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デンマークからやって来た
アムールヒョウのデン
少し遅かったですがいつものように雪景色が広がるようになりました。べた雪が続き日中は溶けてぐちゃぐちゃになるので、寒くてもさらさらの雪になって欲しいなと思います。それにしても暑さが続いた夏のことを、いつの間にか忘れてしまいがちです。おそらく来年も暑い夏になるでしょうから、その対策の予算をしっかりと組まなければいけませんね。 本格的な冬を前に、ライオンの子イト、ダチョウのオス、そしてホッキョクグマのゆめが新たな飼育地に旅立ちました。コロナ禍で誕生し、様々な思いを抱いた多くの人に見守られながら、たくましく成長しました。新たな飼育地でも、それぞれの魅力を発揮してくれることでしょう。 その一方で、旭山動物園では、新たな繁殖に向けた取り組みも生まれています。デンマークからアムールヒョウのデン(オス)が来園しました。アムールヒョウは、アフリカからロシアのアムール地方まで分布するヒョウの一亜種(同一種に属する地理的な品種)です。一般的に北方の亜種ほど体が大きいのですが、デンは「これぞアムールヒョウ」といえる立派な体格をしています。当園の環境にも順調に慣れ、放飼場でも堂々と落ち着いています。ここで生まれ育ったのかと思うほどです。両隣にいる当園生まれのユキヒョウのユーリやアムールヒョウのみらいの方が「誰だこいつは?」とデンに警戒心を示し、デンの一挙一動から目を離せず緊張しています。これくらいの方が一安心ではありますが・・・。 早いもので、今年も残りわずかになりましたね。動物園としては様々なことを具体化でき、合格点には届いたのではないかなと考えています。来年に向けた直近の悩み事は「昨年のように、行く年来る年インスタライブをやるのかな?」です。皆さんにとっても来年がよい年になりますように。
令和5年12月7日
旭山動物園 園長 坂東 元
6月に保護された「すなすけ」
保護当時より2、30キログラム増えました
今年の夏期開園も終わり、この手紙が届く頃には冬期開園が始まっているでしょうか。今年の夏期開園は、個人的には「マスクを外すのにためらいを覚えた春に始まり、マスクをすることが息苦しく感じるようになった秋」との印象が強く残っているのですが、旭山動物園としては様々なことにも取り組め、充実した時間を送れたと感じています。 道内の8つの動物園・水族館が協力する「北海道産いきもの保全プロジェクト」の始動。環境省と、シマフクロウに関する動物園での教育的な普及啓発活動の具体化へ。ゼロカーボンに向けて、園内や市内のせん定枝などをペレット燃料に加工し、それを利用した暖房機の設置も。新たな取り組みに着手し、具体化を始めることができました。また、サステナブルをテーマとした新たなイベント「旭山スイーZOOフェア2023」を開催し、旭山動物園の動物たちを魅力的に表現したスイーツを販売しました。 しばらく開催できなかった、夏期開園最終日の「わくわくゲーム大会」も再開しました。自然観察会は園内で実施できたものの、本来の場所である旭山公園では開催できませんでした。なぜなら、旭山でエゾヒグマが頻繁に目撃されたからです。来園した皆さんは気付かなかったかもしれませんが、東門の駐車場などでヒグマがおいしい思いをして動物園に近づく動機づけがされる前に、予防的な目的で電気柵を設置していました。いよいよヒグマと人の関係は難しい局面になってきましたね。その象徴的な出来事として、ヒグマの子「すなすけ」の保護収容もありました。 来シーズンを見据えながら、充実した冬期開園にしていきたいと思います。
令和5年11月8日
屋外放飼場で伸び伸び過ごす
アムールトラのメイ
北海道は9月も中旬になり、やっと秋らしくなってきました。とても「北海道の短い夏」なんて言える状況じゃないですね。知床や天売島では、海鳥の繁殖が約1か月前倒しだったと聞きました。本州では一等米の比率が極端に下がるなど、農作物への影響が大きくなっているとのニュースを見ました。そういえば、旭川でも稲が倒れている田んぼが多く見られます。いよいよ気候変動が日常の中で見える化されてきて、自分事として捉えて行動しなければと考えさせられます。 旭山動物園では、冬に向かってもうじゅう館の外壁と旧ヒグマエリアの改修工事が始まります。もうじゅう館も気づけば築25年になりました。他の施設でも老朽化対策として、空調関係の設備など大掛かりな改修工事を続けています。 