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「ブログ(2024年)」の記事一覧

ハンモックを取り付けました

 満開だった桜も散り、初夏を迎え新緑が増えて北海道にも短い夏がやってきます。先日、旭山に近い桜岡の田んぼにつがいのタンチョウがエサをついばんでいる姿を通勤途中に見られました。旭川で私も初めて見ることが出来、タンチョウを担当していたこともありうれしくおもいます。
 チンパンジーたちも天気の良い日は屋外で日光浴ができ気持ちよさそうです。
 室内外や寝室に消防ホースを利用したハンモックを設置しました。ハンモックを利用してくつろいでいる姿が見られればと思っています。また屋外にはエサを取る様子が見られる場所が何カ所かありますが、室内にもそのような場所ということで丸太や消防ホースを取り付けました。丸太には穴を開けエサをいれたり消防ホースにエサを隠したりしてチンパンジーが道具を活用する様子も観察できればと思います。
 

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(消防ホースを利用したハンモック)
 

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(丸太や消防ホースでエサを採るようすが見られるかも)
 

(ちんぱんじー館担当 髙井正彦)

【北海道の野鳥】レイアウト一新!

GWが終わり、桜も散り始めていますが、これを書いている日はなんと市内で雪が降りました。さすが北海道です。
はじめまして。今年の4月から飼育担当となった櫻井と申します。
いままでデスクワークをしてきた体にムチを打ち、ヘロヘロになりつつなんとか4月を乗り越えました(旭山動物園は4月が超ハードなのです)。

私はエゾモモンガ、エゾリス、野鳥、カラス、エゾユキウサギなど、北海道に生息する動物たちを担当しています。

北海道産動物舎の中にある北海道の野鳥は、展示のレイアウトを一新しました。
獣舎の中には大きな丸太が5本立っていたのですが、アカゲラ達がたくさん開けた穴がぽっかりと空いており、これ以上突っつくところがなさそうだったので、飼育員同士で協力し合って運びだし、新たに丸太を入れました。
先輩職員に教えてもらいながら中央にはせせらぎを設置し、池もできました。やっぱり水の流れがあると雰囲気が出て「良い感じ」になったのでは!?と思います。

 

新たに追加したせせらぎと池。鳥が水浴びをします。

新たに追加したせせらぎと池。鳥が水浴びをします。
 

池ができたのでオシドリのペアも仲間入り。
オスの飾り羽が非常に綺麗ですが、この羽も夏には抜け落ち、雌と同じような色合いになります。

 

手前が雌、

手前が雌、奥のカラフルなのが雄

この鳥、なんか見たことあるけど名前は知らないなーってことありませんか?私も足が細くてちょこまか歩く白黒の鳥が「ハクセキレイ」という名前だと、飼育担当になるまで知りませんでした。
ここにいる鳥たちは北海道の身近な鳥です。野生でも見ることはできますが、改めて観察するとみんな個性が豊かで、ここでぼーっと鳥たちを眺める時間が好きです。

 

こちらがはくせき

こちらがハクセキレイ


憧れの飼育員になって約1ヶ月、覚えることもたくさんありますが、動物が近くにいる環境で働けることに喜びを感じます。
来園された方に北海道の動物の素晴らしさを伝えていけるよう、日々邁進していきます!
 

