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夜の動物園が終わりました。本来であれば動物園がすることではないのですが、今年の明るい思い出となり、明日からの元気につながればと花火の打ち上げもしました。今年は子供連れの来園者が多く、子供たちの笑顔や汗をかきながら走り回る姿が印象に残りました。やはり、子供たちやその家族のためにも、動物園は開園し続ける努力をしなければならないと感じています。郊外の屋外施設で、来園者のために看護師が常駐する施設はそうはありません。
カバの子は、凪子と命名されました。室内プールでのデビューも無事終了。それにしても旭子の母親ぶりには感心させられます。凪子はテンションが上がると屋外放飼場ではプールから陸上へ、陸上からプールへと走り回り、屋内放飼場では浅瀬から水中へと潜り泳ぎ回ります。そのたびに旭子は凪子の後を追って忙しく動き回るのですが、凪子の動きの速さに付いて行けません。最後は旭子が興奮して大きく口を開け、頭を振り回し、それを見た凪子が落ち着いて終了となります。旭子には申し訳ないのですが、旭子のかんしゃくが爆発する姿には思わず笑ってしまいます。特に陸上や目の届かない深い水中に凪子を単独で行かせたくないようです。アフリカだと陸上ではライオン、水中ではワニなどの捕食動物がいます。飼育下で生まれ育った旭子ですが、アフリカで培ってきたカバとしての子を守る母性は、受け継がれているのだと感じます。
オオコノハズクやスズメも無事に巣立ち、キンクロハジロとクジャクのひなも成長中。この手紙が届く頃には、レッサーパンダの子たちも放飼場デビュー間近でしょう。今年もお盆を過ぎてから、本来旭川にいないはずのアブラゼミやツクツクボウシの鳴き声が園内で聞こえてきました。気候変動は続いているようです。平穏な秋を迎えたいです。
令和2年9月14日
旭山動物園 園長 坂東 元
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