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旭山動物園ではやっと厳しい夏の暑さが緩み過ごしやすい季節がやって来ました。
夏は飼育事務所の冷凍庫に首につける冷え冷えリングがぎゅうぎゅうに入っていましたが、これを付けて外に出ても15分くらいでただのリングになってしまっていました。
さて、今年のととりの村についてお話したいと思います。 まずは4年前にカルガモの巣で孵ったキンクロハジロについてです。 4年前、池で泳いでいるカルガモ親子をよく見たら一羽だけなんだか黒いヒナがいる。。。 カルガモのヒナにつつかれても潜ってかわし、毎日一生懸命カルガモのお母さんについて泳いでいたキンクロハジロが、今年卵を産みました。 何の目印もない草むらで巣を作っていたので、間違えて踏んでしまわないように注意深く見守っていました。孵ったヒナは5羽で、危険回避のために鳴き声をあげたり、他のカモが近づいてきたら追い払ったり、しっかりとヒナたちのお世話をしていました。 カルガモの群れの中で育ったたくましいお母さん。ちゃんとキンクロハジロとして生きていけるのかなと心配をしていましたが、立派な母鳥になりました。 太くて黄色い足環を付けているので探してみてくださいね。
カルガモについていくキンクロハジロのヒナ(4年前)
巣を作っていた場所
立派な巣ができていました
母鳥になってヒナをお世話している様子
そして2つ目はカラスの侵入です。3年前にもカラスが入ったことがあり大変な目にあっていたので何とかヒナたちを守らなければと戦々恐々としていたのですが、今年入ったカラスはどうやら幼鳥でカラス自身も何が起こったのかわかっていない状況でした。 ととりの村の裏の木では毎年カラスが繁殖をしているのですが、この幼鳥はどこからか誤って入ってしまったようです。 網の外では親たちが大騒ぎしてカラスの子どもの様子を見にきたり餌を運んだりしていたのですが上手に受け取ることができずカモたちの餌を食べていました。 しかしカラスの子どもが餌の近くに行くと、カモたちが一斉に近づいて来て追い払われていました。 そんなある日、そのカラスが池の中の何かを取ろうとしたのか、池の中に落ちたらしく池の脇にあるオーバーフローのところにしがみついていました。 網を使ってそっと捕まえたところ、怒って作業着についていた紐を引っ張っていました。口の中は鮮やかなピンク色をしており、やはり幼鳥であることが確認できました。 その後ととりの村の裏のカラスの巣があった場所につれて行き、カラスたちの目の前で離しました。もしかしたらその後カラスから攻撃をされるかなと心配をしていましたが、それ以来カラスが一羽もととりの村の近くに来なくなりました。
ととりの村に入ったカラスの幼鳥
他にも今年はミンクの侵入事件、カメの甲羅干し、エゾリスの訪問など色々なことがあったのですが、長くなりすぎてしまいましたので他の機会にお話しできればと思います。
最後にシンリンオオカミについてですが、先日レラが死亡しましたがワッカとノチウは元気です。 数ヶ月前からレラの体調に気づき、近くにいて気にしてきたであろう2頭は私たちよりも状況をよくわかっていたのかもしれないですね。3頭から2頭になってからの関係性や変化についても今後お伝えしていこうと思います。
日陰で涼むワッカとノチウ ととりの村・シンリンオオカミ担当 原田 佳
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