旧ヒグマエリアは、アムールトラを飼育できるように放飼場の床の一部を土にしたり、立体的に動ける岩棚を造るなどの改修をします。「なぜ、アムールトラ?」と思われるかもしれませんね。日本で飼育しているアムールトラは、将来にわたって近親交配にならないよう遺伝的な多様性を保ちながら、個体群として維持していかなければいけません。その観点から、キリルとザリアの遺伝子は必要十分な状況になったため、繁殖は止めることになります。避妊処置などを行っても、ザリアと娘のメイ、キリル3頭の同居はできません。現在は放飼場が1つなので入れ替えながら飼育していますが、今後はそれぞれが、のんびりと屋外で過ごせる環境とするため、第2放飼場として整備することにしました。 秋にかけてチンパンジー、ブラッザグエノンの出産、クジャクのふ化があり、保護したヒグマの子「すなすけ」も順調に成長しています。やっと屋外で気持ちよく過ごせる気候になりました。ぜひ、動物園に足を運んでいただければと思います。
令和5年10月12日
園内で鳴き声を響かせる
エンマコオロギ
お盆期間中に開催した「夜の動物園」は、とても多くの人のにぎわいと共に無事に終わりました。そろそろ秋の足音が・・・と思いきや、その気配もなく高温多湿な状態が続いています。テレビで異常気象がニューノーマルになると言っていましたが、そのとおりなのかもしれません。 近年では毎年アブラゼミやツクツクボウシ、ミンミンゼミの鳴き声も聞こえてくるようになりました。夜の動物園期間中、「あれっ?聞いたことのない虫の声が・・・」と気になっていたところ、後日、夜に飼育事務所内に、やたらと跳ぶコオロギを見つけました。エゾエンマコオロギよりも二回りほど小さなメスのコオロギを捕まえました。おそらく本州以南に生息するタンボコオロギではないかと思うのですが、標本にして同定(生物の分類上の所属・種名などを決定すること)をお願いしようと考えています。 さて、この日記が更新された週末くらいになるでしょうか。9月17日・18日には、「あにまる・ハッピーマーケット」を開催します。北海道で野生動物や自然環境の保全に関わっている団体が、オリジナルグッズの販売を行います。商品を手にすることをきっかけに、直接お話をしていただき、参加団体の活動や北海道の自然に興味や関心を持つ人の輪を広げることが大きな目的です。各団体の方の講演会なども行いますので、ぜひご参加いただければと思います。日本動物園水族館協会に加盟する道内の8園館でも「北海道産いきもの保全プロジェクト」としてコーナーを作る予定ですので、楽しみにしていてください。
令和5年9月13日
受け入れた子グマは
元気に成長しています
先月、旭山でのヒグマ出没のことを書きましたが、今度はヒグマの子が保護されてきました。動物園としては、北海道産の野生動物の傷病個体の受け入れです。
ヒグマでは、とんこ以来二十数年ぶりです。どの種でも、受入れの可否は受け入れられる収容スペースがあること、さらに授乳期の哺乳類を保護した場合は、成長してから自然に帰すということはほぼ不可能なので、終生飼育が可能かどうかも慎重に判断します。 えぞひぐま館は寝室が2か所、産室付きの寝室1か所の計3部屋があります。放飼場は、繁殖した際に子グマが産室から出てきて屋外に馴れるまでの小さな半屋外放飼場と、室内と屋外の放飼場を備えています。今回は動物園として受入れが可能なので、行政機関へ改めてどのように扱うのか慎重に判断してくださいと伝え、その結果、動物園で子グマを受け入れることになりました。 ヒグマは加速度的にヒトとの軋轢が問題となっており、駆除に関する考え方も様々あると思います。現在、行政としての駆除対象のヒグマは、ヒトの生命の安全を脅かす場合と農業被害をもたらす場合で、あくまでも個体ごとに判断する方針です。「問題グマと、そうでないクマを区別する」と言えばわかりやすいでしょうか。 今回は公園に子グマが出没したため公園の一部を封鎖したころ、親グマが姿を現すことなく、毎日この子グマだけが現れ、日ごとに衰弱して保護されたとのことでした。何らかの原因で親とはぐれてしまった子グマと判断。駆除対象ではありませんが、短期間で体力をつけさせて山に放すことは、市民感情も含め現実的ではなく、行き場のない状態となってしまったことが受け入れの経過です。
子グマは、まさに北海道の自然を象徴する大地の子そのものです。私たちは、ヒグマとどのように折り合いをつけていくのでしょうか?
