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園内での動画・写真の撮影やその公開において、他の来園されている方に迷惑を与える事案が多数生じており、また園内を利用した営業行為に対して適正に対応するため、令和6年度の夏期開園から、次の取扱いとさせていただきます。 なお、来園者が撮影された動画及び画像を起因とするトラブルに関して、本園では一切責任を負いませんので、ご承知おきください。
●園内での動画撮影 ・収益を目的としたオンデマンド配信 ・全てのライブ配信 は禁止とさせていただきます。
●園内での写真撮影 ・撮影した写真を商用・収益目的で使用する場合は、事前に手続きが必要となります。
令和6年4月25日 旭川市旭山動物園 園長
旭山動物園では、一定額以上を現金にて寄附をいただいた企業又はそれに準ずる団体を応援企業として紹介しています。
寄附申込方法(企業等)はこちらのページへ
令和5年度寄付いただいた企業のご紹介はこちらのページから
この度、旭山動物園のホームページをリニューアルしました。
もぐもぐタイム・ワンポイントガイド等のタイムスケジュールは、ホームページ及びX(旧Twitter)にて更新しておりましたが、ホームページのリニューアルに伴い、ホームページ上のみでの更新となります。
その日のスケジュールは、イベント・本日のスケジュールからご確認ください。
令和6年4月27日(土)から令和6年度の夏期開園がスタートします。
今シーズンで57年目を迎えますが、これまでには多くのチャレンジがあり、また多くの方々の支えがあり、現在の旭山動物園があります。職員一同、歩みを止めることなく、動物に向き合い、来園者や応援してくださる皆さんにしっかりとメッセージを届けてまいります。 また、今年2月に登録博物館の認定を受けました。将来のゼロカーボンZOOに向けた取組も本格的にスタートします。多くの役割や可能性が期待される中、今まで以上に幅広く様々な活動に取り組んでまいります。
令和6年4月25日
旭川市旭山動物園長 田村 哲也
【通常開園】
令和6年4月27日(土)から10月15日(火)まで
午前9時30分から午後5時15分まで(最終入園は午後4時まで)
令和6年年10月16日(水)から2024年11月3日(日・祝)まで
午前9時30分から午後4時30分まで(最終入園は午後4時まで)
【夜の動物園】
2024年8月10日(土)~2024年8月16日(金)※予定
午前9時30分から午後9時00分(最終入園は午後8時まで)
●園内での動画撮影 ・商用・収益を目的としたオンデマンド配信 ・全てのライブ配信 は禁止とさせていただきます。
5月のWEBカレンダーの動物はホッキョクグマです。
北極周辺の陸地や氷上を活動エリアとしているクマ科の大型哺乳類です。「海辺にすむ」という意味をもつ学名"maritimus"が示す通り大きな体ながら泳ぎが得意で、クマ科では唯一の海洋性です。そのため他のクマよりも体が長く泳ぎに適した流線型の体型をしています。
「ほっきょくぐま館」には2つの放飼場があり、巨大プールのある放飼場ではその泳ぎだけでなく、足の裏や毛並みまで、間近に観察することができます。柵のない放飼場では、「シールズアイ」からホッキョクグマの獲物であるアザラシの目線で観察することができます。
ぜひホッキョクグマの大きさや能力を感じてください。
お使いのパソコンのモニターのサイズ(ピクセル)を選んでクリックしてください。 カレンダー2405_16:9(画像形式(JPG) 2,013キロバイト)
カレンダー2405_16:10(画像形式(JPG) 2,179キロバイト)
令和6年度旭山動物園ポスターと夏期パンフレットが完成しました。
配布するポスター・パンフレットはFSC森林認証紙、バイオマスインクを使用しており、環境に配慮した取組を推進しています。
今年度のポスターは、キタキツネを撮影したものです。
これまでのポスターは、旭山動物園の歴史(詳細)・トップから確認できます。
パンフレットは、こちらから確認できます。
題字書者 大橋 夏海
本事業の進捗状況について広く発信し、開催に向けて機運の醸成を図ることを目的にホームページを開設しました。情報を更新した際は、本園公式SNSでお知らせします。
4月8日(月) ホームページを開設しました
本事業への参加予定校について
日本製紙株式会社様から御協賛をいただきました
春の陽気を感じる園内では、動物たちが屋外で活発に動き回る姿や、無邪気で愛くるしい姿をご覧いただくことができます。本日、4月8日から26日までは、夏期開園に向けた準備のため閉園となります。閉園期間中もホームページやSNSで動物たちの様子を更新していきますが、ぜひ、4月27日からの夏期開園に足を運んでいただき、動物たちの素晴らしさを感じていただければと思います。
さて、本園では、動物や環境問題に対する関心を更に深めていただくことを目的に、動物を主とした書道パフォーマンス事業「動物墨画パフォーマンス」を、上川管内(高文連上川支部)の高等学校及び高等支援学校と連携をし、令和6年度も開催する運びとなりました。
今回で4回目の開催となりますが、回を重ねるごとに参加される生徒さんの想いというものがパフォーマンスに強く表現され、チームで書き上げられていく過程のワクワク感、書き上げられた書の圧倒感、そして感動をもたらしてくれます。
今回は旭山動物園内、野外ステージでの開催となります。どなたでもご覧いただけますので、動物たちのすぐ近くで、より迫力のあるパフォーマンスをご覧いただき、生徒たちによる、動物と書の融合、そして躍動するパワーを間近に感じてください。
令和6年4月8日
