わせ的な生き物が旭山にはいないので、いろいろと画策したのですが断念となりました。どこかホッとしつつも残念でもありました。その代わりにと言うことでもないのですが大晦日と今日の日中に連続インスタライブとなりました。
 大晦日のライブ配信中に自分的には感動的なことがありました。ホッキョクグマのルルの行動です。ルルは今年30歳を迎えます。昨年の暮れから寝室から屋外放飼場に出るのを渋ったり、放飼場でも休んでいる時間が長くなったりと老いたのかなと感じさせる行動が目立つようになっていました。そこで担当者が気分転換にとピリカとルルの放飼場をチェンジしてみたのです。ルルにすると2021年の冬のピリカ出産の都合でサツキ(23年10月死亡)と共に数ヶ月過ごして以来の屋内観察側の放飼場です。
 ライブ配信中にバシャバシャという水の音が聞こえたのでもしやと思い駆けつけると、ルルが水中から上がりポリタンクをくわえて遊んでしました。そして自分に気づくとかくれんぼしている(獲物を狙う、待ち伏せる)ようにこちらを探し水中に飛び込んできました。
 旭山動物園の飼育展示コンセプトのひとつに、動物にとってお客さんがストレスの対象ではなく興味を抱く猫じゃらしのように観える環境を具体化して動物のもつ本来の行動を引き出す、動物も来園者もwinwinになる、という考え方です。他にもお客さんをカラスではなくスズメに見えるように、などなどあるのですが。
 ルルも昔は来園者が少ない時間帯によくやっていた行動です。20年近く前をふと思い出す光景でした。キラキラとした目が若い頃のルルでした。とてもうれしい出来事でした。
 今年もあっという間に過ぎていく予感がしますが、一日一日を大切に動物園の持つ可能性を一つでも具体化し、階段をできるなら駆け上がる年にできればと思います。
 今年もよろしくお願いいたします。

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インスタライブ中の一コマ


園長:坂東 元