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今年も終わります。皆さんにとってどんな一年だったでしょうか?旭山動物園は充実した一年でした。自分自身は統括園長という新たな立ち位置で戸惑いながらもある程度は結果につなげられた一年だったのかなと思います。外部の様々な機関と連携をして、環境や生物多様性の保全につながる取り組み、その結果として旭山動物園の社会的な役割の強化、来園動機の多様化、しいては旭川市の経済にも少なからず貢献していく、旭山動物園と外部との連携を強化し繋ぐそんな役割が統括なのかなと捉えています。動物を観てもらうことをベースに保全のプラットホームを目指していきます。 シマフクロウに関して環境省、生息域内の保全に係る専門家と協同で旭山動物園を中心とした普及啓発プロジェクト、道内9園館で取り組む北海道産いきもの保全プロジェクトの本格始動、来年からボルネオでの活動開始になるJICAの草の根支援事業等、種が芽を出し根が張り始める年になりました。 動物に関しては、アムールヒョウの繁殖がありました。日本最北の動物園として開園当初から飼育している旭山動物園を象徴する動物でもあります。子が骨折をしたため皆さんに見てもらえるのは年を越してしまいますが順調に治癒していますので今しばらくお待ちくださいね。 一方でシンリンオオカミのレラの死がありました。オオカミの森がオープンして初めて誕生した個体でした。レラの後に生まれた弟や妹の面倒もよく見て成長したのですが、社会性が強く様々な視点から順位がつくオオカミの群れの中では劣位な個体でした。生き物を飼育するうえで重要視されるようになった動物福祉・アニマルウェルフェアーの考え方の中で、人の側からの視点だけでなく、それぞれの種が持つ死生観や社会性を尊重し、死を迎えるまで飼育すること。動物園が何を見せ続けていくのか、飼育動物たちの暮らしをより豊かにしていくこととはどういうことなのか、など多くのことを考えさせられ学ばせてくれたレラでした。 さて、今年は冬になり特に海外からの来園者数が増えています。コロナのパンデミックが発生した2020年は2月3月と来園者が急減しましたが、同じ傾向でした。マレーシアに行くと乳製品のお菓子やソフトクリームなどにHOKKAIDOの名がついた製品をよく目にしました。いつか雪を見にHOKKAIDOに行きたい、そんな話をよく聞きました。いよいよ今シーズンはその環境が整ったシーズンになりそうです。オーバーツーリズムという言葉を耳にする機会が増えましたが年明けの3月までは旭山動物園でも、えっこんなに人が多いの!となってしまう予感がします。でも地球で暮らす多くの人に寒さ、雪のすばらしさや寒さの大切さを実感してもらうチャンスでもあります。多様な環境の尊さを共有することが地球の未来につながる第一歩でもあります。前向きにとらえていただければと。 来年は蛇年ですね。写真のように脱皮を続けながら旭山動物園も成長していきます。みなさまの新たな発見や気づきにつながるよう目から鱗を落とし続けながら、未来に向かっていく年にしたいと思います。 みなさま 今年も暖かく見守ってていただきありがとうございました。みなさまにとって来年も良い年になりますように。
アオダイショウの脱皮ガラ
統括園長 坂東元
こんにちは!外はすっかり雪景色ですね!クジャクにとっても厳しい季節となりました…。 旭山動物園で飼育をしているインドクジャクは、元々はインドやスリランカなどの暖かい地域で暮らしており、寒いのが大の苦手です。そのため、夏期開園中は外で展示をしていましたが、冬期開園中は展示をしておらず、室内の暖かい部屋で過ごしています。
夏期開園中のクジャクたち
冬期開園中のクジャクたち (室内にいて、現在見ることができません)
クジャクが見られないことを残念がるお声も毎年たくさん頂いており、少しでもクジャクをお楽しみ頂きたいと思い、今回「クジャク展」というミニパネル展を開催するに至りました。
クジャク展入口
パネル展では、クジャクの生態や生息地域についてなどから始まり、沖縄でのクジャクの野生化などの環境問題にも触れています。 また、クジャクの1年間をまとめた動画が鑑賞できたり、実際に羽を触れたりと小規模ながらも内容盛りだくさんな企画となっております!
中の雰囲気(モニターで動画が流れています) クジャクの羽が実際に触れます
フォトスポットも用意しており、クジャクになったかのような写真を撮ることもできます。 来園した記念にクジャクになってみませんか?笑 また、開催しているこちらの第2こども牧場の建物内は、暖房が効いていてとても暖かいので、外で動物を観察して冷えた体も温まります。旭山動物園にお越しの際はぜひお立ち寄り下さい!
フォトスポット(こんな風に写真を撮ってみてください)
こども牧場担当:永澤 琴音
2024年も間もなく終了しますね!今年のカイウサギは子宝に恵まれ、たくさんの仲間が増えました! 6月20日に3頭、6月24日に5頭、9月18日に2頭、10月4日に4頭の子ウサギが産まれました。
6月20日産まれ3頭
6月24日産まれ5頭
9月18日産まれ2頭
10月4日産まれ4頭
子どもたちの中のオスは里親さんにお譲りしており、現在はメス6頭のみが残っており、皆スクスクと育ち、第1こども牧場の子ども部屋で元気に過ごしています。
現在の子どもたち(こんなに大きくなりました!)
そして、最近では、11月26日に更に4頭の子ウサギが産まれました!
産まれた直後の赤ちゃんウサギ
ご覧のように、産まれてすぐは体に毛が生えておらず、目も耳も閉じた状態です。まだあまり可愛くないですね…。 カイウサギは、人間がペットとして飼いやすいように品種改良をされた品種で、元々はアナウサギという穴の中で暮らしているウサギです。品種改良されても穴で暮らすという習性が残っており、出産や子育ても基本的に穴の中で行います。穴に隠れて身を隠すことができるので、このような未熟な状態で産まれてきても敵に襲われることなく育つことができます。
生後1週間くらいの子ウサギたち(毛が生えて耳も開きました)
生後10日くらいの子ウサギたち(目が開きました)
カイウサギは、比較的繁殖が簡単に出来る動物だと言われていますが、やはり生き物ですので、いつでもこちらの思い通りに繁殖ができるという訳ではありません。 ウサギたちにももちろん好みや気分、コンディションなどがあります。私もカイウサギの担当になり、1年が経ちましたが、初めは繁殖がうまくいかず、試行錯誤の毎日でした。しかし、色々と試していくうちに、今日はいける!というタイミングが何となく分かるようになってきて、成功率も上がってきました。産まれるというのはどんな動物でも本当に奇跡のようなもので、当たり前の事ではないと日々感じさせられます。私もカイウサギに限らず、新しい命が誕生したときには毎回感動しますし、元気に育って欲しいという思いでいっぱいになります。動物たちは日々色々なことを私たちに教えてくれますね。
カイウサギの子どもたちはまだまだ元気に成長中です! あっという間に大きくなってしまうので、小さくて可愛らしい姿が見られるのは今だけです。ぜひ遊びに来て下さい!
生後20日くらい(かなりウサギっぽくなりました!)
冬を迎え、エゾモモンガたちも体の準備を始めているようです。冬毛でよりいっそうもふもふ、脂肪を蓄えてムチムチしています。
まん丸
9月に掲載したぶろぐで、今年生まれた子どもたちの近況をお伝えしました。 彼らはいまどうなっているかというと、しっかりと食べ、よりサイズが大きくなり、ぱっと見では親なのか子どもなのか分かりづらくなってきました。 それでも親と比べるとまだ子どもの方が一回り小さいので、タイミング良く並んでくれるとサイズ感が伝わりやすいかなと思います。
左の2頭が子どもです
飼育員になって初の繁殖、せっかくなのでモモンガ3兄弟については自分で名前を付けました。 動物の名前を考えるのはとっても久々だったので(小学生のときに飼っていたハムスターぶり)かなり悩みましたが、北海道に自生している木からもじって「はるき」「みずき」「やなぎ」としました。はるきはハルニレ、みずきはミズナラ、やなぎはそのまま柳から取りました。
そして、報告が遅くなってしまいましたが、このたび「みずき」が釧路市動物園へと移動しました。生まれたてから成長の様子を見てきたので、立派な成獣になってほかの園へ旅立っていくのは嬉しいものですね。 まだ調整中ですが、残っている兄弟のうちの1頭もほかの園へ移動する予定となっています。それぞれの場所で元気に過ごしてほしいと思います。
みずき出発時の様子
そしてそして、悲しいお知らせとなりますが、かねてよりエゾモモンガ舎で飼育していたメスの「おはぎ」が11月に死亡しました。2018年生まれのため若い個体ではありませんでしたが、給餌するとまっさきにエサ皿に飛んでくるような食欲旺盛な個体でした。最近は足取りがおぼつかない様子も見られていましたが、自力で木を登り採餌する様子を確認していました。
エゾモモンガは巣穴を複数個体で共有するところや、なわばりはあるけどそこまで厳密じゃないところからも寛容的な性質であると言われることが多いですが、まさにその性質を目の当たりにしたのはこのおはぎの行動からでした(どんな行動だったかはぜひ前回のぶろぐをご覧いただければと思います)。こ、これがエゾモモンガか!!と関心したのを覚えています。
前回のぶろぐでカボチャのタネをおねだりしたところ、たくさんの方から寄付をいただいております。 タネを郵送してくれる方、サポートセンターに預けてくれた方、なかには園内で私を見つけたときに手渡ししてくれた方もいました。みなさんありがとうございます! 私もほかの飼育担当からカボチャのタネを集めて随時洗って干しているのですが、排水溝は詰まるわ洗ってもずっとヌメヌメするわで、みなさんがそれぞれのご家庭でこの作業をしてくれていることに改めて感謝しております。
地味だけど大変
いただいたカボチャのタネは毎日使っております!モモンガ、リスたちに与えています。 あればあるほど嬉しいので、カボチャ食べるよ!という方はぜひぜひタネをお願いします。 エゾモモンガは来年も繁殖に向けて取り組んでいく予定ですので、今後の動向も見守っていただければ幸いです!
みんなで寝ると暖かいね
エゾモモンガ舎・北海道産動物舎(小動物・野鳥)担当:櫻井結夢
気が付くと、もう12月。1年が過ぎるのが早くて驚いています。 さて、今回は私が担当するアザラシのトレーニングについて紹介しようと思います。 旭山動物園では5頭のゴマフアザラシを飼育していますが、現在そのうちの3頭でトレーニングを行っています。 本当は全頭したいのですが、飼育員の人数や時間の関係で今は3頭が手一杯です…。
トレーニングと聞くと、水族館でよく見るショーを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。しかし、旭山動物園ではショーはやっていません。では、なぜトレーニングをするのでしょうか? 旭山動物園でトレーニングをしている理由は健康チェックのためです。 アザラシはほとんどの時間を水の中で過ごすため、なかなか近くで観察することができません。そのため、トレーニングを行って、私たち飼育員の近くに来てもらうことで体を触ったり、近くで観察したりできるようにしているのです。 最初は人が怖くて近くに行くだけで、プールに戻ってしまうこともありましたが、今では3頭とも体を触ったり、口の中の検査をしたりできるようになりました。 今は、採血の練習や超音波検査(エコー検査)の練習をしています。 もし、トレーニング中のアザラシを見かけたら、ぜひ静かに見守って応援して下さいね!