令和5年8月10日
母グマとヒトとの接触をきっかけに
動物園に保護された「とんこ」
例年6月は暑くなる印象ですが今年はそうでもありません。本格的な夏に備えて体を暑さに順化させる時期ですが、25度で暑い暑い!と感じてしまいます。 今年も旭山にヒグマが出没しています。この時期になると特に若いオスグマが自分の生活圏を見つけようと活発に移動します。旭山でもかなり前からその過程の中でたまたま目撃される、いわば通りすがりの一見さんグマはいたのですが、近年は旭山周辺を生活圏にしていると思われる長期滞在居座り型のクマが現れるようになりました。ただ、食べ残しのごみや空き缶を探し求めたり、平然と姿を現したりといった行動は認められていないので、すぐさま駆除しなければいけない危険なクマではありません。今のところ目的は緑豊かな旭山なのでしょう。とはいえ気になる点もあります。それは活動時間帯です。ヒグマは本来夜行性ではないのですが、慎重で臆病な性格なので、ヒトの生活圏近くではヒトが活動する時間帯を避けて行動します。目撃情報が日没後や早朝なのはそのためです。ところが近年、日中の時間帯に姿が確認されています。場所は昔の旭山スキー場中腹くらいです。ヒグマからは駐車場の車や人が見えていたでしょう。今日も閉園時に流れる「蛍の光」に何の警戒心も持たず、聞いているのかもしれません。活動時間帯がヒトと重なると、不意に出合ってしまう確率が格段に上がります。 ヒトが優先的に占有しているつもりの土地を生みに例えるなら、旭山は大雪山から続く岬の先端のような場所です。旭山はヒト優先の場所なので、ヒグマにとって長く滞在するには居心地が悪いと感じる場所にしなければいけないでしょう。さて、どうするか・・・。 生存競争は生活圏の確保が鍵です。自然を象徴するヒグマの勢いに、ヒトが圧倒され始めているとも言えます。ヒグマとの問題は、ヒトの勢いの衰退の必然なのかもしれません。
令和5年7月13日
角が落ちて
エゾシカも春の衣替え
今年の雪解けは早かったのですが4月下旬から気温の低い日が続き旭山の桜もゴールデンウィークに合わせるかのように満開になりました。旭山動物園では夏期開園が始まり多くの来園者でにぎわいました。昨年までのコロナ禍でも、行動制限の規制が緩和された時期には大勢の方が来園された日もあったのですが、静かに少し急ぎ足で園内を回られる方がとても多い印象でした。今年のゴールデンウィークはゆっくりとした足取りで、おしゃべりしながら楽しまれる方がたくさんいた印象でした。今ではマスクをしていない方がいても、違和感がなくなりました。 そういえば5月中旬に野生のエゾシカを見かけたのですが、まだ角がありました。動物園のエゾシカは4月中旬頃には角が落ちます。屋外で飼育しているので、気温や日照時間は同じ条件なのですが、角が落ちる時期が一ヶ月くらいずれていることになります。そこで、まず一番に思いつくのが栄養状態の違いです。飼育下では食べ物に関して「厳しい冬期間」はありません。冬期間でも必要十分な栄養を得られます。飼育下では「次の繁殖期に向けて、より早く体の準備を始められる」ということになるのかなと思います。ただ、特に日本産の動物は季節によって栄養状態が変わらないと「春の発情が来なくなって繁殖しなくなる、できなくなる」生き物も多くいるので、飼育下ではあっても春夏秋冬のリズムを栄養価で反映しなければいけない場合もあります。 今年は、外部の方々と協働で行うイベントや企画を多く計画しています。多くの方に関心を持っていただけるように発信していきますので、注目していてくださいね!
