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今年も終わりに近づいていますね。こども牧場では冬期開園から新たな動物たちが仲間入りしています。以前は羊の紹介がありましたが、今回はニワトリのヒナたちのご紹介です。
左からつゆ、てん、まめ、茶々、いそ
ヒナ...という大きさではないかもしれませんが、この写真はまだ孵化して約1カ月です。大きく見えますが、成鶏になるには5カ月必要です。よく見ると肉垂やトサカも小さいですね。現在は中雛と呼ばれる期間で、その後大雛を経て成鶏へと成長します。もともとニワトリ舎で飼育している既存のニワトリたちは真っ白な羽の色で、ハクショクレグホンという品種のニワトリです。
一方、ヒナたちは羽が茶色の個体もいますね。このヒナたちの親の品種はボリスブラウンといい、日本で最も「赤玉の卵」を生産している品種です。ハクショクレグホンは日本で最も白玉を生産している品種ですので、2大勢力がニワトリ舎にそろったということですね。ボリスブラウンは、オスが白色、メスが茶色の羽の色をしています。
しかし、ボリスブラウンの両親から生まれる第二世代のニワトリはそうとも限らず、白いメスなども生まれてくるようです。このヒナたちはボリスブラウンの両親から生まれたヒナですので羽の色では雌雄が判断できず、これから成長するにつれわかってくるかと思います。 それでは、5羽のヒナたちの成長過程を見ていきましょう。ヒナたちは東川町にあるファームレラさんの「大雪なたまご」から孵化しました。
孵卵器の中の卵
最初は有精卵か無精卵か不明でしたので、5玉中いくつが孵化するかとわくわくしていました。そして卵がやってきてから約21日間、予定日の10月7日の朝。
嘴打ちがはじまった卵
嘴打ちがはじまりました!よく見ると卵もゆらゆら...。そしてその日の夕方、2羽が孵化しました。
孵化したてのヒナ第一号(てん)
2羽でくっつくヒナたち(てんといそ)
残り3つの卵はその日は孵化しませんでしたが、翌朝すべての卵が孵化しました!羽も乾き、フワッとなったヒナたちがこちら。
孵卵器からケージに移動したヒナたち
よく見るとヒヨコの頃から羽の色が違うのがお分かりいただけると思います。ヒヨコの頃から白っぽかった個体は白色に、茶色かった個体は茶色にそのまま成長しました。
段ボールの中で飼育員が構えるカメラから逃げようとするヒナたち
日向ぼっこ中のヒナたち
かわいいヒヨコ時代もつかの間、10日もたてば翼に羽が生えはじめ、半月もすればなんだか立派な翼になりはじめます。
生後約半月のヒナ(いそ)
顔つきも心なしか鋭い目つきになり、ギザギザのトサカが嘴の付け根に生え始めます。そして1カ月もたてばこのような姿に。
生後約1カ月のヒナ(まめ)
ポヤポヤフワフワだった体が羽軸でツンツンしています。トサカも大きくなりましたね。あまりの成長の早さに初めてニワトリの孵化を経験する私も動揺を隠せません。
ちなみに1番最初に載せた写真がこの写真から5日後です。このころにスタッフルームからニワトリ舎に移動しました。ニワトリは闘争が多いため、大人たちにいじめられないよう慎重に同居を進めていき、今では大人たちからの攻撃をうまくよけつつ、時には5羽で走り回って大人たちを困惑させながら同居できています。
まだまだ育ち盛りのヒナたちを是非見守っていただけると幸いです。
春頃には赤玉の卵をニワトリ舎で見られる日が来るかもしれませんね。
一番最近のヒナたち(つゆといそ)
こども牧場担当:田中 侑季
2023年も残すことわずかとなりました。 8月にうまれたエレンも生後4ヶ月を迎えました。母親の献身的な姿と愛情をたっぷりもらい大事に育児を行っております。最近では手足の動きも活発で母親の顔を指でいじったり、まだ不安定ですが頭もだいぶすわってきていてつかまり立ちも出来るようになりました。格子に両手足を握ることも。さらに歯も少しずつはえてきました。あくびのように大きく口を開けることも多々ありますので見えるかもしれません。 親子の展示について行っていきますので、ぜひ成長していく姿を見てほしいと思います。 なお、チンパンジーの展示は4つのグループの交代展示となりますので見られない日がありますことをご承知おきください。
8月14日にうまれたエレン
ちんぱんじー館担当:高井正彦
雪が積もり冬になったかと思ったら雨が降ったり、不安定な天気が続いています。 私が担当しているクモザルとカピバラは冬期開園中のほとんどを室内展示場で過ごします。お部屋の中は暖かく、快適といえば快適な環境です。しかし、刺激がほとんどありません。そこで、変化の少ない室内の暮らしに変化をつけてみました。
1、フィーダー フィーダーとはエサを与える器具のことを言います。フィーダーからエサを取るには頭と体を使わなければいけません。お客さんには「意地悪をしている」「かわいそう」と言われたこともあります。しかし、フィーダーからエサを取ろうとしているクモザルの真剣な顔と手先の器用さを見ていただければ、クモザルの魅力が伝わるのではないかと思います。
2、緑の彩り 殺風景なカピバラの室内放飼場に緑の彩りを足してみました。果たしてカピバラは気づいているのかどうか、無表情なのでよくわかりませんが、少しでも刺激になればいいなと思います。
フィーダーの中にはキウイフルーツが入っています
天井から垂れ下がる植物と無表情のカピバラ
くもざる・かぴばら館担当・獣医師:佐藤伸高
10月29日に旭山動物園でエゾシカのイベントを開催しました。 北海道におけるエゾシカの現状や課題、魅力を参加者の皆さんにお伝えするのが目標でしたが、堅苦しいイベントにならないよう座学だけではなく、飼育場でのエゾシカガイドやエゾシカ肉のしゃぶしゃぶ試食会!を折り込み「エゾシカまるごと体験」と名付けました。 参加者は環境系イベントにも関わらず満席!これがお肉のパワーか...
いやいや、参加者の皆様はお肉だけでなく座学もガイドも熱心に 聞いてくださいました。 アンケートからもエゾシカについて考えを深めていただけた様子が分かり、大変嬉しかったです。エゾシカ肉しゃぶしゃぶはもちろん大好評で、臭みはなくやわらかくて味もしっかり、ラムしゃぶより個人的には好きでした。
最近、全国的に注目を集めている「クマの問題」とは対照的にあまり注目されていませんが、実は同じくらいかそれ以上に大きい影響が毎年出ているのが「シカの問題」です。 特に北海道では、野生鳥獣による農林業の年間被害額約55億円のうち、約45億円をエゾシカが占めているほか、エゾシカに起因する交通事故は年間約4500件で、ここ5~6年で約2倍に増加しています。結果として毎年10万頭を超えるエゾシカが駆除され、その多くが有効利用されることなく廃棄されてしまっています。それでも、直接人を襲うことが少ないシカの話題は、おそらくクマほどニュースになりにくい側面もあるのではと感じています。 一方で驚くほど美味しいお肉や高品質の皮、角を持つエゾシカは、資源としての価値は素晴らしいものがありますし、春夏秋冬で大きく変化する姿や臆病でまっすぐ性格など魅力も満載です。
そんな中、こうした動物や環境の話題をしっかりと発信することは動物園にとって極めて大切な役割だと考えています。「かわいい」しか伝えないのなら、動物園以外でもできることでしょう。わたしたち動物園が、さまざまな現場や専門家と一般市民との架け橋のような存在になり、動物や地球環境などの難しい課題を市民目線・市民感覚に落とし込んで一緒に考えていく機会を作り出すことで、人間にとっても動物にとっても居心地の良い世界に向かっていけたら良いなぁと考えています。次回はもっとパワーアップしたイベントをやりたいです!お楽しみに!
