旭川市文化賞 平成23年度 各賞の受賞者紹介
平成23年度 旭川市文化賞 各賞の受賞者
旭川市文化賞は、芸術・科学・教育の分野で、旭川市の文化の発展に特に貢献したと認められる個人や団体に授与しています。今年度は旭川市文化賞に芸術(尺八)の五十嵐良山さん、旭川市文化功労賞に芸術(アイヌ工芸)の川上哲さん、旭川市文化奨励賞に芸術(音楽)の山崎理恵さんの受賞が決まりました。
11月3日に大雪クリスタルホール国際会議場にて、贈呈式が執り行われました。
旭川市文化賞
五十嵐良山(いがらしりょうざん) さん
芸術(尺八)
昭和36年に都山流尺八竹琳軒・磯野茶山師に入門して以来、多忙な医師業にありながらも、尺八演奏者として卓越した技量による演奏活動を続けてきた。
昭和51年に活動の拠点を札幌から旭川に移してからも、全道を対象に尺八の一人吹きを原則とした「北琳会」を結成するとともに、都山流尺八を学ぶ人々を集め、無料講演会を定期的に開催するなど、旭川邦楽界の技量向上と底上げに尽力している。
旭川文化芸術協議会の会長を10年間務め、舞台公演「北を創る」の企画・運営にも携わり、多様な分野の舞台を市民に提供してきた。また、古典芸能に親しむ会の代表としても10年間活動し、平成10年には重要無形文化財である宮内庁式部職楽部の「雅楽」旭川公演の実現のため、中心となって招致活動を展開し、道内初となる宮内庁式部職楽部の講演開催に多大な貢献を果たした。現在は、旭川三曲協会会長として、旭川邦楽界の発展のため精力的に活動を続けている。
永年にわたり、旭川邦楽界の中核的な存在として活躍し、古典芸能を愛好する市民の拡大・育成に努め、本市の伝統文化の振興と発展に尽くした功績はきわめて大きい。
旭川市文化功労賞
川上哲(かわかみさとる) さん
芸術(アイヌ工芸)
旭川に生まれ育ち、木彫り職人であった父・實さんに師事して、木彫品製作を学ぶ。以降、盆、山刀、フクロウなどの木彫をはじめ、鹿皮靴、アザラシ皮靴などの革製品や装飾品など、様々なアイヌ工芸品・民具の製作を続け、アイヌ工芸の伝承・保存活動に努めてきた。
氏は、アイヌ工芸の様々なコンクールやコンテストにおいて数々の賞を受賞し、伝統工芸家として高い評価を得ている。講習会等の講師としてアイヌ工芸の後進の育成に力を注ぎ、アイヌ工芸品の授産奨励にも大きな役割を果たすとともに、ヒグマ猟の再現やイタオマチプ(板つづり船)の復元など、アイヌ文化の継承に尽力している。
また、(財)アイヌ文化振興・研究推進機構理事、(財)北海道アイヌ協会理事及び旭川支部長を務め、アイヌの民族としての誇りが尊重される社会の実現とアイヌの伝統文化の保存振興・知識の普及と啓発にも精力的に取り組んでいる。
永年にわたり本市のアイヌ工芸文化の発展とアイヌ文化の伝統と知識の保存活動に尽くした功績はきわめて大きい。
旭川市文化奨励賞
山崎理恵(やまざきりえ) さん
芸術(音楽)
15歳までヤマハ音楽教育システムで作曲及び演奏の指導を受け、多数のコンサートに出演する傍ら、ピアノコンクールにも出場し、数々の賞を受賞するなど、若くから才能を開花させた。
20歳の時に難病である膠原病の全身性エリテマトーデスを発病して闘病生活となり、27歳の時には髄膜炎の併発による脊髄の損傷のため、車椅子生活を余儀なくされた。ピアニストとしてプロの活動を一時は断念するも、地元企業をはじめとする各分野の有志により完成された、呼吸でピアノペダルを操作する「ピアノペダル・アシスト装置」によりプロのピアニスト活動を再開した。
以降、コンサートやピアノリサイタルにおいて演奏を披露し続けている。平成21年にはカナダのバンクーバーで開催された「2009国際障がい者ピアノフェスティバル」にて金賞と特別賞を受賞し、国内のみならず、シンガポールや韓国などの海外にも活躍の場を広げている。今後も周囲の温かい支援と協力によってさらに演奏活動を続け、今後大きく活躍することを期待する。
歴代の受賞者
- 平成18年度の受賞者
- 平成19年度の受賞者
- 平成20年度の受賞者
- 平成21年度の受賞者
- 平成22年度の受賞者
- 平成23年度の受賞者
- 平成24年度の受賞者
- 平成25年度の受賞者
- 平成26年度の受賞者
- 平成27年度の受賞者
- 平成28年度の受賞者
- 平成29年度の受賞者
- 平成30年度の受賞者