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平成6年に起きたエキノコックス事件は衝撃でした。人気者のゴリラ「ゴンタ」とワオキツネザル「メイ」がエキノコックス症で相次いでなくなったからです。 「ゴンタ」が前年秋に倒れた当初は脳腫瘍と考えられていました。実際は、エキノコックスが脳に転移したものだったのですが、それは後日北海道大学に組織を送り、病理検査しなければ分からなかったことで、当初は分かりませんでした。 「メイ」が亡くなった時も、オスの「ゲン」と大の仲良しで、もうすぐおめでたかなと言われていた矢先のことでした。 確かに、キタキツネは人間の生活圏に深く入り込み、確実に増えている状況にあり、釧路でも根室でもそして旭川でもエキノコックス感染者が現れ、北海道全域に広がっている認識はありました。しかし、まさかウチの動物園に限って、と思っていたのも正直な印象でした。 また、事件の際の報道で「飲み水が原因か。」という誤った情報が流れたことも混乱に拍車をかけました。旭山動物園の動物たちの飲み水は水道水を使っているので、もし本当にそれが原因なら旭川市内中が大混乱に陥ったはずです。しかし、報道を見て「ウチの子が先週動物園に行って水をのんでから下痢が続くのですが。」という問い合わせが殺到したのです。「安全な市民いこいの動物園」という信頼が崩れた瞬間です。 我々はエキノコックスの対策で次の方針を立てました。
しかし、この風評被害は、結局、翌年以降も続き、「いよいよ閉園か。」とも噂されるようになりました。
モユクカムイ38号「エキノコックス特集」(PDF 2.3MB)
「ゴリラのエキノコックス症発症とその対策を振り返る」(PDF形式 1,491キロバイト) 小菅 正夫、他 日獣会誌 56 46-51(2003)
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