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今年も一昔前よりは早い雪解けになりそうです。
この手紙を書いているのが3月中旬ですが、昔の4月中旬くらいの雪の量のように感じます。
4月下旬の開園に向け必死で雪割り、雪解け後にでてくる藁や糞などの「堆肥出し」作業に明け暮れていた日々を思い出します。
この天候だと4月には芝生が色づき初めてもおかしくありません。
さっき越冬していたタテハチョウ(種までは分かりませんでした)が太陽の光を浴び飛んでいました。
春はすぐそこです。
今年度もたくさんの方に足を運んでいただき無事に冬期開園を終えることができましたと報告できるように頑張っていきたいと思います。 3月は、レッサーパンダのロンロンが那須どうぶつ王国に旅立ちました。
そしてシマフクロウのロックが釧路市動物園に里帰りし、替わりに新たなペアー、ロロとモコが来園しました。
シマフクロウは日本では北海道だけに棲息したった150羽程度しかいない絶滅危惧種です。
棲息地での保全活動(域内保全)とは別に、飼育下での遺伝子プールをつくっておかないといけない(域外保全)段階との判断があり、それまでは釧路市動物園だけで保護個体からの繁殖に取り組んでいたのですが、旭山動物園、円山動物園でも飼育繁殖を目指そこととなり釧路市動物園で繁殖したロックが来園しました。
しかしロックとペアーを組める新たな血統のオス個体が繁殖、あるいは野生復帰不可能個体が見つからず、今回の移動となりました。
ロロは釧路市動物園生まれですが、モコは野生の保護個体です。
右目が失明しており野生復帰不可能と判断された個体です。
ロロとモコは雄雌なのでペアーと表現しましたが、まだ鳴き交わしや産卵には至っていない状態です。
オスの一声に、雌が二声で答える鳴き交わしは、背筋に電気が走るくらい気高く森に響き渡ります。
正にコタンコロカムイ(村を守る神)を感じます。
でもその神を私たちは自分事を優先し追い詰めてしまいました。 シマフクロウは魚食いフクロウです。
川と川を繋ぐ森はとうの昔になくなり現在は水系ごとに閉じ込められて3世代に渡る近親交配も起きています。
地上最大級のフクロウでその動きは驚くほど鈍重です。
音もなく獲物を仕留める暗闇のハンターとはかなりかけ離れたフクロウです。 羽音はするし、川の中の魚を見つけるとバシャッと脚から飛び込み決して優雅とはいえません。
豊かでおおらかな自然の象徴のような鳥です。 知床では夜になると河口に下ってきて、海岸の岩場で海の魚を捕っています。
知れば知るほど北海道の象徴です。 ロロとモコが命を繋ぎ、将来に渡りシマフクロウが暮らせる北海道であり続けたものです。
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