文化芸術振興基本計画の内容 5 市民等の文化芸術に接する機会の拡充に関すること
5 市民等の文化芸術に接する機会の拡充に関すること(第5号関係)
現状と課題
本市では、市民による自主的な文化芸術活動が盛んに行われてきましたが、その一方で、平成19年度に実施した市民アンケート(補足1)では、旭川市が「文化芸術活動の盛んなまち」だと思わない又はあまり思わないと回答した方が約6割に達する状況となっており、市民に十分に認識されていないことがうかがえます。
また、同アンケートで、文化芸術の催しを鑑賞しない理由として、「時間的余裕がない」、「文化芸術の催しの情報がない」、「魅力ある催しがない」などの意見が挙げられており、課題が浮き彫りとなっております。
今後は、こうした意識の差を解消するような魅力ある催しやきっかけを創出することで、より多くの人が文化芸術に接することができるよう、機会を拡充することが求められています。
基本方針
- 文化芸術活動の成果を発揮できる機会を拡充することで、より活発な活動を促し、市民の誰もが旭川は「文化芸術活動の盛んなまち」であると認識できるようなまちづくりに努めます。
- 市民が気軽に文化芸術に接する機会を創出することで、文化芸術に興味を持つきっかけづくりを行い、新たな担い手やリーダーの育成を目指します。
施策の概要
- 市民の文化芸術活動の成果を発表できる機会を拡充します。
- 市民が文化芸術を鑑賞する機会を拡充します。
- 市民が文化芸術活動に参加できる機会を拡充します。
- 市民が文化芸術に触れるきっかけづくりを行います。
具体的事業例
実施継続している事業例
- 生涯学習フェア「まなびピアあさひかわ」の開催(社会教育課)
市民の生涯学習(文化芸術分野も含む)に対する意識・意欲を向上させるための学習成果の発表機会や学習活動への参加機会、各種学習情報を提供します。 - 自主文化事業の開催(市民文化会館、大雪クリスタルホール)
本市の文化芸術の水準向上を目指すため、多くの市民に優れた文化芸術を低料金で鑑賞する機会を提供します。 - DVDサロンコンサートや市民発表コンサート等の開催(大雪クリスタルホール)
DVDサロンコンサートや小学生等を対象とした夏・冬休み音楽講座などの普及型事業、市内や近郊のアマチュア演奏家が活動成果を発表する場として無料コンサートを開催します。 - 神楽公民館木造館「木楽輪(きらりん)」音楽コンサートの開催(公民館事業課)
一般市民を対象に様々な分野の音楽コンサートを開催します。 - 北海道音楽大行進の開催(観光課、文化振興課)
「音楽のまち・旭川」を代表するイベントの一つとして、民間企業や音楽関係団体との共催により音楽大行進やアフターコンサートを開催します。 - 循環型観光バスの運行支援(観光課)
観光客や市民が市内の文化芸術関連施設を含む観光スポットを巡るに当たり、アクセス面の利便性を向上させるため、循環型観光バスの運行を支援します。 - 図書館各種事業活動(中央図書館)
文学作品をはじめ、様々な書籍を収集・提供するとともに、本市ゆかりの作家をテーマに常設展示を行うことなどにより、市民に文学等に触れる機会を提供します。 - 彫刻美術館各種事業活動(彫刻美術館)
中原悌二郎の残した全12作品と本市ゆかりの彫刻家や中原賞受賞者の作品などの常設展示と、年4回程度の企画展を彫刻美術館で開催し、彫刻の鑑賞機会を提供します。また、彫刻教室・彫刻散歩などの教育普及事業や小・中学校に収蔵彫刻を一定期間展示する「彫刻巡回展示」を実施し、彫刻に触れ親しむ機会を提供します。 - 井上靖記念館各種事業活動(井上靖記念館)
旭川出身の井上靖氏の足跡と作品の背景等を自筆ノートなどの資料で紹介している常設展示のほか、年5回程度の企画展、文学講座やおはなし会、読書会といった普及事業を実施し、文学に触れ親しむ機会を提供します。
今後、検討する事業例
- 彫刻美術館サテライトスペースの整備検討
本市の玄関口である旭川駅高架下空間に、彫刻美術館のサテライトスペースを設けることで、観光客等に彫刻を気軽に鑑賞する機会を創出します。 - 北彩都あさひかわ地区や文化芸術ゾーンにおける彫刻の配置検討
旭川の新しい顔となる北彩都あさひかわ地区(補足2)や文化芸術ゾーン(補足3)の各所に彫刻の配置を検討します。 - 彫刻公園のあり方や配置・整備検討
市民が気軽に彫刻に触れることのできる場を創出するため、彫刻公園の配置や整備を検討します。 - まちなかのオープンスペース(公共空間)を活用したきっかけづくりの支援検討
買物のついでに、気軽に文化芸術に触れられるきっかけを創出するため、公共空間を活用した市民企画・参画型のデモンストレーション開催を支援し、展示会場や美術館等へと誘導するサテライト機能づくりの促進を検討します。 - 旭川市所蔵の美術品の展示公開検討
本市が所蔵する絵画等の美術品を展示公開し、市民が鑑賞できる機会の拡大を検討します。
(補足1)「市民アンケート」 平成19年度に実施した「文化芸術に関する市民アンケート」のこと。
(補足2)「北彩都あさひかわ地区」 平成8年度から計画・整備を進めている旭川駅周辺再開発地区のことで、鉄道高架や土地区画整理などの都市基盤施設の整備を一体的に行うことにより、土地の高度利用の促進や中心市街地の賑いづくりを重点的に行っている地区である。
(補足3)「文化芸術ゾーン」 常磐公園の東側に位置する公会堂や常磐館及び7条緑道、石狩川・牛朱別川河川敷等、文化・芸術的な地域資源に恵まれた区域のこと。
旭川市文化芸術振興基本計画(目次)
- 計画策定の主旨
- 計画の位置付け
- 計画の期間
- 計画の評価
- 計画の内容(基本項目)
(5) 市民等の文化芸術に接する機会の拡充に関すること
(6) 文化芸術活動を行いやすくするための環境の整備に関すること
- 計画の推進と施策の展開方針
参考資料