「麦」唾液採取の様子
あざらし館担当・獣医師:篠原明
こども牧場では、リクガメ(ホルスフィールドリクガメ)を4頭飼育していることをご存じですか。 夏の間は、外に出ていてふれあいができるので結構人気なのですが、冬は寒いので、第一こども牧場の中に展示しています。カメは♀3頭と♂1頭を日替わりで放飼しています。
展示ケースは、カメを横から見ることができるように高くしています。カメってなぜか上からばかり見ることが多いので、真横からカメの目線で観察してほしいと思ったためです。 例えば、こうしてみると、ウミガメなどは腹ばいになって、地面におなかをつけて歩いていますが、リクガメは陸で生活しているので、地面からお腹を浮かせて歩いていることが分かります。えさを食べるときの口の中や、目や足などにも注目して見に来てください。 まぁ休んでいることの方が多いのですが。
展示場所
たべるところ
また、カメといえば長生きで有名ですね。100歳以上生きたという記録もあると聞いたことがありますが、長生きがアダとなって飼い主が自分のカメが何歳か分からなくなったり勘違いすることもあって、どこまで正確な情報なのか判断しにくいのが実情のようです。
そして、旭山動物園のホルスフィールドリクガメの「かめさん」という個体は、旭山動物園のすべての動物の中で最年長ではないかといわれています。「かめさん」の正確な年齢は不明ですが、記録上は1977年(47年前)に来園しており、当時から結構大きかったと聞いているため、60歳くらいなのではないかと担当者の私は予想しています。 皆さん、カメを飼う時は、自分がいなくなっても飼うんだ!という気合いと決意の元で飼育してください。
リクガメのかめさん
エゾシカ・こども牧場担当:上江
11月後半にしてもうこの大雪、寒がりで丸刈り頭な私にとっては中々に強敵な季節がやってきました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。 秋の閉園期間中とその少し前から製作を進めていたNEW展示物が、かば館にいくつか追加されたので紹介していきます!
『カバ口・歯パネル(模型)』
前まで展示していた歯の説明パネルを、本物の歯(門歯・臼歯・犬歯)を触れるように模型付きで新しくなりました。
『水面から一直線に顔を出すカバ(模型)』
カバが水面から顔を出す時にどのような様子になっているのかを粘土で模型にしました。
『百吉の1日の餌量』
百吉が寝室で食べている量を再現しています。この量、割とすぐ食べ終わっちゃいます。
『カバvs人間[消防ホース綱引き対決]』
百吉がちぎったホースを展示しています。思いっきり引っ張ってみて、カバの力強さを感じてみてほしいです。挑戦者求む! ※ちぎった方に豪華景品は特にございません。
『魚はカバの餌ですか?』
現在かば館内のプールにはカバ以外にも生き物がいます。それは魚ッ!来園者様から「この魚は餌ですか?」と聞かれることがあります。ちょっぴりも食べません。魚とカバにどのような関わりがあるのかを説明書きにしました。
新たに追加したものは以上です!裏で製作中の物がまだあります。こうした展示物も、その動物のことを考えたり興味を持ったりするきっかけに繋がると思うので、力を入れて今後も取り組んで参ります!!
きりん舎・かば館担当 : 清水駿之介
「あなたの趣味は何ですか?」と聞かれたら明確な答えを持っていますか? 私の場合、表向きは【切り絵】と答えています。これは就活で聞かれるであろう「趣味は何ですか?」を倒すために無理やり始めたものでした。趣味を決める条件は『(1)おじいさんになっても続けられる(2)お金がかからない(3)いつでも気軽に始められる(4)複製できない(5)面接の話で発展させられる』とし、苦肉の策で絞り出したものが切り絵でした。最近はすっかりご無沙汰ですけどね。
若かりし頃に作ったシマフクロウ
現代における動物園は手書きのパネルが多く、私の担当獣舎では急なものを除き写真が一枚もありません。個体紹介ですら手書きです。レッサーパンダ時代では飼育員目線の絵故に見分けが付かなくて困った方もいたことでしょう。写真を使わない理由はいくつかあるのですが、それはまたの機会に。。。 そんな手書きが主たる動物園においては飼育員のお手製の作品も多く目にすることと思います。私は同じ服を色違いローテーションで着ている程度の無洒落さんなので、芸術に関しては上手い下手ではなく、好きかどうかでしか判断できません。当園における私の好きな作品をいくつかご紹介します。
カバキリン担当NS 雰囲気がとても良き。そのうちパネルで活躍するはず。
猛禽担当TH 素人には思いつかないセンス。めちゃすごい。
アフリカ水槽担当OT 当園で一番見やすいと思っているパネル。
アザラシ担当SS
パネルだけではなく、実物に触れる展示。
カバキリン担当SS もはや意味が分からない。飼育員個人が作るレベルじゃない。
いかがでしょうか。もちろん飼育員みな絵が上手なわけでも、センスが爆発しているとも限りません。ただ、飼育員というのは下手さも「味」になることが多く、絵が苦手な私は得をしてるなと思うのでした。
鈴達初めてのマヌルネコ
両生類は虫類舎・かば館・きりん舎担当:鈴木達也
先日、ブログでカピバラが足を痛めて療養中だという旨をお伝えしました。 カピバラのはるみは、その後、順調に投薬も行うことができ、緊張もすっかり落ち着き、のびのびと以前通りの生活となっています。 足は年齢もあってか、ややもたつきが残っていますが、痛み止めの薬の副作用などもあるため投薬を終了し、獣医と相談しながら経過観察を行っています。 また、受傷の原因となった外放飼場の階段については、夏までに土を盛って完全スロープにしてしまう予定です。
冬期開園も始まり、雪も降り始めたため、くもざる・かぴばら館は冬仕様に変更し、両者ともに終日暖かい室内での飼育と切り替えになりました。
はるみは非常に警戒心が強く、大きな音や大人数などが苦手な個体です。 以前は姉妹のはるかがいたためか、人と距離の近い室内展示場でも過ごすことができていましたが、現在は少し不安を感じるようなので、この冬期開園からは室内展示場と奥の寝室のシュートを開放状態とし、はるみが奥の寝室に行きたいと感じたら自由に姿を隠せるようにしています。 寝室にいることが多く、採食のときなど限られた時間しか観察できない日が多いかと思いますが、たまに展示場に出てきたときは、はるみを驚かせないようそっと静かに観察して頂けると幸いです。
寝室のはるみ
乾草ベッドで休むはるみ
くもざる・かぴばら館、ワシ・タカ担当:高橋ひな
2024年夏期、今年もご来園ありがとうございました。毎年11月3日恒例の「ゲーム大会」も大盛況の中終了し、1週間の閉園期間を経て11月11日から冬期開園となります。 今夏、私の印象に残ったのはシンリンオオカミ・レラの死とアムールヒョウ・みらいの出産です。
若かりしレラ (2011年撮影)
レラは2011年5月に生まれました。震災3.11の直後でした。アイヌ語で「風」の意味を持つレラ。アイヌ語は独特の響きがあります。一般的な「かっこいい名前」「かわいい名前」をあえて避けることで、かつて生息したエゾオオカミの再現として来園者に伝えたかったのです。オオカミと共存していたアイヌ文化へのリスペクトも込めました。 真っ黒な毛並みだったレラもすっかり白髪になり、13年の生涯を終えました。オオカミで13才は長生きです。歴代担当者が適切に飼育できた証といえるでしょう。 とはいえ13才はヒトだったらまだ義務教育中。そう考えるとオオカミの一生はあっという間ですね。 8月にはみらいが出産しました。2017年に私が作った産箱の中で生まれたみらい。7年後、同じ箱の中で、今度はみらいが子育てしています。彼らの成長もとても早いですね。
左とわ 右みらい(2017年撮影)
みらいは母ルナが初産で育てた子。そしてみらいも初産で立派なお母さんをしています。 現担当者が適切な出産準備をしたおかげで、みらいも安心して子育てしているのでしょう。動物園業界では「初産での繁殖成功は難しい」とされていますが、担当者がしっかり事前準備をすれば、このように初産でも成功します。 もうじゅう館は繁殖実績がかなり積みあがってきましたね。国内におけるネコ科哺乳類の繁殖基地になってくれたらうれしいです。 私も気づけばアラフィフ、後輩若手の成長を頼もしく見ています。数多の動物繁殖に携わってきましたが、今後は優秀な飼育係の繁殖にも取り組みたいところです。いやすでに育ってるかな?・・・などと考えるのは私が年取った証拠でしょうか。 11日から冬期開園です。雪の中の動物たちを観察できるのは北海道ならではの事。 動物の中には冬に出産する動物も、いるらしいですね(?)。そちらの結果はどうなるのでしょうか。 冬の旭山動物園にもご期待ください。
ほっきょくぐま館・アフリカ水槽担当:大西敏文
先日HPでお伝えしたように、11月の上旬にライオンの風(フウ)、シマフクロウのモコと2022年孵化個体、そして私の担当しているシロテテナガザルの歌多(ウタ)が釧路市動物園へ移動することになりました。 シロテテナガザルは本来家族で生活する動物ですが、2021年に父親のテルテルが亡くなってからは歌多と母親のモンローの2人暮らしでした。 歌多は現在8歳、お兄さんのこだまは5歳の際に東武動物公園に移動したので、それに比べると少し遅い親離れになります。雄同士の父親がいなかった影響もあり、兄に比べると少し甘えん坊だった印象もあります。 それでも最近は、もぐもぐタイムの際にモンローはごはんを食べにきても、歌多はこなかったり、寝室と屋外の出入りの際に以前はモンローのすぐ後を追いかけていたのが少し間を置いて移動したりと行動の変化も見られていました。ちょうどよい親離れのタイミングではないかと思います。 旭山で2頭の歌声が響かなくなるのは少しさびしいですが、きっと釧路市動物園でも大きな声を響かせてくれると思います。 モンローは1頭になりますが、今後新たなペア形成なども考えていきたいと思いますのでよろしくお願いします。
てながざる館担当・獣医師:中村亮平
第50回衆議院議員総選挙がありました。旭川市含む北海道6区では、得票数1位と2位の差わずか2,623票と、非常に接戦となり、ドキドキしながら選挙速報を見守りました。 野生動物と関わっていると、人間の政治・生活というのが大きく影響していることをしみじみと感じます。人間だけでなく共に同じ地に暮らす隣人である野生動物や自然環境のことも真剣に考え、守る意思のある代表を選んでいける人間でありたいものです。
さて、担当動物の最近ですが、猛禽類はノスリが仲間入りしました。
仲間入りしたノスリ
ノスリの飼育は当園では11年ぶりとなります。トビに並ぶ北海道では身近な猛禽類ですが、トビと混同されて気が付かない方もしばしば。 個体の状況にもよるため確定事項ではありませんが、冬期開園からトビとケージを並べた比較展示を計画していますので、展示が始まったらぜひ見比べに来てください。 また、やや早いですが徐々に繁殖期に向けての行動の変化が見られてきました。北海道産動物舎で展示しているクマタカのペアは毎年熱心な繁殖行動を見せてくれますが、今シーズンは既に2羽並んで止まったり担当飼育員の頭上を牽制で飛行したりと、早くもソワソワとした雰囲気になってきました。
一方、クモザル・カピバラ館では、カピバラのはるみが放飼場で転倒し、足を痛めるハプニングがありました。 カピバラの寿命は10年程度と言われていますが、当園のはるみは今年9歳を迎え、高齢と呼ばれる年齢となっています。やや足腰の衰えを感じてはいたものの、それでもしっかりとした顔つきで生活していましたのであまり心配はしていなかったのですが、先日放飼場で階段を登ろうとして転倒した際に足を捻ったか腰を打ち付けたかしたようです。 年齢を考慮すると麻酔をかけてレントゲンを撮るリスクが非常に高く、「麻酔をかけたらもう目を覚まさないと思う」という獣医の判断の元、レントゲンは撮らずに様子を見ながら寝室で療養させる方針となりました。 寝室と室内放飼場との行き来ははるみの自由としていますが、ほとんどの時間を寝室の乾草ベッドの上で過ごしているため、あまり姿が見られないかもしれません。 幸い食欲はあり採食時に投薬も行えているため、回復傾向にあります。
寝室でコマツナを食べるカピバラのはるみ
また、クモザルについてもそろそろ室内への展示と切り替えになります。室内放飼場では外のようにダイナミックな動きを見ることは難しいですが、その分近くでじっくりと観察できるので、冬期開園もぜひ見に来てください。
野生下で生きる動物にしろ、飼育下で生きる動物にしろ、人間として生きる我々にしろ、予定通り思い通り望む通りには中々いかないものです。 取り巻く環境の中で最大限、その生き物としての生き方を全うできるようにしたいですね。
動物園というのは普段皆さんが目にできる動物の他にも、たくさんの動物を飼育しています。猛禽類や野鳥などはそれ専用の建物もあります。 そして爬虫類や両生類も例外ではなく、バックヤードでは様々な生き物を飼育しています。展示されている個体も、ストレスや日光の関係で実は定期的に裏の個体と入れ替えています。
孵化もしている
さてそんなバックヤードには、特殊なアマガエルが2匹。 昨年の7月に北竜町のサンフラワーパークで保護されたアマガエル。
アルビノ
今年の9月に鷹栖町のビニールハウス内で保護されたアマガエル。
黄色素胞欠如
