ページの本文です。

ブログ

ページのニュースです。

「ブログ(2026年)」の記事一覧

動物園だより308号「クロスワードパズルに挑戦 2026」の答え発表! 抽選会も行いました!

動物図書館から発行している「動物園だより」308号で掲載した、
クロスワードパズルへのたくさんのご応募、ありがとうございました。
今年も、旭川市内を中心に道内外の方からたくさんのご応募いただきました。
 

さて、「クロスワード」の答えを発表させていただきます。
今回の問題も旭山動物園で飼育している生きもの、園内で観察できる生きもの、
北海道で観察できる生きものに関わる問題を中心に作成しました。
だより308
(今年は昨年よりも簡単だったかもしれませんね)
こたえ

答えは「ゴマフアザラシ」でした。
 

そして、8月2日、今回のクロスワードの「ヨコ4」の答えにもなっている
中田園長による厳正なる抽選を行いました。
中田さん

(厳正なる抽選を行う中田園長)
 

抽選で選ばれた10名の方には、近日中に賞品を発送させていただきます。

賞品は…
アザラシ

答えになった「ゴマフアザラシ」のあかちゃんの羊毛フエルトマスコットです。
3月に生まれた「きなこ」をイメージして作ってみました。
ゴマフアザラシは流氷の上で出産、生まれたばかりの赤ちゃんは白い毛でおおわれています。
この白い毛は約3週間の子育て期間中のみ見られます。
 

体の白い部分は、「こども牧場」で飼育しているヒツジの毛を使用しています
(白い毛の内側と鼻部分は市販の羊毛フエルト、目玉パーツも市販のものを使用)。
手作りなので一体一体微妙に違います。
※一人1体のプレゼントとなります
 

当選者の発表は賞品の発送をもってかえさせていただきますことをご了承ください。

引き続き、動物図書館をよろしくお願いいたします!


投稿者:動物図書館 北川裕美子

図書館ぶろぐアーカイブ

これまでの図書館ぶろぐはこちら

カテゴリー>図書館ぶろぐ>アーカイブ>年数を選択してご覧ください

7/24(金)「昆虫ハウス」オープンしました!

昨年に引き続き、動物資料展示館(1階)・動物図書館(2階)の建物の横に、「昆虫ハウス」オープンしました。 

クイズクイズ

昆虫ハウス内では、甲虫たちが木の上を歩き回っています。タイミングがあえば、コクワガタやカブトムシなどの甲虫たちに会えるかもしれません。動物園開園中は自由に出入りすることが可能です。
(※ハウス内は捕獲禁止です。ケースのない空間で、じっくりと観察を楽しんでください。)

また、今年度は、夏休み特別企画として昆虫ハウス内で「昆虫クイズ」を実施しています。
(実施期間:7/24㈮~8/24㈪まで)
昆虫ハウス内のクイズに答えて、「昆虫カード」を動物図書館でゲットしましょう!
ぜひ、「昆虫ハウス」へ遊びにきてくださいね!

クイズ


※入口に「おやくそく」が書いてありますので、ルールを守って昆虫ハウスを利用してください!

投稿者:動物図書館 北川裕美子・中谷真弓

自然観察会(園内で野鳥観察‼ 6月27日)を開催しました!

6月末の図書館からの景色
(動物図書館からの景色。左側の木の枝葉の隙間から「おらんうーたん館」が見えます:6月27日)
 

園内の緑が増え、木々に葉が茂る季節になりました。
セミの声も、エゾハルゼミからニイニイゼミ、エゾゼミに代わりました。
 

先月末の6月27日に自然観察会「園内で野鳥観察!」を行いました。
抽選で選ばれた7名の参加者の皆さんと園内をまわり、野鳥を観察しました。

昨年も同様ですが、6~8月までは、園内で観察できる野鳥の数が、ぐっと減ります。
日差しが強く気温が上がりすぎると、鳥たちは木陰や葉が多く茂るところに移動してしまいます。
また、葉が多く茂っているので、鳴き声は聞こえても私たちは姿を見つけることがとても難しくなるのです。
今回は暑さを考慮して14時スタートだったのですが、天気は曇り。観察途中で霧雨になった時間もありました。

キジバト

(ととりの村ではキジバトが♪デデポーポポーと鳴き、姿も確認できました)
 

天候的には良くもなく、悪くもなく。観察できた野鳥は10種。
うち2種(キビタキとヤブサメ)は鳴き声を聞くことができましたが、姿は観察できませんでした。

アマツバメ
(東門の下ではアマツバメの飛翔を観察できました。)

ホオジロ
(エゾモモンガ舎近くで、ホオジロを観察できました)

キビタキ
(キビタキは鳴き声のみの観察でした)
 

ちなみに、昨年の6月20日の野鳥観察会で観察できた鳥も10種。
うち6種は今年も観察することができました。

7月も野鳥観察会を行います。
予約制のイベントで、応募者が多い場合は抽選とさせていただきます。
開催が決定し次第SNSやHPで募集をします(7月の回は受付を終了しています)。
 