旭山動物園 園長 田村 哲也
日時:令和6年6月15日(土)・16日(日) 開始時刻は調整中
※雨天時の場合は、6月22日(土)・23日(日)に変更する場合があります。
会場:旭山動物園内 野外ステージ
令和5年度に実施しました大雪アリーナでの模様は、次のURLからご覧いただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=VVwAWH6I9K8(新しいウインドウが開きます)
開催要綱(PDF形式 205キロバイト)
上川管内の高等学校及び高等支援学校、あわせて9校が参加を予定しています。
参加校及び参加チーム数は次のとおりです。
坂東前園長の思いが込められた
モニュメント
先日、市内で行われたヒグマの冬眠調査に同行してきました。さすがに冬眠穴は見つけられないので、冬眠から目が覚めて雪の上に足跡がないかを調査しました。冬眠明けのヒグマがいれば水を求めて移動するはずなので、冬眠しているであろう山と渓流の間の斜面を歩き、横断する足跡を確認するという作戦です。調査地では足跡を確認することはできませんでした。思ったより雪が深くまだ冬眠中の可能性が高いと思われました。今年は春期捕獲も施行されることとなっておりヒグマとの関係に変化の兆しが出るのか注目です。 冬期開園も無事に終わりました。想定よりも来園者が多く、特に海外からの来園者の多国籍化が進んでいる印象でした。冬の北海道の観光はこれからますます伸びるでしょう。動物園として楽しんでもらうこと+気づいてもらうことを充実させていかなければと思います。もぐもぐタイムの解説に英語を交えるなど皆それぞれに試行錯誤しながら前向きに取り組みを始めています。 そういえば、博物館法が改正されたのを機会に、旭山動物園は登録博物館を目指し申請をし登録博物館となることができました。今までは博物館に相当する施設と言った曖昧な位置づけだったのですが、国が認める正式な博物館(ミュージアム)となることができました。収蔵物(動物)の展示手法や研究、来園者へのガイドなどの手法、外部との連携や活動が評価されました。動物園は地球の命を扱う貴重な博物館だとの思いがずっと昔からあって、20年以上前に建てたぺんぎん館から現在に至るまで各館のモニュメントには密かに○○ミュージアムと英語で表記していました。百数十万人が訪れる地方の博物館は数えるほどしかないはずです。もちろんこれはスタートラインなのですが、改めて動物園の役割を見直しより充実した動物園(ライフミュージアムかなぁ)を目指していきます。
令和6年4月7日
旭山動物園 統括園長 坂東 元
チンパンジーの「タケル(18歳)」が4月2日の朝、死亡していました。 タケルは、ちんぱんじー館で2頭のオスのチンパンジー(ピースケ22歳、コースケ15歳)と同居飼育し展示していました。
過去にもチンパンジー同士の闘争や、それに伴う外傷はありましたが、2024年1月頃から「ピースケ」から「タケル」への攻撃時の執拗さが強くなる傾向が認められていました。 3月25日頃より元気、食欲も低下傾向でしたが、寝室と屋内展示場の移動は他2頭と共にしており、前日も同様でした。
そして、4月2日の朝に飼育担当者が屋内展示場床で死亡した状態で発見しました。 解剖の結果、闘争による外傷性ショックによる死亡と診断しております。
最近のオオカミの森では春の日差しが気持ちいいのか、レラ・ワッカ・ノチウの3姉弟が雪が溶けて出てきた土の上でよく寝ています。オオカミたちが暮らす放飼場を掃除しながら歩くと、緑の芽が生えてきているところもありやっと冬が終わったなと感じます。 今年は長女のレラが13歳、次女のワッカが10歳、末っ子のノチウ(オス)が9歳になります。3頭は4年前に父親のケンが死亡してから少しずつ関係性を築いてきました。 ケンがいなくなってから、リーダーとして他の2頭を気にかけてきたノチウ。 1年ほど前にレラとワッカに麻酔をかけて検査をしたことがありました。検査が終わり、レラとワッカがいる寝室の隣にある通路をのぞくと、寝室と通路の間にある仕切りにぴったりくっついて丸くなっているノチウの姿がありました。通路には外の放飼場へ行くことができるシュートがあるのですが、検査中は開いていたため1頭で出て行くこともできたのに、ノチウはずっとそばでじっとしていました。 今読んでいる本に、あるシンリンオオカミの群れのお話がありました。 オオカミが絶滅した地域にオオカミを再導入した際、2頭のペアとその子どもたちからなるパックを、まず囲い地に住まわせ、一定の期間が過ぎて慣れてきた頃に囲い地の一部を解放したところ、まず父親が外に出て行ったそうです。しかし母親と子どもたちは、外を警戒して出て行くことができません。 その後何日も出口は開いているのに母親と子どもたちは囲い地の中にいました。ある日スタッフが囲い地の外を点検していると、出て行ったはずの父親が、囲い地のすぐ近くで母親と子どもたちが出てくるのを待っているのを確認したそうです。このお話を読んだ時、レラとワッカの検査をしていた時のノチウの行動を思い出しました。警戒心の強いオオカミがする行動とは思えませんでした。
ノチウ(オス・末っ子)
「オオカミの社会性」は一言で言い表せないほど多くの発見があり面白いなと日々感じます。 今年ワッカの行動にも少し変化が見られました。 子どもたちだけになってからは、ワッカがレラに対し強気な態度をとりケンカが多く、レラが2頭から距離を置く様子がよく見られました。 しかし月日が経つにつれ、2頭の激しいケンカが減っていっているように思えました。ワッカが好んでレラの近くで休んだりするのも多くなったように思います。ある時はワッカのお尻にレラが頭を乗せて寝ていることもありました。そして一番驚いたのは、ノチウがレラに対し怒った際、ワッカがノチウとレラの間に入り止めようとしたことです。ノチウがレラに対し怒ることも珍しいですが、ワッカが止めに入る行動をするとは想像もしませんでした。