アマガエルの皮膚は、表面から黄色素胞、虹色素胞(光を反射する層)、黒色素胞の三層構造になっています。 詳しい話は「モユク☆カムイ120号」にて解説していますので興味のある方はご覧ください。 モユク120号はこちら(新しいウインドウが開きます)
本来、通常のアマガエルは緑・灰・茶の色しか発現しません。 上記のアマガエルは色彩変異の個体で、そうそう見つかるものではありません。 生まれる確率は10万分の1程度と言われ、これ自体はアマガエルの生息数や産卵数を考えると、そこそこの数産まれているものと考えられます。 ただ、通常のアマガエルと比べると体色の関係で隠れることが苦手で、天敵に見つかりやすくなるため生存率が、うんと低くなってしまいます。 アルビノのアマガエルは見つかったのが黄色いひまわりが多い場所故に、青いアマガエルはビニールハウスの中故に。それぞれきちんと生き抜いてこれた理由があるんだなぁと思いますね。そして今、青いアマガエルは、
色が、、、
色が戻り次第、アルビノと合わせて展示を再開したいですね。
両生類は虫類舎・きりん舎かば館担当:鈴木達也
あと2週間ほどで待ちに待った閉園期間。 なんでもかんでもやりたい私には、とても楽しみな期間です。
何ができるかな
さて、当園のキリンとカバの冬のお話。 【カバ】 カバについて室内放飼場は温水のため変わらず放飼ができます。しいて言うなら、飼育員がボンベを背負って潜水掃除したあと外で凍えるくらいでしょうか。 外放飼に関しては、雪が全く積もらない程度には床暖が入っているので、部屋のお掃除をしている間は、出たければ短時間だけ放飼するということになります。 出るかどうかはカバに任せるので、冬本番は恐らく外ではほぼ見れないことと思います。
今日も元気な百吉
【キリン】 キリンに関しては、雪が積もり次第キリンが出たかろうと放飼するつもりはありません。 何度もブログで述べているとおり、ゲンキもあさひも今の足の状態では雪の上を歩かせることはできません。 かといって雪が積もる5ヵ月間、部屋に籠らせきりというのも、個人的にはやるせないので、せめて掃除中くらいは外の空気を感じながら、お日様に当たれる方法を試行錯誤している段階です。少なくとも全身が見れることはないはずなので、キリンを見たい方は閉園までに見に来ていただければと思います。
今日も元気なあさひ
【魚】 カバとの同居がうまくいっており、一度もエサを与えていないのですが、狙い通りカバの角質や糞を食べて生活しています。数が増えるにしたがって、行動も大胆になっているので、今後はカバのお尻に群がる画を目指していきたいですね。
のんびり過ごす魚
【ホロホロチョウ】 体はほぼ完成し、トサカもほんのり出てきました。毎日、耳が壊れるんじゃないかというほど、けたたましく鳴いています。 今は放飼した後もみなキチンと部屋に戻ってくるよう、トレーニング中です。
超元気なホロホロチョウ
これから冬になり決して彼ら本番の季節とはいきませんが、それぞれが限られた空間の中で少しでも冬なりに快適な生活ができるよう、やれることをやっていきます。
秋といえば何を思い浮かべますか?サンマ、栗、さつまいも...魅力的なものがたくさん有りますが、私はサケです。 当園には動物たちだけでなく、なんとサケもいます。このサケはシロザケで秋鮭、アキアジとも呼ばれます。現在ほっきょくぐま館で1、2、3年目のサケとあざらし館で2、3年目のサケを展示しております。
サケの一生を簡単にご説明します。サケは11月から12月頃に孵化し、4月から5月頃まで川で過ごします。その後海へ向かい、オホーツク海・北太平洋・ベーリング海・アラスカ湾を回遊して4年程かけて成熟します。そして9月から11月頃にかけて生まれた川に産卵しに帰ってくるのです。北海道の河川ではサケが遡上している姿を見ることができます。産卵を終えたサケは力尽きて死んでしまいます。死んだサケは「ホッチャレ」と呼ばれます。ホッチャレは水生昆虫などの川の虫や、クマ・キツネ・鳥など動物たちのエサになります。またクマやキツネが陸へ運んだり、その糞を通じて森の草木の栄養となっています。サケたちは海の栄養分を川や陸上に持ち上げる、重要な役割を果たしているのです。
ちなみにアイヌ民族は神(カムイ)が人間(アイヌ)のために神々の国から送ってくれた魚と考えて大切にし、「カムイチェㇷ゚」(神の魚)や「シペ」(本当の食べ物)と呼んでいたそうです。食料としてはもちろん、皮を靴や服などの生活用品に加工したり、交易品としても利用していました。必要なときに必要な分だけしか獲らないよう、自然のサイクルを守る暮らしをしていたそうです。
遡上中のサケたち
ホッチャレ
さて、今展示している個体は旭川から遠く離れた海を回遊している時期の姿ということになります。大海原に比べると水槽という限りある環境ですので、サイズは小ぶりかもしれません。ですがそのキラキラとした身体はとても美しいと日々感じております。 ほっきょくぐま館、あざらし館に来られた際には力強く生きるサケたちの姿を是非ご覧ください。
アザラシとサケ
ぺんぎん館担当:川勝優衣
昨年の4月から6月にかけて6頭のサルが生まれました。 旭山動物園では久々のニホンザルの誕生で、若いサルたち(自分より年下のサルを見たことがないサル)にとっては、初の弟・妹の誕生となりました。 一方でお母さんサルたちも久々や初の出産・子育てとなり、育児放棄しないかなど心配な部分がありました。 ニホンザルは群れの中で周りのサルが子育てを手伝います。 旭山動物園の群れも私の不安をよそにほかのサルたちが子育てをちゃんと手伝っていました。雪が解け春を迎えたころ、子ザルたちはお母さんから離れて遊ぶ姿が見られるようになりました。 そして1歳を迎えた今年、なんと新たに5頭の新しい命が誕生しました。 昨年同様、群れの中で協力して子育てが始まりました。 10月になり生後4か月になりましたが、今年の子ザルたちはなんともうお母さんから離れて遊ぶ時間が増えてきました。 今年出産したお母さんザルは昨年群れ全体で子育てをしてくれることを学習したようで、子ザルを安心して離す時間が増えたようです。 1歳・0歳の11頭の子ザルたちが遊んでいる姿をぜひ見に来てください。
昨年生まれたニホンザル
お腹にしがみつく、今年生まれたニホンザルの子ども
さる山・飼料担当:畠山淳
8月1日、まさかな…と思いつつ恐る恐る巣箱を覗いてみると、い、いたー!!! 驚きのあまり一度蓋を閉めてしまいましたが、もう一度開けて記録用に写真を撮りました。 何の写真かって?それはもちろんエゾモモンガの仔の写真です。3頭の出産を確認しました。 エゾモモンガ舎で飼育しているメスの「べに」が7月30日から巣箱にこもるようになりました。いつも外に出ているのにおかしいなと思い、思い切って巣箱を覗いてみたのが1日です。 なぜこんなに驚いているかというと、実は今年の繁殖は諦めていたからです。 5月7日「べに」とオスの「ウトナ」の交尾を確認しました。数回に渡ってしっかりと交尾していたので、これは着いただろう!と確信し準備を始めていました。どの動物も交尾を確認したら計算してだいたいの出産時期の目安を出しますが、調べてもエゾモモンガの正確な妊娠期間が分からなかったため、エゾリスの妊娠期間である40日を参考におおよそ1ヶ月半、遅くても6月末までには産まれるだろうと予想していました。 しかし6月を過ぎ、7月終盤になっても生まれる気配はなく... 繁殖期も終わるし、交尾はしていたけど今回は妊娠しなかったんだな~と思っていた矢先の出産でした。 恐らく5月以降に私の見てないタイミングで交尾していたのでしょう。 エゾモモンガは目、耳の穴は開かず、毛も生えておらず、さらには指もくっついている状態で生まれてきます。最初に見たときはあまりの未熟さに驚いてしまいました。 生まれたてはマウスの新生児と大差ないのですが、唯一違うのは目の大きさでしょうか。皮膚から薄く透けている眼球が明らかに大きいです。
生後約5日_指がくっついている
生後約2週間_指が離れ始める
生後約3週間_体毛が生えてくる
生後約35日_2頭目が開く
せっかくの機会なので、エゾモモンガ舎内で飼育している個体を紹介します。 まずは「べに」。今回出産をした母モモンガです。一般の方が保護したのちに、旭山にやってきて、今は4歳。 人工哺育のため人間を怖がらず、警戒心も薄いです。べには幼いときから人間に育てられたため、当初は育児放棄するのではと心配していましたが、心配ご無用でした。 一生懸命子育てしてくれていますが、私が子どもに近づいてもほとんど警戒せず観察させてくれてとっても有り難いです。
次にオスの「ウトナ」。保護個体で、人工哺育で育ち、今年で1歳です。若いので元気いっぱいで開園中も走り回っていることが多いです。
最後にメスの「おはぎ」。他園からやってきた個体で、約6歳の個体です。おばあちゃんですが食欲旺盛でたくさん食べます。なお、現在は治療中のため一時的に隔離しておりますが、治療が終わればこの中に戻します。
(左)ウトナ(中央)おはぎ(右)べに
エゾモモンガ舎内は巣箱を4つ設置しており、自分達の好きな場所で寝られるようにしているのですが、メスの2頭と子どもたちは、実は出産当初から1つの巣箱でみんなで寝ていました。 大体の動物は子育て中は気が立っていて、ほかの動物を警戒し寄せ付けない!というイメージがなんとなくあったのですが、べにがおはぎを追い出すこともなく、おはぎも気を遣って出て行くでもなく、毎日同じ巣箱に戻っていく2頭の様子を見ていると、この寛容さはさすがモモンガだな...と非常に感心させられます。 (私だったら自分の出産、子育て中にほかのメスが隣でぐーすか寝ていたら嫌ですけどね…) ちなみにオスは子育てに関与しないので、ウトナは窓側の巣箱で一頭で寝ているのですが、子育て中の巣箱の中に入ろうとしたらべにに怒られていました。 べになりのボーダーラインがあるのでしょうね。
【最後に】 4月から飼育員になった私の目標の1つが「エゾモモンガの繁殖」でした。 飼育の先輩方からは、旭山でエゾモモンガはいままで繁殖したことがないと聞かされていました(後日調べたところ19年前に一度産まれていましたが、短命だったようです)。 そんなこと言われたらやるっきゃない!!絶対に自分が担当のうちにエゾモモンガを繁殖させてやるぞ!!と根拠も無く意気込んでいたところ、思ったよりも早く目標を達成できましたが、正直なところペアの相性が良かっただけで、私が担当じゃなくても繁殖していただろうと思います。 なによりも嬉しいのはエゾモモンガ舎内で繁殖をしてくれたことです。令和2年に建設されたエゾモモンガ舎は夜行性のエゾモモンガの姿を日中にご覧いただけるよう、昼夜逆転施設になっています。 通常のエゾモモンガとは真逆の生活を送るモモンガたちがその中で繁殖をしてくれた、ということはストレスなく昼夜逆転できている、そしてここでの生活が自分達にとって安心できる環境だと感じてくれているのでは、と思います。 まだまだ小さい彼らですが、すごい速度で日々成長しています。最近は巣箱から出るようになり、おっかなびっくり周囲を探検しています。是非その姿を見に来てくださいね。
外の世界だー!(9/17)
【お願い】 モモンガ、リスたちにあげていたカボチャの種が底を尽きてしまいました。私一人で消費できるカボチャの量には限界がありまして…皆さんのご家庭ででたカボチャの種をご寄付頂けるととても助かります(非常にカビやすいので、洗ったのちにしっかりと乾燥させた状態だと嬉しいです)。櫻井からのお願いでした。
北海道は秋の虫たちが優しく奏で、朝晩はすーっと冷え込む季節になりました。皆様いかがお過ごしでしょうか? 7月からこども牧場でお仕事させていただいております、芦原絵莉子と申します。一度きりの人生!と京都からはるばる海を渡って参りました。これまでは幼稚園、保育園で勤務してきて、今回動物園。園とご縁の深い人生を歩んでおります。動物園にも子ども達が沢山遊びに来てくれます。子ども達や動物達と関わると何かしら面白いことが起こるのです。笑いあり癒しありの楽しい日々が過ごせること、とても嬉しく思っております。
私は僭越ながら、クジャクを担当しています。担当させていただいて間も無く、メスのクジャクが卵を温め始めました。着任早々なんとわくわくさせてくれることでしょう。お腹の下には卵が5個。何も知らなかった私は5羽の雛が生まれてくるのかも!?と、夢見心地がとまりませんでした。クジャクは28日間卵を温めます。
予定日は8/14。予定日当日はそわそわしながら朝早めに出勤しました。しかしその日は生まれず。そんなピッタリいかないのだろうと、それから毎日、今日こそはと見守りましたが、生まれず…。他の動物園の事案も調べてみると40日を越えて生まれた例を見つけたので、腰を据えて見守ることに。お母さんは変わらずしっかりと卵を抱いていますが、その後も一向に生まれる気配なし。生まれてほしい希望が強すぎて虫の声さえもヒナの囀りに聞こえてきたものです。(もちろん宙耳でした)
お母さん頑張ってます
実はそのお母さんが温め始めてから20日ほどして、別のお母さんクジャクも別の場所で卵を温め始めていました。そちらの予定日は9/3でしたが、先の例があるので、全く期待せず9/3を迎えました。また期待しすぎて気を揉むのはごめんです。ですがなんとこちらはピッタリ9/3に雛が1羽生まれたのです!!続いて9/4にも2羽。計3羽が誕生しました!!(拍手喝采)
うちの子、生まれたわ?