自然観察会は、飼育員が参加者と一緒に生き物を観察したり、物作りをしたり、
自然環境や野生動物を知るきっかけになるようにと、開催しているイベントです。

園内での野鳥観察会は月に1回程度の頻度で開催しています。

6月27日の野鳥観察会で観察した鳥
・ハシボソガラス(親子)※
・ハシブトガラス※
・シジュウカラ(親子)※
・ヒヨドリ※
・トビ※
・キジバト
・ホオジロ
・アマツバメ
・キビタキ(鳴き声のみ)※
・ヤブサメ(鳴き声のみ)
※は2025年6月20日の野鳥観察会で観察できた種

動物図書館 北川裕美子
 

ミナミイワトビペンギンが孵化ました【7/24追記】

 7月2日にミナミイワトビペンギンが一羽孵化しました。ミナミイワトビペンギンは、普通2卵産卵します。今年は2卵とも有精卵でしたが、無事に孵化したのは2卵目でした。この種では、2卵目が育つことも珍しくありません。
ヒナの体重は、孵化当日で73g。両親が交代で雛を温めたり、エサを与えたりしながら育てています。孵化から1週間目で体重が3倍に増え、順調に成長しています。
現在親子の様子は、ぺんぎん館の館内のガラス越しからご覧になれます。かわいらしいヒナと協力して子育てをする親の姿を、ぜひ温かく見守ってください。

【追記】

両親が子供の世話をしているのを確認しておりましたが、残念ながら7月19日に死亡が確認されました。

解剖の結果、死因は外傷性の肺・腎臓の損傷としています。 

サムネ2


3日目の様子です




                                         (ぺんぎん館・さる舎担当 :田中 千春)

「動物のこと、ひたむきに伝え続けて 」

 北海道の短い夏がやってきました。道外から訪れる皆さんに、空気も爽やかで涼しいね、と言われていたのも今は昔。気候変動の影響か気温も高く、蒸し暑さが感じられる日も少なくありません。ご来園の際は熱中症にもお気を付けくださいね。
 さて、旭山動物園では、動物飼育や展示をはじめ、「伝える」ことにこだわって、日々さまざまな取組みを行っています。飼育員によるもぐもぐタイムやなるほどガイド、動物の手書き看板はもちろんのこと、定期で発行している『モユク☆カムイ』のほか、動物図書館職員が一般向けに発行している「旭山動物園だより」、子供向けに発行している「あさひやまどうぶつえんみにだより」など、ひたむきに変わらず取り組んできたことは、旭山動物園の誇りと感じています。 
 また、今の時代に合わせて、公式HP・SNSでの情報発信にも力を入れています。日々の動物の様子や魅力をタイムリーに発信できるところが、皆さんの動物への興味や愛着につながっているのかもしれません。
 ところで、「伝える」ことは、動物園職員に限ったことではありません。旭山動物園では、各種イベントを通じて、皆さんと「伝える」ことも続けています。
 そんな大切な「伝える」イベントの1つとして、児童動物画コンクールがあります。今年で58回という歴史あるイベントですが、対象は幼児から小学生まで、毎年、旭山動物園の動物たちを子供ならではの目線で、個性的に、魅力的に描いた作品が数多く出展されています。その数何と千数百点! 審査は大変ですが、作品からは動物へのあふれる思いややさしさが伝わってきて、私たちもうれしく感じています。今年は、8/27㈭まで作品受付中ですので、ぜひご応募くださいね。
 旭山動物園ではこれからも、動物たちへの思いをさまざまな形で皆さんと一緒に紡いで、永く「伝え」続けていきたいと思います。
 
                   昨年の作品
                      昨年の動物園賞 低学年の部
 
令和8年7月11日
旭山動物園  加藤
 

「じっくり観ると、もっと面白い」

 皆さんはじめまして、4月から旭山動物園の副園長となりました中村といいます。平成18年から旭山動物園で獣医師として働いていましたが、今回から『こうほう旭川市民あさひばし』の原稿の担当に加わりました。以後よろしくお願いします。
 さて、今年日本の動物園で話題となった動物No.1とおそらくなるのが、千葉県にある市川市動植物園のニホンザル、パンチくんだと思います。皆さんもニュースやSNSで知っているとは思いますが、育児放棄されたパンチくんが、オランウータンの人形をお母さん代わりに抱いている様子や、さる山の群れへなじんでいく様子が話題となっています。市川市動植物園の広報によると、さる山は大変混雑して、来園者の誘導などに苦労しているようでした。
 動物園で働いている者としては、まさかニホンザルがこれほど話題になり、さる山で来園者が混雑することがあるのかと驚いた次第です。言ってしまえば日本の多くの動物園にはさる山があり、ニホンザルを飼育しています。もちろん旭山動物園にもあります。
 普段、旭山動物園のさる山に限らず、他の動物でも同じ動物を30分以上見る人はほとんどいないと思います。今回、パンチくんを見守った市川市動植物園の来園者は長くさる山を観察して、パンチくんのしぐさだけでなく、ほかのニホンザルの暮らし方や関係性にいろいろと気付いたのではないでしょうか?
 そこで、私からのお勧めの動物園の楽しみ方として、動物種を1種類、またはニホンザルなどの複数で暮らす動物は誰でもいいので1頭(羽)決めて、時間をかけて観察してみてください。きっといろいろなことに気付くはずです。動物園に来て、すべての動物を見ていくことも、もちろんいいのですが、「今日は〇〇」と決めてじっくり観察できるのが何度も足を運べる地元の方の特権ですので、ぜひ試してみてください。
 
                   サル
                      母親に抱かれている子ザル
 
令和8年6月6日
旭山動物園  中村
 

2025年度最後の自然観察会を開催しました!