作業中

作業中、頭上にいてびっくり

北海道産動物舎、モモンガ舎ほか担当:櫻井 結夢

どうぶつえん日記・令和6年5月「四季を感じる場所でありたい」

4月から旭山動物園の園長となりました田村です。これから坂東統括園長とともに「二人三脚」での体制となります。どうぞよろしくお願いします。今後このコーナーは、何名かのスタッフによる持ち回りで書かせていただきます。
さて、この原稿を書いているのは冬期開園が終了し、休園期間となったばかりの時期です。新しい仲間(職員)も入り、慣れない環境で頑張ってくれています。休園期間は何かと慌ただしいです。冬仕様から夏に衣替えするだけでなく、施設のメンテナンスや修繕が目白押しです。飼育スタッフは手書き看板の更新や放飼場のアレンジと、動物の魅力を伝えるのに工夫を凝らす時期でもあります。開園間近になるとその慌ただしさがピークを迎え、そのまま一気に年間で最も混雑するゴールデンウィークに突入です。この日記が更新される頃には、山場を越えて少し一段落できるので、入って来た職員が仕事のペースを掴めるのもようやくこの時期からです。
私事ながら、動物園勤務も6年目を迎えました。それまでの勤務場所と違って、動物園に来てからは圧倒的に季節を感じるようになりました。通勤時の車窓から見る景色の移ろいに心を動かされることも少なくありません。もちろん園内も季節感満載です!春の桜に始まり、新緑の木々、蝉の鳴き声、鮮やかな紅葉、初雪の凜とした美しさ、どれもが街中にいるもよりもずっと深く感じられます。
たまに動物園に来られると、せっかくだからといろいろな動物を駆け足で観てしまいがちですが、観る動物をできるだけ絞って、ゆっくりコーヒーでも飲み、その時々の季節を感じながら公園のように過ごすのもお勧めです。旭山動物園は、地元の誇れる施設として思っていただけるだけでなく、皆さんに身近な存在でありつづけたいと思っています。どうぞお気軽に足を運んでください。

桜
春は園内を彩る桜が満開


 

 

令和6年5月7

旭山動物園 園長 田村 哲也

どうぶつえん日記アーカイブ

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「旭山動物園だより」「どうぶつえんみにだより」の最新号を発行しました

4月27日の夏期開園日は気温が28.4度まで上がり、夏のような陽気でしたが、
翌日は14.7度までしか気温が上がらず、しかも太陽が出ない曇り。動物図書館ではストーブをつけました。

そんな寒い日でも力強く咲いているサクラ。
園内では、ダチョウの放飼場内のエゾヤマザクラが4月20日に開花し、
その後に続くように園内各所で咲き始めました。
ダチョウの桜
ダチョウの放飼場内のエゾヤマザクラは、色がとても濃いです。
4月28日現在、この木は満開となっています!
園内には、さる山の横の坂は並木、マヌルネコ舎の横や、第2こども牧場のブタの放飼場内、
北海道産小動物コーナーなど、いろいろな場所にサクラが咲いています。

リュウキンカとチョウ

黄色い花も咲いています。両生類・は虫類舎そばの野草園ではエゾノリュウキンカが満開。
エゾスジグロシロチョウが花に訪れていました。
園に訪れた際には動物観察と一緒に春の花もお楽しみください。


さて、先日、夏期開園にあわせて、旭山動物園だより・みにだよりの最新号を発行しました。
「旭山動物園だより」は、夏期開園第一号恒例となったクロスワードパズルとなっております。
旭山動物園や生き物、自然に関する問題となっております。園内で無料配布をしておりますが、来られない方は、ファイルをダウンロードしてご利用ください。

「あさひやまどうぶつえんみにだより」では、いろんな生きものの姿や
過ごし方が変わる「春」を紹介しています。
園内で飼育している生きもののほかに植物や昆虫も紹介しています。

ぜひ、園内観察の参考にしてみてくださいね。


投稿者:動物図書館 北川裕美子

旭山動物園だより296号

内容:クロスワードパズルに挑戦

だより296

「旭山動物園だより」はこちらからダウンロードできます(新しいウインドウが開きます)

 あさひやまどうぶつえんみにだより129号

内容:「春」

みにだより129
 

「あさひやどうぶつえんみにだより」はこちらのページからダウンロードできます。(新しいウインドウが開きます)

図書館ぶろぐアーカイブ

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ゲンちゃん日記・令和6年4月「博物館として認められました」

