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どうぶつえん日記

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令和7年3月「動物たちの食事事情」

動物たちの食事事情

今まで取り組んできた活動を評価していただき、昨年2月末に旭山動物園が登録博物館に認定されてから、早いもので1年が経ちました。今後も、観光施設であるだけでなく、博物館としての社会的役割もしっかりと果たしたうえで、魅力的な動物園(博物館)であり続けるため、現状に甘えることなく、常に1歩前を見据えた取組を目指していきたいと思います。
さて、最近、物価高騰に伴う様々な商品の値上げのニュースをよく目にしますが、動物の餌も例外ではありません。とはいえ、餌は動物たちの命をつなぐ、正に生命線です。餌の予算はしっかりと確保して、できるだけ新鮮なもの、それぞれの動物にあったものを必要な量与えています。そのうえで、安い仕入先を探すのはもちろん、餌自体を工夫してコストを下げる努力も欠かせません。現在餌用の肉類は馬肉・鹿肉・鶏肉を使用していますが、比較的安価で入手できる鹿肉を、できるだけ使うようにしています。ただ安いからというだけではなく、低カロリーでヘルシーなので動物の健康維持にも役立ちますし、数の増加が問題となっているエゾシカをただ駆除するのではなく、次の命につなげる、という意味合いも込め、現在もうじゅう館やほっきょくぐま館で使用しています。また、ゴマフアザラシは、夏場と冬場で食べる量が倍近く変わる(脂肪を蓄える秋口以降は多く、脂肪の落ちる夏は少なくなる)ため、仕入れる餌(魚)の量もこれに合わせて無駄が発生しないよう調整しています。
寄附で頂いた餌も活用しています。時期により、ニホンザルが好んで食べているカボチャやサツマイモなどの野菜のほか、ドングリやクルミといった木の実など、多くの餌が届きます。皆様の温かい善意に本当に感謝しています。
このように、コスト意識も持ちつつ、動物ごとの生態にあわせて餌の量や種類を調整し、各担当が責任を持って動物たちの命や健康を守っています。園内で動物が餌を食べている場面を見かけたら、裏にこんな努力や工夫があることを少し思い出してもらえたらうれしいです。
 

アザラシ
冬場は食欲旺盛、ゴマフアザラシ
 
令和7年3月5日
旭山動物園 沼田

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