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どうぶつえん日記

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令和7年1月「動物園の新年と未来への取組み」

動物園の新年と未来への取組み

 明けましておめでとうございます。皆さん、お正月はいかがお過ごしでしたか。動物園の営業は12月30日から1月1日あまでお休みでしたが、ご存じのとおり動物の飼育に休みはありません。年末年始も飼育職員は交代で勤務していて、実はこの期間にも「ペンギンの散歩」は実施しています。ペンギンの習性を生かして冬の運動不足を解消しようと始めたものなので、お客さんがいなくても行うのです。お客さんがいないため、散歩コースから脱線してしまう自由気ままなペンギンの姿が見られるのは飼育職員の特権かもしれません。3月に入ってからも続けられるよう、周りの雪を集めながらコースを維持しているのですが、気がかりなのは、年々雪解けが早まっているため、この先も同じように続けていけるのか心配になります。
 温暖化の影響を受けている動物の代表格がホッキョクグマです。息継ぎのた頭を出したアザラシを、氷の上で待ち構え捕食するため、氷がなくなると狩りができなくなってしまいます。絶滅が危惧されているホッキョクグマの「種の保存」のため、全国の動物園・水族館では協力して繁殖に取り組んでいます。そうした中、旭山動物園では2021年の「ゆめ」に引き続き、繁殖にチャレンジしていて12月中の出産が期待されましたが、残念ながら今日1月6日の時点で出産には至っていません。
 旭山動物園では「Zero Carbon ZOO(ゼロカーボンズー)」の取組みも始めています。これは、動物園で生じる二酸化炭素の排出量を将来的に実質ゼロにしようとするものです。でも、ただ単に太陽光などの再生可能エネルギーに置き換えていくといった話ではありません。緑が多く、様々な動物を見られる当園は、自然を感じられる場所です。市民や来園者の方々に気候変動の問題や持続可能な生活スタイルなどを伝えることで、将来世代のために環境意識を高めてもらい、地球に優しい行動に移してもらうきっかけの場所となるのがメインテーマです。今年はそれに向けて意義のある1年にしたいです。
 

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自由気ままに散歩するキングペンギンたち(1月1日撮影)
 
令和7年1月6日
旭山動物園 田村

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