ワッカ(次女)
レラは遠吠えの時にはいつも寝ていたりしらっとしているですが、今年の秋は遠吠えに参加する姿がよく見られました。ケンとマースはたくさんの子どもを育ててきましたが、レラは産まれた弟妹たちの面倒を見てきました。順位は下位ではあるけど、群れの様子を見て距離を置いたり前に出てきたり、色々な経験をして自分の立ち振る舞いを確立していったように思います。そんなレラが先日体調を崩した際には、ワッカとノチウがずっとレラを気にかけ、そばに行ったり顔を舐めに行く様子が見られました。幸い次の日にはレラが元気を取り戻したため、ワッカとノチウも普段通りになりました。
レラ(長女)
そしてこの時期はシンリンオオカミの繁殖期でもあります。オオカミたちは巣穴を作ってそこで出産をします。旭山のオオカミたちは姉弟なので繁殖はしませんが、メスのワッカは色々なところに穴を掘っています。このままでは穴だらけになってしまうので、春の閉園期間に飼育員たちで土や砂利を詰めて穴を埋めます。 埋めた穴はまたすぐに掘り返されてしまうのですが、オオカミの本能を発揮してくれるのは嬉しいので、またみんなで楽しく埋めようという気持ちになります。 これから穴埋めの時期がやってきますが、オオカミたちの健康に感謝しながら、また日々の発見をお伝えできたらと思います。
遠吠えの時の様子
オオカミの森・ととりの村担当:原田佳
デザイン新たに、今年も4月1日から初回入園日から1年間ご入園いただけるお得な旭山動物園パスポートを販売します。今年のデザインは、アムールヒョウをモチーフとしています。ぜひご利用ください。
あべ 弘士 氏(絵本作家・元旭山動物園飼育係)
初回提示された日から1年間(有効期限の日付まで)、旭山動物園に入園できます。
1,400円(税込)
販売箇所詳細はこちらでご確認ください。
初回提示された日から1年間、旭山動物園と旭川市科学館(サイパル)にご入園いただける共通パスポートも販売しています。
2,230円(税込)
4月のWEBカレンダーの動物はヒツジです。
ヒツジは、毛を刈らないと伸び続けるように改良されている家畜種です。旭山動物園ではサフォーク種とポールドーセット種の2品種に加え、昨年の11月からミックスのヒツジを飼育しています。11月に来園した「イツカ」(ジャコブ種とロマノフ種のミックス) は、2月に「ナツメ」(オス)を出産し、すくすくと成長しています。
ヒツジの親子の姿や、そのほかの家畜種は、第2こども牧場で見学いただけます。
お使いのパソコンのモニターのサイズ(ピクセル)を選んでクリックしてください。 カレンダー2404_16:9(画像形式(JPG) 2,013キロバイト)
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春分の日が過ぎました。 陽射しは暖かく感じるようになりましたが、まだ雪も残っていますし、雪も降りますし、朝の気温は氷点下。 こんな天気じゃ春はまだかな…と思うのですが、木のてっぺんでさえずるカラ類や、 飛来し始めたハクチョウ、少し出てきた土、山の木のまわりにできた雪のくぼみを見ると、 もう春はそこまできているんだなと実感します。 ※3月19日午後、ブログ作成中にものすごい量の雪が降ってきましたが、すぐやみました(笑)
園内では雪の上を歩いたり、走り回ったりするのはもちろん、 雪の上にねそべったり、雪を食べる動物も多く飼育しています。
雪の上で気持ち良さそうにのびるキタキツネ(3/19) マヌルネコは長く密にはえた冬毛で寒さをしのぎます(3/19)
エゾユキウサギの毛はまだ冬仕様のようです(3/19)
さて、先日、旭山動物園だより・みにだよりの最新号を発行しました。 動物園だよりでは「いい雰囲気のオスとメス」ということで、 ホッキョクグマやエゾシカなど、繁殖が期待されるペアを紹介しています。 みにだよりでは、とりの「め」がどう見えているのかを紹介しています。 気になる鳥の目がどこにあるか、園内観察、野外観察の参考にしてみてくださいね。 ※どうぶつえんみにだよりで紹介しているカモ類4種、インドクジャク、チゴハヤブサは、冬期開園中は観察できません
次の動物園だより・みにだよりの発行は、4月27日の夏期開園日ごろを予定しています。 動物園だよりでは夏期開園日恒例の、クロスワードパズルとなっていますので、お楽しみに。
投稿者:動物図書館 北川裕美子
「旭山動物園だより」はこちらからダウンロードできます(新しいウインドウが開きます)
「あさひやどうぶつえんみにだより」はこちらのページからダウンロードできます。(新しいウインドウが開きます)
3月18日にアライグマの「もり」(オス、13歳)が死亡しました。 昨年12月頃から食欲が落ち、好んで食べるものを様々試して与えていました。 2月末からは活動量が落ち、展示を中止していました。 解剖の結果、老衰と診断しました。
肌寒い日と日差しの温かい日が入れ替わるように訪れ、三歩進んで二歩下がりつつも春の足音が徐々に近づいてくるようなこの頃ですが、皆さま如何お過ごしでしょうか。 春の訪れに先駆けて、こども牧場では新たな出会いがありました。 去る2月20日のお昼時、牧場で飼育しているヒツジの「イツカ」が放飼場の一角で座り込んでいました。 お昼を食べに来ないなんて珍しいな、などと思いつつ目の前に一掴み乾草を置いてあげて、少し目を離して戻ってきたところ……先程置いた乾草の上にヒツジの赤ちゃんが居て、「イツカ」がそれを甲斐甲斐しく舐めてあげていたのです!