モニュメント

坂東前園長の思いが込められた

モニュメント

 先日、市内で行われたヒグマの冬眠調査に同行してきました。さすがに冬眠穴は見つけられないので、冬眠から目が覚めて雪の上に足跡がないかを調査しました。冬眠明けのヒグマがいれば水を求めて移動するはずなので、冬眠しているであろう山と渓流の間の斜面を歩き、横断する足跡を確認するという作戦です。調査地では足跡を確認することはできませんでした。思ったより雪が深くまだ冬眠中の可能性が高いと思われました。今年は春期捕獲も施行されることとなっておりヒグマとの関係に変化の兆しが出るのか注目です。
 冬期開園も無事に終わりました。想定よりも来園者が多く、特に海外からの来園者の多国籍化が進んでいる印象でした。冬の北海道の観光はこれからますます伸びるでしょう。動物園として楽しんでもらうこと+気づいてもらうことを充実させていかなければと思います。もぐもぐタイムの解説に英語を交えるなど皆それぞれに試行錯誤しながら前向きに取り組みを始めています。
  そういえば、博物館法が改正されたのを機会に、旭山動物園は登録博物館を目指し申請をし登録博物館となることができました。今までは博物館に相当する施設と言った曖昧な位置づけだったのですが、国が認める正式な博物館(ミュージアム)となることができました。収蔵物(動物)の展示手法や研究、来園者へのガイドなどの手法、外部との連携や活動が評価されました。動物園は地球の命を扱う貴重な博物館だとの思いがずっと昔からあって、20年以上前に建てたぺんぎん館から現在に至るまで各館のモニュメントには密かに○○ミュージアムと英語で表記していました。百数十万人が訪れる地方の博物館は数えるほどしかないはずです。もちろんこれはスタートラインなのですが、改めて動物園の役割を見直しより充実した動物園(ライフミュージアムかなぁ)を目指していきます。
 

 

 

                                  令和6年4月7

                                  旭山動物園 統括園長 坂東 元

シンリンオオカミのレラ・ワッカ・ノチウ

 最近のオオカミの森では春の日差しが気持ちいいのか、レラ・ワッカ・ノチウの3姉弟が雪が溶けて出てきた土の上でよく寝ています。オオカミたちが暮らす放飼場を掃除しながら歩くと、緑の芽が生えてきているところもありやっと冬が終わったなと感じます。
今年は長女のレラが13歳、次女のワッカが10歳、末っ子のノチウ(オス)が9歳になります。3頭は4年前に父親のケンが死亡してから少しずつ関係性を築いてきました。
 ケンがいなくなってから、リーダーとして他の2頭を気にかけてきたノチウ。
 1年ほど前にレラとワッカに麻酔をかけて検査をしたことがありました。検査が終わり、レラとワッカがいる寝室の隣にある通路をのぞくと、寝室と通路の間にある仕切りにぴったりくっついて丸くなっているノチウの姿がありました。通路には外の放飼場へ行くことができるシュートがあるのですが、検査中は開いていたため1頭で出て行くこともできたのに、ノチウはずっとそばでじっとしていました。
 今読んでいる本に、あるシンリンオオカミの群れのお話がありました。
 オオカミが絶滅した地域にオオカミを再導入した際、2頭のペアとその子どもたちからなるパックを、まず囲い地に住まわせ、一定の期間が過ぎて慣れてきた頃に囲い地の一部を解放したところ、まず父親が外に出て行ったそうです。しかし母親と子どもたちは、外を警戒して出て行くことができません。
 その後何日も出口は開いているのに母親と子どもたちは囲い地の中にいました。ある日スタッフが囲い地の外を点検していると、出て行ったはずの父親が、囲い地のすぐ近くで母親と子どもたちが出てくるのを待っているのを確認したそうです。このお話を読んだ時、レラとワッカの検査をしていた時のノチウの行動を思い出しました。警戒心の強いオオカミがする行動とは思えませんでした。
 

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ノチウ(オス・末っ子)
 

 「オオカミの社会性」は一言で言い表せないほど多くの発見があり面白いなと日々感じます。
 今年ワッカの行動にも少し変化が見られました。
 子どもたちだけになってからは、ワッカがレラに対し強気な態度をとりケンカが多く、レラが2頭から距離を置く様子がよく見られました。  しかし月日が経つにつれ、2頭の激しいケンカが減っていっているように思えました。ワッカが好んでレラの近くで休んだりするのも多くなったように思います。ある時はワッカのお尻にレラが頭を乗せて寝ていることもありました。そして一番驚いたのは、ノチウがレラに対し怒った際、ワッカがノチウとレラの間に入り止めようとしたことです。ノチウがレラに対し怒ることも珍しいですが、ワッカが止めに入る行動をするとは想像もしませんでした。

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ワッカ(次女)
 

