ページの本文です。

どうぶつえん日記

ページのニュースです。

令和7年9月「野生動物と環境を守る『選択』と『行動』を」

野生動物と環境を守る「選択」と「行動」を

 ようやく9月を迎えました。このような言い方をしたくなるぐらい、今年も酷暑が続きました。夏は楽しい季節といったイメージを持つ人が多いと思いますが、残念ながら敬遠される季節になっていきそうです。私たちにできることは、温暖化を招いている二酸化炭素を出さないような日々のちょっとした「選択」や「行動」の積み重ねです。旭山動物園はその先導役になれるよう、施設の脱炭素化を目指し、環境意識の高まりや持続可能な生活スタイルの実践につなげる「Zero Carbon ZOO」の取組を充実させていくつもりです。
 さて、話題は変わりますが、旭山動物園では、北海道に生息する動物の展示やイベントに力を入れています。身近な動物ですが、知っているようでまだまだ知らないことが多い存在です。ヒグマやエゾシカなどは人との軋轢が社会問題化しています。山林を開拓してきた人間が悪い、増えすぎた野生動物が悪い、といった2択の議論では解決しない問題です。動物園では、まずは地元の野生動物に関心を持ち、詳しく知ってもらうことで、自分事として考えてもらう機会づくりに努めています。
 そのような中、令和4年から「北海道産いきもの保全プロジェクト」という活動をスタートさせています。これは、道内にある動物園水族館の9施設による協働の取組で、道産動物の保全活動やイベントなどを通じた普及啓発などを行っています。また、毎年9月には旭山動物園で「あにまる・ハッピー・マーケット」を開催しています。野生動物の保全活動を行っている団体が集まって、活動支援につながるグッズの販売やトークイベント、ワークショップなどが行われます。敷居の低いイベントですので、多くの皆さんに気軽に立ち寄ってもらうことで、ささやかながらも「気付き」が生まれ、将来世代のためとなるような「選択」や「行動」に広がっていければうれしいです。
 

エゾシカ
エゾシカの魅力と現状を伝えるエゾシカの森

 
令和7年9月8日
旭山動物園 田村

これまでの日記はこちら

カテゴリー>どうぶつえん日記>アーカイブ>年数を選択してご覧ください