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「ブログ(2026年)」の記事一覧

ユキヒョウ「コボ」がやって来ました

 2月12日、多摩動物公園からユキヒョウの「コボ」が旭山動物園にやって来ました。
 到着後、飼育員でコボが入った輸送箱を寝室へ運び、入口をシュートに合わせて扉を開けました。すると、コボはためらうことなく、すんなりと寝室の通路へ出ていきました。
 初めての場所に立ったコボは、周囲をゆっくりと見回していました。

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辺りを見回すコボ

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まだ警戒心のあるコボ

 緊張もあったためか、その日はすぐにエサを食べることはありませんでしたが、落ち着いた様子で過ごしていました。
 2日目になると、少し警戒心が解けてきたのか、人が歩く通路側に寄ってくる姿も見られました。現在はエサも毎日食べています。
 隣の部屋にいるユーリは、外の放飼場へ出るたびに、となりの部屋のにおいを確認しています。日中は外の放飼場から小窓をのぞ き、コボのいる方向を熱心に見つめる様子もありました。

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コボの匂いを嗅ごうとするユーリ

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外からコボを気にするユーリ


 コボも立ち上がって、ユーリが見ている窓の方を見ようとする様子が見られています。
 少しずつ、お互いの気配やにおいを感じ取りながら、存在を認識していっているようです。
 コボがこの環境に慣れていけるよう、焦らず、ゆっくりと見守りながら観察していきたいと思います。

もうじゅう館・オオカミの森担当:原田佳

自然観察会「園内で野鳥観察!」を開催しました

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観察会の様子

 12月27日と1月31日に自然観察会「園内で野鳥観察!」を行いました。
 12月27日は3種、1月31日は6種と観察できた野鳥は少なめでしたが、ネクタイ模様が素敵なシジュウカラや、今年はたくさん園内で観察できているカケスなどを観察することができました。
 

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シジュウカラ

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カケス(亜種ミヤマカケス) 

 前後で職員だけで観察しているときにはエナガやキクイタダキなども観察できているのに、みんなで歩くと中々見つけられないのが歯がゆいところですが、野鳥との出会いは一期一会。「普通種」と呼ばれる当たり前のように身近で生活してくれている鳥たちをしっかりと学び観察しながら、回数を重ねて出会える機会を増やすことが、憧れの鳥と出会う近道です。
 今年は木の実のなりが悪く、ナナカマドやエゾノコリンゴを食べにくるツグミやキレンジャクの姿が見られない一方で、昨季は一羽も観察されなかったカケスが何羽も園内で連日活動しています。

 また、2月8日、2月9日には雪あかりの動物園で開催しているナイトウォッチングガイドで、日暮れ前にショート版野鳥観察会を行い、短い時間ながらも複数の野鳥を観察することができました。
 2月9日のキーパーズカフェでは、普段の野鳥観察会で案内をしている動物図書館の職員の北川が、自然観察会で皆さんと観察できた鳥の総集編や道内各地で観察した野鳥について発表しました。

 自然観察会は、飼育員が参加者と一緒に生き物を観察したり、物作りをしたり、自然環境や野生動物を知るきっかけになるようにと、開催しているイベントです。
 園内での野鳥観察会は月に1回程度の頻度で開催しています。
 園内での野鳥観察は鳥への負担が少なく、双眼鏡の貸し出しも行っていて手軽に観察することができます。

 次回3月7日は募集開始直後に定員に達してしまいましたが、4月7日の冬期開園最終日までの間に、もう1回野鳥観察会をしたいと考えているので、ぜひ案内をお待ちください。
 自然観察会は要予約制のイベントで、開催が決定し次第SNSやHPで募集をします。


 12月27日の野鳥観察会で観察した鳥
 ・カケス(亜種ミヤマカケス)
 ・ハシブトガラス
 ・シジュウカラ
 1月31日の野鳥観察会で観察した鳥
 ・カケス(亜種ミヤマカケス)
 ・ハシブトガラス
 ・ハシボソガラス
 ・ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
 ・シジュウカラ
 ・ハシブトガラ
 雪あかりの動物園 ナイトウォッチングガイド「野鳥観察会」で観察した鳥
 ・カケス(亜種ミヤマカケス)
 ・ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
 ・シジュウカラ
 ・オオアカゲラ
 ・アカゲラ
 ・コゲラ

