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どうぶつえん日記

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平成21年1月 「新たな一歩」

明けましておめでとうございます。
前号で順調に冬が訪れていると書きましたが、
そうではなかったですね。
12月17日現在、ペンギンの散歩は
いつ始められるのか全く見当がつかない状況です。
長期的に見てどうか分かりませんが、
ここ数年はやはり気候変動は明らかですね
(12月28日から実施できました)。

今年は丑年です。
早いもので僕は年男です。
動物園にはウシはいませんが、
一歩一歩惑わされることなく
マイペースでやっていきたいなと思っています。

今年は映画「旭山動物園物語ペンギンが空を飛ぶ」が放映されますね。
皆さんは見に行かれるでしょうか?
過去の歴史が凝縮され、
少数の役者さんが数人分づつを演じておられるのですが、
こんなこともあった、あんなこともあったと思い出されることが多く、
感慨深いものがありました。

客観的には旭山動物園は「成功」しているので
映画も成功物語なのですが、
見終わって改めて「これからが勝負なんだ」と強く感じました。
今年度は入園者数が前年度より減少します。
右肩上がりの時代ではなくなります。
成功=来園者数が方程式の中、
来園者数ではない成功を目指していかなければいけません。

来園者数が少なくなることで、
僕たちスタッフが伝えたいことをより多く伝えられるようになり、
来園者の満足度を高め、こどもたちに希望や夢や、
未来につながる新しい価値観が芽生え、
真の意味での動物たちとの共生が見えてくる場になるように
努力を惜しんではいけないのです。 

何より動物園が、集客施設というだけの位置づけではなく、
動物園が動物に関わる社会貢献活動に積極的に参画し、
動物を飼育している責任を
明確に果たしていかなければいけないと思っています。
来園者数に左右されない社会的な地位を構築しなければ、
動物園はただの動物コレクションの場で、
旭山動物園もいつかブームで終わってしまいます。

そういえば、キングペンギンのメスが1羽新たに仲間入りしました。
男鹿水族館からのブリーディングローンです。
旭山には11羽の成鳥のキングペンギンがいますが
メスは2羽だけでした。
2羽のメスにとってオスは「よりどりみどり」なはずなのに、
両方とも1羽のオスに思いを寄せていたり、
オス同士のペアーができたり、何かと悩みはつきませんでした。
新しく仲間入りしこのメスがはたして誰とペアーになるのか?
(まさかメスの三つ巴?)
今から春になるのが楽しみです。
この手紙が届く頃には「散歩」にも参加しているかも知れません
(参加しています)。

皆さんにとって、良い年でありますように。
動物たちにとっても明るい未来が見える年でありますように。                                       

          

      キングペンギンの散歩(ゲンチャン画伯)