(エゾシカ・教育担当 上江)
非公開施設で飼育しているシンリンオオカミのアオイ(メス)について、11月13日頃から後肢を引きずって歩く様子が見られたため、11月18日に麻酔下で検査を行ったところ、加齢による変形性脊椎症と、これによる脊髄の圧迫を認めました。 痛みと炎症を抑える薬を与えており、歩き方に改善が見られ、現在は後肢を引きずることなく歩いています。 食欲は旺盛でパートナーのヌプリ(オス)と一緒に元気に過ごしていますが、引きずった足が地面に擦れてケガをしてしまわないように放飼場に落ち葉や乾草を敷いたり、放飼場にあった台を低くするなど、安心して過ごせるように対策をしています。 検査後もヌプリがアオイを気にする様子や、アオイがヌプリにじゃれていく様子などが見られ、関係性は良好です。 今後も注意深くアオイの体調と2頭の様子を観察していきたいと思います。
オオカミの森担当:原田佳
雪が降り始め、外の空気もすっかり肌寒くなってきたこの頃、こども牧場の動物たちも冬支度を始めます。旭川の寒さに耐えられないクジャクは冬季開園の間暖房の効いた屋内でお休み、ニワトリは羽毛を膨らませ暖かい空気を溜め込みます。カイウサギにヤギも冬毛に換毛して本格的な冬の寒さに備える中でも、普段通り過ごしているのがヒツジです。 元々寒い地域に適応していたヒツジは体内に脂を蓄えやすく、ふわふわのウールも相まって寒さにはめっぽう強い動物です。座り込んで溶けた雪が体毛に染み込むのを嫌がるので、 夏よりも立って歩き回る姿をよく観察できるようになります。 今回の冬季開園からこども牧場に新しく2頭のヒツジが仲間入りしました。ロシア原産のロマノフ種とまだら模様が珍しいジェイコブ種の血を継いだ雑種のメスのヒツジです。旭山動物園に来てからそれぞれイツカ、リッカと名付けられました。
[写真、小屋の前に座るイツカ(右)とリッカ(左)]
どちらもまだ若く、非常に動きが素早いです。見慣れない同居人に容赦なく頭突きをかますヤギを避けて、草食動物本来の優れた脚力を披露してくれます。一方で先にこども牧場にいたサフォークとの生活には早くも順応し、来園してわずか二週間で同じ餌台に並んで食事をとるまでに仲を深めてくれました。品種間で文字通り毛色の異なる4頭ですが、群れで暮らして生きるヒツジの仲間意識の強さを垣間見ることができます。
[写真2、並んで乾草を食べるヒツジたち]
本格的に雪が降り積もると園内の風景も大きく変わります。白一色に染まった放飼場の中で一層目立つ黒いヒツジがこれからどんな行動を見せてくれるか、ぜひこども牧場にて観察しに来てくださると幸いです。 (こども牧場担当 堀川草太)
この言葉は、閉園期間中にいつも心の中で掲げているスローガンです。
ただいま本園は閉園期間中です。 閉園期間中は飼育員にとって大忙し。休みは一切なく言葉通りの無休で働きます。 その間に動物の床材を取り変えたり、新たにパネルや展示物を作成したりやることはつきません。 今回は、そんな展示物についてのお話。
私は2015年から旭山動物園で働いていますが、最初の3年間は飼育員ではなく園内班という、主に来園者の対応や、委託業者の統括をするような仕事をしていました。 その経験もあり、おそらく飼育員全体の中でもかなり来園者と接することの多い飼育員だと思います。
その中でも特に印象に残っているのが、3年前にいらしたレッサーパンダを視ていた女性。 その女性は目が不自由な方でした。 お声がけをしたものの、「レッサーパンダってどんな動物なのかしら?」と尋ねられ、生態こそスラスラ出てくるものの、そのような方への『茶色』の伝え方さえ私には分かりませんでした。 ただ、その方は「動物が直接見えなくても、鳴き声だったり匂いだったり、周りの人の反応から、動きや命を感じることは出来る」とお話をしてくれました。 本園のパンフレットの表紙に書いてある言葉は【伝えるのは、命】。 このままじゃいかんな。と心に決めた一日でした。 まずは、どれだけ忙しくても、必ず自分の担当舎(旧小獣舎・は虫類舎)のガイドは一つずつやると決め、展示物も工夫を凝らしていかなければと思いました。 これは来園者全てに言えることでもありますが、我々飼育員にとって当たり前の毎日でも、来る人にとっては最初で最後の旭山動物園の場合がほとんどです。 たとえ目が不自由でも、もっともっとレッサーパンダの生き方や命を感じられるべきです。
そこで私の中で沸いてきた言葉が、「五感にブチ込め」です。 もし、何か五感に不自由があっても、他のもので補えるような展示物がなければいけないと。 ということで、現在設置してある展示物のうちいくつか紹介します。
当日に出たうんち。子どもと高校生のテンションがブチ上がる。 レッサーパンダ特有の体のつくりも説明できる。 視覚と嗅覚にうったえる展示物。
看板に貼ってあるのは、その動物の本物の抜けた毛。 野鳥が巣材用にほぼ持っていきがち。 触覚と嗅覚にうったえる展示物。
普段はじっくり見られない総排泄腔が見られる。 世間ではお財布に入れとくとお金持ちになるらしいので、衣装ケース一つ分保存してある私は大富豪になる予定。 触覚と視覚にうったえる展示物
動物を見るというのは視覚を最大限に使っており、その動物が出す音や動物舎の匂い、角などの展示物、いろいろなところで無意識に感覚を使っていることと思います。 動物園に動物を『見に来る』のはもちろんのことですが、他の感覚もほんの少しだけ意識してみると、新しい発見があるかもしれません。
ただ一つだけ、味覚についてのアプローチがなかなか出てこないので、何かアイデアがある方はこっそりと私個人に教えてくださいね。
レッサーパンダ舎・マヌルネコ舎・両生類は虫類舎担当:鈴木達也
旭川も初雪が降り、そろそろ秋も終わりですね。秋といえば「食欲の秋」!旭山のペンギンもこの時期は冬に備えてエネルギーを蓄えているようで、食べる量が増えてきています。最近はエサの魚がバケツに入りきらなくなってきました。 秋ですから・・と、私もついつい食べ過ぎてしまいますが、皆さんはいかがですか?
エサのホッケ
残りあと2匹
ぺんぎん館・ダチョウ担当:田中千春
今年の7月に、5匹のカイウサギが産まれました。 しかし、そのうちの1匹がとても小さな赤ちゃんだったのです。
実は6月にも出産があり、その時にも成長が遅いとても小さいな赤ちゃんが産まれています。 妊娠期間は30日。平均は30-50g程度で産まれてくるはずが、18gしかなく、精一杯できることをしましたが、残念ながら数日でなくなっています。
今回の出産でも、22gの赤ちゃんが産まれました。前回のこともふまえ、もっとできることがあったのではないかと今まで以上に情報を集め、試行錯誤しながら絶対に育て上げてみせる!と意気込み、人工哺育を行うことを決意しました。
産まれて1週間。36gしかありません
カイウサギの母乳は、高タンパク、高脂質。そして、赤ちゃんのお腹の調子を守ってくれる成分も入っています。猫用や犬用の粉ミルクと猫用のオリゴ糖や酵母が入ったサプリメントなどを混ぜ合わせた特製のミルクを作り上げるのも一苦労。安定して体が大きく育つ分量にたどり着くまでに時間を要しました。
毎日2時間おきにミルクを与え、飲み終わったらおしりを刺激し排泄を促し、使い終わった道具を熱湯消毒する日々が続きます。 他の4匹のウサギたちとは5倍以上の体格差がありながらも、毎日懸命に生きようとしてくれていました。
左が母親、その他が一緒の日に産まれたウサギたち。とっても小さいウサギがいるのがわかりますか?
人工哺育だと免疫力が低くなってしまっているせいか、全身の毛が薄かったり、はげてしまっているところもちらほら。こちらも体重を増やしながら治療に専念しました。
そして、10月中旬。 体重は1.1kgを超え、毛もすっかり生え揃い、立派なカイウサギとして成長を遂げました! (現在は、里親さんのところで元気に過ごしています)
いつもこのおくるみスタイルでミルクを飲んでしました。もう片手では持てません!