ワシ・タカ、くもざる・かぴばら館担当:高橋ひな

エゾモモンガ「べに」の近況

 2024年のしいくのぶろぐのなかで「カボチャのタネを集めています!」と書いてから、1年以上経過した今もカボチャのタネが全国から届いており、餌として活用しています。タネを送ってくれたみなさんへのお礼も兼ねて、今回はエゾモモンガの「べに」の2025年の様子をたっぷりと振り返っていきたいと思います。少々長くなりますがお付き合いくださいませ。

 べには2024年、2025年と二年連続で出産をしたメスのエゾモモンガです(2024年のこどもたちの成長記録については過去のしいくのぶろぐでご紹介しておりますので、ぜひ見つけて読んでみてください)。
 2025年5月に3頭の仔を出産しましたが、1頭は死産、残る2頭については立派に成長し、いまもエゾモモンガ舎で元気に過ごしております。

 前回は初産ながらも立派に子育てをしたので、今回も大丈夫だろうと特に心配はしていませんでした。実際、べには巣箱にこもってしっかりと子育てをしていましたが、前回にはみられなかった、生まれたばかりの仔を口に咥えて頻繁に巣箱から出し入れする、という行動をとるようになりました。

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 仔を口に咥えて出てくる


 エゾモモンガは複数の巣穴を持っていて、子育て中に引っ越しをすることがある動物です。出産に備えて、あらかじめモモンガ舎の中に複数の巣箱を設置しておりましたが、さらに数を増やしたり、巣材が気に入らないのでは?と思い別の素材のものを追加したりしましたが、結局仔を出し入れする行動を止めることはできませんでした。
 仔が成長して重たくなるにつれ、自然と出し入れすることはなくなりました。

 6月2日にはべにが糞詰まりを起こしてしまいました。たまたま巣箱の外に出ていたべにを観察していると、力んでいるのに糞を出せていないことに気づき、すぐに動物病院にて処置を行いました。その後も注意深く観察しておりますが、うまく排便できなかったのはその時だけで、いまは毎日快便です。


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 べにのぷりぷりなうんち


 そして、7月にはべににふらつきが見られ、枝から落ちそうになる様子がみられました。枝につかまっているときの手足がガクガクと揺れていて、このままモモンガ舎で飼育を続けると高いところから落ちて頭などをぶつける可能性があると判断し、隔離して動物病院にて療養することになりました。
 幸い、子供たちは離乳していたので、隔離することに問題はありませんでした。
しかし、結局なぜふらつくのか原因はわからず、体が小さい動物であるため積極的な検査や治療なども難しく、経過観察しかできない自分に無力さを感じました。
 療養中はべにが落ちてケガをしないように、あまり高さがない鳥カゴで飼育していましたが、本来は木につかまることで自然と削れるはずの爪が伸びてしまったり、行動が制限されることで体力や筋力の低下が懸念されたため、閉園後のエゾモモンガ舎で1時間ぐらい運動させたりすることもありました。

 10月には背中がごっそり脱毛し、地肌が露出してしまいます。
 

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 背部の脱毛が目立つ(麻酔下の検査時)


 な、なんだか悲しいぶろぐになってしまいましたが、現在のべにはどうしているかというと…
 実は病院での療養を終え、エゾモモンガ舎に戻って元気に過ごしております!!

 11月のある日、巣箱の外に出ていたべにを観察していると、鳥カゴの中でしっかりとした足取りで移動し、不安定な枝の上でも体が揺れることなく静止することができていました。手足のふらつきも見られません。
 その後も数日様子を見ていましたが、モモンガらしい動きが難なくできるようになったので、冬期開園からモモンガ舎に戻ることができました。
 

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 調子が良くなってきたべに


 そしてそして、あれだけごっそり抜けていた背中の毛も、いまはご覧のとおり冬毛が生えてふわふわに戻っています。先日体重測定を行ったところ体重の増加もみられ、エゾモモンガ舎の中を元気に動き回っているところを見ると、体調が改善してよかったと心から思います。


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 毛がフサフサになった(このときだけライトをつけて撮影しています)


