旭川市文化芸術振興基本計画関係法規
(1) 関係法規
1 文化芸術振興基本法(平成13年法律第148号)
第一章 総則
目的
第一条 この法律は、文化芸術が人間に多くの恵沢をもたらすものであることにかんがみ、文化芸術の振興に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、文化芸術の振興に関する施策の基本となる事項を定めることにより、文化芸術に関する活動(以下「文化芸術活動」という。)を行う者(文化芸術活動を行う団体を含む。以下同じ。)の自主的な活動の促進を旨として、文化芸術の振興に関する施策の総合的な推進を図り、もって心豊かな国民生活及び活力ある社会の実現に寄与することを目的とする。
基本理念
第二条 文化芸術の振興に当たっては、文化芸術活動を行う者の自主性が十分に尊重されなければならない。
2 文化芸術の振興に当たっては、文化芸術活動を行う者の創造性が十分に尊重されるとともに、その地位の向上が図られ、その能力が十分に発揮されるよう考慮されなければならない。
3 文化芸術の振興に当たっては、文化芸術を創造し、享受することが人々の生まれながらの権利であることにかんがみ、国民がその居住する地域にかかわらず等しく、文化芸術を鑑賞し、これに参加し、又はこれを創造することができるような環境の整備が図られなければならない。
4 文化芸術の振興に当たっては、我が国において、文化芸術活動が活発に行われるような環境を醸成することを旨として文化芸術の発展が図られ、ひいては世界の文化芸術の発展に資するものであるよう考慮されなければならない。
5 文化芸術の振興に当たっては、多様な文化芸術の保護及び発展が図られなければならない。
6 文化芸術の振興に当たっては、地域の人々により主体的に文化芸術活動が行われるよう配慮するとともに、各地域の歴史、風土等を反映した特色ある文化芸術の発展が図られなければならない。
7 文化芸術の振興に当たっては、我が国の文化芸術が広く世界へ発信されるよう、文化芸術に係る国際的な交流及び貢献の推進が図られなければならない。
8 文化芸術の振興に当たっては、文化芸術活動を行う者その他広く国民の意見が反映されるよう十分配慮されなければならない。
国の責務
第三条 国は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、文化芸術の振興に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。
地方公共団体の責務
第四条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、文化芸術の振興に関し、国との連携を図りつつ、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。
国民の関心及び理解
第五条 国は、現在及び将来の世代にわたって人々が文化芸術を創造し、享受することができるとともに、文化芸術が将来にわたって発展するよう、国民の文化芸術に対する関心及び理解を深めるように努めなければならない。
法制上の措置等
第六条 政府は、文化芸術の振興に関する施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならない。
第二章 基本方針
第七条 政府は、文化芸術の振興に関する施策の総合的な推進を図るため、文化芸術の振興に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。
2 基本方針は、文化芸術の振興に関する施策を総合的に推進するための基本的な事項その他必要な事項について定めるものとする。
3 文部科学大臣は、文化審議会の意見を聴いて、基本方針の案を作成するものとする。
4 文部科学大臣は、基本方針が定められたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
5 前二項の規定は、基本方針の変更について準用する。
第三章 文化芸術の振興に関する基本的施策
芸術の振興
第八条 国は、文学、音楽、美術、写真、演劇、舞踊その他の芸術(次条に規定するメディア芸術を除く。)の振興を図るため、これらの芸術の公演、展示等への支援、芸術祭等の開催その他の必要な施策を講ずるものとする。
メディア芸術の振興
第九条 国は、映画、漫画、アニメーション及びコンピュータその他の電子機器等を利用した芸術(以下「メディア芸術」という。)の振興を図るため、メディア芸術の製作、上映等への支援その他の必要な施策を講ずるものとする。 (伝統芸能の継承及び発展)
