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どうぶつえん日記

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平成13年春 「オランウータン舎の改修工事スタート」

オランウータン舎の改修工事がいよいよ始まりました。
8月19日にオープンする予定です。
それまでの間、オランウータンとラクダは見ることが出来なくなります。

現在の放飼場のオリの天井を抜いて、高さ15メートルの鉄塔を立て、
そこからロープを伝い、
オリで囲われていない空中放飼場に行くようになります。
見晴らしはいいし、さぞ気持ちがいいことでしょう。
前例のないアイデアを実現するのですが、
このウータン舎の成否は、
飼育下生まれとはいえウータンは高いところを怖がらない、
木から木に移動する時、両手両足を宙に浮かせて飛び移ることはしない、
水の中には好んでは入らない、これが必要条件です。
何事にも例外はあるけど、うちのリアンがそうでないと信じましょう。

そういえば、先日水中を胸まで水に浸かって歩くゴリラのテレビを見ましたが、
ゲゲッとびっくりしました。
ウータンもゴリラもチンパンジーも泳げないので極端に水を怖がります。
特にゴリラは絶対に水に入らないと言うのが定説です。
本州の動物園に行くと檻の替わりに
深い水堀を使っているところもあるのですが、
きっとその動物園の人は、僕どころじゃなくびっくりしたのではないでしょうか。
泳いだりしていなかったのでよかったけど、
泳げたら水堀を渡って逃げちゃいますよね。
当園の場合、空中放飼場の受け皿で水が張ってあって、
下に降りられたら困るからなのでまだいいのですけどね。

うちの場合、2番目の条件が脱走防止の要です。
リアンや昨年死亡した釧太郎を見ていると
天井から吊したロープにぶら下がり、
ぶらぶら揺れて、たまたまその先に壁があると
マンガのようにそのまま頭から壁に激突します。
機転をきかせてどこかに飛び移ると言うことは決してありません。
チンパンジーと比べると運動神経ゼロみたいです。
今、リアンの旦那を捜しているのですが、
まさかそのウータンが運動神経ありだったらどうしようと…
先のテレビを見ていてちょっと不安になりました。

獣舎を建て始めると、もしものことばかり考えて、
夢でうなされる日が続きます。                                              

                                    

                                      リアンの旦那さん、ジャック

                                                画:ゲンちゃん