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エゾシカを見れば四季が分かる

エゾシカを見れば四季が分かる

 「エゾシカの森は、いつ来てもきっと新しい発見があります。」
 これは、エゾシカのもぐもぐタイムでお客様にお伝えしている私の宣伝文句です。

 冬は、エゾシカの最も野性味あふれる勇ましい姿が観察できる時期だと思います。
 真っ白な雪を背景に、フサフサで褐色の毛で覆われたエゾシカが凜として立っていて、その頭には白くて固い大きな角がビシッと生えています。メスに角はありませんが、その目には力強さを感じさせ、分厚い毛のおかげで体もより大きく見えます。
 ライオンなどの他の多くの動物と違って、エゾシカにはもちろん寝室などはありません。時に-20度も下回る厳しい寒さの中でも、屋外で生活し、乗り越えることができる能力を持っているのです。さすが北国仕様の大きな体、日本最大の草食動物ですね。

 それでは、春と冬の写真を比べてみましょう。

冬

冬のエゾシカ

夏
春のエゾシカ


 こんなにも違うんですね。どうですか?かっこいいですよね。ちなみに、冬のエゾシカの毛は褐色ですが、これは冬の森林の樹皮の色に似ていて保護色となっているのです。
 一方で春のエゾシカは少し地味ですが、角が落ちて気性が落ち着いてくるとともに、新しい角が生えはじめ、毛も生え替わりはじめ、まさに春らしい新生活のスタート、新たな四季の始まりといった風情を感じさせてくれます。
 さて、ここで少しだけ寂しいお話をひとつ。写真のエゾシカのオス個体「ペペネロ」ですが、2月14日のバレンタインデーにおびひろ動物園への引越しが決まっています。これは、以前のブログでも書きましたが同園からやってきたメス個体「のぞみ」と交換となっているためです。もちろん、互いの園がエゾシカの繁殖を目指しての交換ということになります。
 そこで、うまくいけば、のぞみは今年の夏頃に赤ちゃんを産んでくれると思いますので、新しい命との出会いを楽しみにしたいと考えています。

 夏や秋のエゾシカの姿は、その時期にブログを書く際に紹介したいと思いますので、こちらもお楽しみにしていただけると嬉しいです。

エゾシカの森・教育担当:上江昌弘