第十条 国は、雅楽、能楽、文楽、歌舞伎その他の我が国古来の伝統的な芸能(以下「伝統芸能」という。)の継承及び発展を図るため、伝統芸能の公演等への支援その他の必要な施策を講ずるものとする。
芸能の振興
第十一条 国は、講談、落語、浪曲、漫談、漫才、歌唱その他の芸能(伝統芸能を除く。)の振興を図るため、これらの芸能の公演等への支援その他の必要な施策を講ずるものとする。
生活文化、国民娯楽及び出版物等の普及
第十二条 国は、生活文化(茶道、華道、書道その他の生活に係る文化をいう。)、国民娯楽(囲碁、将棋その他の国民的娯楽をいう。)並びに出版物及びレコード等の普及を図るため、これらに関する活動への支援その他の必要な施策を講ずるものとする。
文化財等の保存及び活用
第十三条 国は、有形及び無形の文化財並びにその保存技術(以下「文化財等」という。)の保存及び活用を図るため、文化財等に関し、修復、防災対策、公開等への支援その他の必要な施策を講ずるものとする。
地域における文化芸術の振興
第十四条 国は、各地域における文化芸術の振興を図るため、各地域における文化芸術の公演、展示等への支援、地域固有の伝統芸能及び民俗芸能(地域の人々によって行われる民俗的な芸能をいう。)に関する活動への支援その他の必要な施策を講ずるものとする。
国際交流等の推進
第十五条 国は、文化芸術に係る国際的な交流及び貢献の推進を図ることにより、我が国の文化芸術活動の発展を図るとともに、世界の文化芸術活動の発展に資するため、文化芸術活動を行う者の国際的な交流及び文化芸術に係る国際的な催しの開催又はこれへの参加への支援、海外の文化遺産の修復等に関する協力その他の必要な施策を講ずるものとする。
2 国は、前項の施策を講ずるに当たっては、我が国の文化芸術を総合的に世界に発信するよう努めなければならない。
芸術家等の養成及び確保
第十六条 国は、文化芸術に関する創造的活動を行う者、伝統芸能の伝承者、文化財等の保存及び活用に関する専門的知識及び技能を有する者、文化芸術活動の企画等を行う者、文化施設の管理及び運営を行う者その他の文化芸術を担う者(以下「芸術家等」という。)の養成及び確保を図るため、国内外における研修への支援、研修成果の発表の機会の確保その他の必要な施策を講ずるものとする。
文化芸術に係る教育研究機関等の整備等
第十七条 国は、芸術家等の養成及び文化芸術に関する調査研究の充実を図るため、文化芸術に係る大学その他の教育研究機関等の整備その他の必要な施策を講ずるものとする。
国語についての理解
第十八条 国は、国語が文化芸術の基盤をなすことにかんがみ、国語について正しい理解を深めるため、国語教育の充実、国語に関する調査研究及び知識の普及その他の必要な施策を講ずるものとする。
日本語教育の充実
第十九条 国は、外国人の我が国の文化芸術に関する理解に資するよう、外国人に対する日本語教育の充実を図るため、日本語教育に従事する者の養成及び研修体制の整備、日本語教育に関する教材の開発その他の必要な施策を講ずるものとする。
著作権等の保護及び利用
第二十条 国は、文化芸術の振興の基盤をなす著作者の権利及びこれに隣接する権利について、これらに関する国際的動向を踏まえつつ、これらの保護及び公正な利用を図るため、これらに関し、制度の整備、調査研究、普及啓発その他の必要な施策を講ずるものとする。
国民の鑑賞等の機会の充実
第二十一条 国は、広く国民が自主的に文化芸術を鑑賞し、これに参加し、又はこれを創造する機会の充実を図るため、各地域における文化芸術の公演、展示等への支援、これらに関する情報の提供その他の必要な施策を講ずるものとする。
高齢者、障害者等の文化芸術活動の充実
第二十二条 国は、高齢者、障害者等が行う文化芸術活動の充実を図るため、これらの者の文化芸術活動が活発に行われるような環境の整備その他の必要な施策を講ずるものとする。
青少年の文化芸術活動の充実
第二十三条 国は、青少年が行う文化芸術活動の充実を図るため、青少年を対象とした文化芸術の公演、展示等への支援、青少年による文化芸術活動への支援その他の必要な施策を講ずるものとする。
学校教育における文化芸術活動の充実
第二十四条 国は、学校教育における文化芸術活動の充実を図るため、文化芸術に関する体験学習等文化芸術に関する教育の充実、芸術家等及び文化芸術活動を行う団体(以下「文化芸術団体」という。)による学校における文化芸術活動に対する協力への支援その他の必要な施策を講ずるものとする。
劇場、音楽堂等の充実
第二十五条 国は、劇場、音楽堂等の充実を図るため、これらの施設に関し、自らの設置等に係る施設の整備、公演等への支援、芸術家等の配置等への支援、情報の提供その他の必要な施策を講ずるものとする。