 レラは遠吠えの時にはいつも寝ていたりしらっとしているですが、今年の秋は遠吠えに参加する姿がよく見られました。ケンとマースはたくさんの子どもを育ててきましたが、レラは産まれた弟妹たちの面倒を見てきました。順位は下位ではあるけど、群れの様子を見て距離を置いたり前に出てきたり、色々な経験をして自分の立ち振る舞いを確立していったように思います。そんなレラが先日体調を崩した際には、ワッカとノチウがずっとレラを気にかけ、そばに行ったり顔を舐めに行く様子が見られました。幸い次の日にはレラが元気を取り戻したため、ワッカとノチウも普段通りになりました。

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レラ(長女)
 

 そしてこの時期はシンリンオオカミの繁殖期でもあります。オオカミたちは巣穴を作ってそこで出産をします。旭山のオオカミたちは姉弟なので繁殖はしませんが、メスのワッカは色々なところに穴を掘っています。このままでは穴だらけになってしまうので、春の閉園期間に飼育員たちで土や砂利を詰めて穴を埋めます。
 埋めた穴はまたすぐに掘り返されてしまうのですが、オオカミの本能を発揮してくれるのは嬉しいので、またみんなで楽しく埋めようという気持ちになります。
 これから穴埋めの時期がやってきますが、オオカミたちの健康に感謝しながら、また日々の発見をお伝えできたらと思います。

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遠吠えの時の様子
 

オオカミの森・ととりの村担当:原田佳

しいくのぶろぐアーカイブ

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「旭山動物園だより」「どうぶつえんみにだより」の最新号を発行しました

春分の日が過ぎました。
陽射しは暖かく感じるようになりましたが、まだ雪も残っていますし、雪も降りますし、朝の気温は氷点下。
こんな天気じゃ春はまだかな…と思うのですが、木のてっぺんでさえずるカラ類や、
飛来し始めたハクチョウ、少し出てきた土、山の木のまわりにできた雪のくぼみを見ると、
もう春はそこまできているんだなと実感します。
※3月19日午後、ブログ作成中にものすごい量の雪が降ってきましたが、すぐやみました(笑)
 

園内では雪の上を歩いたり、走り回ったりするのはもちろん、
雪の上にねそべったり、雪を食べる動物も多く飼育しています。
キタキツネ

雪の上で気持ち良さそうにのびるキタキツネ(3/19)
マヌルネコ
マヌルネコは長く密にはえた冬毛で寒さをしのぎます(3/19)
エゾユキウサギ

エゾユキウサギの毛はまだ冬仕様のようです(3/19)
 

さて、先日、旭山動物園だより・みにだよりの最新号を発行しました。
動物園だよりでは「いい雰囲気のオスとメス」ということで、
ホッキョクグマやエゾシカなど、繁殖が期待されるペアを紹介しています。

みにだよりでは、とりの「め」がどう見えているのかを紹介しています。
気になる鳥の目がどこにあるか、園内観察、野外観察の参考にしてみてくださいね。
※どうぶつえんみにだよりで紹介しているカモ類4種、インドクジャク、チゴハヤブサは、冬期開園中は観察できません
 

次の動物園だより・みにだよりの発行は、4月27日の夏期開園日ごろを予定しています。
動物園だよりでは夏期開園日恒例の、クロスワードパズルとなっていますので、お楽しみに。



投稿者:動物図書館 北川裕美子

旭山動物園だより295号

内容:いい雰囲気のオスとメス ほか

だより295号

「旭山動物園だより」はこちらからダウンロードできます(新しいウインドウが開きます)

 あさひやまどうぶつえんみにだより128号

内容:とりの「め」

みにだより128号
 

「あさひやどうぶつえんみにだより」はこちらのページからダウンロードできます。(新しいウインドウが開きます)

一足早い春の贈り物

 肌寒い日と日差しの温かい日が入れ替わるように訪れ、三歩進んで二歩下がりつつも春の足音が徐々に近づいてくるようなこの頃ですが、皆さま如何お過ごしでしょうか。
 春の訪れに先駆けて、こども牧場では新たな出会いがありました。
 去る2月20日のお昼時、牧場で飼育しているヒツジの「イツカ」が放飼場の一角で座り込んでいました。
 お昼を食べに来ないなんて珍しいな、などと思いつつ目の前に一掴み乾草を置いてあげて、少し目を離して戻ってきたところ……先程置いた乾草の上にヒツジの赤ちゃんが居て、「イツカ」がそれを甲斐甲斐しく舐めてあげていたのです!

