令和7年度旭川市文化賞 受賞者が決定しました
令和7年度 旭川市文化賞 各賞の受賞者
旭川市文化賞は、芸術・科学・教育の分野で、旭川市の文化の発展に特に貢献したと認められる個人や団体に授与しています。
令和7年度は、旭川市文化賞に芸術(声楽)の 鶴田 玲子 さん、旭川市文化功労賞に科学(自然科学)の 旭川市西神楽ホタルの会 さん、旭川市文化奨励賞に芸術(絵画・アートプロデュース)の 西村 公一 さんの受賞が決定しました。
旭川市文化賞
鶴田(太田) 玲子(つるた れいこ)さん/芸術(声楽)
青森県鰺ヶ沢町出身。幼少期から歌うことが得意であり、洗足大学音楽学部に進学して優秀な成績を収め、昭和55年に派遣留学生として渡独。西ドイツミュンヘン国立音楽大学大学院で声楽・ドイツ歌曲・教会音楽について学ぶ傍ら、昭和58年にはバイエルン国立国際歌劇場オペラ歌手研究員となりコロラトゥーラソプラノソロ歌手として舞台を踏む。昭和59年、マイスターを取得し、大学院を修了。その後ソプラノ歌手として教会・劇場・国営放送等、数々の舞台を踏む。ドイツ語圏を中心にソロ歌手として活躍するも、昭和63年、結婚を機に帰国し現在まで旭川に在住。
持ち前の勤勉さと向上心から、歌手としての技術を認められた後も精力的に活動し、帰国後は上川雅楽会に所属。日本の伝統音楽である雅楽について深い知識と演奏技術を身につけ、大学での講義を通じて雅楽の普及に努める。旭川市開基100年記念事業、望郷の鐘20周年記念など、旭川の大きな節目において音楽活動を通じて尽力するほか、劇団四季や東京室内歌劇場への出演、日本フィルとの共演などを通じ、旭川市の知名度を全国に広める役割の一端を担う。また正派邦楽会に所属し、平成22年には筝・三弦の師範免許を授けられた。オールマイティコンサートと銘打ち、一公演でクラシック、雅楽、邦楽の3つのジャンルを楽しめる演奏会を実施。常に一流の演奏をひとりでも多くの方に届けたいという思いで現在も精力的に活動を続けている。
音楽家として高い水準の技術を探求し活躍する傍ら、後進への指導も熱心に行い、世界で活躍する人材を多く輩出している。本市の芸術振興と発展に尽くした功績は極めて大きい。
旭川市文化功労賞
旭川市西神楽ホタルの会(あさひかわしにしかぐらほたるのかい)さん / 科学(自然科学)
平成7年、旭川市が西神楽公園をホタルの飛び交う公園にしたいと、ホタルの研究が進んでいた西神楽中学校に協力を依頼。当時の校長である故坂井氏(ホタルの会創設者・初代ホタルの会事務局長)は中学校では協力にも限界があると考え、地元農業青年や学校関係者等に熱い思いを語り、中学生の夢を受け継ぎながら西神楽公園内に「ホタルの里づくり」を目指し、「ホタルの会」を創設した。
平成8年の春、西神楽公園に2本のせせらぎを造成。平成9年6月、苔石や植栽を施し通水、カワニナやホタルの幼虫を放流し、地下水循環式水路を完成させる。平成10年には西神楽パークセンター内に事務所とホタル飼育場を開設。会員考案の幼虫大量飼育装置を作成し、年間を通じた飼育場内での幼虫飼育という地道な作業を積み重ね、ホタルの飼育に取り組んだ。飼育場ではホタルの全世代が観察でき、4回脱皮した終齢幼虫をせせらぎへ放流することで、ホタルの自然繁殖を実現させている。この取り組みは全道各地のホタルの会が称賛し、手本としている。
近年の異常気象によりホタルの幼虫が全滅の危機に陥るなどの困難もあったが、それらを乗り越えながら、毎年数千人が訪れるほど盛況である本市の夏の風物詩「ホタル祭りin西神楽」を開催し、自然とのふれあいの場を提供するために活動を続けている。
活動開始から30年と長年にわたり、西神楽においてホタルの里づくりというテーマのもと、多くの市民、特に子どもたちに環境教育の機会を与え、本市の環境保全と地域活性化に尽くしてきた会員の方々の功績は極めて大きい。
旭川市文化奨励賞
西村 公一(にしむら こういち)さん / 芸術(絵画・アートプロデュース)
旭川東高校の美術部に所属し、卒業制作にはポップアートの創成期に活躍したジム・ダインの影響を受けて、ハートを用いた作品制作に取り組んだ。愛知県立芸術大学美術学部油絵科に進学し抽象画を学びつつ、在学中から個展活動を始めた。
平成3年から大阪へ移住。商店街と協力し「まちのなかにアートを」を合言葉に障がいのある子どもたちを対象としたワークショップを開催。子どもたちと商店街で展示を行った。平成23年から東京へ移住。平成25年から「ハートシリーズ」を始める。平成26年、DREAMS COME TRUEのツアーにスタッフとして同行。その際に持ち歩いていたマスキングテープを使って舞台裏を装飾したことからマスキングテープでハートを制作するようになり、より親しみやすいコミュニケーションアートとしてハートの可能性に気づく。平成27年から二子玉川の商店街にて、以降毎年開催しているアートイベント「フタコハートストリート」を制作・プロデュース。またクリス・ハートの47都道府県を巡るツアーに同行したことをきっかけに、「旅するハートストリート」として現在までに40都道府県の街角でマスキングテープを用いてハートを制作してきた。制作は主に参加型で行われ、マスキングテープで作られるハートが時間とともに変化しても人々の心に残る作品となっている。「人と人が繋がるアート」から「まちとまちが繋がるアート」へ活動の輪が広がり、唯一無二の表現方法を確立している。
アーティストとして全国各地で活躍を続ける一方、令和4年から活動拠点を地元旭川に戻し、近年は旭川赤十字病院での展示、買物公園でのアート活動も精力的に行っており、本市の文化の振興と発展により一層の活躍が期待される。













