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昭和52年、アメリカとソ連両国が200カイリ漁業専管水域を実施し、日本も追随。領海を12カイリ、排他的経済水域を200カイリとする、この取り決めは少なからず旭山動物園にも影響を及ぼしたのでした。アシカやアザラシのエサ、「オオナゴ」が手に入らなくなってしまったのです。 そこで、急遽輸入シシャモを用意し、「こちらの方が高級だから、よろこんでくれるだろう」と思ったのは人間の勝手な思いで、何がお気に召さないのか、断固、採食拒否のハンストに入ってしまったのでした。 それから2週間。飼育係がそれこそ死ぬ思いでようやくオオナゴを手に入れるまで、ガラガラにやせてしまっても、アシカとアザラシはハンストを貫き通しました。 「その意志の強さと云おうか賢さと云おうか、とにかく脱帽」 当時の記録には、そのように綴られています。 野生動物にとって食べ物が変わることはとても難しいことなのです。彼らにとっても新しい食べ物を口にすることは、とても大きな危険を伴うのです。 例えば、食中毒を起こすとか、トゲが隠れているとか、考えてみれば人間は食の安全を他人任せにしすぎているということですね。
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