ヒナのかわいさといったらもうたまりません。小さくふわふわで、嘴はピンク色。頭のパヤパヤもまだありません。お母さんは子ども達のことを懸命に守ろうとして、飼育員や他のクジャクが近づくと怒ります。寝る時はお母さんの羽の中に子どもを隠して温めて眠るのです。
お母さん、飼育員を警戒中
4日ほど経った頃、1羽が少し遅れる姿が見られるようになってきました。他の2羽が越えられる段差を越えられなかったり、目を閉じてパタっと横たわる姿も。7日目の朝、はぐれて戻れなかったのか、お母さんに見放されてしまったのか、雨に打たれて弱り、亡くなってしまいました。命が誕生し、健康に大きく育つということは、当たり前ではないのです。今こうして私たちが生きて出逢って感動しているということもなんと尊いことなのか、教えてもらっている毎日です。
ところで、先に温めていたお母さんはどうなったかって?本当に不憫なことですが、9/4に卵を回収しまし た。48日間も頑張って温めたのに、生まれなかったお母さん。人間に卵を回収された翌日、なぜかぴよぴよヒナたちが。あれ?私の子、やっぱり生まれていたのね!と言わんばかりに、ヒナたちを羽の中に納めてしまう場面も。誘拐です(笑)。本物のお母さんは激怒。本当に本当に不憫でなりませんが、自然界とはそういうものなのです。
元気に育っているクジャクのヒナ
クジャクのオスが羽を広がる綺麗な姿は、今から来年の5月頃までは見ることができませんが(今年の恋の季節終了)、今はクジャクのかわいいヒナをご覧いただけます。ぜひ、クジャク舎へ見にいらしてくださいね。
こども牧場担当:芦原絵莉子
前回のブログから一日が経ちました。 どうしても近況報告を兼ねてのキリンばっかになりがちなので、カバのお話をば。
カバと言えば立派な歯。 百吉は犬歯(牙)が伸びすぎてきて、歯を削切しています。 野生下であれば、色々な物をかじって歯が削れていくのですが、動物園は何でもかじって壊されて良い物ばかりではありません。 もちろん、かじる用の丸太やガス管は用意していますが、たかがしれています。 本来この牙は、ケンカのときに使う物で、それこそ野生下であれば失うわけにはいきません。 しかし、歯が伸びすぎると、牙が皮膚を突き破って出てきたり、口が閉じなくなり細菌が繁殖したりするので、飼育下であれば必要なケアはしなければなりません。
人間では考えられませんが、歯を切るときは糸ノコでギコギコします。 ハンドサインで口を大きく開け、位置を調整してくれるので、後は口を開けっぱなしにしてもらうのですが、開けっぱなしというのが簡単で難しい。 口を開けっぱなしにしてもらうためにはどうしたらよいのか。その答えは口の中を触り続けるです。 「え?」と思う方がいるかもしれませんが、言葉の通りです。
ペタペタギコギコ
キチンと集中していないと腕を噛まれ引き込まれるので、この間は来園者に話しかけられても基本無視しています。すみません。 ただ、この方法は理にかなっていて、野生下のカバは口内の汚れを鳥につついて取ってもらうという光景が見られます。 その間は、口を開けたままジッと黙っているので、口の中をイジられるのは心地が良いようです。心地が良すぎてウトウトし出すこともしばしばです。
そして、切った牙や抜けた歯を利用して、新たな展示物を準備中です。
より立体のミュージアムを目指して(作:清水)
まだまだやりたいこと、作りたい物は溢れているので、楽しみにお待ちいただければと思います。
魚の同居は悪戦苦闘中!
きりん舎・かば館、両生類・は虫類舎担当:鈴木達也
前回のぶろぐから2ヵ月が経ちました。 レッサーパンダには、あっという間に他人扱いされていますが、マヌルネコは未だに「なぜお前がここに!?」みたいな顔をしてくれます。
さて、タイトルのとおり「ゲンキとあさひのお話」の続きです。 現在、キリンに関して12時~14時の間は展示をお休みしています。 ゲンキは継続的に薬やサプリを与えていますが、相変わらず肩の痛みをまだ引きずっているようで本調子ではありません。
問題はあさひの方で、いよいよ歩き方の違和感が大きくなってきました。 歩く際に左前肢が外側に開いてしまい、足先で踏ん張っている様子が見られます。
左前肢がグニャッてる
これが短期的なものなのか、体が耐えきれなくなってきているかは、現状定かではないですが、少なくとも足への負担はこの歩き方では大きいハズです。 そのため、負荷がかかる時間を減らすため、放飼時間を短くしています。
前回のぶろぐを見て、「砂の部屋は?」と思う方がいるかもしれませんが、結果的には砂を頑なに拒み使ってくれませんでした。 今はあさひの為に用意した砂部屋をゲンキが我がもの顔で満喫しています。
ご満悦
そのため、あさひの部屋をまたも改良し、全面乾草を引きクッション性を高める方向でケアをしています。 それに加え、先にも述べたとおり放飼時間も短くし、少しでもキリンらしく生活ができる時間が長くなるよう、出来ることをこなしていきます。
ゲンキに構われたいあさひ
旭山動物園ではやっと厳しい夏の暑さが緩み過ごしやすい季節がやって来ました。
夏は飼育事務所の冷凍庫に首につける冷え冷えリングがぎゅうぎゅうに入っていましたが、これを付けて外に出ても15分くらいでただのリングになってしまっていました。
さて、今年のととりの村についてお話したいと思います。 まずは4年前にカルガモの巣で孵ったキンクロハジロについてです。 4年前、池で泳いでいるカルガモ親子をよく見たら一羽だけなんだか黒いヒナがいる。。。 カルガモのヒナにつつかれても潜ってかわし、毎日一生懸命カルガモのお母さんについて泳いでいたキンクロハジロが、今年卵を産みました。 何の目印もない草むらで巣を作っていたので、間違えて踏んでしまわないように注意深く見守っていました。孵ったヒナは5羽で、危険回避のために鳴き声をあげたり、他のカモが近づいてきたら追い払ったり、しっかりとヒナたちのお世話をしていました。 カルガモの群れの中で育ったたくましいお母さん。ちゃんとキンクロハジロとして生きていけるのかなと心配をしていましたが、立派な母鳥になりました。 太くて黄色い足環を付けているので探してみてくださいね。
カルガモについていくキンクロハジロのヒナ(4年前)
巣を作っていた場所
立派な巣ができていました
母鳥になってヒナをお世話している様子
そして2つ目はカラスの侵入です。3年前にもカラスが入ったことがあり大変な目にあっていたので何とかヒナたちを守らなければと戦々恐々としていたのですが、今年入ったカラスはどうやら幼鳥でカラス自身も何が起こったのかわかっていない状況でした。 ととりの村の裏の木では毎年カラスが繁殖をしているのですが、この幼鳥はどこからか誤って入ってしまったようです。 網の外では親たちが大騒ぎしてカラスの子どもの様子を見にきたり餌を運んだりしていたのですが上手に受け取ることができずカモたちの餌を食べていました。 しかしカラスの子どもが餌の近くに行くと、カモたちが一斉に近づいて来て追い払われていました。 そんなある日、そのカラスが池の中の何かを取ろうとしたのか、池の中に落ちたらしく池の脇にあるオーバーフローのところにしがみついていました。 網を使ってそっと捕まえたところ、怒って作業着についていた紐を引っ張っていました。口の中は鮮やかなピンク色をしており、やはり幼鳥であることが確認できました。 その後ととりの村の裏のカラスの巣があった場所につれて行き、カラスたちの目の前で離しました。もしかしたらその後カラスから攻撃をされるかなと心配をしていましたが、それ以来カラスが一羽もととりの村の近くに来なくなりました。
ととりの村に入ったカラスの幼鳥
他にも今年はミンクの侵入事件、カメの甲羅干し、エゾリスの訪問など色々なことがあったのですが、長くなりすぎてしまいましたので他の機会にお話しできればと思います。
最後にシンリンオオカミについてですが、先日レラが死亡しましたがワッカとノチウは元気です。 数ヶ月前からレラの体調に気づき、近くにいて気にしてきたであろう2頭は私たちよりも状況をよくわかっていたのかもしれないですね。3頭から2頭になってからの関係性や変化についても今後お伝えしていこうと思います。
日陰で涼むワッカとノチウ ととりの村・シンリンオオカミ担当 原田 佳
12月から4月の半ばまで、こども牧場での勤務でしたが今年度から『きりん舎かば館』に勤務場所が変わり、1日の流れもガラッと変わりました!2月にぶろぐを書かせていただいた時は「牧場前で雪像を製作しています」という内容でしたが、製作物でいえば場所が変わってきりん舎かば館でも現在進行系で取り組んでいます! (夏期開園に合わせて展示されているものも既にあります) 旭山動物園では行動展示やもぐもぐタイム、なるほどガイドなどその動物を魅せる様々な工夫が各所にありますが、「手書き看板」もそのひとつです。 ここかば館では、カバはもちろん1階テラス前にキリンについての看板もあります。 図鑑やテレビなどで当たり前のように存在を知っているキリンとカバ。網目模様で首が長い動物。身体も口もデカい動物。表面的なことは分かっていても、普段はどんなものをどうやって食べて、どんな暮らしをしているのか。その生態は意外と知らないことばかり...。 「カバが汗のようにかいてる赤いのは何?」「うんちを飛ばすのはなんで?」「キリンはどうやって身を守るの?」「角のゴツゴツは何のためにあるの?」などなど! その動物についてふと疑問に思ったことの説明が手書き看板に載っているかもしれません!なので是非足を運んでいただいた際には、きりん舎かば館に限らず色々な看板にも注目して見ていただきたいと思っています!