 3月29日に「園内で野鳥観察!」を開催しました。
今回は動物園の半径10km圏内で高病原性鳥インフルエンザの事例が発症していることを考慮し、対策をとりながら観察会を実施しました。
 当日は曇り空で観察できた鳥は9種と少なめではありましたが、野鳥たちも繁殖期に入っているため鳥たちの鳴き声、特にヤマゲラのさえずりがよく園内に響きわたっていました。そして、春の訪れとともに姿をよく見かけるようになるトビも園内上空を飛んでいる姿を観察できました。


 1
ヤマゲラ
 

2
トビ
 

 2025年度は鳥好きスタッフが協力して、月1回の頻度で野鳥観察会を開催しました。天候や時期によって観察できた鳥の数にばらつきはあるものの、日ごろから野鳥観察をしている方から双眼鏡を使うのは初めてという方まで、幅広い層の方にご参加いただけたと思います。いままで野鳥の観察をしたことがなかった参加者の方が「観察会に参加したことがきっかけで、いまもバードウォッチングを楽しんでいる」と再来園されたときにおっしゃっていて、関係スタッフで大喜びしたこともありました。
 

 カラスやスズメをはじめ、野鳥たちはとっても身近ないきものです。そういった身近ないきものについて知る機会を少しでも提供できれば、という思いでこの野鳥観察会を開催しています。今年度も継続して野鳥観察会を行う予定ですので、少しでも興味がある方はお気軽にご参加ください。次回の開催日が決定し次第SNSやHPで募集をしますので是非案内をお待ちください。
 

3
観察会の様子

3月27日の野鳥観察会で観察した鳥
・コゲラ
・ハシブトガラ
・ハシボソガラス
・トビ
・ヤマゲラ
・シジュウカラ
・ハシブトガラス
・ゴジュウカラ
・ハイタカ属

北海道産動物舎(小動物・野鳥)・てながざる館担当:櫻井結夢

「59回目の開園です」

 4月から旭山動物園の園長となりました中田です。 重責ではありますが、30年間の飼育人生で動物たちが教えてくれた命の強さや尊さを胸に、職員一同力を合わせて歩んでまいります。どうぞよろしくお願いし ます。
 
  さて、この手紙を書いているのは冬期開園終了間近 の4月上旬です。3/15に生まれたゴマフアザラシの赤ちゃんは半分白い産毛、半分ゴマ模様となりお母 さんからの特濃な母乳を飲み丸々と成育しています。これまで旭山動物園でのアザラシは育児放棄によりやむなく人工保育に切り替えることが多くバックヤード での飼育管理でした。また3月下旬の出産が通例で一 番愛らしい産毛の時に冬期閉園となるため、皆さんにアザラシの育児姿を見せられていませんでした。でも今回は久しぶりにお母さんが育てる自然哺育。また予定より10日ほど早い出産となり、2~3週間しかないアザラシの子育て期間を長くお見せできて良かったなと思っています。この手紙が届く頃には全身ゴマ模様で独り立ちしている「ちびゴマ」になっていることでしょう。お楽しみに! 
 
 お楽しみといえばもう2つ。夏期開園からマヌルネコ舎がリニューアルオープンしました。これまでの放飼場の横の斜面を利用し、岩棚や芝生エリア、冬には雪が積もりマヌルネコの魅力がより伝わる施設となります。どんな動きをしてくれるか?今から楽しみです。
 
  また園内に子供たちが 遊べる遊具施設を2か所設置しました。1つはインクルーシブ遊具で、障害の有無、年齢、性別に関わらず全ての子供たちが一緒に遊べる「みんなの広場」、もう1つは動物の能力を体感できるコンセプト遊具「わくわく広場」です。「ヤギってこんなところを歩くんだ」とか「オランウータンってこんな感じで渡ってるんだね」と動物の気持ちになって動物のすごさや能力を感じてくれたらうれしいです。これからも動物たちがより輝き、子供たちの笑顔が弾ける、そんな動物園でありたいと思います。
 