か弱い小さな体で産まれてきた尊い命を常に間近で接し、生きようとする力強さに圧倒されました。そして、このウサギのおかげで飼育員としてもさらに成長させてもらいました。 家畜として人の手で作り出された「カイウサギ」ですが、人間と同じ大切なひとつの命だということを伝えていけたら幸いです。
こども牧場担当:志子田紗希
北海道とは思えない9月の残暑(のようなもの)もさすがに落ち着き、特に朝晩は冷え込む日も増えてきました。これからどんどん冬へ向かっていくのでしょう。 季節の変わり目は体調を崩しやすいとも言われますし、実際わたしも風邪をひいたりしましたが、動物たちも急に元気がなくなることがあるので、注意が必要です。とはいえ、北海道産動物や北方系の動物はそもそも寒さには強いので過ごしやすそうにしているようにも見えます。 我々人間は寒さへの耐性がほとんど無く、それを衣服で補うわけですが、動物たちは服を着るわけではありません。彼ら自身の体こそが寒さ対策ですし、基本それしかありません。 本格的な冬と寒さが来る前に体を変化させ、厳しい冬を乗り切っているのです。例えば、たくさん食べて脂肪を蓄え体内を冷えから守るだとか、体毛を防寒仕様の冬毛に変化させるなどが分かりやすいところかと思います。冬眠をして冬を乗り切る動物もいますね。 これらの一年スパンの変化はわかりやすいですが、進化の過程で長い時間をかけ獲得した寒さへの適応というものもあります。寒い地域の動物は暖かい地域にすむ同種や近縁種に比べ体が大きいという傾向があります。この大きな体自体が寒さ対策の一つです。耳や尾など体から出っ張ったり、飛び出たりしている部分を小さくすることで熱の損失を小さくする、というパターンの進化もよく見られます。他にも動物によってさまざまな寒さ対策がありますが、どれも動物自身の体に備わっているものです。防寒着や防寒靴を利用し、暖房を使わなければすぐに凍えて命が危険になる人間とは大違いですね。 人間は寒さにめっぽう弱い生き物です。そんな我々から見ると、マイナス20度の中、雪の上を走り回るエゾユキウサギやキタキツネは寒くないのかなと心配になることもありますが、もしかしたら余計なお世話なのかも知れません。
白い冬毛への変化途中のエゾユキウサギ。まだ茶色の部分が残っています
オランウータン舎・北海道産動物担当 中野奈央也
こんにちは!大西です。 第55回児童画コンクールが開催され、入賞作品がいこいの広場休憩所(正門近くの休憩所)で展示されています。
ココです!
中に入るとたくさんの作品が展示されています。 入賞作品はレベル高いですね!
なかなかりりしく描かれてるなあ。 サイケデリックなフクロウ。星が描かれてるのは夜の鳥だからかな?
個人的に好きなのはこれ。ウチのきりん舎で高い方からキリンを見ると、キリンの顔と同じ目線になる。 そこで見るキリンの顔は縦に大きく、毛むくじゃらでインパクト抜群です。逆に首~胴は遠近法で小さく見える。 単に「上手なキリンの絵」というだけでなく「あの施設の、あそこから見たキリンだ」と想像できます。
しかし!それ以上に感激したのが、この絵です!↓↓
なななんと、ウガンデンシスオオツノカナブン!! あさひやまの数居る動物の中で、ペンギンでもライオンでもなくカナブンを描いてくれる子がいようとは!! しかもかなりの完成度です。時間をかけて描いてくれたのではないでしょうか。 担当者として、昆虫もしっかり飼育してその魅力を伝えようと努力してきた甲斐がありました。 個人的に「大西賞」もあげましょう!!(賞品はありませんが) この絵はスマホで撮影して保存させてもらいました。スマホを見ながらしばらくは良い酒が飲めそうです。 描いてくれた人、ありがとう! みなさんも入賞作品とカナブン(実物)を見に、ぜひご来園ください。
(ほっきょくぐま館・アフリカ水槽担当:大西 敏文)
8月14日にうまれたチンパンジーの赤ちゃんですが母親フルトが母乳を与え赤ちゃんをみつめる姿は微笑ましい気持ちです。赤ちゃんが声を出す、泣く、あくびをする、お昼寝する、母親のおっぱいをさがす。赤ちゃんの表情が豊かで、手足も今では活発に動かし、しっかり母親のおなかを握って離しません。 赤ちゃんの性別が雌とわかりました、さらに愛称が、エレン(笑蓮)に決まりましたのでこの場を借りてお知らせします。昨年9月に亡くなったソヨの分まで微笑ましい笑顔で成長していってほしい願いと母フルトもお盆時期にうまれハスの花に清らかに見守られるという意味で名付けました。展示については、未定ですが成長を楽しみにしていただきたく思います。
チンパンジーの赤ちゃん、エレンです。10月2日撮影
ちんぱんじー館担当 髙井正彦
こんにちは!あざらし館の大村です。 朝出勤してあざらし館に行き楽しみにしているのが「アザラシ達の寝かた」です!! 色々な施設の公式SNS等でもアザラシの寝かたが公開されていたりしますが、旭山動物園のアザラシたちも 色々な姿をみせてくれます。 今日はいくつか皆さんに紹介したいと思い、写真を撮ってきました。 まずは換毛の時等によく見られる陸で寝るアザラシです。
毛が乾いているので少し白っぽくみえますね。
次は排水溝で寝ていたアザラシです。 子供の時によくみられたり日中も時々寝ていた りするのでアザラシ館に来た際は排水溝チェックして みてください!
次はプールの角を支えに気持ちよさそうに寝ている写真です。 これも朝様子を見に来ると比較的見ることができます!! 気持ちよさそうに寝ていて朝は羨ましいです・・・
最後に1番変わった姿勢で寝ていた写真です。 朝見た時には思わず笑ってしまいました。 この寝姿は高頻度では見られないので個人的には見られた日はラッキーだと思っています!! (ちなみにこのアザラシはラッキー♂ です。)
今回はアザラシの寝かたを紹介しましたが開園して少ししたら活動を始めることが多いので 寝ている様子を見てみたい方はお早めにアザラシ 館まで足を運んで見てください!! まだ寝ているアザラシもいるかもしれないので 驚かせないように静かに観察して見てくださいね!! このぶろぐを書くために写真を見返していたら昔にもなかなかすごい寝方の写真をみつけたので これがホントの最後になります!
あざらし館担当:大村 凌也
9月10日と11日にクジャクのヒナが2羽ふ化しました。8月12日に母クジャクが卵を温め始め、28日間の抱卵を終えて今回無事に誕生しました。
ふ化して間もない頃のヒナ
産まれてすぐはお腹の中に黄身に栄養が残っており、1~2日は何も食べなくても生きていけますが、生後2日程経ちますと大人のクジャクと同じようなご飯が食べられるようになります。 今回誕生した2羽のヒナたちも、ハクサイやチンゲンサイを突く姿や、飛び上がって塀を渡る姿など見られています。
ハクサイやチンゲンサイなどを突くヒナたち
旭山動物園では、クジャクのヒナが誕生したのは約2年ぶりとなります。まだ雌雄は不明ですが、頭のパヤパヤ(冠羽)は生後1ヶ月程度で生え始めます。母クジャクがヒナたちを連れて子育てをしている様子がご覧いただけますので、動物園へお越しの際は是非クジャク舎にお立ち寄りください!