ヒツジの赤ちゃんを舐める「イツカ」
生まれたての赤ちゃんにはまだまだ厳しい気温だったため、暖かい屋内へと運びしばらく飼育をしていましたが、3月4日から一般のお客さんにも観察してもらえるように第2こども牧場の一部を開放して親子のヒツジを観覧することができるようになっております。 時折跳ね回ったり、お母さんの背中に乗ったりと仔ヒツジらしい元気な行動が見られます。体重も日に日に増えてゆき、顔つきも幼児から子供の顔に、お母さんのマネをして草を食べる様子も見られすくすくと成長しています。
「イツカ」の背中に乗るナツメ
牧場の新しい仲間となったこの仔ヒツジ(オス)は「ナツメ」という愛称になりました。ヒツジの成長は速く、半年も経てば大人とほとんど変わらない大きさに成長してしまいます。小さくて可愛らしいうちに(大人になっても可愛いですが)是非こども牧場に足を運んで、親子のヒツジに会いに来てください。
こども牧場担当:堀川草太
暖かくなったり寒くなったりおかしな天気ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか? 2月20日頃、あざらし館では陸上の氷雪を全部割り、白い部分が完全になくなりました。
2月20日
「このまま春か?」と思うくらいの陽気にアザラシにも異変が・・・暖かくて勘違いしたのかいつもは3月末から4月が発情期ですが、オスがガゥガゥと発情鳴きをしていました。こんなことは初めてです。発情鳴きはこの日だけでした。
3月2日
かと思えば3月初め、今度は急なドカ雪と寒さで一気に冬に逆戻り。これが普通なのでしょうが・・・まだ春は遠そうですね。皆様も体調管理に気をつけてゆっくり春を待ちましょう。
「春?」
あざらし館担当・副園長:中田真一
公表文(PDF形式 93キロバイト)
立派なフランジを持つ
オランウータンのジャック
異常高温の日が続き驚くほど雪解けが進んでいます。毎年なにか観測史を塗り替える気候の異変が起こりますが、それが当たり前になってきました。馴れていいことでは決してないのですが・・・。 日記を書いている2月は、学生との道東ツアー、さらにボルネオでの活動と続き少々オーバーヒート気味です。 ホッキョクグマのホクトが円山での繁殖のために一時的に旅立っていたのですが、戻ってきました。ピリカとの繁殖のためです。ホクトが旭山に到着し、麻酔をかけていた同時刻に、オランウータンのジャックが死亡しました。ジャックは42歳、高齢ではありましたが老齢とは言えない年齢でした。昨年の暮れから尿路結石を患い、回復したのですが、その後すぐに動きが緩慢になり、力が入らない状態になりました。意識ははっきりとあり食欲もありました。検査結果や症状から心臓系の疾患と推察し、投薬での治療を行ってい安静に保つことに努めていましたが、状態が急変し死亡となりました。ジャックは平成14年、前年にオープンした空中散歩の「オランウータン舎(当時の名称)」にリアンのペアとなるべく広島の安佐動物公園から引っ越してきました。当時は、ほっぺたのフランジが発達したオス成獣との新たなペアリングは行わないのが通例でした。オスとメスとの体格差が著しく、単独生活が基本なので、オスの感情次第でメスが死亡してしまう事故に繋がる危険があるからでした。異例のペアリングと言うことになります。ペアリングは性成熟に達しない年齢の個体で行われることが多かったのですが、これは本来メス親や兄弟と過ごす成長の過程を経ておらず、同居は成功しても繁殖に至らないケースがほとんどでした。ジャックもメスとの同居はしていたのですが繁殖には至らず、同居メスが先立ったため、さらなるペアリングは断念し単独で暮らしていました。他園からは、ジャックとのペアリングはやめた方がよいのではと言われたのですが、見事にペアリングは成功しリアンとの間に子をもうけることができました。あのオランウータン舎は、まさにこのことを目指して建てた施設でした。ジャック、リアンの繋がりでボルネオでの「恩返しプロジェクト」が生まれ、ボルネオゾウの一時避難施設の建設に繋がりました。 ジャックの存在があることで森人(モリト)のフランジは大きくなりませんでしたが、ジャックの存在がなくなりモリトのフランジはみるみる大きくなると思われます。世代のバトンタッチです。 今年もたくさんの命のヒストリーが生まれ、未来へと続いていきます。
令和6年3月6日
旭山動物園 園長 坂東 元
このたび、旭山動物園は法律上の博物館としての要件を満たしていることが認められ、令和6年2月29日付で博物館法に規定する登録博物館として登録されました。
