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北海道の動物の多くは秋の内にたくさん食べて脂肪を増やし、寒い冬に備えます(-20度を下回るような環境を脂肪と体毛の変化でのり超えられるのは冷静に考えてスゴい能力だなぁ・・・と毎年新鮮に感心します)。
飼育下のエゾシカも野生のエゾシカと同じように冬になっても外で過ごします。暖かい寝室などありません。
そこで季節によって変わる体のリズムを意識した飼育を行ない、秋の初め頃から食べ物の量を増やし、食べたいだけ食べられるように給餌量を大幅に増やしました。
ここ数日ついに食べる量が大きく減り、どうやら冬に向けた体作りが完成したようです。もう体はピッチピチです。
ピッチピチの体
昔、エゾタヌキを担当していた時、なかなか繁殖が成功せず試行錯誤していました。
そこで秋の内にたくさん食べ物を与え、冬に向けた体作りが必要なのでは?と考え、意識的に食べ物の量を増やしました。
その後、無事繁殖に成功し、成功の一つの要素に季節に合わせた体作りがあったのではないかと考えています。
季節に合わせた飼育方法で動物たちの欲求を満たしてあげることが幸せに繋がるのではないかと考えています。これからも、「さて動物たちは今何を求めているのかな?」と考え続けていこうと思います。
話は変わって秋の恵みは食だけではありません。昨年から園内の落ち葉をエゾシカの放飼場にこれでもかというほどに入れるのが私のマイブームです。
ふかふかの落ち葉は座り心地が良いかなぁ、と考えて入れ始めました。落ち葉を入れたらエゾシカはまず角で落ち葉を蹴散らし、多少モグモグ食べた後に期待通り落ち葉の上で休んでくれます。
まずは蹴散らす
落ち葉は人気あり
土の上で休みたいとき、落ち葉の上で休みたいとき、それぞれをエゾシカが選べるように選択肢を増やして過ごしやすい飼育環境を作っていくのが飼育スタッフの仕事です。
さて、他に何か敷き詰める事ができる素材はあるかな?
(エゾシカ担当 鈴木 悠太)
フッターです。