看板に付いた撒き糞の跡(ここまで飛びます、探してみてね)
これからも「これを分かりやすく伝えたい!」と思ったものは、スペースの限り増やしたいと思っていますので、よろしくお願いします! 最後に少しながらカバやキリンについての「あれやこれや」を描いてみたのでそちらも載せます。ありがとうございました!
カバの!あれやこれや
キリンの!あれやこれや
今年の夏期開園より、シマフクロウ保全のための普及啓発として域内保全関係者と動物園が連携してパネルを制作しています。 春からはシマフクロウがどんな鳥なのか?保護増殖事業って何?なぜ動物園で飼育するのか?といった内容の3部作のパネルが展示されています。その後もさらに、人工巣箱についてやフクロウの気持ちの読み取り方などのわかりやすいパネルや、野外のヒナの成長と飼育下のヒナの成長を比較できる展示など次々増えていきました。 そしてつい先日、最新作の夏休み子ども向けクイズパネルを設置しました。クイズを解きながらシマフクロウについて楽しく学べるようになっていますので、是非来園した際はこれらのパネル、展示をじっくりと見ていただきたいと思います。 これであなたもシマフクロウ博士だ!
最新作のシマフクロウクイズ!シマフクロウ舎の展示エリアにあるよ!
シマフクロウ舎・えぞひぐま館担当:大内章広
シンリンオオカミのレラ
シンリンオオカミのレラは7月27日に放飼場で自力で立てなくなり、その後獣舎で看護を続けていましたが、8月3日の朝に死亡しているのを確認しました。 オオカミの森では長女のレラ(13歳)、次女のワッカ(10歳)、末っ子でオスのリーダー・ノチウ(9歳)の3頭で飼育していました。 レラが自力で立てなくなってからは、獣舎で皮下補液や投薬等の治療を行い、飼育員が危険のないように細心の注意を払いながら餌や水を与え、馬肉をよく食べ水も飲んでいました。 また褥瘡(床ずれ)ができないように複数の飼育員で1日3回の体位変換とハエ対策のために体を拭くなどし、涼しい室内でこまめな給水を行なっていましたが、8月1日頃から食欲が減りました。最後までレラが穏やかに過ごし、少しでも快方に向かえるようにという思いで看護を行なっていました。 リーダーで父親のケンと母親のマースが死亡してから、レラと妹のワッカが激しいケンカをしてノチウが仲裁に入るということが頻繁にあり、レラが2頭の妹弟と距離をとって過ごすことも多かったですが、近年は関係性が変化し年を重ねるごとに3頭の距離が近くなっていったように思います。 レラは下位のオオカミではありましたが、給餌の際には落ち着いて待っていることができず、上位のノチウとワッカの順番の時にも割って入り食べようとするところがありました。またガイドの最後におやつをあげる時にも他の2頭にひるむことなくおやつを食べに来る様子が見られました。 昨年の秋にはレラが遠吠えに参加することが多く、ノチウがレラに強くあたる時にはワッカが仲裁に入ることもありました。遠吠えの後やガイドの始まりにノチウとワッカがレラを挟んで顔をすり寄せお互いに顔を舐めるような場面も多くありました。また、獣舎でレラに検査を行なっている時には、ノチウが獣舎の近くを何度も確認しに来る様子が見られました。
2023年秋
2024年春
最後まで群れの中でということは叶いませんでしたが、強く当たられる経験を何度しても前に出てきて餌を食べ、堂々と丘の上に座り、次第に群れの中で認められていったレラは他の妹弟に劣ることなく強いオオカミであったと思います。
オオカミの群れ社会は群れによっても属する個体の個性によっても異なりますが、これからもオオカミたちの生き様を見ていただけると幸いです。
オオカミの森・ととりの村担当 原田 佳
暑い日が増えてきたなと思っていたら、あっという間に8月突入。北海道ではあと半月もすればスタッドレスタイヤやストーブのCMが流れる頃ですね。 さて、最近のもうじゅう館で変わったことというと、4月からのアムールヒョウのデンと未来の同居とアムールトラのザリアのプチ引っ越しでしょうか。 アムールヒョウのデンと未来は繁殖を目指して同居中です。同居は至って順調で、メスの未来の発情、そして交尾も確認できています。ただお互いに繁殖経験がなく、交尾も慣れていないようで、交尾が成立しているか?という場面が多いですが、あとは成功を祈りながら見守るのみです。
アムールトラのザリアですが6月末にもうじゅう館の旧ヒグマ舎に引っ越しをしました。寝室の環境には徐々に慣れつつありますが、外へ出るのはもう少し時間がかかりそうです。(ザリアはアメリカから旭山に来た時も外へ出るのに数ヶ月かかったらしいです。) 急いでもしょうがないのですが、担当者としては室内にいるより外に出て太陽を浴びて、プールに入ってのびのびしてほしいという気持ちもあります。。。 どこかのタイミングでは外に出ると思います。それまでもうしばらくお待ちいただければと思います。
もうじゅう館・フラミンゴ舎担当:若山晃暉
7月27日の午前にシンリンオオカミのレラが外の放飼場で横たわっているのが発見され、収容し治療および検査を行いました。 放飼場でノチウとワッカがレラの首元やお尻を噛んでいたこともあり、現場を見た方は攻撃されていると思われたかもしれませんが、レラに外傷はなく、おそらく他の2頭が弱っているレラを気にかけ優しく噛んで確認をしていたのだと思います。 レラは13歳と高齢で、一般的な体力も衰えてきていますが、妹弟のワッカ・ノチウとともに生活をしていました。
これまでの経過ですが、レラは3月頃から体調を崩すことが多くなりました。 日中寝ている時間も多くなってきたため検査をしたところ心臓に原因があることが分かりました。心臓の動きを良くするお薬を与えたところ回復が見られたため投薬を続けていましたが、日によって体調の悪い日と良い日がありました。それでもガイドの最後には歩いてきて、他の2頭と同じくらいの勢いでおやつを食べていました。
現在は寝室で点滴をし安静に過ごしていますが、ノチウとワッカが網越しにレラの姿を確認できるようにしてあります。 今日はヒナ肉も食べ、自分で体の状態を右下にしたり左下にすることができています。 今後も獣医と相談しながら、少しでもレラが快方に向かうように努力していきたいと思います。
シンリンオオカミ・ととりの村担当 原田 佳
30度を越える真夏日が続き強い日差しに肌がこんがりと焼けるような気がする、と思いきや今これを書いている外では落雷と共に雨が窓を強く叩く音が響いており何とも夏の不安定な気候に驚かされておりますが皆様いかがお過ごしでしょうか? 初めまして。
4月から旭山動物園で勤務しております、長屋と申します。 以前までは動物とはあまり関係の無い仕事をしていたので動物を飼育する、観察する日々が新鮮かつ楽しい反面、体力勝負!な仕事内容に己の体の悲鳴を聞きながら毎日全力で業務に励んでおります。 私はカバ、キリンを担当させて頂いておりますが、今回はカバでもキリンでもなく新たなメンバーについてお話させていただければと思います。 現在きりん舎のバックヤードでは、キリンとの共生飼育を目指してホロホロチョウを飼育しております。6月半ばに生まれたばかりの雛がやって来て1か月ほど経ちましたが、手のひらサイズだったひよこたちは今では両手でわしづかめるようなサイズにまで成長しました。
片手に収まってしまう程の小ささ
逃げ足が速く、かつ高く飛び上がることのできる強靱な脚力を持っているため、収容しているケージを軽々と飛び越え脱走し、部屋中を猛スピードで駆け回る姿を見てなんと肝の冷えたことか!まだ小さいから大丈夫だろうなどと思っておりましたが、想像していたよりもずっと成長が早くもうこんな事までできるのか!という驚きが日々絶えません。もちろん脱走防止のためケージには蓋を取り付けました。ひとまずはこれで安心です。
やって来たばかりのホロホロチョウ
現在のホロホロチョウ 画角に収まらないほど素早く、かつ高く飛びます
まだまだ羽が成鳥のものとは異なり茶色くふわふわとしたもので子供っぽさを感じますが、くちばしの先が色づいてきたり鳴き声がぴよぴよといった可愛らしいものからホイッスルを鳴らしたときのような鋭い声に変わってきておりからだの大きさ以外にも様々なところで成長を感じております。もう少ししたら切羽(風切り羽を切り、飛んで逃げるのを防ぐ処置)を行ってお外デビューもさせようかと考えております。 キリンと一緒に放飼して皆様にお見せできるのはまだもう少し先になってしまうとは思いますが、楽しみに待っていただければと思います。
きりん舎・かば館担当:長屋咲子
夏の日盛りに木陰の恋しい季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。 昨年11月にこども牧場からの異動で、あざらし館の担当となりました、志子田と申します。 今回は、ゴマフアザラシにとっての一大イベント、繁殖期についてお話をしようと思います。 旭山動物園では、5頭のゴマフアザラシを飼育しています。その内、ぽちゃ丸、ましろ、麦が旭山生まれで、麦はぽちゃ丸の娘、ましろは麦の異母姉妹など、血の繋がりがあります。一方で、限られた場所での飼育となると、どうしても避けられない問題があります。同じペア同士が繁殖をし続けると、血が濃くなってしまい、近親交配の危険性も出てきてしまいます。そのため、2022年12月に、オスのマンタローと稚内市立ノシャップ寒流水族館生まれのオスのラッキーとの個体の交換がありました。 ゴマフアザラシは3?4月頃に繁殖期を迎えます。ラッキーが来てから初めての繁殖期を迎えた2023年は、メスと闘争があったり、オスとしてまだまだ受け入れられていないのか、求愛行動は見られませんでした。 しかし、2024年のラッキーは今までとは違いました!胸の辺りを震わせて水中でコンコンコンと音を出したり、大きな声で鳴いたり、メスが困ってしまうくらいずーっと傍に居るなどの求愛行動が確認できました。 そして、気になる恋の結果はというと…? ぽちゃ丸とましろのメス2頭との交尾が確認できました!はれてオスの役目を果たせたラッキー!よくやった!
交尾は水中で行います
ぽちゃ丸は何度も出産経験のあるベテランママですが、ましろは今までオスに相手にされたことがなく、もし出産となると初産となります。また、2021年の出産を最後に旭山動物園ではゴマフアザラシの仔は生まれていません。 出産シーズンは翌年3~4月なので、約4年振りの出産になるかもしれませんし、もしかしたら2頭同時に生まれる可能性もあります。しかし、まだまだ先のお話にはなりますので、まずは妊娠しているかどうか、ただただ祈るばかりです。 妊娠していた場合には、その後の経過についても皆様へお伝え出来ればと思います。それでは、お楽しみに!