ちょっと前の話になりますが、1月23日~25日に福岡市動物園で開催された「動物園技術者研究会」に参加してきました。 この研究会では日本動物園水族館協会に加盟している園館の飼育員や獣医師が参加して、研究発表を行います。 旭山からはオオカミとニホンザルに関する発表を行いました。機会があれば皆さんにもお伝えできたらと思います。 コロナ禍ではオンライン開催だった研究会ですが、昨年度からは対面開催となり、私も久しぶりの対面研究会への参加でした。 やはり対面では質疑応答も活発ですし、休憩時間などにも情報交換ができて大変有意義な会となったと思います。 インターネットやSNSが発達した中でも、動物園スタッフと直接顔見知りになると困ったときにも質問しやすくなるので、他の園館の若手スタッフが積極的に名刺交換をしているのを見て、自分が初参加した時を思い出しました。 最終日には福岡市動物園を見学しましたが、新しいゾウ舎やペンギンの施設を見ることができました。 福岡市動物園は博多中心部からも近いのですが、旭山以上に坂が多く、動物舎もその坂を利用する形で作られているのが印象的でした。 皆さんも機会があれば是非行ってみて下さいね。 今後も研究会での経験を園内に還元して、よりよい飼育を目指していきます。
研究会は博多のホテルで行われました
手前がペンギン、奥がゾウの施設です
てながざる館担当・獣医師:中村亮平
3月のWEBカレンダーの動物はチンパンジーです。
タンザニアから中央、西アフリカなどの熱帯雨林地帯を中心に生息しています。果実や葉、種子、樹皮などを主食とするほか、昆虫や小型の哺乳類や鳥類なども食べ、シロアリ塚に棒を差し込み捕食したり、石で木の実を割ったりと、類人猿の中でもよく道具を使用することでも知られており、好奇心が強く、高い学習能力を持っています。
昨年8月に生まれた笑蓮(エレン)は、母親のフルトのそばですくすくと成長しています。群れでの交代展示となるため、見学いただけない日もございますが、SNSでも日々の様子を配信していますので、今後の成長もあたたかく見守ってください。
お使いのパソコンのモニターのサイズ(ピクセル)を選んでクリックしてください。 カレンダー2310_16:9(画像形式(JPG) 2,013キロバイト)
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先日、えぞひぐま館で「すげー、めっちゃ人いるじゃん!大谷翔平でもいるのかよ?」という秀逸な一言を耳にしました。 冬期開園がはじまってから外の放飼場への馴致を行っている「すなすけ」を見るために集まっていた人たちのことでした。「すなすけ」があちこちに動き回るたびに、人もあちこちに動き、カメラを向け、歓声があがる、そんな一幕でした。 たしかに小さい頃の動物は愛らしく動きもまた独特なことが多いため人を魅了するのも納得できますが、動物園でのそのような光景には違和感があるのも確かです。また、旭山やヒグマだけではなくいろいろな動物で最近の「推し活」ブームのような様相を呈しているような気もしています。 奇しくもこれまでの歴史を見ていると、動物園やメディアはそういったスター動物やアイドル動物を生み出したがる傾向があるように思います。ただあまり「個」にフォーカスしてしまうと、「○○ちゃんだからかわいい」、「○○ちゃんだからすごい」となってしまい、その先にあるはずの種としてその動物の魅力に気づかなかったり、興味や関心を持つことが無くなってしまう、あるいは誤った認識を持ってしまうようになるのではないでしょうか。 旭山動物園のえぞひぐま館では、「すなすけ」に興味を持っていただいた先に、ヒグマという動物について、ヒグマと人との関わりやそれらを取り巻く自然や社会などについても知ってもらい関心を持って動物園を後にしてほしいと願っています。 そのためにもまだまだ未熟で不完全ですが、伝えていく努力を怠らないよう自分自身に言い聞かせ、自戒の意味も込めてここに書かせてもらいます。
「すなすけ」が動くと人も大移動
外に出ている「すなすけ」
えぞひぐま館・フクロウ担当:大内章広
こども牧場の隣にある動物図書館をもっと知ってほしい!と思い、一度展示動物の都合でなくなってしまったミニ動物図書館を、なんと今回復活させました! こども牧場のとなりにある、「動物図書館」の本が、こども牧場内でも読むことができます。小さなスペースですが、座ってゆっくり休憩もできますので、外が寒い!歩き疲れた!という時に休憩場所としてもご利用してください。 そして、このミニ動物図書館内には、こども牧場の動物の中でも絶大な人気を誇る、あの!「ホルスフィールドルクガメ」を展示していますので、じっくり観察ができます。
さらに!さらに!動物図書館で体験できる工作の情報や、ミニミニうんち展もありますので、こども牧場に来た際には、うんちクイズに挑戦してください。秘密のうんちが発見できますよ。 こども牧場だけでなく園内の動物たちを観察して、もっと知りたい!ここが気になる!と思ったら、動物図書館にはたくさんの動物に関する本がありますのでぜひ立ち寄ってみてください。
第一こども牧場室内にあるミニ動物図書館
ミニ動物図書館内のおすすめ本やうんち展
秘密のうんちは誰のうんち?
