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シンリンオオカミ レラが死亡しました

シンリンオオカミ レラが死亡しました

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シンリンオオカミのレラ

 シンリンオオカミのレラは7月27日に放飼場で自力で立てなくなり、その後獣舎で看護を続けていましたが、8月3日の朝に死亡しているのを確認しました。
 オオカミの森では長女のレラ(13歳)、次女のワッカ(10歳)、末っ子でオスのリーダー・ノチウ(9歳)の3頭で飼育していました。
 レラが自力で立てなくなってからは、獣舎で皮下補液や投薬等の治療を行い、飼育員が危険のないように細心の注意を払いながら餌や水を与え、馬肉をよく食べ水も飲んでいました。
 また褥瘡(床ずれ)ができないように複数の飼育員で1日3回の体位変換とハエ対策のために体を拭くなどし、涼しい室内でこまめな給水を行なっていましたが、8月1日頃から食欲が減りました。最後までレラが穏やかに過ごし、少しでも快方に向かえるようにという思いで看護を行なっていました。
 リーダーで父親のケンと母親のマースが死亡してから、レラと妹のワッカが激しいケンカをしてノチウが仲裁に入るということが頻繁にあり、レラが2頭の妹弟と距離をとって過ごすことも多かったですが、近年は関係性が変化し年を重ねるごとに3頭の距離が近くなっていったように思います。
 レラは下位のオオカミではありましたが、給餌の際には落ち着いて待っていることができず、上位のノチウとワッカの順番の時にも割って入り食べようとするところがありました。またガイドの最後におやつをあげる時にも他の2頭にひるむことなくおやつを食べに来る様子が見られました。
 昨年の秋にはレラが遠吠えに参加することが多く、ノチウがレラに強くあたる時にはワッカが仲裁に入ることもありました。遠吠えの後やガイドの始まりにノチウとワッカがレラを挟んで顔をすり寄せお互いに顔を舐めるような場面も多くありました。また、獣舎でレラに検査を行なっている時には、ノチウが獣舎の近くを何度も確認しに来る様子が見られました。
 

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2023年秋

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2024年春

 最後まで群れの中でということは叶いませんでしたが、強く当たられる経験を何度しても前に出てきて餌を食べ、堂々と丘の上に座り、次第に群れの中で認められていったレラは他の妹弟に劣ることなく強いオオカミであったと思います。

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 オオカミの群れ社会は群れによっても属する個体の個性によっても異なりますが、これからもオオカミたちの生き様を見ていただけると幸いです。


オオカミの森・ととりの村担当 原田 佳