母クジャクの背中に乗って遊ぶヒナ
こども牧場担当:永澤琴音
先日しいくにゅーすでお伝えしたとおり、9月2日にブラッザグエノンの「モモ」が出産しました。 8月中頃からお腹が目立ってきていましたが、過去の出産間隔を参考に出産予定は9月後半かなと考えていました。想定よりも少し早い出産になりましたが、とても落ち着いて仔を抱いている様子を見て安心しました。
モモの様子・天気・気温が問題なかったので、出産当日から放飼場へ出ています。 こどもは少しずつ周りに興味を持ち始め、モモの手の届く範囲でモモから手を離すことがあります。
いまブラッザは1歳違いの兄弟が4頭になったので、こどもからおとなへの毛色の変化を観察することもできます。おでこの三日月・鼻の周りの皮膚の色・しっぽの毛色あたりを見比べるとわかりやすいです。
日々の様子はSNSでアップしますのでチェックしてくださいね。
9月14日撮影
サル舎・キツネ・タヌキ担当:佐藤和加子
やっと涼しい時間が増えてきましたね。皆様いかがお過ごしでしょうか。
夏の間の担当動物たちの様子ですが、カバは暑い地域に暮らしている生き物なので、真夏の暑さもあまり気にしていないようでした。ただ、人間と違い汗をかくための汗腺が存在していないため、体温が上がりすぎないよう暑すぎるとプールに潜って寝ていることが多いので、涼しくなり始めた今時期の方が活動している様子に出会いやすいかもしれません。 昨年から外の放飼場の陸に、大きめの木の枝を牙を削ったり遊んだりするための道具としていれているのですが、三頭とも毎日のようにかじって振り回して、水の中まで持って行って利用しています。 人間には活動が辛く感じる暑い日でも夏バテとは無縁な遊び回ってバクバクと餌を食べる姿に、生物としてのスペックの違いを感じました。
一方、猛禽類たちは涼しくなってきて過ごしやすそうにしています。 夏鳥であるチゴハヤブサなどはあまり気にしていないような一方、冬鳥であり体も大きなオオワシなどは暑さが心配でしたが、無事夏を乗り越えて、最近は毎朝気持ちよさそうに日光浴している姿が見られます。特に全身が淡い茶色のオジロワシは水浴び後に日光を浴びていると体が輝いているようでとても美しいです。 暖かい間は頻繁に水浴びしている様子が目撃されますのでぜひ何度も足を運んでみて欲しいですね。
今年はチゴハヤブサのヒナが保護で収容されました。最初はモサモサアフロヘアーのようだった綿羽が今はすっかり換羽し、立派なチゴハヤブサの姿となっています。
皆様の前にお目見えできるかどうかは未定ですが、今の時期は野生のチゴハヤブサたちも渡りの練習のため親鳥と一緒に飛び回っている姿がよく見られます。チゴハヤブサはカラスの使い終わった巣を利用して営巣する鳥であるため、実は我々人間のすごく近くで暮らしている猛禽類です。 動物園では東門から下りてくるゆっくりロードでチゴハヤブサの成鳥二羽を展示しています。夏鳥であり寒さには弱いため、夏季限定の展示となっていますのでぜひ夏期開園のうちに会いに来てください。
ワシ・タカ・かば館担当:高橋ひな
お盆時期も終わり北海道らしく涼しくなると思いきや猛暑日を記録するなど暑い日が続きました。9月に入り残暑を感じながらも一歩一歩季節は秋へと近づき緑の葉も色づき始めます。 さて、旭山のチンパンジーは暑い日々のなか元気です。ピースケ(21才)の群れとキャロ(15才)の群れで夏期開園中は基本、屋内と屋外の1日交代展示しています。 7月から各群れの雄と雌を分けての飼育とし、経過を観察しています。 2021年12月26日にキーボ(53才)が亡くなり、雄の個体は青年期を迎えディスプレイ行動も頻繁になり、雌は高齢化が進み、群れ編成をどうすべきか考えてきたところです。 キーボが健在だった2015年7月から今の11頭が2つの群れで過ごしニナが成長に伴い群れを変わったことがありました。しかし、2つの群れに分けてきた根本はキーボの存在でありました。旭山で約47年間過ごしたキーボ、天国からチンパンジーたちを応援してくれていると思います。現時点では雄と雌を分けていますが、個体間の関係を見ながら今後の方向性を探っていきますので、見守っていただければ幸いです。 雌の高齢化もありますが近親交配を避けて避妊など行ってきましたが、近親交配を避けていた群れの中で、フルト(43才)が8月14日に赤ちゃんが産まれました。母子共に健康で、授乳も問題なくベテランの母親らしくしっかり赤ちゃんを朝も夜も離さず抱きしめています。生まれてから3才半から5才くらいまで母親のお乳を吸っていますので母子はいつも一緒で深い絆で結ばれます。母親は約5年周期で次の出産ということになります。展示はいまのところ未定です。
フルトと子ども
ちんぱんじー館担当:髙井正彦
5月中旬に産卵し、抱卵していたオオコノハズクですが、およそ1ヶ月の抱卵期間を経て2羽孵化しました。旭山動物園では2020年以来3年ぶりの繁殖となりました。 孵化した2羽は順調に成育し、1ヶ月ほどで巣立ち、現在は他のオオコノハズクと同じようにケージ内でご覧いただけるようになっています。 大きさは成鳥と同じ大きさですが、羽毛はまだ違いがあるのでぜひ見つけて観察してみてください。
左、真ん中が今年生まれのヒナです
フクロウ・えぞひぐま館担当:大内章広
初めまして!今年4月からこども牧場で飼育員として勤務しております、田中と申します。今年3月に帯広畜産大学を卒業いたしました。念願叶って幼少期から通っていた旭山動物園に勤務できたこと、とてもうれしく思っております!学生時代、学芸員の資格を取得するため旭山動物園で実習をし、旭山動物園の教育活動について学ばせていただきました。その経験を活かし、動物園教育にも力を入れていきたいと思っています。これからよろしくお願いします。 さて、私の担当はニワトリ・アヒル舎のニワトリとアヒルです。最近の様子についてお話させていただきます。 食べることが大好きなアヒルたちはおもしろいことに飼育員を見つけるのがとても早く、いつも柵の前でグワッグワッと鳴きながら待っています。そんなアヒルたちにペットボトルの給餌器を作ってみました(制作は以前インターンシップに来た高校生に行ってもらいました!)。転がすと大好きなカモ用フード(ペレット)が穴から出る仕組みになっています。太りやすく脚の病気になりやすいアヒルたちに運動してもらうのが目的の導入ですが、夢中で転がすアヒルたちを来園者の方も興味津々で見てくれています。
ペレットが入ったペットボトルと待機中のアヒル
ペットボトルで遊ぶアヒル
ニワトリたちには数カ月前から産箱を導入しています。以前まで自分たちで産んだ卵を食べてしまっていたニワトリたちですが、産箱を導入してからはほとんど割れることなく採卵することができるようになりました!
産箱の中の卵
また、ニワトリの新しい個体導入検討に先立ち、来園者の方にニワトリの卵の色に関するアンケートを行っておりました。第一弾は「玉子のイメージといえば白玉?赤玉?」というアンケートです。結果は、、、
アンケート結果
赤玉惨敗でした。予想では赤玉も最近スーパーでの流通が多くなり、ご家庭で購入している方も多いのではないか、赤玉を利用しているご家庭のお子様の玉子のイメージは赤玉なのではないか、と期待していたのですが想い虚しく白玉が圧勝でした。そして只今第二弾として「家でよく購入するのは白玉?赤玉?」というアンケートを行っていますが、経過を見ているとまたしても赤玉惨敗の予感です、、。アンケート実施の時間には私がニワトリの前で立っておりますので、是非ご協力いただければ幸いです。 これからもっとニワトリ・アヒル舎を魅力的にするべく精進して参りますので、是非トリたちを観察していってください!
夏期開園から同居をはじめたキリン親子ですが、最近では2頭の距離感も近くなり、頭をこすりあわせるといったコミュニケーションを頻繁に行うようになったことや、枝付きマシーンにつけた枝を2頭が一緒に食べる様子も見ることができるようになりました。また、あさひのほうからゲンキに近づきコミュニケーションをとるような動きをすることもあります。
距離感近くなりました
同居をし始めた頃は、ゲンキがあさひのほうに近づくとささっと距離をとられてしまうことが多くあり、写真のような程よい距離感で生活していました。あさひが慣れるまでもう少し時間がかかるかなと思っていたのですが、順調に2頭の距離は縮まっていて一安心といったところです。2頭の距離感が近くなったことで、大人と子どものキリンの特徴の違いがより間近で観察できるようになったと思いますので、来園された際には注目して見ていただけると嬉しく思います。
程よい距離感
さて、話しは変わりまして、キリンたちのエサ事情についてなので。夏~秋にかけては園内で伸びてしまった様々な枝(シラカバ、ミズナラ、ヤナギなど)を剪定しおやつとして与えています。枝であれば何でも良いわけではなく、中には苦手なものもあります。ただ、新鮮な枝なのでかなり食いつきがよくあっとういう間になくなってしまいます。 不定期にはなるのですが、もぐもぐタイムの際に与えていることもありますので、お越しになった際には枝にも注目してみてください。
ある日の枝
ゲンキが食べる様子
きりん舎・タンチョウ舎担当 土井 尚哉
早いもので、4月末の夏期開園開始から3ヶ月が経ちました。 春に敷きつめた『さる山』のウッドチップも雨風の影響や、イノシシが散らかしたりして状態が悪くなりました。 そこで、毎年8月の初めに、ウッドチップの入れ替えを行っています。 この入れ替え作業は、伝統的でかれこれ20年程行っております。 作業は閉園後に飼育スタッフ全員で行っています。 ウッドチップを交換するとニホンザルたちは大喜びです。 交換後数日は、きれいなウッドチップをニホンザルたちが食べている様子も観察できます。 ぜひ、見に来てください。