                   きなこ
                   ゴマフアザラシの赤ちゃん(3/26撮影)
令和8年5月14日
旭山動物園 中田
 

ユキヒョウのコボとユーリ

 ユキヒョウのコボ(オス)が旭山動物園に来てもう少しで3ヶ月になります(2026年2月に多摩動物公園から来園)。
環境に慣れるまでしばらくはエサを食べなかったり、外の放飼場から帰って来なくなることは覚悟していましたが、今では旭山動物園のメニュー(主に鹿肉・ヒナ肉・鶏頭など)をしっかり食べ、夕方になるとエサを食べに寝室に入ってくるようになりました。思ったより早く旭山動物園の環境に順応してくれたように思います。
 メスのユーリに比べるととても慎重に動く様子を見せますが、ユーリに対しては初めて網越しに対面した際にすぐにコロンと仰向けになりお腹を見せたり、外の放飼場では隣の部屋にいるアムールヒョウに対しても落ち着いた態度を見せています。ユーリも最初はコボに対し警戒心でいっぱいでしたが、少し日が経つとコボに対してグフグフと鳴いたり網越しに体を擦り付けるようになりました。また、今はユーリとコボを交代で外の放飼場に出していますが、同じ岩にお互いおしっこをかけて情報交換をしているようでした。
 その様子から関係性は良好そうと判断し、春の閉園期間(4月8日〜28日)の間に一度ユーリとコボの同居を試みました。最初にユーリを外の放飼場に出した後、コボを出すためにシュートを開けると、コボはシュートの近くで慎重に外を見回していました。コボが外に出ていることに気が付いたユーリは、グイグイと歩いて来てコボに鼻を近づけました。それに対し、コボも首を伸ばしてユーリに鼻を近づける様子が見られました。ユキヒョウの繁殖期は冬で1月から4月くらいに間に交尾が行われます。夏の間は交代での展示になりますが、冬が近づいた時にまた同居を試す予定です。夏を過ごす中でコボが今よりもっと環境に慣れて、リラックスした状態で初めての北海道の冬を迎えられることを期待しています。



サムネ1
網の上から周りを見渡すコボ

サムネ2
外の放飼場を歩き回るコボ

サムネ3
ボールで遊ぶユーリ

サムネ4
鼻をくっつけるユーリ(右)とコボ(左)
                                  (もうじゅう館・タンチョウ舎担当 :原田 佳)

シマフクロウ、未来に向けて一歩ずつ

 2024年12月に飼育下シマフクロウ個体群の遺伝的多様性を保持すること目的として、それまで旭山動物園でペア飼育をしてきたロロ(オス)とモコ(メス)のペアを解消し、釧路市動物園でペア飼育されていたものの繁殖がうまくいっていなかったサクラ(メス)をモコと交換し、新しくロロとサクラのペアで繁殖を進めていくことになりました。
 野外のシマフクロウはつがい相手が死亡したりするなどでいなくならない限りペアの相手を変えることはありません。本来であればロロとモコもとても良いペアだったので、そのままずっと一緒に飼育をしていくこともできましたが、シマフクロウは環境省を主体とした「保護増殖事業」の対象種となっています。その一環として、飼育下では野外のシマフクロウの不測の事態に備え、種を維持したり繁殖させたりする必要もあるため同じ遺伝子を持つ子孫ばかりを増やしていくことよりも、さまざまな血統の遺伝子をプールしておくことも重要となります。そこで経験豊富なオスのロロと野生生まれのサクラを新たにペアにすることになりました。

1

ロロとサクラのペア

 前置きが長くなりましたが、そんなロロとサクラのペアに2月28日と3月4日待望の産卵がありました。
 2024年12月に初めて同居をした頃は警戒心MAXで常にロロの対面に動き一定の距離を保っていましたが、そんなサクラにもロロは少しずつ距離を詰めていき、営巣場所で鳴いてみたり求愛給餌をしたりと一生懸命アピールをしていました。その甲斐もあって徐々に2羽の距離は縮まり、鳴き交わしや交尾まで観察できるようになったのは昨年の繁殖期終盤の3-4月頃でした。残念ながら昨年は産卵まで至りませんでしたが、着実にペアとして進歩が見られたシーズンとなりました。
 そして今シーズン、昨年の終盤同様に繁殖行動もしっかりと確認でき待望の産卵となりました。初めての産卵となったサクラでしたがしっかりと卵を温める様子や、それをしっかりと巣の外で見張り、時折心配そうに巣の中に何度も様子を確認しに来るロロをモニター越しに観察していました。
 ヒナが孵るのを2羽とともに心待ちにしていましたが、残念ながら孵化予定日を過ぎても変化はありませんでした。確認のため卵を調べたところ2卵とも発生もしておらず無精卵でした。

2

モニター越しで確認

 飼育下でのシマフクロウの初めての繁殖は、成功する可能性が低いことが知られています。今回の繁殖はうまくいきませんでしたが、ペアの組み換えからここまで順調に進んでいるため悲観する必要はないと考えています。確実に、一歩ずつではありますが新しいペアは成長し、飼育下だけだはなく野生下においてもシマフクロウの保全にきっと貢献してくれることになると考えています。

 先日の改定された環境省のレッドリストではシマフクロウは保護事業が順調に進んでいるとのことでランクが一つ下げられましたが、まだまだ安心できるわけではありません。バードウォッチャーやカメラマンによる生息地への立ち入りがシマフクロウの繁殖や採餌に深刻な影響を与えていることについても評価書では言及されています。
 シマフクロウの保護・保全には生息域内・生息域外で協力が不可欠です。動物園は生息域外を担っているわけですが、動物園でシマフクロウを飼育する理由の一つに彼らの生活や繁殖の様子を観察してもらうことで「知ってもらう」、「興味や関心を持ってもらう」、「観察のマナーや自分たちにできることなどについて考えてもらう」といったことも重要な役割となっています。