こども牧場担当:大河原沙織
オランウータンの「ジャック」(オス、42歳)が2024年2月14日に死亡しました。
おらんうーたん館で暮らしていたジャックは、2023年12月初旬より食欲不振、元気消失となり展示を中止し、麻酔下検査で尿管結石と診断し治療を行い、12月下旬には元気食欲とも回復してきていました。尿管結石の経過確認のために12月末に再度麻酔下検査を行った結果、結石の消失(排泄)は確認できたものの、麻酔検査後に再度元気消失傾向となりました。運動不耐性(力が入らない、動きたがらない)が認められ、12月末に採取していた血液を再度検査した結果などから心臓疾患を疑い、強心剤の投薬治療などを行っていましたが2月14日に死亡しました。解剖の結果、肺水腫・心嚢水の貯留・心筋の変性を認め、心不全と診断しました。
「ジャック」の来歴 1981年9月22日 多摩動物公園生まれ 2002年4月23日 安佐動物公園より来園(多摩動物公園からのブリーディングローン) メスの「リアン」(2019年死亡)との間に3頭の繁殖に成功し、現在2頭の子(オスの「モリト」、メスの「森花・モカ」) を旭山で飼育しています。
2月14日に札幌市円山動物園よりホッキョクグマの「ホクト(オス)」が来園しました。
「ホクト」の展示については、様子を見ながら開始をし、「ピリカ(メス)」との今後の繁殖を目指していきたいと考えています。
放飼場の様々な所に興味を持つ 好奇心旺盛な「すなすけ」
冬も後半。この日記が公開される頃には、雪あかりの動物園の開催も目の前ですね。日記を書いているのは1月下旬。厳しい冷え込みが続かず、アイスキャンドル作りに不安を抱えながら準備を進めています。 今、最終調整に追われているのが、知床から釧路までを巡り、人と自然との関わりを考える学生ツアーです。観光・ボランティア・漁業・保全・研究など、様々な形で自然と向き合っている方々の思いや考え方を、体験を通して学びます。コロナ禍で中断していましたが、学生さんを連れたスタディツアーは過去に2回マレーシアのボルネオ島サバ州で行いました。学生の皆さんが、将来の進路を考える上でも、大人になっても、環境問題や野生動物との関わり方を、「人ごと」ではなく「自分ごと」として考えられる人になって欲しいという思いで、このツアーを続けています。厳冬期での屋外体験が多いので、皆さんが体調を崩さず、天気も見方してくれることを今から祈っています。 さらに今月は、ボルネオ島での活動も動きます。コロナ禍での活動空白期間の現状や今後の考え方や関わり方などを、現地に赴きサバ州政府と協議します。本格的な活動再開に向けた仕切り直しになります。 あっという間に春の予感です。春といえばヒグマが冬眠から覚めますね。昨年はドングリの不作などでヒグマの栄養状態が悪かったため、今年は子の生まれる数が少ないと予想されています。これからヒトとヒグマの関係はどうなっていくのでしょうか?旭山動物園の「すなすけ」は、たくましく成長しています。好奇心旺盛な愛らしい姿から、近寄りがたい雰囲気を放つ姿に見る見る成長していくでしょう。つくづく、ヒグマは北海道の自然の優しさと厳しさの象徴なんだなと感じます。
令和6年2月6日
ホッキョクグマの「ホクト(雄)」が、2024年2月14日に札幌市円山動物園より来園することになりました。 ホクトは、当園で2021年にピリカ(雌)との間で繁殖に成功(「ゆめ(雌)」が成育、ゆめは2023年12月に神戸市王子動物園へ移動)した後、2022年11月に繁殖のために札幌市円山動物園へ移動しました。 今回、再度当園へ移動し、ピリカと繁殖を目指すことになります。 絶滅危惧種であるホッキョクグマは国内および海外の動物園間で協力して繁殖に取り組んでいる動物になり、今回の移動も日本動物園水族館協会のホッキョクグマ種別計画管理者とも相談の上決定しています。
なお、「ホクト」の展示およびピリカとのペアリングについては到着後の様子を見ながら進めるため、日時は未定になります。
明日からいよいよ2月。雪あかりの動物園まであと10日…。準備が着々と進められています。 ですが、最近の気温がとても温かく、雪あかりの動物園で園内を照らす「しずく型アイスキャンドル」がまだ予定の数まで達していません…。昨年の夏の暑さも異常でしたが、今年の冬の温かさも異常な感じがします。
さて、今日から雪の遊び場の製作が始まりました。 雪の遊び場では、雪の滑り台2つ(長いの短いの)と、あと2つ雪で製作をしていきます。 こちらは何ができるのか当日まで楽しみにお待ちください。
滑り台(ほぼ完成!?)