美術館、博物館、図書館等の充実
第二十六条 国は、美術館、博物館、図書館等の充実を図るため、これらの施設に関し、自らの設置等に係る施設の整備、展示等への支援、芸術家等の配置等への支援、文化芸術に関する作品等の記録及び保存への支援その他の必要な施策を講ずるものとする。
地域における文化芸術活動の場の充実
第二十七条 国は、国民に身近な文化芸術活動の場の充実を図るため、各地域における文化施設、学校施設、社会教育施設等を容易に利用できるようにするための措置その他の必要な施策を講ずるものとする。
公共の建物等の建築に当たっての配慮
第二十八条 国は、公共の建物等の建築に当たっては、その外観等について、周囲の自然的環境、地域の歴史及び文化等との調和を保つよう努めるものとする。
情報通信技術の活用の推進
第二十九条 国は、文化芸術活動における情報通信技術の活用の推進を図るため、文化芸術活動に関する情報通信ネットワークの構築、美術館等における情報通信技術を活用した展示への支援、情報通信技術を活用した文化芸術に関する作品等の記録及び公開への支援その他の必要な施策を講ずるものとする。
地方公共団体及び民間の団体等への情報提供等
第三十条 国は、地方公共団体及び民間の団体等が行う文化芸術の振興のための取組を促進するため、情報の提供その他の必要な施策を講ずるものとする。
民間の支援活動の活性化等
第三十一条 国は、個人又は民間の団体が文化芸術活動に対して行う支援活動の活性化を図るとともに、文化芸術活動を行う者の活動を支援するため、文化芸術団体が個人又は民間の団体からの寄附を受けることを容易にする等のための税制上の措置その他の必要な施策を講ずるよう努めなければならない。
関係機関等の連携等
第三十二条 国は、第八条から前条までの施策を講ずるに当たっては、芸術家等、文化芸術団体、学校、文化施設、社会教育施設その他の関係機関等の間の連携が図られるよう配慮しなければならない。
2 国は、芸術家等及び文化芸術団体が、学校、文化施設、社会教育施設、福祉施設、医療機関等と協力して、地域の人々が文化芸術を鑑賞し、これに参加し、又はこれを創造する機会を提供できるようにするよう努めなければならない。
顕彰
第三十三条 国は、文化芸術活動で顕著な成果を収めた者及び文化芸術の振興に寄与した者の顕彰に努めるものとする。
政策形成への民意の反映等
第三十四条 国は、文化芸術の振興に関する政策形成に民意を反映し、その過程の公正性及び透明性を確保するため、芸術家等、学識経験者その他広く国民の意見を求め、これを十分考慮した上で政策形成を行う仕組みの活用等を図るものとする。
地方公共団体の施策
第三十五条 地方公共団体は、第八条から前条までの国の施策を勘案し、その地域の特性に応じた文化芸術の振興のために必要な施策の推進を図るよう努めるものとする。
附則
施行期日
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 旭川市文化芸術振興条例(平成21年旭川市条例第14号)
大雪山・十勝岳連峰のもたらす豊かな自然の恵みによって育まれ、厳しくも四季折々が美しい旭川の大地で、アイヌの人々は自然と共生する豊かな文化を生み出し、また、入植してきた人々のたゆまぬ努力と英知の積重ねによって、個性豊かな文化が築き上げられてきた。
文化芸術は、人々の創造性を高め、感性を豊かにし、暮らしに潤いと安らぎをもたらすとともに、すべての人々に感動と生きる力を与えるものであり、活発な文化芸術活動は、地域への愛情と誇りを人々の心に育て、活力ある地域社会の形成に資するものである。
私たちは、先人から受け継がれてきた歴史とこれまで培われてきた文化芸術を尊重し、未来に向けて継承し、発展させていくとともに、文化芸術の交流と情報の発信を促進し、一人一人が多様な文化芸術の創造に主体的に取り組んでいかなければならない。
ここに、旭川市は、文化芸術の振興に関する基本理念と方向性を明確にするとともに、文化芸術の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進することにより、すべての市民が心豊かに充実した生活を営むことのできるまちづくりを推進するため、この条例を制定する。
目的
第1条 この条例は、文化芸術の振興に関し基本理念を定め、並びに市の責務並びに市民、民間団体及び事業者(以下「市民等」という。)の役割を明らかにするとともに、文化芸術の振興に関する施策の基本となる事項を定めることにより、その施策を総合的かつ計画的に推進し、もって市民が心豊かに充実した生活を営むことのできる活力ある地域社会の実現に寄与することを目的とする。
基本理念