何故かましろもくっついてきてゴマ団子に
あざらし館担当:志子田紗希
4月から新たにレッサーパンダ舎・マヌルネコ舎の担当になり、3ヶ月がたちました。 最初は同じに見えていたレッサーパンダたちの顔も毎日見ているとだんだんと見分けがつくようになりました。性格や行動パターンもそれぞれの個体ごとに違っていて、日々観察していると面白い発見がたくさんあり新鮮です。 さて、5月下旬にレッサーパンダ舎(アクリル側)に新遊具が完成しました。 予告などはしていませんでしたので、来園された方の中にはびっくりしたかたもいるかもしれません。
新遊具
きりん舎で以前使用していたものを再利用し、レッサーパンダたちが快適に過ごせるようにということで設置しました。簡易的な日陰としての役割もあります。 現在では、すっかりレッサーパンダたちのくつろぎスポットになっていますが、設置した当初は突如現れた新遊具に驚き一旦戻ってくる個体や、しっかりと確認した後におそるおそる登ってみる個体がいたりとそれぞれ新鮮な反応を見せていました。 野生では木の上で暮らす動物なので、高いところが落ち着くのか外に出ているほとんどの時間を新遊具で過ごしています。 来園された際はぜひ新遊具でくつろぐレッサーパンダたちを見ていただければと思います。
くつろぐ菫菫(ジンジン)
降りる菫菫(ジンジン)
くつろぐ蓮蓮(レンレン)
レッサーパンダ舎・マヌルネコ舎、タンチョウ舎担当 土井 尚哉
繁殖のためにバックヤードで飼育していたオシドリの卵が孵化し、3羽のヒナが産まれました。 初日はお隣のキンクロハジロの部屋に迷い込むというハプニングもありましたが、順調に生育し大きくなっています。
オシドリのヒナ
オシドリオス(エクリプス)とヒナ
オシドリのヒナはマガモ・カルガモのヒナと見た目がそっくりですが、頭の形が少し違うように思います。 今後来園者の方にも観察してもらえるように展示場の環境作りを頑張りたいと思います。
ととりの村・オオカミの森担当:原田 佳
旭山動物園では、4月にシマフクロウが誕生し、ととりの村では、現在カモのヒナたちがすくすくと成長していて、にぎやかな時期になりました。これらの動物に加え、こども牧場でもニワトリとアヒルのヒナが元気に成長しています。 まず、ニワトリは5月にふ化し、こども牧場のスタッフルームで羽が生え揃うまで飼育し、6月頃からニワトリ舎に引っ越しをし展示を開始しました。一方、アヒルのヒナは、6月に旭山動物園に来園したばかりで、ニワトリ同様に、今はこども牧場のスタッフルームで飼育をしています。まだ、公開はしていませんが、もう少し成長するとアヒル舎に引っ越しをする予定です。 ヒナたちでにぎやかになったニワトリ・アヒル舎をご覧いただければと思います。そして、ヒナたちの成長にもぜひご注目を!
日向ぼっこするニワトリのヒナたち
6月に来園したアヒルのヒナたち
こども牧場・教育担当:佐賀真一
今年の4月9日にシマフクロウのヒナが生まれ、旭山動物園でのシマフクロウの繁殖は3度目となりました。過去いずれも♂ロロ×♀モコのペアでの繁殖です。 同じペアからの繁殖が多くなると、国内の飼育下シマフクロウ個体群のなかで血統の偏りが生じてしまうため、今回の繁殖がこのペアでの最後になるかもしれないと思っていました。実績十分のこのペアに任せておけばヒナが生まれるのは確実なのかもしれませんが、野生下のシマフクロウの現状を考えた時に、ただ飼育下でヒナが生まれ個体が増えるだけよりも、将来的にシマフクロウの保全に繋がるような取り組みにしたいと思い、人工孵化を実施しその生まれたヒナを巣に戻すことを行いました。 これは例えば何らかの原因によって巣が放棄され、卵の状態やヒナの状態で保護される、野外で絶滅しそうな時に飼育下の卵やヒナを野生の巣に戻す取り組みに繋がる可能性があります。そのような状態にならない方が良いにこしたことはないですが、将来的にライチョウやツシマヤマネコのように野生下と飼育下、域内と域外が連携した野生動物の保全の取り組みを目指したものです。 実際に生体や卵を移動させたりといった具体的な取り組みはまだありませんが、普及啓発の面では域内と域外の連携はすでに動き出しています。今年の春から環境省主導のもと普及啓発連携チームが制作したパネルが旭山動物園のシマフクロウ舎に展示されています。とても充実した内容でわかりやすくまとまったパネルに仕上がっていますので是非来園された際にはじっくりと目を通していただき、シマフクロウを取り巻く環境や自然のことについて興味を持っていただければと思っています。このパネルの展示に関しては、さらに設置箇所や内容も増えていく予定になっています。 今後のシマフクロウの保全に向けた域内域外、官民一丸となった動きに期待が高まります!
最近のヒナの様子。親は心配そうにしていますが、高いところにも移動するようになりました
域内域外連携チーム作成のシマフクロウに関するパネル。 野外でのシマフクロウの状況や保全活動についてなど読み応えありの力作!
フクロウ・えぞひぐま館担当:大内章広
4月から動物園で働いている小西と申します。 こども牧場でヒツジを担当させていただいていますが、ヒツジとはどんな動物なのか?と調べることから始め、今ではすっかりヒツジの虜になっています。 ヒツジと聞けば、モコモコの暖かそうな羊毛に包まれている姿を想像すると思います。 こども牧場のヒツジたちもモコモコの羊毛をまとっており、触るととっても柔らかく、まるで布団のような心地よさを感じることができます。 しかし来る夏の暑さに備え、5月末に"毛刈り"を行いました。 毛刈り前は毛が多くて痒いのか、自分で柵に体を擦り付けて上手に体をかく姿を目にしましたが、毛刈り後はサッパリ・スッキリし、足取りも軽やかになったように見えます。
毛刈り前でモコモコのユノ
毛刈り後のスッキリしたユノ
しばらくはモコモコの羊毛が見られず、少し寂しい気がしますが、毛のないヒツジは今の時期しか見ることができませんので、どんな体をしているのか、じっくり観察してみてください! そして、こども牧場には今年の2月に生まれた仔ヒツジの「ナツメ」がいます。私がヒツジの担当に就いた頃のナツメは、まだ哺乳瓶でミルクを飲んでいる赤ちゃんでした。 仔ヒツジの成長と共にお母さんヒツジの母乳は少しずつ出る量が減っていき、やがて出なくなって離乳となります。同じようにナツメの成長にあわせ、ミルクの量を減らし離乳しましたが、授乳の時間になるとミルクを欲しがり鳴くので、私も飲ませてやりたい気持ちをぐっと堪えて、無事に卒乳できました。 それからのナツメは青草のおいしさを知ったのか、放飼場内に生えている雑草を食べ歩き、 時には柵の間から顔を出し、場外の草をつまみ食いするほどに…。 6月から、餌として青草を与えはじめましたが、大人のヒツジやヤギに負けず劣らず、モリモリ食べている姿は、もう赤ちゃんではなく立派なこどものヒツジです。 だんだんと体も大きくなってきて、ほんの少しだけ貫禄を感じるナツメの成長を皆さんにも見守っていただけると嬉しいです!
嬉しそうに尻尾を振りながらミルクを飲むナツメ(4月頃)
たくさん草を食べて成長中のナツメ
こども牧場担当:小西彩夏
5月11日にエゾタヌキの「うみ」が出産し、約1か月がたちました。8頭のこどもたちは順調に育っており、数日前からは親について巣箱の外へ出てくるようになりました。 今回はカメラを設置した巣箱で出産してくれたので、出産当日の様子から録画することができています。5月25日に別の巣箱へ引越しをして鳴き声だけの生存確認になり少し心配していましたが、6月1日に元の巣箱に戻ってきたので、録画による確認がまたできるようになりました。 録画を見ていると、父親の「こたろう」とこどもたちだけで過ごす時間がけっこうあることがわかりました。また、私が巣箱に近づくと警戒して怒るのはこたろうです。(うみもまったく警戒しないわけではありませんが) 夫婦で子育てをすることは知ってはいましたが、こんなにも父親が関わる姿に驚いています。
子を抱いて眠るこたろう
6月8日撮影
今後はこどもたちが外で過ごす時間が増えてくると思うので、たくさんの方にエゾタヌキの家族の様子を観察していただけると嬉しいです。
それともうひとつ、今年3月にアライグマの「もり」亡くなり、4月からは新入りの「しんしん」(オス)を飼育展示しています。今年3月に旭川市内で捕獲された個体で、年齢は不明ですが若そうな印象です。まずは環境に慣れてもらうことを優先しているので、放飼場には隠れられる場所を作っているため、姿が見えない時間もありますがご了承ください。といっても、最近はモート(脱走防止の堀)にいることが多く、姿は見やすくなっています。何度も下りるので、現在はハシゴを常設していつでも上り下りできるようにしています。
しんしんを通して、旭川でのアライグマ問題にも関心を持っていただけると嬉しいです。
モートにいるしんしん
北海道産動物舎、サル舎担当:佐藤和加子
ととりの村では、「赤ちゃんがいる!」「かわいい!」と言う声が聞こえる季節がやってきました。 最初にカルガモのヒナが孵化し、母鳥の後ろをついて泳ぐ4羽のヒナが見られました。 母鳥がしっかり面倒を見て順調に育っているようです。 一方その3日後くらいに孵化したマガモのヒナは、母鳥の後をついていかないヒナが1羽いて、人が歩く道の方へ走っていくヒナを母鳥が追いかけていく様子が見られ世話に苦労しているようでした。 カモのヒナたちは孵化するとすぐに泳いだり自力で食べ物を食べることができますが、採食場所までの誘導、危険から逃れるための警戒、雨の日や寒い日に自力で保温することができないため母鳥のお腹や羽の下に入って温まるなど、しばらくは母鳥の世話になります。 そんな親子の様子を観察したり、マガモとカルガモのヒナの違いを見つけたり、今年はモニターで巣箱の中の様子も見ることができますので、ぜひ観察してみてください。
カルガモのヒナ(左)とマガモのヒナ(右)
カルガモの親子
ととりの村・オオカミの森担当:原田佳
6年やっていた小獣舎(レッサーパンダ・マヌルネコ・ホッキョクギツネ)の担当も変わり早1カ月。 現在はカバとキリン、引き続きの両生類は虫類舎を担当しています。未だに、ふとした時に自然と小獣舎の作業をやるために体が動いており、そのたびに「あぁ、もう担当じゃないんだった」と我に返り、6年のルーティーンというのは恐ろしいものです。 担当が変わり初めて尽くし、、、と言いたいところですが、キリンもカバも代番(担当者が休みの時の担当)として通年やっていたことがあるので、基本的な作業自体は履修済ということになります。その分、自分が担当になった時はこうしたいというのをようやく出来る機会が来ました。 やりたいことを語っていく前に、まずはゲンキとあさひのお話を。昨年までゲンキとあさひは放飼場で同居していました。今期からは別々で展示をしています。 ゲンキに関しては、過去にメスの陰部が気になりすぎて、首を下げ前傾姿勢のまま活動していたことにより肩を痛めて以来、定期的にぶり返し、そのたびにケアを行っています。また、協力的なこともあり削蹄も行えています。
あさひに関してですが、先天的な骨格の変形によって、股関節が外側に開き、蹄の付け根などの関節の腫れがみられ、全体的に体重も後ろにかかっています。これは完治するものでもなく、手術云々以前にキリンの場合は麻酔を打つこと自体が、死に直結する可能性が段違いです。ゲンキはまったく悪気があるわけではなく、むしろあさひのことが大好きなので首をスリスリしに行くのですが、それが万全ではないあさひにとっては負担になるため別居をしています。もちろん、完治するものではないから放置というわけではなく、投薬や寝室の床材を砂と乾草に替え脚への負担を軽減するとともに、足元の湿度を上げ蹄が自然と削れるようにしています。また、それでもある程度の蹄のケアは必要になるので、そこに行き着くまでのトレーニングも継続して行っています。 繰り返しになりますが、これは完治するものではありません。これから体が成長するにしたがって、脚への負担も増えていくので、できるケアは積極的に行いあさひが少しでも快適に生活できる時間を長くしていきたいです。