チップを入れた後
新しいチップに群がります
さる山・調理担当:畠山淳
初めまして!4月からペンギンの担当になりました松尾と申します。小さい頃からの夢である動物園の飼育員という仕事が始まってから、嬉しさと生き物を扱う難しさを実感しており、日々、勉強の毎日です。勤務してから現在までの3ヶ月あまりを振り返ってみたいと思います。 勤務して初めの頃はペンギン全羽の個体識別ができるように観察することからでした。旭山動物園のペンギンは名前がついておらず、それぞれ識別番号があり、翼(フリッパー)についたバンドの色で番号を見分けます。しかし、換羽といって羽が生え変わる時期にはバンドを外したり、バンドが裏返っていたりすることがあります。そこで先輩方のアドバイスを受け、バンドの色だけで個体識別するのではなく、ペンギンの個性や、どのペンギンがペアになっているかなどを観察し、特徴を覚えることバンドに頼らずとも識別できるようになりました。 現在の課題は、もぐもぐタイムでガイドをする際に、より分かりやすく、様々なペンギンの生態についてお客様にお伝えできるように、ペンギンについて学び、観察することです。また、潜水してプール掃除ができるようになるために、潜水士の資格取得のための勉強をしています。 まだまだ課題も多いですが、先輩方や園のスタッフの方などの助けをいただきながら、より多くの方にペンギンの魅力について知っていただけるように努めたいと思っています。ぜひぺんぎん館にお立ち寄り下さい。
何気ない一枚
もぐもぐタイム中に同じ格好で寝ていた3羽
ぺんぎん館担当:松尾美優
すでにSNSやインスタライブではご紹介していますが、3月に保護されて来園したエゾタヌキについて、改めてご紹介します。
道端で衰弱した状態でいるところを保護されたのですが、顔とお腹の皮膚がごわごわしていて疥癬(かいせん)にかかっていました。疥癬はヒゼンダニというダニが原因で起こる皮膚病で、毛が抜けてしまいます。そして免疫力が落ちたりして、野生では死亡してしまうことも少なくない病気です。
保護当時は毛が抜ける前だったので、タヌキらしさがありましたが、まず顔の毛が抜けて、一見タヌキとはわからないような見た目になりました。
3月30日。タヌキっぽくない見た目。目の周りの黒い部分は皮膚が黒いわけではないようです。
その後、お腹の毛→背中の毛と脱毛が進みました。一方で顔の毛は徐々に生えそろってきて、日々、外見の変化がありました。 まだ気温の低い時期だったので、ときどきケージごと日光浴に外に出る以外は暖かい部屋で過ごしていましたが、ケージの中は退屈なのか敷いてあったスノコを破壊する日々でした…。
5月2日。日光浴中。
5月中旬、まだ背中の毛は生えそろっていませんでしたが、気温が落ち着いてきたので屋外(非公開)へ引っ越しました。 現在はすっかり毛は生えそろい、しっかりエサを食べて、元気です。 ちなみに、性別はオスです。 いまのところ展示の予定はありませんが、日々の様子はSNSでお知らせします。
5月13日。引っ越し先にて。背中の毛はまだスカスカ。
6月19日。すっかりタヌキらしくなりました。
北海道産動物舎・サル舎担当:佐藤和加子
朝開園のアナウンスが鳴るころになると、ワッカがソワソワし始めます。 アナウンスが始まるやいなやワッカの遠吠えが始まり、ワッカに続きノチウも遠吠えを始めます。3頭の中で下位のオオカミのレラは、少し離れた場所でウロウロしているか休んでいることが多いです。
少し離れた場所で休むレラ
ワッカは「アウー、アオー」と最初は不安定に吠え出しますが、中盤になると、腹の底から叫ぶような遠吠えが印象的です。一方ノチウはワッカに寄り添うように低めの声で最初から終わりまで安定した遠吠えをします。
遠吠えするワッカ
遠吠えが終わると、ワッカとノチウは尾を振りながらレラの元へ歩き出し、両側から顔をすり寄せることが多いです。そうなるとレラはどう振る舞えばいいのか分からないのか、少し逃げ腰で歩いて行きます。3頭の関係性が悪い時は、ワッカがレラを監視するような行動をしますが、関係性が良い時は好んでレラの近くで休んでいるようにも見えます。
遠吠えするノチウ
今年はワッカがいち早く換毛が始まり、現在はスッキリした夏毛になっています。 今はレラとノチウの換毛がすすんでおり、表面がボロボロになっています。放飼場には、オオカミたちが金網に擦りつけたり後足でカリカリかいて落ちた毛がたくさん落ちています。それを拾い集めると、手がとても温かかったです。ガイド中も、足を使って冬毛を落とそうとしたり、水の中に入って体を冷やしたりしているのを見ると、今年は6月も30度になる日があったため、この毛をまとっているオオカミたちは暑かったのかなと思いました。
換毛がすすむノチウ
3頭の関係性は、良い時もあれば悪い時もありますが、今年に入ってからはあまり大きなケンカがなかったように思います。リーダーだったケンが死亡して3年、母親のマースが死亡して2年がたちますが、環境が変わっていく中で、3頭姉弟の関係性も時間をかけて少しずつ築かれていっているのかなと感じています。
この先もどんなことがあるかは分かりませんが、ケンとマースがのこした3頭の群れを注意深く見守っていきたいと思います。
近くで一緒に寝ていた3頭の朝
オオカミの森担当 原田 佳
6月11日、旭山動物園に今年生まれの仔アザラシがやってきました。野生個体です。
まずは屋内でカモメたちとご対面
4月29日、知床半島の漁港で衰弱して打ち上げられてた仔アザラシを保護しました。アザラシの親子関係は生後1~2週間で終わります。親元を離れたけど、うまく魚をとれず弱ったものと思われます。 発見時はぐったりしていて体は傷だらけ、目もひどく腫れていて「一晩持つかどうか・・・」といった状態でしたが、地元「知床財団」さんのスタッフたちが懸命に治療し、なんとか一命を取り留めました。 野生復帰をめざし飼育が続けられ海に戻せる状態まで回復しましたが、これから知床ではサケ・マスの定置網漁が始まるため、今海に帰しても魚を追い網に入り再び保護されるか、場合によっては網の中で溺れ死ぬ可能性が高いと判断し協議を重ね、旭山動物園で受け入れることになりました。 6月11日早朝、知床から旭山に到着。まずは屋内の小さな隔離プールで様子見、とても落ち着いていたので6月14日、あざらし館の浅瀬部分を仕切り外プールデビューとなりました。
外に出す前に体重測定 外プールデビュー!
餌も順調に食べていますので、ある程度体格が良くなったところで群れに合流させていく予定です。名前は「ゆき」メスです。
餌も食べてます
「ゆき」の成長をあたたかく見守っていただけたらうれしいです。よろしくお願いします。
あざらし館担当・副園長:中田真一
はじめまして! こども牧場ヤギ担当の藤原真凜と申します。 飼育員になる前は旭山動物園の管理事務所で3年間勤務しておりました。 幼い頃から旭山動物園で動物の命を通し沢山の事を学ばせていただき、それが今伝える側になっていると思うとやりたいことがありすぎて毎日試行錯誤の連続です。 熱い想いを持った先輩飼育員たちの背中を見て日々努力する事を怠らず、邁進して参ります。よろしくお願い致します!
さて、ヤギの近況ですが
冬毛から夏毛に生え変わり、全体的にスリムボディになりました。 …のはずですが、昨年9月に生まれた「かえで」と「あかね」が急激に成長しており、夏毛でも冬の姿以上に大きくなり、「かえで」に関してはお母さんヤギの「こむぎ」とほぼ変わらないくらいになっています。
(左)0歳9ヶ月のかえで (右)2歳2ヶ月のこむぎ
ヤギは家畜動物。約8000年前から人間と共に助け合いながら暮らしてきました。
ヤギを家畜化し食の安定を与える代わりに、人間は毛や乳をヤギから分けてもらい、ときには肉としていただくなど、たくさんの恩恵を受けています。 ヤギの成長が早いからこそ人は共に暮らすことを選びました。そしてまたヤギたちもこの共生があったからこそ安全に子孫を生み育ててきました。
今回の「かえで」や「あかね」の成長のスピードを目の当たりにし、昔から人とヤギお互いがお互いを必要として生きてきた意味をよくよく知り得ました。
しかし、そんな事が頭によぎるのは少しの間だけで、ヤギたちは今を懸命に生きるため草をせっせともぐもぐし、うたた寝をし、橋をヒョイと渡ったと思いきや、急に崖をものすごいスピードで駆け降りたりしています。日々こんな姿を見て、ヤギの凄さ、美しさ、愛らしさを感じています。
今年の春の休園期中に第2こども牧場をかなり改造しました。ヤギとヒツジの展示スペースを広げ、ヤギ専用の橋をルート変更や高さ調整の為、全て一旦取り壊し新たに建て直しました。放飼場前にはニレの木を、放飼場内の崖面には桜の木を植えました。
最近は、ちょっとした菜園も始めました。 青梗菜(チンゲンサイ)や小松菜は種まきをして1週間くらいで発芽しました。どれも成長が早くて、私を置いていかないで…(笑)となります。 ゆくゆくは、ヤギやヒツジの糞を堆肥にして循環型菜園にしようと思っています。 楽しみにしていてください!
菜園の写真
3年間闘ってきた某感染症もようやくフェードアウトの段階がきて忙しい日々が続いてるかと思いますが、皆様がヤギを見ながらホッと落ち着けるような雰囲気作りをしていきたいなぁと思っております。
皆様お一人お一人との交流を大切にしていきたいたいと思っておりますので、ご来園された際はぜひお声かけください!