板を押さえて何かを製作中
雪あかりの動物園については、ホームページやSNSで随時情報が更新されていきます。 情報をチェックしながら、ぜひ雪あかりの動物園へお越しください。
こども牧場・教育担当:佐賀真一
2月のWEBカレンダーの動物はマヌルネコです。
シベリア南部から中国、イラン、アフガニスタン等の標高が高い草原や半砂漠に生息しています。ほかのネコ科の動物と比べ目の位置が高く、耳が横についているのは、生息地に隠れるところが少なく、狩りをするときなどに目立たなくするためと言われています。また、草の隙間からのぞくことが少ないので、瞳孔は常に丸いです。 イエネコとは違った、マヌルネコ特有の生態をぜひ観察してみてください。
昨年12月からこども牧場で勤務しております、清水駿之介と申します。クジャクを担当させていただくことになりました。
自分は今まで動物についての専門分野を学んできたことは一切なく、何もかも未経験な新人でございます。こども牧場の動物たちや担当のクジャクも0からの勉強になりますので基本的な情報を知っていくとともに身近な目線に立ち、独自の視点からも色々なことを発見できるように広い視野を持ち日々精進してまいります。
クジャクの飼育担当になって実際に業務にあたってみた感想を申し上げると、一言で言うなら「分からない」というのが率直な思いです。クジャクという鳥は落ち着いてる鳥かと思ったら他の個体にちょっかいをかけたり、自分のすぐ側まで来て様子を見てきたりする個体もいて性格が全然掴めない。また何と言ってもオスの羽の色、メスの首の色がどちらも美しい。どうなったらこんな色になるように身体が出来るのか、全く分からない。分からないからこそ自分はこの生き物についてもっと知りたい!そして伝えたい!そう思っています。暖かくなると外展示も始まりますので、自分も楽しみな気持ちでいっぱいです。
また現在、こども牧場広場にて雪像を製作中です!来園される皆様の前で作業してますので秘密裏に進めることは出来ませんが、完成までお楽しみに!そしてその横にはすべり台がございます。こちらの方は出来上がってますので是非遊んでみてはいかがでしょうか!(こども牧場飼育員一同すべりにすべった後に水で固めましたので耐久性は十分だと思います!)
途中の雪像とすべり台
こども牧場担当:清水駿之介
皆さんは小さい頃に乳歯が抜けた時のことを覚えていますか?なかなか取れなくて、扉に縛りつけて抜いたとか、抜けた歯を屋根に投げたとか、どんな思い出がありますか? 乳歯から永久歯に生え変わるのは人間だけではありません。タイミングは違えど、多くの動物が生え変わります。そこで、昨年発見した乳歯を紹介したいと思います。 まず一つ目がこちら
キリンのアサヒの乳歯
キリンのあさひの歯(切歯)です。 キリンには上の前歯が存在しないので、必然的に下前歯ということになります。 あさひも成長途中とはいえ大きさは3メートルほどになりますが、歯は意外と小さいなという印象です。 続いてはこちら
ライオンの乳歯
ライオンの乳歯(臼歯、裂肉歯)です。抜け落ちた日付的にフウか、レイのものですがどちらかはわかりません。 僕らの奥歯とはちがいとても鋭く、読んで字の如く、肉を裂くための歯、ハサミとしての役割をします。
ライオン乳歯コレクション
ライオンの歯は今のところここまで集まっています。見つけた歯は個別に袋に入れ、日付と種名、わかれば個体名を入れて保管しています。 記名をしておかないと数年後の自分や、別の担当者になった時にどの動物の物なのかがわからなくなり困るのでしっかりと記入します。必要になれば、ガイドなどで活用しています。 また乳歯のコレクションが増えたらお知らせしたいと思いますので、お楽しみに!
もうじゅう館 フラミンゴ担当 若山晃暉
(2015年まで飼育していた「ミシシッピアリゲーター」)
先日、旭山動物園だより・みにだよりの最新号を発行しました。 2024年の干支は、十二支のうち唯一実在しない生きもの「辰」。 「動物園だより」も「どうぶつえんみにだより」も、辰年にちなんだ記事になっています。
いろいろ資料を読んでいて、わかってきたのが、 「辰」は「は虫類」がベースになっているということ。 「タツノオトシゴ」という魚が海にいますが、「ドラゴン」ではないこと。 西洋の「辰(ドラゴン)」は火を吐く「怪物」で 東洋の「辰(龍)」は人にやさしい「神様」だということ… などなど。
旭山動物園では1967年から2015年まで、「ミシシッピアリゲーター」を飼育していました。 今号の動物園だより・みにだよりでは、大きな「は虫類」の「ワニ」を使って「辰」を表現してみました。
神社やラーメンの丼にも描かれている「辰(龍)」。 ゲームやファンタジーの世界に出てくる「ドラゴン」。 調べれば調べるほど、いろんな「辰」がいます。
私たちの近くにはいろんな「辰」が存在しています。 今年はぜひ、「辰」のモチーフになった「は虫類」を観察してみてはいかがでしょうか。
追記: 動物読書感想文コンクールの作品募集の締切は1月26日です。 ご応募、お待ちしております!
