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北海道は秋の虫たちが優しく奏で、朝晩はすーっと冷え込む季節になりました。皆様いかがお過ごしでしょうか? 7月からこども牧場でお仕事させていただいております、芦原絵莉子と申します。一度きりの人生!と京都からはるばる海を渡って参りました。これまでは幼稚園、保育園で勤務してきて、今回動物園。園とご縁の深い人生を歩んでおります。動物園にも子ども達が沢山遊びに来てくれます。子ども達や動物達と関わると何かしら面白いことが起こるのです。笑いあり癒しありの楽しい日々が過ごせること、とても嬉しく思っております。
私は僭越ながら、クジャクを担当しています。担当させていただいて間も無く、メスのクジャクが卵を温め始めました。着任早々なんとわくわくさせてくれることでしょう。お腹の下には卵が5個。何も知らなかった私は5羽の雛が生まれてくるのかも!?と、夢見心地がとまりませんでした。クジャクは28日間卵を温めます。
予定日は8/14。予定日当日はそわそわしながら朝早めに出勤しました。しかしその日は生まれず。そんなピッタリいかないのだろうと、それから毎日、今日こそはと見守りましたが、生まれず…。他の動物園の事案も調べてみると40日を越えて生まれた例を見つけたので、腰を据えて見守ることに。お母さんは変わらずしっかりと卵を抱いていますが、その後も一向に生まれる気配なし。生まれてほしい希望が強すぎて虫の声さえもヒナの囀りに聞こえてきたものです。(もちろん宙耳でした)
お母さん頑張ってます
実はそのお母さんが温め始めてから20日ほどして、別のお母さんクジャクも別の場所で卵を温め始めていました。そちらの予定日は9/3でしたが、先の例があるので、全く期待せず9/3を迎えました。また期待しすぎて気を揉むのはごめんです。ですがなんとこちらはピッタリ9/3に雛が1羽生まれたのです!!続いて9/4にも2羽。計3羽が誕生しました!!(拍手喝采)
うちの子、生まれたわ?
ヒナのかわいさといったらもうたまりません。小さくふわふわで、嘴はピンク色。頭のパヤパヤもまだありません。お母さんは子ども達のことを懸命に守ろうとして、飼育員や他のクジャクが近づくと怒ります。寝る時はお母さんの羽の中に子どもを隠して温めて眠るのです。
お母さん、飼育員を警戒中
4日ほど経った頃、1羽が少し遅れる姿が見られるようになってきました。他の2羽が越えられる段差を越えられなかったり、目を閉じてパタっと横たわる姿も。7日目の朝、はぐれて戻れなかったのか、お母さんに見放されてしまったのか、雨に打たれて弱り、亡くなってしまいました。命が誕生し、健康に大きく育つということは、当たり前ではないのです。今こうして私たちが生きて出逢って感動しているということもなんと尊いことなのか、教えてもらっている毎日です。
ところで、先に温めていたお母さんはどうなったかって?本当に不憫なことですが、9/4に卵を回収しまし た。48日間も頑張って温めたのに、生まれなかったお母さん。人間に卵を回収された翌日、なぜかぴよぴよヒナたちが。あれ?私の子、やっぱり生まれていたのね!と言わんばかりに、ヒナたちを羽の中に納めてしまう場面も。誘拐です(笑)。本物のお母さんは激怒。本当に本当に不憫でなりませんが、自然界とはそういうものなのです。
元気に育っているクジャクのヒナ
クジャクのオスが羽を広がる綺麗な姿は、今から来年の5月頃までは見ることができませんが(今年の恋の季節終了)、今はクジャクのかわいいヒナをご覧いただけます。ぜひ、クジャク舎へ見にいらしてくださいね。
こども牧場担当:芦原絵莉子
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