旭山動物園のヤギたち
こども牧場担当:藤原真凜
6月5日にマガモのヒナが6羽孵りました。
母鳥が見守る中、泳いだり餌を食べたり、プカプカ浮きながら寝ていたり、可愛らしい姿が見られます。
プカオプカ浮きながら眠るマガモのヒナ
その後カルガモのヒナも次々と孵り、ととりの村の大池ではヒナたちの鳴き声が常に聞こえてきます。 野生のカモたちは、地面を少し掘って巣材を運び、自分の羽を抜いて被せ、卵を産むための準備をします。 ととりの村でも、そのようなカモたちの姿を見てもらいたいと思い、巣箱を置かずにカモたちが自分たちで場所を探し巣を作っています。
マガモの巣
また、巣箱を置いていた頃は、先に産まれたヒナが巣箱を飛び出すと、母鳥のところへ戻れないこともありましたが、今ではそのようなこともなくなりました。 カモ類は天敵が多く生き残ることが難しいため、親鳥はたくさんの卵を産みます。 天敵もカモの卵やヒナを食べることによって命を繋いでいます。 ととりの村にもネズミやヘビがいますが、厳しい環境の中でも母鳥に見守られながら、たくましく生き抜くヒナたちの様子を温かく見守っていただけると嬉しいです。
ヒナを見守る母鳥
ととりの村・オオカミの森担当:原田 佳
北海道は緑も増えてきて、一番過ごしやすい季節になってきました。 動物園でも気持ちのいい青空に、シロテテナガザルの歌声がひびいています。
さて、テナガザルの歌声と言えば、この春の開園から「みんなの自由研究」という展示がひっそりとはじまっています。 最初のテーマがこの歌声なのですが、テナガザルがどんな時間帯、どんな天気の時に歌うのかを来園者の皆さんの観察によって調べてきました。 結果はまだまとまっていないのですが、毎日たくさんのシールを貼ってもらったことでデータを集めることができました。この場をかりてお礼申し上げます。どんな結果が出るのかお待ちください。
また、展示のおかげで、来園者の皆さんが以前よりテナガザルの歌声に注目してくれたような気もしています。ありがたいことです。
今後は月替わりでテーマを変えて、皆さんにただ動物を見るだけではなく、特定の行動に注目することによって「観察」をしてもらえるようにつながっていけばと考えています。 ちょっとバタバタしていて、6月のテーマはまだ決まっていないのですが、園内でこの看板を見つけたらぜひ参加してみてください、よろしくお願いします。
みんなの自由研究看板を探してくださいね
てながざる館担当・獣医師:中村亮平
なかなか話す機会もないので、ここでは「えぞひぐま館」で飼育しているオジロワシと魚たちについて。
まずは入り口横にいるオジロワシ。 元々は数年前まであざらし館で飼育されていた2羽。2羽とも事故で翼をケガして飛べなくなった個体で、ここ数年はバックヤードで飼育されていましたが、ヒグマとの繋がりもあり、産卵したこともあったので新居で心機一転繁殖を目指していました。 相性も悪くなさそうだったので期待していましたが、ちょうど繁殖期の最中の3月にメスが起立不能になり死亡してしまいました。動物園に来たのが40年程前でその当時で成鳥だったそうなので大往生だったと思いますが、産卵していたこともあったので繁殖の機会を提供できなかったのが心残りです。 現在はオスが1羽だけの展示になってしまいましたが、えぞひぐま館のウェルカム役としてお客さんをお出迎えしています。
次に川魚(イトウ、ヤマメ、イワナ、オショロコマ、ニジマス、ウグイ)たち。 昨年のオープン時にも魚はいたのですが、できたばかりの建物なのでコンクリートの灰汁が出きっていなかったようで5月に大雨が降った際に一時全滅してしまってました。その後ようやく水が安定し、それ以降は飼育している魚が死亡してしまうことはほぼありませんでした。本当はヒグマが魚を自由に捕まえたりしている様子も観察できればと考えていましたが、魚が早すぎるのか、とんこは早々に諦めてしまったので最初15-20cmほどだった魚もすくすくと成長して40cm前後のビッグフィッシュになりました。大きくなった分、皆さんからは見つけやすくなったかもしれません。 ニジマスの勢力がすごかったので今年の春には、ニジマスを少し減らして在来のヤマメやオショロコマを少し増やしています。また懸案事項だったガラスの白濁も閉園期間に試行錯誤しながらなんとか取ることができたのでヒグマも魚も観察しやすくなったと思います。
最後にひっそりと出口で飼育しているサケ。 昨年12月に卵から展示を開始し、孵化、仔魚、稚魚へと順調に成鳥していきました。ほっきょくぐま館で、すでにサケの2年魚を展示していますが、えぞひぐま館ではえぞひぐま館の小川の水を利用し飼育をしており、ゆくゆくはその小川に放流したいと考えています。まずは淡水のまま、どこまで飼育できるのか見極めていければと考えています。
長くなりましたが、これから暖かくなってきて野外で活動される機会も増えてくると思います。そういった際には事前に出かける場所のヒグマの出没情報などをしっかりとチェックし、十分にヒグマに注意した上で活動していただきたいと思います。ゴミを放置したり、写真や動画を撮影しようと近づくなどヒグマとヒトとの距離感を近づけてしまうような行動はしないようにしましょう。 良い季節をお過ごしください。
えぞひぐま館・フクロウ担当:大内章広
夏期開園となりゴールデンウィークも過ぎました。トナカイの生息する寒い地域にも春が来て、トナカイの食べる草花がたくさん生えてくるこの時期、5月から6月はトナカイの出産の時期になります。子供が元気に成長するために食べ物が豊富なこの時期に産むんですね。
トナカイの出産の時期ということで、今回はトナカイの繁殖に注目してみたいと思います。
トナカイは、雄1頭と数頭の雌が交尾をするハーレムという群れを作ります。9月下旬から11月上旬が繁殖期で、雄同士が雌をめぐって争い興奮状態が続きます。この時期は、近づくと危険なので飼育員も同じ空間に入らないようにしています。妊娠期間は230日前後で5月から6月に1頭出産します。子供は生まれて数分で立ち上がることができ、2-3日後には大人と同じように移動できるようになるため、いつ敵が来てもすぐに逃げることができます。
旭山動物園では2019年の出産を最後にトナカイの出産がありませんでしたが、2021年に釧路動物園から雌個体(麻生)を導入し雄個体(デナリ)と同居させることで、昨年度は繁殖を試みました。導入後の繁殖期にはデナリが麻生に近付く様子は観察できましたが、交尾の瞬間を見ることはできませんでした。しかし、1日中観察できるわけではないので担当者が見ていない間に交尾していた可能性はあります。
期待を持ちながら担当者は麻生の様子の観察を続けています。トナカイは妊娠していてもお腹の大きさがあまり変化しないため、妊娠を外見から確認することが難しいのですが毎日観察していると少しずつお腹が大きくなっているように思います。期待の目を持って見ているからかもしれませんが...。
お腹の中の胎児が動けば胎動が見られる可能性もあるので、ぜひトナカイ舎を訪れた際には麻生のお腹をじっくり観察してみてください。 麻生が妊娠していれば、1か月後くらいにはトナカイの子供が見られるかもしれません!
デナリと麻生
トナカイ担当・獣医師:篠原明
いや~始まりましたね。2023年度、夏期開園です! 旭山動物園には4月の約3週間、閉園期間があります。「じゃあ飼育係もその期間はのんびりできるのかな」と思ったあなた!とんでもない!! GWの新年度開園に向けて、3週間休日なしで作業に明け暮れる「地獄の4月」なのです。 そして開園すると、各担当者が命を削って作った手書き看板や、動物用の遊具など、苦労の証をご覧いただけます。
かく言う私も、新たな展示看板を作りましたよ! それは・・・こちらです↓↓
じゃじゃーん!!「アフリカ水槽 顔出し看板」!!
アフリカ水槽は、楽しい中にも「すべての生物には生態系における役割がある」という深いメッセージがあります。それが伝わるように、誰もが耳にしたことがあるフレーズをタイトルに用いたり工夫を凝らしています。外国人観光客にも楽しんでいただけるよう英語表記も入れてみました。 「ぼくらはみんな自然の一員なんだ」をweb翻訳すると「We are all one of nature」となりました。これで通じると良いのですが・・・
自分でも試し撮りしてみました。
ウガンデンシスオオツノカナブン
イベリアトゲイモリ
マダガスカルゴキブリ
アフリカオオヤスデ
どうです?なかなか良いデキでしょう。シーマンっぽいですね。仮面ライダーの敵「地獄大使」にも似てる。(え?どっちも知らないって?)