第2条 文化芸術の振興に当たっては、市民の誰もが多様な文化芸術を創造し、享受する権利を有することを踏まえ、文化芸術に関する活動(以下「文化芸術活動」という。)を行う市民等の自主性及び創造性が十分に尊重されなければならない。
2 文化芸術の振興に当たっては、旭川の特性を生かした文化芸術が未来に向け持続的に発展するよう、文化芸術を担う人材の育成並びに文化芸術に係る交流及び情報の発信の促進が図られなければならない。
3 文化芸術の振興に当たっては、市民等の文化芸術に接する機会の拡充及び文化芸術活動が活発に行われるような環境の整備が図られなければならない。
4 文化芸術の振興に当たっては、アイヌの人々をはじめ、先人から受け継がれてきた文化芸術の保存、継承及び発展が図られなければならない。
市の責務
第3条 市は、前条の基本理念にのっとり、文化芸術の振興に関する施策を策定し、これを総合的かつ計画的に実施するものとする。
2 市は、文化芸術の振興に関する施策に市民等の意見を反映させるよう努めるものとする。
市民等の役割
第4条 市民は、自らが文化芸術の担い手であることを自覚し、自主性及び創造性を発揮して文化芸術活動を行うことにより、文化芸術を創造し、発展させる役割を担うものとする。
2 民間団体及び事業者は、自主性及び創造性を発揮して文化芸術活動を行い、又は文化芸術活動を支援することを通じ、文化芸術を創造し、発展させる役割を担うものとする。
基本計画
第5条 市は、文化芸術の振興に関する施策を総合的かつ計画的に実施するため、文化芸術の振興に関する基本的な計画(以下「基本計画」という。)を策定するものとする。
2 基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 市民等の文化芸術活動の促進に関すること。
(2) 市民等の文化芸術に対する意識の高揚に関すること。
(3) 文化芸術を担う人材の育成に関すること。
(4) 文化芸術に係る交流及び情報の発信の促進に関すること。
(5) 市民等の文化芸術に接する機会の拡充に関すること。
(6) 文化芸術活動を行いやすくするための環境の整備に関すること。
(7) 青少年、高齢者、障害者等の文化芸術活動の支援に関すること。
(8) 学校教育における文化芸術活動の支援に関すること。
(9) アイヌ文化の振興に関すること。
(10) 地域の歴史的文化遺産の保存及び活用に関すること。
(11) 前各号に掲げるもののほか、文化芸術の振興に関する重要事項
3 市は、基本計画を策定するに当たっては、市民等の意見を適切に反映することができるように必要な措置を講じなければならない。
4 市は、基本計画を策定したときは、速やかに、これを公表しなければならない。
5 前2項の規定は、基本計画の変更について準用する。
財政上の措置
第6条 市は、文化芸術の振興に関する施策を実施するため、必要な財政上の措置を講じるものとする。
顕彰
第7条 市は、文化芸術の振興に関し功績があったと認められるものを顕彰するものとする。
委任
第8条 この条例の施行に関し必要な事項は、旭川市教育委員会が別に定める。
附則
この条例は、平成21年4月1日から施行する。
3 旭川市文化芸術振興基金条例(平成22年旭川市条例第16号)
設置の目的
第1条 本市の文化芸術の振興に関する事業に必要な経費の財源に充てるため、旭川市文化芸術振興基金(以下「基金」という。)を設置する。
積立て
第2条 基金として積み立てる額は、一般会計歳入歳出予算で定めるものとする。
管理
第3条 基金に属する現金は、金融機関への預金その他最も確実かつ有利な方法により保管しなければならない。
2 基金に属する現金は、必要に応じ最も確実かつ有利な有価証券に代えることができる。
収益の処理
第4条 基金から生ずる収益は、一般会計歳入歳出予算に計上し、本市の文化芸術の振興に関する事業の費途に充てるほか、基金に編入するものとする。
繰替運用
第5条 市長は、財政上必要があると認めるときは、確実な繰戻しの方法、期間及び利率を定めて基金に属する現金を歳計現金に繰り替えて運用することができる。
処分
第6条 市長は、第1条の目的のために基金の全部又は一部を処分することができる。
委任
第7条 この条例に定めるもののほか、基金の管理に関して必要な事項は、市長が別に定める。
附則
この条例は、平成22年4月1日から施行する。
旭川市文化芸術振興基本計画(目次)
- 計画策定の主旨
- 計画の位置付け
- 計画の期間
- 計画の評価
- 計画の内容(基本項目)
(6) 文化芸術活動を行いやすくするための環境の整備に関すること
- 計画の推進と施策の展開方針
参考資料
(1) 関係法規