 いつの日か、動物園で見たシマフクロウのつがいの様子や親子の様子が北海道のあちこちで自然に目にすることができる、そしてそれが北海道に暮らす人にとっても当たり前のようになる、そんな未来に繋がることを期待しながら今後もロロとサクラのペアを見守っていきたいと思っています。

フクロウ担当:大内章広
 

「運命の出会い」

  少し時間が経ちましたが、たくさんの勇気と感動を与えてくれた「ミラノ・コルティナオリンピック2026」が終了しました。日本では深夜から早朝の競技が多かったので寝不足気味の17日間だったのではないでしょうか?終わってみれば日本の総メダル数は冬季最多の24個と歴史的な記録となりました。中でも印象に残ったのはフィギュアスケート勢の活躍です。特に苦難やけがを克服して出場した「りくりゅうペア」の大逆転の金メダル獲得はとても感動的なものでした。2人の出会いは「雷が落ちた」と表現され、まさに運命の出会いだったと語られています。そんなわけでちょっと強引ですが今回は動物園でのペア形成に関するお話です。動物の雄と雌を同居させることを「ペアリング」と言います。種によっては終日同居するパターンと発情期だけ一緒にするパターンなどさまざまですが、旭山動物園では基本的に群れで暮らす動物か単独で暮らす動物かで変わってきます。いずれにしても初めて会わせる時や久しぶりの同居の時には入念な準備と段階を経て行います。特に新規で他園から迎え入れた個体の場合、まずは匂いや気配だけでお互いの存在を認識させ、次に柵越しでのお見合い、時間をかけ落ち着いていたら、状況を見て柵を取り同居となります。柵越しでは落ち着いていたけど、いざ会わせると闘争になりけがをする、時には命を落とす事態になることも考えられます。飼育員にとっては緊張の一瞬です。また、たとえペアリングがうまくいったとしても繁殖まで至らないケースもあり、動物にも相性があるようです。 昨年の秋に来園したオランウータンのメス「ドーネ」は先住の「モリト」と柵越しのお見合いまで済んでいます。春になり屋外に出せる気候になれば次のステップに。また2月に多摩動物公園より来園したユキヒョウのオス「コボ」とメスの「ユーリ」との柵越しのお見合いはこれからです(3月上旬現在)。まずはお互いの存在を感じながら新しい環境に慣れてもらい、その時まで焦らずじっくりと見守りながら「運命の出会い」となることを願っています。
 
                   コボ
                   寝室でリラックスした表情の「コボ」
令和8年4月8日
旭山動物園 中田
 

自然観察会「園内で野鳥観察!」を開催しました

 1

観察会の様子

 3月7日に自然観察会「園内で野鳥観察!」を行いました。
 雪予報でしたが運よく開催中は雪が降ることなく、13種とたくさんの鳥を観察することができました。ヒガラやキクイタダキは久しぶりに観察され、一瞬でしたがエナガやキバシリも出現してくれました。
 

2

ヒガラ       

3

キクイタダキ

 3月に入って一気に鳥たちが繁殖期に向けてそわそわとしてきました。カラ類ではさえずる姿がよく見られるようになり、キツツキ類も木の枝のてっぺんでアピールしていることが増えています。渡り鳥も繁殖地に向けて移動する時期ですね。
 カラ類などの小鳥より少し早く産卵に入る猛禽類は、飼育個体もせっせと営巣のため巣材を運び、産座(さんざ:巣の中で卵を産み温めるところ)に座ってみて座り心地を確かめることも多くなってきました。
 春は人だけでなく、動物たちも忙しくなります。観察の際は鳥の負担や邪魔にならないよう、いっそう気を付けていきましょう。

自然観察会は、飼育員が参加者と一緒に生き物を観察したり、物作りをしたり、自然環境や野生動物を知るきっかけになるようにと、開催しているイベントです。
 園内での野鳥観察会は月に1回程度の頻度で開催しています。
 園内での野鳥観察は鳥への負担が少なく、双眼鏡の貸し出しも行っていて手軽に観察することができます。

 次回の野鳥観察会は3月29日(日)です。定員につきすでに募集は終了しています。
 自然観察会は要予約制のイベントで、開催が決定し次第SNSやHPで募集をします。


 3月7日の野鳥観察会で観察した鳥
 ・ハシブトガラス
 ・ハシボソガラス
 ・カケス(亜種ミヤマカケス)
 ・ヒガラ
 ・シジュウカラ
 ・ハシブトガラ
 ・ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
 ・エナガ(亜種シマエナガ)
 ・アカゲラ(亜種エゾアカゲラ)
 ・オオアカゲラ(亜種エゾオオアカゲラ)
 ・コゲラ(亜種エゾコゲラ)(声のみ)
 ・キバシリ(亜種キタキバシリ)
 ・キクイタダキ
 