本来はおじさんが真顔で撮るよりもお子さんなどに喜んでいただければ、と考えて作りました。看板の高さも低く設計しています。 「でも、誰も記念撮影してくれなかったら寂しいな・・・」 そんな不安は全くの杞憂でした! いざ開園してみると、お子さんを撮影する親御さん、はたまたカップルがお互いに写真を撮りあったりと人気スポットになっていました。閉園中の苦労が報われて感激です。 今年も熱いフリカ水槽。「あさひやまといえば、ぺんぎん館と、あざらし館と、アフリカ水槽だよね!」そう言っていただける日を夢見て、今年もがんばります!
(ホッキョクグマ・アフリカ水槽担当:大西 敏文)
冬期開園の間、オランウータン舎周辺は大がかりに工事を行っていました。 何ができたかというとこれです。
サンルームが増築されました。チンパンジーの森でも同様にサンルームがつきました。
これによりどんな良いことがあるかと言うと、上部にヒーターが付いているので寒い日にオランウータンが屋外でも暖がとれるようになるのです。屋根とガラスの壁で囲われているので雨よけにもなります。これによりオランウータンたちにとって屋外展示中の快適さが大きく改善されるはずです。オランウータンは野生だとボルネオ島とスマトラ島という温暖な環境で生きているので、寒さが苦手であり、雨に濡れるのも嫌います(体が冷えるので)。なので雨の日や、秋が深まった寒い時期はあまり外に出たがりません。気温があまりに低かったり、激しい雨などの悪天候の場合は放飼しなかったり、途中収容なども行います。しかしちょっと寒いとか、小雨が降っている様な状況なら屋外で過ごすことに問題はないので、動物たちの体調次第ではありますが、基本的に屋外に放飼します。彼らも屋外で過ごすのは好きなので最終的には出ていきますが、外へ向かう最初の一歩がなかなか出ないようで、出入り口の近くでウロウロしたりとどまってしまうことがよくあります。しかしサンルームは暖かくて雨が当たらないと気付けば、屋外でも快適にすごせることを学習し、最初の一歩が出やすくなると考えられます。担当としてはなるべく屋外の空気の中で過ごしてほしいので、この改修が良い効果があることを期待しています。
来園者の方にとっても良いことがあって、それは動物との近さです。オランウータンの屋外放飼場は大きな檻状になっており、また絶対に動物と来園者が触れることがないように、檻と人止め柵の間隔が広くとられています。どうしても観察距離が遠めになってしまうのですが、サンルームは檻では無くガラス張りなのでかなり近い距離で観察することが出来るようになっています。サンルームに入るのは寒い日や雨の日が多くなると思いますので、天気の悪い日は、より近くでオランウータンを観察できるチャンスになるかもしれませんね。
オランウータン舎担当:中野奈央也
春のゴマフアザラシは一年で一番大事な時期を迎えます。 一つ目は出産と子育て。旭山動物園では例年、3月末から4月の初めに出産することが多いです。現在、大人のメスは2頭。最近の観察では「今年はないかなぁ?」なんて思っていますが、産む可能性はあります。さぁどうでしょう? 白い産毛に包まれて生まれるゴマフアザラシの赤ちゃんは、母親から乳脂肪分の濃いおっぱいを飲み、みるみる大きくなります。そして2~3週間経つと白い毛は抜けて、大人と同じゴマ模様に。そうなれば、もう授乳期間は終了。いくら子どもが泣き叫んでも親は関与しません。ゴマフアザラシの親子関係はたったの2~3週間なんです。
みんなで日なたぼっこ
出産・育児が終わると今度は発情がきて交尾をします。オスはメスの育児が終わるまで、ひたすらこの時を待っています。
乾いてモコフワ
それと同時期に換毛(毛替わり)も始まります。毛を乾かして換毛を促すために上陸していることが多く、今時期「1頭も泳いでない!」なんてこともありますのでご了承ください。 一番若い「麦」はすでに換毛が始まっていて、お腹あたりはもうだいぶ進んでいます。新しい毛に生え替わっても、古い毛の時と同じ模様なんですよ。
麦のお腹
夏期開園の時は銀ピカのボディになってますので、また会いに来てくださいね。
副園長・あざらし担当:中田真一
開園前の園内。ナゾの赤い液体をソリで引いているスタッフがいます。
一体何を運んでいるんですか??
「赤いポスターカラーを水で溶いたものです。」 なるほど。それを何に使うんですか?
「ジョーロで撒いて、園路に線を書くんです。」
なるほど!冬の園路に赤い水を撒けばすぐに凍って赤い線のできあがり、というわけです。白い雪の上に赤い線はかなり目立ちます。この線にどんな意味があるのでしょうか?
ペンギンの散歩が始まりました。 園路を歩くキングペンギンたち。「赤い線の内側には入らないでくださいね」というルールを来園者のみなさんが守ってくれることで、開催できるのです。 それにしてもこの線、一度書いたらどのくらい保つんですか? 「天候によりますが、晴れが続けば2~3日は保ちます。」 なるほど~。ペンギンの散歩がおこなわれる12月~3月までの約四か月間は、スタッフが2~3日おきに赤い水を作って撒いてくれているんですね。
色水が凍ってできた線ですから氷です。線の上を踏むとめっちゃ滑ります。園路を歩く際はお気を付けください。 すてい・びはいんど・ざ・れっどらいん・ぷりーず!
雪解けが進み、今シーズンのペンギンの散歩も終了間近です。みなさんお見逃しなく。 赤い線を引くスタッフさんのご苦労も、あとわずかですね。
焼酎の空きボトルを再利用しています。中身はスタッフさんが飲んだのでしょうか?
飼育員としての初めての冬があと一ヶ月ほどで終わろうとしています。冬を経験してまず思うのが、除雪大変だった!です。
冬は、キリンたちが歩きやすいように放飼場内の足場(コース)作りが最も大事になってくるのですが、展示スペースがなかなかに広いため、そこそこ時間がかかります。雪が降った際には写真のように足場作りをしています。
before
after 乾草や砂等をまくことで滑りにくくなるようにしています
しかし、雪が降らなく暖かい日が続いた際は、足場がツルツルで滑りやすくなってしまいキリンたちにとって危険な状態になります。雪が降る日が続くと除雪かぁ・・・あんまり降らない日が続くと早く降ってほしいなぁ・・・と矛盾した気持ちになることもしばしばありました。いつも以上に天気予報に敏感になりました。
さて、最近のキリンたちの様子ですが、毎朝、放飼場に出てくるとワイヤー越しに頭をこすり合わせます。多いときには30分以上続きます。昼頃にもお互いにワイヤー付近まで近づいてこすり合わせていることもあるので、見たことがある!という方も多いのではないかと思います。ゲンキから寄っていくこともあれば、あさひから寄ることもあります。
こんな感じで頭をこすり合わせます。
また、雪国の動物園ならではの光景としてキリンたち(特にゲンキ)が雪を食べている様子を見ることができます。そんなに食べるのかと思うほど、熱心に食べていることもあります。
雪を食べるゲンキ
冬はまだ来たことないよという方もぜひ一度足を運んでもらえれば、新たな発見があるかもしれません。
きりん舎担当 土井 尚哉
「クジャクはどこに行ったんですか?」冬期開園中そんな質問をお客様からたくさん頂きます。 旭山動物園のクジャクたち…もちろん居なくなった訳ではありません。旭山動物園のクジャクは、インドクジャクという種類で、その名の通り元々はインドやスリランカなどの暖かい地域に生息している動物です。 そのため寒さはとても苦手…。冬の間は暖かい室内で過ごしており、展示は行っていません。
室内で過ごしているクジャクたち
そんなクジャクたちですが、実は冬の間とっても面白いことが起こっているんです。 クジャクのオスのトレードマークでもある美しい飾り羽。1年に一度生え変わっていることをご存知でしょうか? クジャクの飾り羽は9~11月にかけて抜け落ち、12~3月にかけて新しいものが生えてきます。そのため、今の時期は新しい羽がどんどん生えてくる頃。羽が伸びていく様子を観察するのはとても面白いです。
11月5日撮影(まだ飾り羽が少ししか生えていません)
12月11日撮影(羽の長さが長くなり、量も増えています)
2月11日撮影(とってもゴージャスになりました)
このように、着実に羽が伸びてゴージャスになっていっているのが分かります。 羽の生え揃っていく更に詳しい様子は、園内クジャク舎前のパネルにて写真で展示をしております。 写真は随時更新していきますので、旭山動物園にお越しの際はぜひご覧になって下さい!
