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今年の7月に、5匹のカイウサギが産まれました。 しかし、そのうちの1匹がとても小さな赤ちゃんだったのです。
実は6月にも出産があり、その時にも成長が遅いとても小さいな赤ちゃんが産まれています。 妊娠期間は30日。平均は30-50g程度で産まれてくるはずが、18gしかなく、精一杯できることをしましたが、残念ながら数日でなくなっています。
今回の出産でも、22gの赤ちゃんが産まれました。前回のこともふまえ、もっとできることがあったのではないかと今まで以上に情報を集め、試行錯誤しながら絶対に育て上げてみせる!と意気込み、人工哺育を行うことを決意しました。
産まれて1週間。36gしかありません
カイウサギの母乳は、高タンパク、高脂質。そして、赤ちゃんのお腹の調子を守ってくれる成分も入っています。猫用や犬用の粉ミルクと猫用のオリゴ糖や酵母が入ったサプリメントなどを混ぜ合わせた特製のミルクを作り上げるのも一苦労。安定して体が大きく育つ分量にたどり着くまでに時間を要しました。
毎日2時間おきにミルクを与え、飲み終わったらおしりを刺激し排泄を促し、使い終わった道具を熱湯消毒する日々が続きます。 他の4匹のウサギたちとは5倍以上の体格差がありながらも、毎日懸命に生きようとしてくれていました。
左が母親、その他が一緒の日に産まれたウサギたち。とっても小さいウサギがいるのがわかりますか?
人工哺育だと免疫力が低くなってしまっているせいか、全身の毛が薄かったり、はげてしまっているところもちらほら。こちらも体重を増やしながら治療に専念しました。
そして、10月中旬。 体重は1.1kgを超え、毛もすっかり生え揃い、立派なカイウサギとして成長を遂げました! (現在は、里親さんのところで元気に過ごしています)
いつもこのおくるみスタイルでミルクを飲んでしました。もう片手では持てません!
か弱い小さな体で産まれてきた尊い命を常に間近で接し、生きようとする力強さに圧倒されました。そして、このウサギのおかげで飼育員としてもさらに成長させてもらいました。 家畜として人の手で作り出された「カイウサギ」ですが、人間と同じ大切なひとつの命だということを伝えていけたら幸いです。
こども牧場担当:志子田紗希
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