ページの本文です。

旭山動物園について

旭山動物園ヒストリー・読み物 平成15年

パックツアーの時代(平成15年夏)

ツアーの様子

近年、旭山動物園を盛り込んだツアーが全国各地から設定され、今や全入園者数のおよそ4分の1がツアーによる入園者となるほどになり、団体バスも1日に200台を超える大変な人気ぶりとなりました。しかし、このパックツアーの時代はほんの4年前から始まった事なのです。
平成14年頃、既に旭山動物園は近隣、特に北海道内では知名度が上がってきていました。しかし、旭山動物園ツアーが企画されることはほとんどありませんでした。
平成15年、札幌のF社が夏休みに初めて旭山動物園日帰りツアーを企画。手ごろな価格で旭山動物園を見学できるとあって、大ヒット企画となりました。また、全国組織のK社もツアーを開始しました。
このことが評判を呼んだのか、冬期には札幌の他のバス会社が、平成16年に入ると全国規模の旅行会社の北海道事業部が、冬には全国の旅行会社が、こぞって企画を売り出し、平成17年に入ると台湾、香港等の外国の旅行社まで旭山動物園を見学するツアーを組むようになりました。
このことにより、天気に左右されることなく、多くの人々が来園するようになりました。また、超破格な料金のパックツアーの登場により、昔では考えられなかった全国各地からのリピーターが多数訪れるようにもなりました。

しかし、新たなる問題が発生したのも事実です。
パックツアーはたくさんの魅力を詰め込んで設計することが多いので、地元民ならまず考えないようなコース設定を行う場合があります。特に動物園滞在時間の短いコースでは、時間が足りないことから、各館の行列に無理矢理割り込んで平然としている人が現れるようになりました。また、もぐもぐタイムの際も説明を聞かずに「早く食べさせろ。」と騒ぐ人も出るようになりました。

パックツアー件数の推移
夏期 冬期
平成15年 2,830人 1,481人
平成16年 23,348人 25,664人
平成17年 201,858人 136,924人
平成18年 519,658人 307,667人
平成19年 660,270人 無し

そんな中でも、旭山動物園は野生動物について伝え続けるしかないと考えています。野生動物に対する意識の低い人たちにでも、野生動物の魅力と現状を伝えることで、何かの時に動物たちのことを考えるきっかけとなってくれればと願っているからです。確かに苦情は多くなりました。しかし、私たちにとっては今まで動物園なんて見向きもしなかった人たちへも伝えることができるようになった、このチャンスを少しでも生かしていこうと思うからです。