園内クジャク舎前のパネル展示の様子
ちなみに、現在の羽の長さはおよそ120cm。ピーク時には1番長いもので150~160cm程になりますので、完成する日も近いかと思います。 4月29日からの夏期開園時にはゴージャスな羽が生え揃った姿を皆様にお披露目できるかと思いますので、そちらもお楽しみに!
受験シーズンですね。 先日「飼育技師上級試験」というのを受験しました。動物園・水族館の勤務歴10年以上の人が対象の、今年から新設された資格です。 49才にして受験生。老眼をこすりながら鉛筆でマークシート100問を塗りつぶしました。結果が出るのは1~2か月後のようです。
新しく設けられた資格のため「過去問」や「傾向と対策」はありません。出題範囲の本5冊をひたすら読み込みます。この年になると記憶力もだいぶ鈍っているので「甘く見たら落ちる」という危機感から、受験生ばりに本気で勉強しました。
昨今の情勢を反映し、SDGsなど環境問題が多く出題されましたね。SDGsって何の略だか知ってますか?私は受験勉強するまで知りませんでした(あかんやろ) 環境に配慮した製品に付けられる「認証マーク」に関する問題も出題されました。 カフェに籠って勉強しながら、ふとドリンクのコースターを見ると、なんと認証マークが! 「レインフォレスト・アライアンス」。カエルのマークがかわいい。「環境に配慮して生産されたコーヒー豆を使用しています」という事のようです。 他にも、年末に買った年賀状の包装にFSC(森林管理協議会)認証マークが付いてたり、家にあった紅茶の箱に「フェアトレード」と記されていたり。気を付けてみると、いろんな製品に認証マークが付いている事に気づきます。 みなさんのお家でも、認証マークを見つけることができると思います。ぜひ探してみてください。
ちなみに、織田信長が本能寺の変で明智光秀に斃されたのが49才。え?オレが信長公だったら討ち死する年やんか!信長公は天下統一目前まで行きましたが、私が天下統一するまでの道のりは遠そうです。 いやいや、まだまだ若い者には負けませんよ。試験結果もきっと大丈夫・・でしょう! 学生のみなさんも、受験勉強がんばってください! 動物たちは学校も試験もなんにもなくて気楽だなー。
ほっきょくぐま館・アフリカ水槽担当:大西 敏文
「エゾシカの森は、いつ来てもきっと新しい発見があります。」 これは、エゾシカのもぐもぐタイムでお客様にお伝えしている私の宣伝文句です。
冬は、エゾシカの最も野性味あふれる勇ましい姿が観察できる時期だと思います。 真っ白な雪を背景に、フサフサで褐色の毛で覆われたエゾシカが凜として立っていて、その頭には白くて固い大きな角がビシッと生えています。メスに角はありませんが、その目には力強さを感じさせ、分厚い毛のおかげで体もより大きく見えます。 ライオンなどの他の多くの動物と違って、エゾシカにはもちろん寝室などはありません。時に-20度も下回る厳しい寒さの中でも、屋外で生活し、乗り越えることができる能力を持っているのです。さすが北国仕様の大きな体、日本最大の草食動物ですね。
それでは、春と冬の写真を比べてみましょう。
冬のエゾシカ
春のエゾシカ
こんなにも違うんですね。どうですか?かっこいいですよね。ちなみに、冬のエゾシカの毛は褐色ですが、これは冬の森林の樹皮の色に似ていて保護色となっているのです。 一方で春のエゾシカは少し地味ですが、角が落ちて気性が落ち着いてくるとともに、新しい角が生えはじめ、毛も生え替わりはじめ、まさに春らしい新生活のスタート、新たな四季の始まりといった風情を感じさせてくれます。 さて、ここで少しだけ寂しいお話をひとつ。写真のエゾシカのオス個体「ペペネロ」ですが、2月14日のバレンタインデーにおびひろ動物園への引越しが決まっています。これは、以前のブログでも書きましたが同園からやってきたメス個体「のぞみ」と交換となっているためです。もちろん、互いの園がエゾシカの繁殖を目指しての交換ということになります。 そこで、うまくいけば、のぞみは今年の夏頃に赤ちゃんを産んでくれると思いますので、新しい命との出会いを楽しみにしたいと考えています。
夏や秋のエゾシカの姿は、その時期にブログを書く際に紹介したいと思いますので、こちらもお楽しみにしていただけると嬉しいです。
エゾシカの森・教育担当:上江昌弘
夏と違って木々に葉がない分、飼育している猛禽類も観察しやすく、真っ白な雪に凛々しい体躯がよく映え、夏とはまた違った印象の姿に思わず時間を忘れて見入るほど美しいです。
冬季開園からは北海道産動物舎のオオワシケージにて、6羽同居という新しい形式での飼育展示を始めました。 今までも非公開施設では3羽以上の同居飼育を行っていました。当園では現在オオワシを11羽飼育していますが、そのほぼ全てが非公開施設にいるのがもったいないなと思い、野生でもオオワシは複数羽が同じ木にとまり過ごしていることもあることから、よりオオワシの迫力を感じて欲しいと、これまでのペアでの展示から思い切って複数羽同居展示にシフトチェンジしました。 6羽は同じ親から生まれた兄弟姉妹ではありますが、彼らには血が繋がっているという意識もないため、当初は喧嘩なども心配していましたが、現在まで怪我や衰弱する個体が出ることもなく、穏やかな日々となっています。
オオワシ
北海道産動物舎で飼育しているオオワシ、オジロワシ、クマタカはどれも雌雄同色であり、個体を見分けるのが難しいのですが、どの種もオスとメスだとメスの方がひと回り大きく、並んでいるとその様子が分かります。 たくさん同居しているので見比べやすいオオワシたち、体格差がはっきりしているオジロワシペア、仲良しでよく2羽並んで止まっているクマタカペア、と各ケージでそれぞれの色を出しています。 猛禽類は警戒心が強いため、野生での近距離の観察は彼らにストレスを与えかねませんが、動物園の個体は安全な場所にいると理解しているのでリラックスした姿をしていることも多いです。
クマタカ
そして、飼育員は繁殖期に向けての準備も始めています。鳥たちもそろそろ準備を始める時期ですので、タイミングが良ければペアが仲良くしている様子や巣材を運んでいる様子が観察できるかもしれません。
カバ・猛禽類担当:高橋ひな
さる山担当の畠山です。 先日、1年ぶりに来られたという来園者の方に「ニホンザルはいつも77頭ですね。看板を更新してないのですか?」と聞かれました。 看板は春に書き換えました。(色褪せやカラスにつつかれるので毎年更新しています。) ではなぜ? 実は数年前からニホンザルは繁殖の制限をしており、増えていません。 また、死亡もしていないので数に変わりはありません。 可愛い赤ちゃんザルを見たいところではありますが、現在のさる山の広さではしばらく制限を続けていかなくてはなりません。 適正な数になるまで、ニホンザルの数が増えることはありませんが、サルたちが快適に暮らせるようにしていきたいと考えています。
さる山・飼料担当 畠山 淳
年が明け、近頃ますます冬の寒さが厳しくなってきました。そんな寒さの中で、今年度はなんと、冬期期間もホルスフィールドリクガメを展示しています! 夏には、モルモット・カイウサギのふれあいに引けを取らず、大人気のリクガメたち。 リクガメに会うために動物園へ来てくださる熱烈なファンもいるほどです。
第一こども牧場内、ミニ図書館横にてリクガメの展示
昨年度の冬期期間は、寒さと展示環境が整っていなかったのもあり、展示はせずにスタッフルームで飼育をしておりました。しかし、その人気ぶりから、冬期でも「カメいますか?」「カメに会いに来たんですが」というお声をたくさんいただいておりました。
そして今年度、ついに!リクガメの展示を冬期期間もできるようになりました! 野生ではロシア・西アジア・中国の一部などに住み、寒くなってくると土の中にもぐって冬眠するホルスフィールドリクガメですが、暖房や赤外線ライトのある室内では、よく動く姿や、野菜を食べる姿を近くで観察できます。
ライトにあたり温まる、かめさん(大きいほう)とトロ(小さいほう)
さて、2023年新年を迎えて、今年は卯年ですね!こども牧場には、カイウサギという種類のウサギがいます。 雪の上にいるユキウサギとは違い、寒いのは得意ではありません。リクガメ同様、暖かい室内で過ごしていますが、寒い日はお互いに身を寄せ合いウサギ団子が出来上がっています。 今年は、そんなウサギたちと来園者の皆様が再びふれあいができることを祈っています。
身を寄せ合って固まるカイウサギたち
こども牧場担当:大河原沙織
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