動物読書感想文コンクールの詳細はこちら。 募集要領・応募用紙のpdfは、ここからもダウンロードできます。
動物読書感想文_募集要領(PDF形式 121キロバイト)
動物読書感想文_応募用紙(PDF形式 101キロバイト) 投稿者:動物図書館 北川裕美子
娘の「ゆめ」が他の動物園へ移動し
1頭での放飼となったピリカ
皆さん、新しい年を迎えました。今年もよろしくお願いいたします。 辰年はなかなかイメージに合う動物がいなくて動物園的には困ってしまってしまうこともあります。爬虫類の○○ドラゴンとか飼育していれば象徴的に辰年っぽいですね。水族館ならタツノオトシゴでしょうか。ちなみに、辰(龍)は十二支で唯一想像上の生き物ですが、架空でも存在すると信じられていた生き物だとか、本来はワニや恐竜の化石をイメージした動物だったのではないかなど、その由来には諸説あります。自分としては、自然の圧倒的な力をコントロールする存在なのではないかと思います。今年は地球に優しい龍でいてくれたらと願います。 これを書いているのは12月上旬、天気予報とにらめっこをしています。今年中に安定した根雪きになるのか、まだ確信が持てません。過去一番遅かったペンギンの散歩の開始日は12月28日。記録更新にならなければいいのですが…。 ここ数日は日中解けた雪が夜に凍るので、翌日の午前中は園内もツルツルで大変です。融雪や砂まきをしても、海外客の中には夏のスニーカーの方も多く、手すりにつかまって歩くのもままならない状況です。それでも雪と氷を楽しんでいる様子が救いではありますが。 ほっきょくぐま館を見ると、ピリカが一頭でいることがまだ不自然に感じますが、ライオンの子フウとレイ、カバの凪子も独り立ちできる場を見つけなければとも思います。みんなたくましく育っており、胸を張って送り出せることがうれしくもあるのです。 さて、今年はどんな一年になるでしょうか。良い年にしたいなと思います。皆さんにとっても良い一年でありますように。
令和6年1月7日
「モユク☆カムイ119号」が完成しました。
今回の表紙は、「ゴマフアザラシ」。
「モユク☆カムイ」は動物園東門管理事務所、園内サポートセンタ-、動物図書館、こども牧場で配布しています。動物園にお越しの際は、手にとってご覧ください。
モユク☆カムイ119号へのリンクは
モユクカムイ119号(PDF形式 5,068キロバイト)
もくじ
1・ぼくは動物大使 その80 流氷とともに ゴマフアザラシ
2・特集 動物のお引越し事情 ~動物たちの移動の裏側紹介~
3・飼育研究レポート 24年ぶりのヒグマの保護受け入れ
4・こども牧場からのお手紙~新しい仲間が増えました~
5・主なできごと・編集後記・飼育動物数
モユク☆カムイは、園内(動物園東門管理事務所、サポートセンタ-、動物図書館、こども牧場)での配布のほか、郵送での取扱いも行っています。また、在庫があればバックナンバーもお渡しできますので、詳しくは旭山動物園(0166-36-1104)までお問い合わせください。
モユクカムイについての詳細はこちら
新しい年を迎えました。久しぶりに澄み渡る青空でした。12月は記録的な積雪で、来る日も来る日もみんな雪かきに追われちょっとうんざり気味でしたので新年早々の快晴でまさに気分一新でした。放射冷却で冷え込みはしましたけど・・・。 恒例になるのではと危惧された?年越しインスタライブは、何せ今年の干支の語呂合わせ的な生き物が旭山にはいないので、いろいろと画策したのですが断念となりました。どこかホッとしつつも残念でもありました。その代わりにと言うことでもないのですが大晦日と今日の日中に連続インスタライブとなりました。 大晦日のライブ配信中に自分的には感動的なことがありました。ホッキョクグマのルルの行動です。ルルは今年30歳を迎えます。昨年の暮れから寝室から屋外放飼場に出るのを渋ったり、放飼場でも休んでいる時間が長くなったりと老いたのかなと感じさせる行動が目立つようになっていました。そこで担当者が気分転換にとピリカとルルの放飼場をチェンジしてみたのです。ルルにすると2021年の冬のピリカ出産の都合でサツキ(23年10月死亡)と共に数ヶ月過ごして以来の屋内観察側の放飼場です。 ライブ配信中にバシャバシャという水の音が聞こえたのでもしやと思い駆けつけると、ルルが水中から上がりポリタンクをくわえて遊んでしました。そして自分に気づくとかくれんぼしている(獲物を狙う、待ち伏せる)ようにこちらを探し水中に飛び込んできました。 旭山動物園の飼育展示コンセプトのひとつに、動物にとってお客さんがストレスの対象ではなく興味を抱く猫じゃらしのように観える環境を具体化して動物のもつ本来の行動を引き出す、動物も来園者もwinwinになる、という考え方です。他にもお客さんをカラスではなくスズメに見えるように、などなどあるのですが。 ルルも昔は来園者が少ない時間帯によくやっていた行動です。20年近く前をふと思い出す光景でした。キラキラとした目が若い頃のルルでした。とてもうれしい出来事でした。 今年もあっという間に過ぎていく予感がしますが、一日一日を大切に動物園の持つ可能性を一つでも具体化し、階段をできるなら駆け上がる年にできればと思います。 今年もよろしくお願いいたします。
インスタライブ中の一コマ
園長:坂東 元
フッターです。