 2020年生まれのべには、おばあちゃんとまではいきませんがもう若い個体ではありません。繁殖はこれでお休みして、まずは元気に日々を過ごせるように、そして少しの変化にも気づくことができるように、しっかりと見守っていきます。
 

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 モリモリ食べてます

北海道産動物舎(小動物・野鳥)・エゾモモンガ舎・フラミンゴ舎担当:櫻井結夢

歩くペンギン、冬のひみつ

  年も明けはやひと月、皆さんどのようにお過ごしで しょうか。今シーズンの冬は、雪は降るけど気温が上がり溶けてを繰り返していますね。概して気温が高く、 原稿を書いているのは1月中旬なのですが、雪あかりの動物園に向けて氷のランタン制作のめどが立たず、長期天気予報とにらめっこの日々が続いています。  
 旭山動物園の冬といえば真っ先にペンギンの散歩を思い浮かべる人も多いと思いますが、散歩の主役キングペンギンの話を少々。散歩を始めた当初は特に公表 せずに行っていました。本来ペンギンは水中で魚を食 べるのですが、動物園では個体管理の必要性から陸上で魚を給餌しています。キングペンギンは冬に入ると 泳がなくなったりと運動量が落ちてきます。一方で2~3月頃から換羽をするので、換羽に備えて換羽前に食欲が増してきます。泳がなくても餌をゲットできるので運動をせずに体重だけが増加することになります。 換羽に備えての体重増加だけではない肥満傾向になりがちです。さらに換羽が終わって晩春ごろには繁殖期に入ります。キングペンギンは巣を作らず、立ったまま足ひれの上に卵を乗せ抱卵します。その期間は2か月近くにおよびます。下半身の筋力、体力も必要になります。  
 ということで、肥満にならずによく運動したくさん食べて体力、筋力をつけ換羽、繁殖活動につながるようにと散歩となったのです。キングペンギンは陸上のコロニーから海まで歩いて魚を取りに行きま す。歩くのは生きるために本来持っている習性なので、その習性や行動を発現させようという考えです。さらに足の裏を痛めないように積雪期限定で行うこととしました。  
 ペンギンのパレードとか行進とか言われることもあるのですが、調教や訓練は行っておらずあくまでも自発的な散歩なのです。
 
休園中の散歩
休園中の散歩(12/31撮影)
令和8年2月5日
旭山動物園 坂東
 

動物とともに、駆け出す一年

 明けましておめでとうございます。動物園で新年といえば干支の話が定番です。でも今年は午(うま)年。旭山動物園では馬は飼育していません。ただ過去にはロバとシマウマの混血種であるドブラを飼育していた時期がありました。ロバとシマウマは、英語ではドンキーとゼブラと言いますが、その言葉が合わさってドブラです。その独特な名前の響きとともに印象に残っている人もいるのではないでしょうか。旭山動物園では、皆さんがお使いいただける年賀状デザインを毎年ホームページに載せていますが、今年はカバにも登場してもらいました。こじつけですが、カバは漢字で書くと「河馬」です。
 さて、1月といえば冬本番。寒冷地の動物たちが生き生きとする季節です。ホッキョクグマやアムールトラ、ユキヒョウのほかにペンギンの散歩でおなじみのキングペンギン、雪の中で転がるレッサーパンダ、白い息を吐きながら遠吠えするシンリンオオカミなど、この時期ならではの姿を見ることができます。寒冷地の動物は、脂肪の蓄えや特徴的な毛皮によって断熱性を高めたり、体の突起部分を小さくしたり、さらには体そのものを大きな体形に変化させることで、外気から身を守り体温を維持しています。これらの動物の生態を知ると、厳しい自然環境に適応しているすごさを改めて感じます。北国に住む者としては寒さに強い動物はうらやましい限りです。脂肪を蓄えて冬を過ごす動物を見習って?食欲の秋にたくさん美味しいものを蓄えましたが、やはり冬は寒いですね。
 動物がもっている特徴や行動、生き方は、私たちに様々なことを教え、感じさせてくれます。動物との繋がりを感じてもらい、楽しみながらも新しい発見が得られ、学びも深まる。そのような動物園を目指して、寒い寒いと嘆いていないで、馬のように駆け出していく1年のスタートにしたいと思います。
 

年賀ゼブラ

河馬(かば)とゼブラ

令和8年1月7日
旭山動物園 田村