令和5年6月8日
好奇心旺盛な
オランウータンのジャック
冬期開園も無事に終わりました。雪解けが早く、ペンギンの散歩も早々に終わったのですが、4月に入ると芝生も緑になり始めました。例年よりも季節が変わるペースがはやく何か急かされているように春が迫ってきました。ヒグマの目覚めも早く動物園の近くでもすでに目撃情報が出ています。昨年は旭山公園でもヒグマの目撃が相次ぎ長期間公園が封鎖されていたのですが、今年も確実に旭山にヒグマは現れるでしょうがどのような経過をたどることになるのでしょうか? 今は冬期開園が終わり夏期開園までの閉園期間なのですが桜のつぼみも膨らんできていて、やはり例年よりも10日以上早い感じです。 閉園期間は各種修繕や模様替えなど来園者がいないからこそできることを集中的に行える貴重な期間です。その一つでオランウータンのロープ類の点検張り替えを行っているのですが、オランウータンは桁違いの握力がある好奇心に満ちあふれた幼稚園児的な面があります。さらには何かを心に決めると達成するまで並外れた精神的持久力を持ち続けます。 気に入ったものを人に見つからないように隠すくらいはお手の物だったりします。これほんとに憎たらしいくらいで、僕ら(ヒト)は地面から見上げることしかできないことがわかっているので遊具の鉄骨の上面のくぼみとかに置いて隠すのです。どこで見つけたか日中手に持っていたのに寝室に戻った時には持っていない・・・。もっともこちらもたまにウータンの遊具に登り隠していたもの(何らかの危険があると思われるもの)を回収したりと知恵比べです。 ということで新たにロープを張ったりするとそのロープを使って移動することよりもこのロープはどのように固定されているのか?どう動くのか?ほぐしたり外したりできないのか?との好奇心が先に働きます。僕たちから見ると破壊行為なのですが・・。ロープを張り終わって数時間後に見に行くとあっさりと外され、ほどかれていることもしばしば。予定行程を大幅に延長なんてことになります。でも夏期開園までには無事完了しているはずなのです! 今シーズンも旭山動物園に是非足を運んでくださいね!
令和5年5月10日
令和5年度
旭山動物園ポスター
さて新年度ですね!地球規模では様々な不安要素を抱えた中でのスタートになりますが、だからこそ多くの新しい可能性もあるのかなと思います。まずは対策などに配慮しつつもコロナ禍前はどんな感覚でいたのかを思い出し前向きな気持ちで来園者と向き合って生き物の素晴らしさを伝えていきたいと思います。 3月は上旬から気温が高く、記憶では経験したことがないペースで雪解けが進みました。3月中旬を待たずに雪が溶け水のたまった田んぼにハクチョウが舞い降りていました。3月中に夏タイヤに換えた方もいるのではないでしょうか。そういえばバーサーロペットジャパンも当初は春分の日前後だったのが雪の状態が悪い年が多くなり今では3月第2週の土日開催ですね。 旭山動物園は現在夏期開園を迎えるための閉園期間中です。昔は4月の中旬までは雪割り作業に追われていたものですが、近年はほとんどありません。自分なんかが十数年くらい前までは・・と若い職員に話し出すと昔話アルアルみたいになってきました(^^;)。 今年は大きな施設のオープンはありませんが、オープンから20年以上経ったぺんぎん館のアクリルトンネルの磨き補修や、各施設の小規模な改修、リホーム工事がいっぱいです。皆さんからは見えない空調や濾過の設備などの改修も計画的に進めていますよ。 コロナ禍でも年数億円規模でのふるさと納税での応援など様々な形で支援をいただいてきました。皆様の支援に答えられる夏期開園にしようとの思いをしっかりと持ち4月29日を迎えたいと思います。
令和5年4月11日
1歳になった「ゆめ」は
元気いっぱいです
雪明かりの動物園も大盛況の内に終了しました。今年は夜間も海外の方の姿を見かける頻度が高くなり、国際色豊かになってきました。地元ファーストではありたいと思いながらも冬の夜に開園している動物園はそうはないと思いますので寒さと雪の素晴らしさ、大切さを感じてもらえたならうれしいですね。 旭山動物園はコロナ禍でも毎年雪明かりの動物園を開催してきましたが、昨年まではやる方も訪れる方もどこかおっかなびっくりの一面がありました。今年は来園者の表情もとても明るく、キーパーズトークなどのイベントにも多くの方が集まりなんと言いますか生命力があふれてきた感じがとても強く印象に残りました。 2月は動物の引っ越しが続きました。アムールトラ、エゾシカ、キングペンギン南は長崎北は帯広・・。