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ヒツジの赤ちゃんを舐める「イツカ」


 生まれたての赤ちゃんにはまだまだ厳しい気温だったため、暖かい屋内へと運びしばらく飼育をしていましたが、3月4日から一般のお客さんにも観察してもらえるように第2こども牧場の一部を開放して親子のヒツジを観覧することができるようになっております。
 時折跳ね回ったり、お母さんの背中に乗ったりと仔ヒツジらしい元気な行動が見られます。体重も日に日に増えてゆき、顔つきも幼児から子供の顔に、お母さんのマネをして草を食べる様子も見られすくすくと成長しています。
 

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「イツカ」の背中に乗るナツメ
 

 牧場の新しい仲間となったこの仔ヒツジ(オス)は「ナツメ」という愛称になりました。ヒツジの成長は速く、半年も経てば大人とほとんど変わらない大きさに成長してしまいます。小さくて可愛らしいうちに(大人になっても可愛いですが)是非こども牧場に足を運んで、親子のヒツジに会いに来てください。


こども牧場担当:堀川草太

「春遠からじ」

 暖かくなったり寒くなったりおかしな天気ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
 2月20日頃、あざらし館では陸上の氷雪を全部割り、白い部分が完全になくなりました。

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2月20日
 

 「このまま春か?」と思うくらいの陽気にアザラシにも異変が・・・暖かくて勘違いしたのかいつもは3月末から4月が発情期ですが、オスがガゥガゥと発情鳴きをしていました。こんなことは初めてです。発情鳴きはこの日だけでした。
 

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3月2日
 

 かと思えば3月初め、今度は急なドカ雪と寒さで一気に冬に逆戻り。これが普通なのでしょうが・・・まだ春は遠そうですね。皆様も体調管理に気をつけてゆっくり春を待ちましょう。
 

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「春?」
 

あざらし館担当・副園長:中田真一

ゲンちゃん日記・令和6年3月「世代のバトンタッチ」

ジャック

立派なフランジを持つ

オランウータンのジャック

異常高温の日が続き驚くほど雪解けが進んでいます。毎年なにか観測史を塗り替える気候の異変が起こりますが、それが当たり前になってきました。馴れていいことでは決してないのですが・・・。
日記を書いている2月は、学生との道東ツアー、さらにボルネオでの活動と続き少々オーバーヒート気味です。
ホッキョクグマのホクトが円山での繁殖のために一時的に旅立っていたのですが、戻ってきました。ピリカとの繁殖のためです。ホクトが旭山に到着し、麻酔をかけていた同時刻に、オランウータンのジャックが死亡しました。ジャックは42歳、高齢ではありましたが老齢とは言えない年齢でした。昨年の暮れから尿路結石を患い、回復したのですが、その後すぐに動きが緩慢になり、力が入らない状態になりました。意識ははっきりとあり食欲もありました。検査結果や症状から心臓系の疾患と推察し、投薬での治療を行ってい安静に保つことに努めていましたが、状態が急変し死亡となりました。ジャックは平成14年、前年にオープンした空中散歩の「オランウータン舎(当時の名称)」にリアンのペアとなるべく広島の安佐動物公園から引っ越してきました。当時は、ほっぺたのフランジが発達したオス成獣との新たなペアリングは行わないのが通例でした。オスとメスとの体格差が著しく、単独生活が基本なので、オスの感情次第でメスが死亡してしまう事故に繋がる危険があるからでした。異例のペアリングと言うことになります。ペアリングは性成熟に達しない年齢の個体で行われることが多かったのですが、これは本来メス親や兄弟と過ごす成長の過程を経ておらず、同居は成功しても繁殖に至らないケースがほとんどでした。ジャックもメスとの同居はしていたのですが繁殖には至らず、同居メスが先立ったため、さらなるペアリングは断念し単独で暮らしていました。他園からは、ジャックとのペアリングはやめた方がよいのではと言われたのですが、見事にペアリングは成功しリアンとの間に子をもうけることができました。あのオランウータン舎は、まさにこのことを目指して建てた施設でした。ジャック、リアンの繋がりでボルネオでの「恩返しプロジェクト」が生まれ、ボルネオゾウの一時避難施設の建設に繋がりました。
ジャックの存在があることで森人(モリト)のフランジは大きくなりませんでしたが、ジャックの存在がなくなりモリトのフランジはみるみる大きくなると思われます。世代のバトンタッチです。
今年もたくさんの命のヒストリーが生まれ、未来へと続いていきます。