あさひ初めての新寝室
さて、ここからは担当としてやりたいことですが、まずは共生展示。きりん舎かば館は「大きな生物の足元には小さな生き物がいて、初めて生態系が成り立つ」というコンセプトがあります。そのため、キリンとカバの足元が見れる下階にアフリカの昆虫や両生類などが展示されています。前まではキリンはホロホロチョウとモモイロペリカンも一緒に放飼していました。先にも述べたように、ゲンキとあさひは単独での展示になりますが、本来の野生下では色々な刺激を受けながら生活しています。小さな生き物で直接干渉せずとも、同じ空間に他の生き物がいるだけで精神的にも得られるものがあると考えています。 カバでもアフリカに生息している魚を入れれるよう調整中です。カバの糞がエサになったり、カバの皮膚をつついたり、本来の生き物間の作用を期待しています。 また、展示物に関しても文字だけでなく、より五感に訴えるような半体験型の展示物を随時作成しています。ただ文字を追うだけでなく見て触れて子どもも興味を持つような展示物が必要だと感じています。パネルに関しては、まずはパッと見て目につくような絵本味のある素晴らしい物をキリンカバの他の職員達が作ってくれました。
コンセプトアート
他にもシンプルに自分が驚いた物として、マイナーな需要ですが濡れたキリンの蹄の展示を行いたいです。濡れると手で曲げられるほど蹄が柔らかくなり、湿った放飼場を歩くことで立体的に蹄が削れると同時に、関節が前後左右に柔軟に使われることで硬い場所だけ歩いているよりもよっぽど脚の健康につながります。幸いぬかるむような床ではないですし、放飼場に水たまりができ歩くコースが変わるのも担当的にはありがたいことです。どうしても雨の日の動物を見ると可哀想という声が聞こえてきますが、雨の日には雨の日なりに色々なポジティブな効果があります。そういったこと含め濡れた蹄と普段の蹄を展示したいと思っています。あと、めっちゃ臭いのも感じていただければと思います。 そして、一番必要だと思っているのが屋根です。一度ゲンキが首を挟めた関係で、放飼場の雨よけを撤去しているため、雨が降ると小さなくぼみに収まらない体を詰めているのを見て、なんだかなぁと思っていました。屋根を付ける位置はもちろんのこと、キリンに破壊されない耐久性、絶対に首が挟まらないような構造、旭川の積雪量を考慮した形状など様々な要因が絡んでくるため、色々と調整を行っているところです。
文字ばっかは良くない旨を語りつつ文字量多い文章を今書いていますね。 ありがたいことに多くのマヌラー(マヌルネコファン)とレサラー(レッサーパンダファン)の方から「担当変わっちゃったんですね」とのお声をいただきます。これからもジララーとヒポラーから同じ言葉をかけられるよう、誰よりも楽しみながら動物と向き合っていきたいですね。
ふと気づくともう6月になっており、もう1年の半分が終わろうとしていることに驚いています。
4月からオランウータンの担当になり、モリトとモカとの日常も少し馴れてきた様に感じます。モリトは16歳になり、大人のオスの特徴である「フランジ」と「のど袋」が大きくなってきています。モカは8歳になり、顔はまだあどけないのですが、体はぐんぐんと大きくなってきています。
4月の閉園期間中はオランウータン館のレイアウト変更を行っていました。消防ホースを張り巡らせたり、ハンモックを作ったり、丸太を立てて穴を開けて中にエサを隠せる様にしたり、、、。オランウータンならどんな風に使うのかな?と想像しながら工夫をしたのですが、実際に使っているところを見るとうれしくなります。
今後も色々とオランウータンたちがびっくりするけれど楽しめるような展示ができるように工夫していきたいと思います。
大人っぽくなってきたモリト
何にでも興味津々なモカ
おらんうーたん館担当・獣医師:佐藤伸高
満開だった桜も散り、初夏を迎え新緑が増えて北海道にも短い夏がやってきます。先日、旭山に近い桜岡の田んぼにつがいのタンチョウがエサをついばんでいる姿を通勤途中に見られました。旭川で私も初めて見ることが出来、タンチョウを担当していたこともありうれしくおもいます。 チンパンジーたちも天気の良い日は屋外で日光浴ができ気持ちよさそうです。 室内外や寝室に消防ホースを利用したハンモックを設置しました。ハンモックを利用してくつろいでいる姿が見られればと思っています。また屋外にはエサを取る様子が見られる場所が何カ所かありますが、室内にもそのような場所ということで丸太や消防ホースを取り付けました。丸太には穴を開けエサをいれたり消防ホースにエサを隠したりしてチンパンジーが道具を活用する様子も観察できればと思います。
(消防ホースを利用したハンモック)
(丸太や消防ホースでエサを採るようすが見られるかも)
(ちんぱんじー館担当 髙井正彦)
GWが終わり、桜も散り始めていますが、これを書いている日はなんと市内で雪が降りました。さすが北海道です。 はじめまして。今年の4月から飼育担当となった櫻井と申します。 いままでデスクワークをしてきた体にムチを打ち、ヘロヘロになりつつなんとか4月を乗り越えました(旭山動物園は4月が超ハードなのです)。
私はエゾモモンガ、エゾリス、野鳥、カラス、エゾユキウサギなど、北海道に生息する動物たちを担当しています。
北海道産動物舎の中にある北海道の野鳥は、展示のレイアウトを一新しました。 獣舎の中には大きな丸太が5本立っていたのですが、アカゲラ達がたくさん開けた穴がぽっかりと空いており、これ以上突っつくところがなさそうだったので、飼育員同士で協力し合って運びだし、新たに丸太を入れました。 先輩職員に教えてもらいながら中央にはせせらぎを設置し、池もできました。やっぱり水の流れがあると雰囲気が出て「良い感じ」になったのでは!?と思います。
新たに追加したせせらぎと池。鳥が水浴びをします。
池ができたのでオシドリのペアも仲間入り。 オスの飾り羽が非常に綺麗ですが、この羽も夏には抜け落ち、雌と同じような色合いになります。
手前が雌、奥のカラフルなのが雄 この鳥、なんか見たことあるけど名前は知らないなーってことありませんか?私も足が細くてちょこまか歩く白黒の鳥が「ハクセキレイ」という名前だと、飼育担当になるまで知りませんでした。 ここにいる鳥たちは北海道の身近な鳥です。野生でも見ることはできますが、改めて観察するとみんな個性が豊かで、ここでぼーっと鳥たちを眺める時間が好きです。
こちらがハクセキレイ
憧れの飼育員になって約1ヶ月、覚えることもたくさんありますが、動物が近くにいる環境で働けることに喜びを感じます。 来園された方に北海道の動物の素晴らしさを伝えていけるよう、日々邁進していきます!
作業中、頭上にいてびっくり 北海道産動物舎、モモンガ舎ほか担当:櫻井 結夢
最近のオオカミの森では春の日差しが気持ちいいのか、レラ・ワッカ・ノチウの3姉弟が雪が溶けて出てきた土の上でよく寝ています。オオカミたちが暮らす放飼場を掃除しながら歩くと、緑の芽が生えてきているところもありやっと冬が終わったなと感じます。 今年は長女のレラが13歳、次女のワッカが10歳、末っ子のノチウ(オス)が9歳になります。3頭は4年前に父親のケンが死亡してから少しずつ関係性を築いてきました。 ケンがいなくなってから、リーダーとして他の2頭を気にかけてきたノチウ。 1年ほど前にレラとワッカに麻酔をかけて検査をしたことがありました。検査が終わり、レラとワッカがいる寝室の隣にある通路をのぞくと、寝室と通路の間にある仕切りにぴったりくっついて丸くなっているノチウの姿がありました。通路には外の放飼場へ行くことができるシュートがあるのですが、検査中は開いていたため1頭で出て行くこともできたのに、ノチウはずっとそばでじっとしていました。 今読んでいる本に、あるシンリンオオカミの群れのお話がありました。 オオカミが絶滅した地域にオオカミを再導入した際、2頭のペアとその子どもたちからなるパックを、まず囲い地に住まわせ、一定の期間が過ぎて慣れてきた頃に囲い地の一部を解放したところ、まず父親が外に出て行ったそうです。しかし母親と子どもたちは、外を警戒して出て行くことができません。 その後何日も出口は開いているのに母親と子どもたちは囲い地の中にいました。ある日スタッフが囲い地の外を点検していると、出て行ったはずの父親が、囲い地のすぐ近くで母親と子どもたちが出てくるのを待っているのを確認したそうです。このお話を読んだ時、レラとワッカの検査をしていた時のノチウの行動を思い出しました。警戒心の強いオオカミがする行動とは思えませんでした。
ノチウ(オス・末っ子)
「オオカミの社会性」は一言で言い表せないほど多くの発見があり面白いなと日々感じます。 今年ワッカの行動にも少し変化が見られました。 子どもたちだけになってからは、ワッカがレラに対し強気な態度をとりケンカが多く、レラが2頭から距離を置く様子がよく見られました。 しかし月日が経つにつれ、2頭の激しいケンカが減っていっているように思えました。ワッカが好んでレラの近くで休んだりするのも多くなったように思います。ある時はワッカのお尻にレラが頭を乗せて寝ていることもありました。そして一番驚いたのは、ノチウがレラに対し怒った際、ワッカがノチウとレラの間に入り止めようとしたことです。ノチウがレラに対し怒ることも珍しいですが、ワッカが止めに入る行動をするとは想像もしませんでした。
ワッカ(次女)
レラは遠吠えの時にはいつも寝ていたりしらっとしているですが、今年の秋は遠吠えに参加する姿がよく見られました。ケンとマースはたくさんの子どもを育ててきましたが、レラは産まれた弟妹たちの面倒を見てきました。順位は下位ではあるけど、群れの様子を見て距離を置いたり前に出てきたり、色々な経験をして自分の立ち振る舞いを確立していったように思います。そんなレラが先日体調を崩した際には、ワッカとノチウがずっとレラを気にかけ、そばに行ったり顔を舐めに行く様子が見られました。幸い次の日にはレラが元気を取り戻したため、ワッカとノチウも普段通りになりました。
レラ(長女)
そしてこの時期はシンリンオオカミの繁殖期でもあります。オオカミたちは巣穴を作ってそこで出産をします。旭山のオオカミたちは姉弟なので繁殖はしませんが、メスのワッカは色々なところに穴を掘っています。このままでは穴だらけになってしまうので、春の閉園期間に飼育員たちで土や砂利を詰めて穴を埋めます。 埋めた穴はまたすぐに掘り返されてしまうのですが、オオカミの本能を発揮してくれるのは嬉しいので、またみんなで楽しく埋めようという気持ちになります。 これから穴埋めの時期がやってきますが、オオカミたちの健康に感謝しながら、また日々の発見をお伝えできたらと思います。
遠吠えの時の様子
オオカミの森・ととりの村担当:原田佳
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肌寒い日と日差しの温かい日が入れ替わるように訪れ、三歩進んで二歩下がりつつも春の足音が徐々に近づいてくるようなこの頃ですが、皆さま如何お過ごしでしょうか。 春の訪れに先駆けて、こども牧場では新たな出会いがありました。 去る2月20日のお昼時、牧場で飼育しているヒツジの「イツカ」が放飼場の一角で座り込んでいました。 お昼を食べに来ないなんて珍しいな、などと思いつつ目の前に一掴み乾草を置いてあげて、少し目を離して戻ってきたところ……先程置いた乾草の上にヒツジの赤ちゃんが居て、「イツカ」がそれを甲斐甲斐しく舐めてあげていたのです!
