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【レッサーパンダの出産物語(1)】

レッサーパンダの出産物語(1)

「しいくにゅーす」でお知らせしたとおり、レッサーパンダの「渝渝(ユーユー)」が7月11日に出産しました。これで4年連続の出産となりますが、今年はその出産に至るまでの経緯をお伝えしたいと思います

 レッサーパンダは通常6月から7月の初夏の時期に出産します。そして交尾はその4ヶ月ほど前の2月から3月くらいに行われるのが一般的です。

 旭山のチャーミンと渝渝ペアは今までも6月下旬から7月上旬に出産しているので交尾は3月上旬あたりと思われるのですが、最初の2回の出産時には交尾を確認することは出来ませんでした。

 確認できなかった理由として、数日にかけて何回も交尾が続き、その前後の行動の変化がわかりやすいペア(雌から雄への追尾行動など)と一日だけ短時間の交尾で終わり、行動の変化もあまりないペアがいるためです。残念ながら旭山のペアは後者の確認しづらいペアでした。

 そこで2017年シーズンは簡易的なカメラを設置して、交尾を初めて確認することができました。

 そして2018年シーズンはより万全な体勢でのぞむこととなりました。

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赤いマルで囲んだところにカメラがあります。


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看板の陰のこんなところにもカメラが…


 合計3台のカメラを設置し、屋外のどこにいても交尾を見逃しません。

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小獣舎のバックヤードでカメラのチェックをしてました。

 そして例年よりちょっと遅い2月中旬から同居を開始して、交尾の時を待ちました。

 すると3月8日と18日の2回、交尾が行われました。

 レッサーパンダの交尾の動画はコチラ → www.youtube.com/watch(新しいウインドウが開きます)

 動画で見ると、意外と長いじっくりとした交尾でした。

 しかし、交尾以外の時間はお互い離れて、いつも通りの行動ですので、もし生で見ることが出来た方がいたら、かなりラッキーだったかもしれません。

 さて、長くなってしまうので、レッサー出産物語は今日はこの辺で

 次回は「診断→いよいよ出産直前!!」予定です。


 ちなみに、今回紹介した監視カメラは北大との共同研究で申請した野生動物保護基金の助成金によって購入しました。

みなさんも動物園内で見たことがあるかもしれないペンギンの募金箱が野生動物保護基金です。

旭山の中のどこにあるのか探してみて下さい。

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ペンギンの募金箱(ちなみにペンギン館にはありませんよ)

(獣医師・小獣舎担当 中村 亮平)