ワシ・タカ、くざもる・かぴばら館担当:高橋ひな

来年還暦・歴史を刻んできた旭山

  2月は旭川冬まつりの開催に合わせて、旭山では2月7日から9日までの3日間「雪あかりの動物園」が行われました。
 冬夜の寒さの中でこそ、生き生きと活動する動物達の姿を見てもらおうと、2013年から始められたこのイベントでは、職員手作りのアイスキャンドルが園内を照らし、温かな雰囲気を演出してきました。今年の雪あかり、皆さんにも楽しんでいただけたでしょうか。
 さて、旭山は今年の7月1日に開園59周年を迎えます。そして来年は節目の60周年、人でいうと還暦です。このおおよそ60年、旭山では、市民に親しまれる日本最北の動物園を目指し、これまで様々な動物達を飼育・展示しながら、変わらずに「命」を伝え続けてきました。
かつては、マルミミゾウやミナミシロサイなど大型動物のほか、ローランドゴリラを飼育していた時期もありました。そのローランドゴリラについては、1994年、エキノコックス症の感染により、オスの個体が死亡したことにより、おおよそ1年間、閉園を余儀なくされるなど、旭山にとって苦難の時代もありました。
 そのような時代を乗り越え、現在では国内外から多くの皆様に来園いただけるようになりましたが、旭山はこれからも、地元に根ざし、長く親しまれる動物園であり続けたいと感じています。
 旭山の施設も時代と共に変わっていますが、1967年の開園時から残っている施設も存在します。それは「旧総合動物舎」です。かつては、マルミミゾウやカバ、アミメキリンなど大型動物のほか、トラやライオンなど猛獣達も飼育展示しており、
旭山の中心的な存在といえる施設でありました。現在は、展示施設として利用せず、一部動物達のバックヤード的役割を果たしていますが、施設の老朽化に伴い、数年以内には取り壊す予定となっています。寂しい気持ちもありますが、これも時代の流れといえるのかもしれません。
 そしてもう一つ、開園以来、変わらずに存在するのが、園内数カ所に点在する「タコの水道」です。動物園なのになぜタコ?とも思いますが、このタコ水道達は、雨の日も晴れの日も雪降る寒さの日も、旭山と旭山の動物達をずっと見守り続けてきました。
 「伝えるのは、命」。このテーマとともに、旭山の動物達も施設も、そしてタコ水道も、次の時代に向かって、これからもゆっくりと歴史を刻んでいってほしいと願っています。
 
タコ水道
タコの水道
令和8年3月9日
旭山動物園 加藤
 

ユキヒョウ「コボ」がやって来ました

 2月12日、多摩動物公園からユキヒョウの「コボ」が旭山動物園にやって来ました。
 到着後、飼育員でコボが入った輸送箱を寝室へ運び、入口をシュートに合わせて扉を開けました。すると、コボはためらうことなく、すんなりと寝室の通路へ出ていきました。
 初めての場所に立ったコボは、周囲をゆっくりと見回していました。

1

辺りを見回すコボ

2

まだ警戒心のあるコボ

 緊張もあったためか、その日はすぐにエサを食べることはありませんでしたが、落ち着いた様子で過ごしていました。
 2日目になると、少し警戒心が解けてきたのか、人が歩く通路側に寄ってくる姿も見られました。現在はエサも毎日食べています。
 隣の部屋にいるユーリは、外の放飼場へ出るたびに、となりの部屋のにおいを確認しています。日中は外の放飼場から小窓をのぞ き、コボのいる方向を熱心に見つめる様子もありました。

3

コボの匂いを嗅ごうとするユーリ

4

外からコボを気にするユーリ


 コボも立ち上がって、ユーリが見ている窓の方を見ようとする様子が見られています。
 少しずつ、お互いの気配やにおいを感じ取りながら、存在を認識していっているようです。
 コボがこの環境に慣れていけるよう、焦らず、ゆっくりと見守りながら観察していきたいと思います。

もうじゅう館・オオカミの森担当:原田佳

自然観察会「園内で野鳥観察!」を開催しました

 1
観察会の様子

 12月27日と1月31日に自然観察会「園内で野鳥観察!」を行いました。
 12月27日は3種、1月31日は6種と観察できた野鳥は少なめでしたが、ネクタイ模様が素敵なシジュウカラや、今年はたくさん園内で観察できているカケスなどを観察することができました。
 

2

シジュウカラ

3

カケス(亜種ミヤマカケス) 

 前後で職員だけで観察しているときにはエナガやキクイタダキなども観察できているのに、みんなで歩くと中々見つけられないのが歯がゆいところですが、野鳥との出会いは一期一会。「普通種」と呼ばれる当たり前のように身近で生活してくれている鳥たちをしっかりと学び観察しながら、回数を重ねて出会える機会を増やすことが、憧れの鳥と出会う近道です。
 今年は木の実のなりが悪く、ナナカマドやエゾノコリンゴを食べにくるツグミやキレンジャクの姿が見られない一方で、昨季は一羽も観察されなかったカケスが何羽も園内で連日活動しています。