ヒツジの赤ちゃんを舐める「イツカ」
生まれたての赤ちゃんにはまだまだ厳しい気温だったため、暖かい屋内へと運びしばらく飼育をしていましたが、3月4日から一般のお客さんにも観察してもらえるように第2こども牧場の一部を開放して親子のヒツジを観覧することができるようになっております。 時折跳ね回ったり、お母さんの背中に乗ったりと仔ヒツジらしい元気な行動が見られます。体重も日に日に増えてゆき、顔つきも幼児から子供の顔に、お母さんのマネをして草を食べる様子も見られすくすくと成長しています。
「イツカ」の背中に乗るナツメ
牧場の新しい仲間となったこの仔ヒツジ(オス)は「ナツメ」という愛称になりました。ヒツジの成長は速く、半年も経てば大人とほとんど変わらない大きさに成長してしまいます。小さくて可愛らしいうちに(大人になっても可愛いですが)是非こども牧場に足を運んで、親子のヒツジに会いに来てください。
こども牧場担当:堀川草太
暖かくなったり寒くなったりおかしな天気ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか? 2月20日頃、あざらし館では陸上の氷雪を全部割り、白い部分が完全になくなりました。
2月20日
「このまま春か?」と思うくらいの陽気にアザラシにも異変が・・・暖かくて勘違いしたのかいつもは3月末から4月が発情期ですが、オスがガゥガゥと発情鳴きをしていました。こんなことは初めてです。発情鳴きはこの日だけでした。
3月2日
かと思えば3月初め、今度は急なドカ雪と寒さで一気に冬に逆戻り。これが普通なのでしょうが・・・まだ春は遠そうですね。皆様も体調管理に気をつけてゆっくり春を待ちましょう。
「春?」
あざらし館担当・副園長:中田真一
ちょっと前の話になりますが、1月23日~25日に福岡市動物園で開催された「動物園技術者研究会」に参加してきました。 この研究会では日本動物園水族館協会に加盟している園館の飼育員や獣医師が参加して、研究発表を行います。 旭山からはオオカミとニホンザルに関する発表を行いました。機会があれば皆さんにもお伝えできたらと思います。 コロナ禍ではオンライン開催だった研究会ですが、昨年度からは対面開催となり、私も久しぶりの対面研究会への参加でした。 やはり対面では質疑応答も活発ですし、休憩時間などにも情報交換ができて大変有意義な会となったと思います。 インターネットやSNSが発達した中でも、動物園スタッフと直接顔見知りになると困ったときにも質問しやすくなるので、他の園館の若手スタッフが積極的に名刺交換をしているのを見て、自分が初参加した時を思い出しました。 最終日には福岡市動物園を見学しましたが、新しいゾウ舎やペンギンの施設を見ることができました。 福岡市動物園は博多中心部からも近いのですが、旭山以上に坂が多く、動物舎もその坂を利用する形で作られているのが印象的でした。 皆さんも機会があれば是非行ってみて下さいね。 今後も研究会での経験を園内に還元して、よりよい飼育を目指していきます。
研究会は博多のホテルで行われました
手前がペンギン、奥がゾウの施設です
先日、えぞひぐま館で「すげー、めっちゃ人いるじゃん!大谷翔平でもいるのかよ?」という秀逸な一言を耳にしました。 冬期開園がはじまってから外の放飼場への馴致を行っている「すなすけ」を見るために集まっていた人たちのことでした。「すなすけ」があちこちに動き回るたびに、人もあちこちに動き、カメラを向け、歓声があがる、そんな一幕でした。 たしかに小さい頃の動物は愛らしく動きもまた独特なことが多いため人を魅了するのも納得できますが、動物園でのそのような光景には違和感があるのも確かです。また、旭山やヒグマだけではなくいろいろな動物で最近の「推し活」ブームのような様相を呈しているような気もしています。 奇しくもこれまでの歴史を見ていると、動物園やメディアはそういったスター動物やアイドル動物を生み出したがる傾向があるように思います。ただあまり「個」にフォーカスしてしまうと、「○○ちゃんだからかわいい」、「○○ちゃんだからすごい」となってしまい、その先にあるはずの種としてその動物の魅力に気づかなかったり、興味や関心を持つことが無くなってしまう、あるいは誤った認識を持ってしまうようになるのではないでしょうか。 旭山動物園のえぞひぐま館では、「すなすけ」に興味を持っていただいた先に、ヒグマという動物について、ヒグマと人との関わりやそれらを取り巻く自然や社会などについても知ってもらい関心を持って動物園を後にしてほしいと願っています。 そのためにもまだまだ未熟で不完全ですが、伝えていく努力を怠らないよう自分自身に言い聞かせ、自戒の意味も込めてここに書かせてもらいます。
「すなすけ」が動くと人も大移動
外に出ている「すなすけ」
えぞひぐま館・フクロウ担当:大内章広
こども牧場の隣にある動物図書館をもっと知ってほしい!と思い、一度展示動物の都合でなくなってしまったミニ動物図書館を、なんと今回復活させました! こども牧場のとなりにある、「動物図書館」の本が、こども牧場内でも読むことができます。小さなスペースですが、座ってゆっくり休憩もできますので、外が寒い!歩き疲れた!という時に休憩場所としてもご利用してください。 そして、このミニ動物図書館内には、こども牧場の動物の中でも絶大な人気を誇る、あの!「ホルスフィールドルクガメ」を展示していますので、じっくり観察ができます。
さらに!さらに!動物図書館で体験できる工作の情報や、ミニミニうんち展もありますので、こども牧場に来た際には、うんちクイズに挑戦してください。秘密のうんちが発見できますよ。 こども牧場だけでなく園内の動物たちを観察して、もっと知りたい!ここが気になる!と思ったら、動物図書館にはたくさんの動物に関する本がありますのでぜひ立ち寄ってみてください。
第一こども牧場室内にあるミニ動物図書館
ミニ動物図書館内のおすすめ本やうんち展
秘密のうんちは誰のうんち?
こども牧場担当:大河原沙織
明日からいよいよ2月。雪あかりの動物園まであと10日…。準備が着々と進められています。 ですが、最近の気温がとても温かく、雪あかりの動物園で園内を照らす「しずく型アイスキャンドル」がまだ予定の数まで達していません…。昨年の夏の暑さも異常でしたが、今年の冬の温かさも異常な感じがします。
さて、今日から雪の遊び場の製作が始まりました。 雪の遊び場では、雪の滑り台2つ(長いの短いの)と、あと2つ雪で製作をしていきます。 こちらは何ができるのか当日まで楽しみにお待ちください。
滑り台(ほぼ完成!?)
板を押さえて何かを製作中
雪あかりの動物園については、ホームページやSNSで随時情報が更新されていきます。 情報をチェックしながら、ぜひ雪あかりの動物園へお越しください。
昨年12月からこども牧場で勤務しております、清水駿之介と申します。クジャクを担当させていただくことになりました。
自分は今まで動物についての専門分野を学んできたことは一切なく、何もかも未経験な新人でございます。こども牧場の動物たちや担当のクジャクも0からの勉強になりますので基本的な情報を知っていくとともに身近な目線に立ち、独自の視点からも色々なことを発見できるように広い視野を持ち日々精進してまいります。
クジャクの飼育担当になって実際に業務にあたってみた感想を申し上げると、一言で言うなら「分からない」というのが率直な思いです。クジャクという鳥は落ち着いてる鳥かと思ったら他の個体にちょっかいをかけたり、自分のすぐ側まで来て様子を見てきたりする個体もいて性格が全然掴めない。また何と言ってもオスの羽の色、メスの首の色がどちらも美しい。どうなったらこんな色になるように身体が出来るのか、全く分からない。分からないからこそ自分はこの生き物についてもっと知りたい!そして伝えたい!そう思っています。暖かくなると外展示も始まりますので、自分も楽しみな気持ちでいっぱいです。
また現在、こども牧場広場にて雪像を製作中です!来園される皆様の前で作業してますので秘密裏に進めることは出来ませんが、完成までお楽しみに!そしてその横にはすべり台がございます。こちらの方は出来上がってますので是非遊んでみてはいかがでしょうか!(こども牧場飼育員一同すべりにすべった後に水で固めましたので耐久性は十分だと思います!)
途中の雪像とすべり台
こども牧場担当:清水駿之介
皆さんは小さい頃に乳歯が抜けた時のことを覚えていますか?なかなか取れなくて、扉に縛りつけて抜いたとか、抜けた歯を屋根に投げたとか、どんな思い出がありますか? 乳歯から永久歯に生え変わるのは人間だけではありません。タイミングは違えど、多くの動物が生え変わります。そこで、昨年発見した乳歯を紹介したいと思います。 まず一つ目がこちら
キリンのアサヒの乳歯
キリンのあさひの歯(切歯)です。 キリンには上の前歯が存在しないので、必然的に下前歯ということになります。 あさひも成長途中とはいえ大きさは3メートルほどになりますが、歯は意外と小さいなという印象です。 続いてはこちら
ライオンの乳歯
ライオンの乳歯(臼歯、裂肉歯)です。抜け落ちた日付的にフウか、レイのものですがどちらかはわかりません。 僕らの奥歯とはちがいとても鋭く、読んで字の如く、肉を裂くための歯、ハサミとしての役割をします。
ライオン乳歯コレクション
ライオンの歯は今のところここまで集まっています。見つけた歯は個別に袋に入れ、日付と種名、わかれば個体名を入れて保管しています。 記名をしておかないと数年後の自分や、別の担当者になった時にどの動物の物なのかがわからなくなり困るのでしっかりと記入します。必要になれば、ガイドなどで活用しています。 また乳歯のコレクションが増えたらお知らせしたいと思いますので、お楽しみに!
もうじゅう館 フラミンゴ担当 若山晃暉
新しい年を迎えました。久しぶりに澄み渡る青空でした。12月は記録的な積雪で、来る日も来る日もみんな雪かきに追われちょっとうんざり気味でしたので新年早々の快晴でまさに気分一新でした。放射冷却で冷え込みはしましたけど・・・。 恒例になるのではと危惧された?年越しインスタライブは、何せ今年の干支の語呂合わせ的な生き物が旭山にはいないので、いろいろと画策したのですが断念となりました。どこかホッとしつつも残念でもありました。その代わりにと言うことでもないのですが大晦日と今日の日中に連続インスタライブとなりました。 大晦日のライブ配信中に自分的には感動的なことがありました。ホッキョクグマのルルの行動です。ルルは今年30歳を迎えます。昨年の暮れから寝室から屋外放飼場に出るのを渋ったり、放飼場でも休んでいる時間が長くなったりと老いたのかなと感じさせる行動が目立つようになっていました。そこで担当者が気分転換にとピリカとルルの放飼場をチェンジしてみたのです。ルルにすると2021年の冬のピリカ出産の都合でサツキ(23年10月死亡)と共に数ヶ月過ごして以来の屋内観察側の放飼場です。 ライブ配信中にバシャバシャという水の音が聞こえたのでもしやと思い駆けつけると、ルルが水中から上がりポリタンクをくわえて遊んでしました。そして自分に気づくとかくれんぼしている(獲物を狙う、待ち伏せる)ようにこちらを探し水中に飛び込んできました。 旭山動物園の飼育展示コンセプトのひとつに、動物にとってお客さんがストレスの対象ではなく興味を抱く猫じゃらしのように観える環境を具体化して動物のもつ本来の行動を引き出す、動物も来園者もwinwinになる、という考え方です。他にもお客さんをカラスではなくスズメに見えるように、などなどあるのですが。 ルルも昔は来園者が少ない時間帯によくやっていた行動です。20年近く前をふと思い出す光景でした。キラキラとした目が若い頃のルルでした。とてもうれしい出来事でした。 今年もあっという間に過ぎていく予感がしますが、一日一日を大切に動物園の持つ可能性を一つでも具体化し、階段をできるなら駆け上がる年にできればと思います。 今年もよろしくお願いいたします。
インスタライブ中の一コマ
園長:坂東 元
フッターです。