旭山の飼育環境でたくましく育った個体たちです。きっと新たな地でも生き生きとした魅力を発揮してくれることでしょう。 そういえば旭山で生まれ育ち旅立って親となった動物たちもたくさんいます。もう亡くなりましたがシンリンオオカミのケンとマースの孫、現在も元気なアムールトラのキリルとザリアの孫に当たる個体が北海道の動物園で生活をしています。命のバトンをつなぐことは命を預かる動物園として大切な使命であり役割でもあります。 日ごとに日差しが強くなり雪の照り返しがまぶしく暖かく感じます。ライオンの子たちも見違えるほど大きくなりました。ホッキョクグマのゆめはこれまた元気いっぱいで一人遊びに夢中になります。親のピリカは要所ではゆめを気にかけているのですが基本は放任型の子育てです。 思いっきり深呼吸ができる春になっているでしょうか?春からの夏期開園のことも気になる時期になってきました。
令和5年3月11日
冬の夜に、寒さを抱き合って
しのぐニホンザルの親子
さてこの手紙が届く頃には、旭川の雪まつりも終わっているでしょう。久しぶりに来場者を迎えての開催になります。冬の寒さを存分に楽しめたでしょうか?それとも極力外出しない習慣がついてしまった結果、体がなまってしまい寒さを楽しむどころでなかったでしょうか?動物園は冬祭り期間中の週末の金土日の三日間「雪明かりの動物園」として夜間開園を行います。 この手紙を書いているのは1月中旬。今は雪像やアイスキャンドル、ちょっとした子供たちの遊び場を制作したり準備をしています。閉園時間後に制作するので結構大変です。今年は最低気温が低めなのでアイスキャンドルの作成は順調に進みそうです。水道の蛇口から風船に水を入れ底が平らになるくらい地面につけ吊して一晩放置します。中心部まで全部凍らせないのが肝で、翌日キャンドルを入れる穴を開け中の水を抜きます。水滴型キャンドルの完成です。最低気温がマイナス15度以下になる予報の日に行うので、作業中は手袋やカッパが水で凍り付きます。たまに運ぶ途中で水風船が破裂してなんてことも起きます。今年はさらにロウソクの再利用を試みます。ロウソクは芯がなくなると消えてロウが残ります。昨年使い終わったロウ捨てずに集めて置いたものを再度溶かして型に入れ新たな芯を入れます。試行錯誤の結果安定した火が灯るロウソクができました。量産は手間暇がかかるのですがチャレンジしています。ロウにはパーム油が使われています。少しでも無駄をなくすことが環境保護の解決にも繋がります。 ここ3年間は自分たち人類のことを考えるのに精一杯でしたが環境問題への取り組みもそろそろ本格的に再開しなければいけませんね。寒さと雪がテーマの「雪明かりの動物園」をしっかりとやりきらなければと思っています。
令和5年2月10日
ライオン親子の当たり前の姿に
来園者の多くが引き込まれます
おかしな言い方ですが、新しい年を前向きに迎えることができました。 皆さんはどんな初夢を見ましたか?って実はこの手紙を書いているのはまだ12月です。行く年来る年インスタライブなんてどうだろうなんて話をしています。 ここからは新年になった気分で。今年は海外での活動も含め、再始動ができる状況になってきました。できる限りのことをフルにやる年にしたいですね。この3年間カメのように粘り強くゆっくりと歩んで来ました。この歩みを継続しながらも、ウサギのように力強く跳躍もできる年にしたいなと強く思います。 去る12月は日中の気温が上がる日が多く、ツルツル路面の日が続きました。予想以上に海外からの観光客も多く、あちこちで転倒する人が見られました。滑り止めの砂利をまいてもまいてもすぐに湿った雪が積もり、多くの方がすり足で歩くのであっという間にツルツル路面になってしまいます。もう少し最高気温が下がってくれたらと天気予報とにらめっこの日が続きました。 ホッキョクグマ、ライオンの子たちも順調に成長しています。それにしてもライオンの子に関してはとても関心が高く連日多くの方がもうじゅう館に集まっています。先代のライラとレイラも四つ子が2回など何回も繁殖していたのですが今回のようには注目はされていなかったと思います。SNS、テレビでの特集での周知もあるのでしょうが、無条件に引き込まれてしまう親子の当たり前の姿の効果なのかなと思います。コロナ禍で動物園の動物たちに対しての見方が変わってきていると感じます。今までの当たり前を、今当たり前にすることの難しさ、そんな気持ちを投影しているのかもしれませんね。 今年はうさぎ年、脱兎のごとく過ぎてしまわないように充実した年だったねと言える年にしたいと思います!
令和5年1月10日
フッターです。