 また、2月8日、2月9日には雪あかりの動物園で開催しているナイトウォッチングガイドで、日暮れ前にショート版野鳥観察会を行い、短い時間ながらも複数の野鳥を観察することができました。
 2月9日のキーパーズカフェでは、普段の野鳥観察会で案内をしている動物図書館の職員の北川が、自然観察会で皆さんと観察できた鳥の総集編や道内各地で観察した野鳥について発表しました。

 自然観察会は、飼育員が参加者と一緒に生き物を観察したり、物作りをしたり、自然環境や野生動物を知るきっかけになるようにと、開催しているイベントです。
 園内での野鳥観察会は月に1回程度の頻度で開催しています。
 園内での野鳥観察は鳥への負担が少なく、双眼鏡の貸し出しも行っていて手軽に観察することができます。

 次回3月7日は募集開始直後に定員に達してしまいましたが、4月7日の冬期開園最終日までの間に、もう1回野鳥観察会をしたいと考えているので、ぜひ案内をお待ちください。
 自然観察会は要予約制のイベントで、開催が決定し次第SNSやHPで募集をします。


 12月27日の野鳥観察会で観察した鳥
 ・カケス(亜種ミヤマカケス)
 ・ハシブトガラス
 ・シジュウカラ
 1月31日の野鳥観察会で観察した鳥
 ・カケス(亜種ミヤマカケス)
 ・ハシブトガラス
 ・ハシボソガラス
 ・ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
 ・シジュウカラ
 ・ハシブトガラ
 雪あかりの動物園 ナイトウォッチングガイド「野鳥観察会」で観察した鳥
 ・カケス(亜種ミヤマカケス)
 ・ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
 ・シジュウカラ
 ・オオアカゲラ
 ・アカゲラ
 ・コゲラ

ワシ・タカ、くもざる・かぴばら館担当:高橋ひな

エゾモモンガ「べに」の近況

 2024年のしいくのぶろぐのなかで「カボチャのタネを集めています!」と書いてから、1年以上経過した今もカボチャのタネが全国から届いており、餌として活用しています。タネを送ってくれたみなさんへのお礼も兼ねて、今回はエゾモモンガの「べに」の2025年の様子をたっぷりと振り返っていきたいと思います。少々長くなりますがお付き合いくださいませ。

 べには2024年、2025年と二年連続で出産をしたメスのエゾモモンガです(2024年のこどもたちの成長記録については過去のしいくのぶろぐでご紹介しておりますので、ぜひ見つけて読んでみてください)。
 2025年5月に3頭の仔を出産しましたが、1頭は死産、残る2頭については立派に成長し、いまもエゾモモンガ舎で元気に過ごしております。

 前回は初産ながらも立派に子育てをしたので、今回も大丈夫だろうと特に心配はしていませんでした。実際、べには巣箱にこもってしっかりと子育てをしていましたが、前回にはみられなかった、生まれたばかりの仔を口に咥えて頻繁に巣箱から出し入れする、という行動をとるようになりました。

1
 仔を口に咥えて出てくる


 エゾモモンガは複数の巣穴を持っていて、子育て中に引っ越しをすることがある動物です。出産に備えて、あらかじめモモンガ舎の中に複数の巣箱を設置しておりましたが、さらに数を増やしたり、巣材が気に入らないのでは?と思い別の素材のものを追加したりしましたが、結局仔を出し入れする行動を止めることはできませんでした。
 仔が成長して重たくなるにつれ、自然と出し入れすることはなくなりました。

 6月2日にはべにが糞詰まりを起こしてしまいました。たまたま巣箱の外に出ていたべにを観察していると、力んでいるのに糞を出せていないことに気づき、すぐに動物病院にて処置を行いました。その後も注意深く観察しておりますが、うまく排便できなかったのはその時だけで、いまは毎日快便です。


 2
 べにのぷりぷりなうんち


 そして、7月にはべににふらつきが見られ、枝から落ちそうになる様子がみられました。枝につかまっているときの手足がガクガクと揺れていて、このままモモンガ舎で飼育を続けると高いところから落ちて頭などをぶつける可能性があると判断し、隔離して動物病院にて療養することになりました。
 幸い、子供たちは離乳していたので、隔離することに問題はありませんでした。
しかし、結局なぜふらつくのか原因はわからず、体が小さい動物であるため積極的な検査や治療なども難しく、経過観察しかできない自分に無力さを感じました。
 療養中はべにが落ちてケガをしないように、あまり高さがない鳥カゴで飼育していましたが、本来は木につかまることで自然と削れるはずの爪が伸びてしまったり、行動が制限されることで体力や筋力の低下が懸念されたため、閉園後のエゾモモンガ舎で1時間ぐらい運動させたりすることもありました。

 10月には背中がごっそり脱毛し、地肌が露出してしまいます。
 

3
 背部の脱毛が目立つ(麻酔下の検査時)


 な、なんだか悲しいぶろぐになってしまいましたが、現在のべにはどうしているかというと…
 実は病院での療養を終え、エゾモモンガ舎に戻って元気に過ごしております!!

