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現在SNSを大多数の人が使うようになり、『推し』という存在の情報もかなり得やすくなったと思います。
推しの対象はもちろん人間だけでなく、動物にも当てはまるもので、マヌルネコの『グルーシャ』だけを見に旭川まで来られる方も一定数いらっしゃいます。
私はヘビのガイドで、贔屓目を無くすため「私はヘビが好きなわけではありません」と言うのですが、営業トークではなく本音です。
「好きな動物は何ですか」と聞かれれば、レッサーパンダともマヌルネコとも両生類とも答えません。
私が好きな動物は『オカピ』と『オオアリクイ』と『ラティメリア(現生のシーラカンス)』です。
少しでもシーラカンスに興味がある方は、沼津港深海水族館を訪れてみてください。
冷凍された本物のシーラカンスを見ることが出来ますし、展示物も分かりやすくオススメです。
これがラティメリア
「自分の担当動物=好きな動物」ではないことに驚かれることが多いのですが、飼育員としてはそんな珍しい事では無いと思います。
そもそも担当動物は変わるので、自分の好きな動物の仕事だけが出来るわけではありません。
ただ、勘違いして欲しくないのは、好きな動物にその種が挙がらないだけで、個体に関しての気持ちはそれぞれの飼育員が一番に持っていることと思います。
砕いて言うと、好きな動物がレッサーパンダではないけれど、本園のレッサーパンダは一頭残らず好きです。
他の動物園にレッサーパンダを見に行っても、レッサーパンダそのものではなく旭山動物園のレッサーパンダのために、施設やエンリッチメント等を見ている時間の方が圧倒的に多いです。
マヌルロックに憧れた
我々飼育員は、好きな動物じゃなくても、苦手な動物だろうと、その個体のよりよい生活や命のために、知識や観察力を身につけ、様々な技術も磨いていかなければなりません。
とは言うものの、私は動物そのものが好きなので、8年経った今でも毎朝仕事に行くのが楽しみです。
こんなにも色々な体験や新しい発見を与えてくれる動物にはしっかりと恩返しをしていきたいですね。
発見だらけの日々
(小獣舎・両生は虫舎担当:鈴木 達也)
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