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気がつけば、もうすぐ8月です。 今年もまた変な天候が続きます。 本州の猛暑とは別世界のようです。 こんな不安定な気候が 世界的な農作物の不作に結びついたらどうなるのだろう? 何から何まで輸入に頼る日本で、 お金を出しても売ってもらえない時がきっと来る気がします。 気力の衰えかかっている僕なんかは、真っ先にダウンするのでしょう。 先月の話の続きになるのですが、エゾシカの森農園に 富良野の高校の先生と生徒さんが参加されています。 生徒さんの実家が農家を営まれており、 エゾシカの食害もあるなどの話を聞きました。 実際にどんなことが起き、どのような思いあり、 どのような対策をしているのだろう? そんな思いから、先生にお願いをして現地を見学させて頂きました。 10年前まではエゾシカによる農作物の被害はとるに足らないものだった。 4~5年前から急激に被害が増え経営を圧迫し 放置できない状態になっているとのことでした。 道東のように日中でもエゾシカを見ることはないので、 そんなに?と思ったのですが、 夜から早朝にかけて出没し、日中は山に帰って行くからと言っていました。 僕はボルネオでのプランテーションとボルネオゾウのことを思い出しました。 一見すると豊かな緑の山の麓に牧草地や畑が広がり、 調和の取れた豊かさにあふれた風景に見えるのに… 訪れた地区では山からエゾシカが出てこないように 山の裾に何十キロに及ぶ防護柵を設置していました。 ここではさらに電気柵も併用していました。 被害は昨年の十分の一に減ったとのことでした。 別の農家さんでは、スイカの被害の話を聞きました。 エゾシカは足でスイカを割って食べるのだそうです。 こちらでは個々の農家さんが、電気柵などで被害を防ごうとしていましたが、 費用や維持が大変で、今年度地区の共同で山の裾に数十キロに渡り 防護柵を設置する予定だとおっしゃっていました。 エゾシカが近年急激に増えているのは事実だと思われます。 ここ数年の暖冬、雪解けの早さが、 エゾシカの数をコントロール機能を失っているからです。 当たり前の冬ならば子ジカや老齢個体にとって冬は試練の季節です。 ここ数年は子ジカの死亡率が極端に下がっているのです。 エゾシカのメスは2才の秋に母親になるのです。 道央圏でも防護柵が急速に普及し始めています。 エゾシカは移動もできなくなり山に閉じこめられます。 今度は山の木々が「食害」と言うことになります。 エゾシカは生きる場をなくしつつあります。 その先にはヒグマも…何かを始めなければ、そんな思いを強くしました。
スイカとエゾシカ(ゲンチャン画伯)
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