 11月のある日、巣箱の外に出ていたべにを観察していると、鳥カゴの中でしっかりとした足取りで移動し、不安定な枝の上でも体が揺れることなく静止することができていました。手足のふらつきも見られません。
 その後も数日様子を見ていましたが、モモンガらしい動きが難なくできるようになったので、冬期開園からモモンガ舎に戻ることができました。
 

4
 調子が良くなってきたべに


 そしてそして、あれだけごっそり抜けていた背中の毛も、いまはご覧のとおり冬毛が生えてふわふわに戻っています。先日体重測定を行ったところ体重の増加もみられ、エゾモモンガ舎の中を元気に動き回っているところを見ると、体調が改善してよかったと心から思います。


 5
 毛がフサフサになった(このときだけライトをつけて撮影しています)


 2020年生まれのべには、おばあちゃんとまではいきませんがもう若い個体ではありません。繁殖はこれでお休みして、まずは元気に日々を過ごせるように、そして少しの変化にも気づくことができるように、しっかりと見守っていきます。
 

6
 モリモリ食べてます

北海道産動物舎(小動物・野鳥)・エゾモモンガ舎・フラミンゴ舎担当:櫻井結夢

歩くペンギン、冬のひみつ

  年も明けはやひと月、皆さんどのようにお過ごしで しょうか。今シーズンの冬は、雪は降るけど気温が上がり溶けてを繰り返していますね。概して気温が高く、 原稿を書いているのは1月中旬なのですが、雪あかりの動物園に向けて氷のランタン制作のめどが立たず、長期天気予報とにらめっこの日々が続いています。  
 旭山動物園の冬といえば真っ先にペンギンの散歩を思い浮かべる人も多いと思いますが、散歩の主役キングペンギンの話を少々。散歩を始めた当初は特に公表 せずに行っていました。本来ペンギンは水中で魚を食 べるのですが、動物園では個体管理の必要性から陸上で魚を給餌しています。キングペンギンは冬に入ると 泳がなくなったりと運動量が落ちてきます。一方で2~3月頃から換羽をするので、換羽に備えて換羽前に食欲が増してきます。泳がなくても餌をゲットできるので運動をせずに体重だけが増加することになります。 換羽に備えての体重増加だけではない肥満傾向になりがちです。さらに換羽が終わって晩春ごろには繁殖期に入ります。キングペンギンは巣を作らず、立ったまま足ひれの上に卵を乗せ抱卵します。その期間は2か月近くにおよびます。下半身の筋力、体力も必要になります。  
 ということで、肥満にならずによく運動したくさん食べて体力、筋力をつけ換羽、繁殖活動につながるようにと散歩となったのです。キングペンギンは陸上のコロニーから海まで歩いて魚を取りに行きま す。歩くのは生きるために本来持っている習性なので、その習性や行動を発現させようという考えです。さらに足の裏を痛めないように積雪期限定で行うこととしました。  
 ペンギンのパレードとか行進とか言われることもあるのですが、調教や訓練は行っておらずあくまでも自発的な散歩なのです。
 
休園中の散歩
休園中の散歩(12/31撮影)
令和8年2月5日
旭山動物園 坂東
 

動物とともに、駆け出す一年

 明けましておめでとうございます。動物園で新年といえば干支の話が定番です。でも今年は午(うま)年。旭山動物園では馬は飼育していません。ただ過去にはロバとシマウマの混血種であるドブラを飼育していた時期がありました。ロバとシマウマは、英語ではドンキーとゼブラと言いますが、その言葉が合わさってドブラです。その独特な名前の響きとともに印象に残っている人もいるのではないでしょうか。旭山動物園では、皆さんがお使いいただける年賀状デザインを毎年ホームページに載せていますが、今年はカバにも登場してもらいました。こじつけですが、カバは漢字で書くと「河馬」です。
 さて、1月といえば冬本番。寒冷地の動物たちが生き生きとする季節です。ホッキョクグマやアムールトラ、ユキヒョウのほかにペンギンの散歩でおなじみのキングペンギン、雪の中で転がるレッサーパンダ、白い息を吐きながら遠吠えするシンリンオオカミなど、この時期ならではの姿を見ることができます。寒冷地の動物は、脂肪の蓄えや特徴的な毛皮によって断熱性を高めたり、体の突起部分を小さくしたり、さらには体そのものを大きな体形に変化させることで、外気から身を守り体温を維持しています。これらの動物の生態を知ると、厳しい自然環境に適応しているすごさを改めて感じます。北国に住む者としては寒さに強い動物はうらやましい限りです。脂肪を蓄えて冬を過ごす動物を見習って?食欲の秋にたくさん美味しいものを蓄えましたが、やはり冬は寒いですね。
 動物がもっている特徴や行動、生き方は、私たちに様々なことを教え、感じさせてくれます。動物との繋がりを感じてもらい、楽しみながらも新しい発見が得られ、学びも深まる。そのような動物園を目指して、寒い寒いと嘆いていないで、馬のように駆け出していく1年のスタートにしたいと思います。
 

年賀ゼブラ

河馬(かば)とゼブラ

令和8年1月7日
旭山動物園 田村