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58回目の開園

58回目の開園

 皆様、こんにちは!
 今年の4月から旭山動物園に配属され、主にダチョウを担当している小久保と申します。
 よろしくお願いいたします。

 異動初日、ドキドキしながらバックヤードでダチョウと対面した時の衝撃は、今でも忘れられません。
 「からだ でかっ」「目 でかっ」「足 すごっ」
 実際に目の当たりにしたダチョウは、想像をはるかに超える大きさと迫力でした。

 午後は、早速共同作業に参加しました。
 皆さんはこの道具の名前をご存知でしょうか? 

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 こちらは「もっこ」という道具です。
 土砂などの運搬に使われる、網状の道具なのですが、この「もっこ」を使って、トナカイ舎のずっしりと重い堆肥等を運搬するというミッションが課せられました。
 市役所に採用されてから15年以上、デスクワーク一筋。
 飼育員として異動してきた者としては、おそらくかなり年長者になるかと思います。
 その結果…はい、初日で見事に腕が上がらなくなってしまいました。
 日頃の運動不足を痛感するとともに、飼育員の皆様の体力と気力に改めて頭が下がる思いでした。

 そして、いざ獣舎の掃除や給餌に取り掛かろうとするのですが…
 ダチョウたちは、こちらの思うようにはなかなか動いてくれません。
 掃除をしたいのにのんびり歩き回り、せっかくエサを設置しても、すぐに食べに来てくれるわけでもない。
 「これが野生生物・・」という、
 当たり前かもしれませんが、これまで来園者として旭山動物園に来ていた時とは全く違う世界のリアリティを、肌で感じています。

 のんびり歩いていたり、地面を何かを探すように丁寧につついていたり…
 その一挙手一投足からは、 その堂々とした身体の大きさも相まって、とても雄大な動物であることをひしひしと感じます。
 彼らの自由気ままな振る舞いを観察していると、時間がゆっくりと流れているような、不思議な感覚に包まれます。

この度の58回目の開園に向けては、実際に私がこの数週間で感じたダチョウの不思議さや力強いけれどどこかユーモラスな魅力を、来園される皆様にも少しでも感じていただきたいと思い、新しい看板を作成いたしました。
 御来園の際には、ぜひ足を止めてご覧いただけると嬉しいです。

 まだまだ飼育の現場に慣れないことばかりですが、一日も早く仕事を覚え、これまでの事務経験で培ってきた視点や知識も生かして、新しい旭山動物園の魅力を発信していきたいと思っていますのでよろしくお願いします。

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正面からのダチョウ

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桜の木の下で

ダチョウ・こども牧場担当:小久保和明