 

 

                                  令和6年3月6

                                  旭山動物園 園長 坂東 元

「動物園飼育技術者研究会へ参加してきました

 ちょっと前の話になりますが、1月23日~25日に福岡市動物園で開催された「動物園技術者研究会」に参加してきました。
 この研究会では日本動物園水族館協会に加盟している園館の飼育員や獣医師が参加して、研究発表を行います。
 旭山からはオオカミとニホンザルに関する発表を行いました。機会があれば皆さんにもお伝えできたらと思います。
 コロナ禍ではオンライン開催だった研究会ですが、昨年度からは対面開催となり、私も久しぶりの対面研究会への参加でした。
 やはり対面では質疑応答も活発ですし、休憩時間などにも情報交換ができて大変有意義な会となったと思います。
 インターネットやSNSが発達した中でも、動物園スタッフと直接顔見知りになると困ったときにも質問しやすくなるので、他の園館の若手スタッフが積極的に名刺交換をしているのを見て、自分が初参加した時を思い出しました。
 最終日には福岡市動物園を見学しましたが、新しいゾウ舎やペンギンの施設を見ることができました。
 福岡市動物園は博多中心部からも近いのですが、旭山以上に坂が多く、動物舎もその坂を利用する形で作られているのが印象的でした。
皆さんも機会があれば是非行ってみて下さいね。
 今後も研究会での経験を園内に還元して、よりよい飼育を目指していきます。

研究会は博多のホテルで行われました

研究会は博多のホテルで行われました

手前がペンギン、奥がゾウの施設です

手前がペンギン、奥がゾウの施設です

てながざる館担当・獣医師:中村亮平

「個」からその先へ

 先日、えぞひぐま館で「すげー、めっちゃ人いるじゃん!大谷翔平でもいるのかよ?」という秀逸な一言を耳にしました。
 冬期開園がはじまってから外の放飼場への馴致を行っている「すなすけ」を見るために集まっていた人たちのことでした。「すなすけ」があちこちに動き回るたびに、人もあちこちに動き、カメラを向け、歓声があがる、そんな一幕でした。
 たしかに小さい頃の動物は愛らしく動きもまた独特なことが多いため人を魅了するのも納得できますが、動物園でのそのような光景には違和感があるのも確かです。また、旭山やヒグマだけではなくいろいろな動物で最近の「推し活」ブームのような様相を呈しているような気もしています。
 奇しくもこれまでの歴史を見ていると、動物園やメディアはそういったスター動物やアイドル動物を生み出したがる傾向があるように思います。ただあまり「個」にフォーカスしてしまうと、「○○ちゃんだからかわいい」、「○○ちゃんだからすごい」となってしまい、その先にあるはずの種としてその動物の魅力に気づかなかったり、興味や関心を持つことが無くなってしまう、あるいは誤った認識を持ってしまうようになるのではないでしょうか。
 旭山動物園のえぞひぐま館では、「すなすけ」に興味を持っていただいた先に、ヒグマという動物について、ヒグマと人との関わりやそれらを取り巻く自然や社会などについても知ってもらい関心を持って動物園を後にしてほしいと願っています。
 そのためにもまだまだ未熟で不完全ですが、伝えていく努力を怠らないよう自分自身に言い聞かせ、自戒の意味も込めてここに書かせてもらいます。

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「すなすけ」が動くと人も大移動

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外に出ている「すなすけ」


えぞひぐま館・フクロウ担当:大内章広

カメのいるミニ動物図書館ができました!

 こども牧場の隣にある動物図書館をもっと知ってほしい!と思い、一度展示動物の都合でなくなってしまったミニ動物図書館を、なんと今回復活させました!
 こども牧場のとなりにある、「動物図書館」の本が、こども牧場内でも読むことができます。小さなスペースですが、座ってゆっくり休憩もできますので、外が寒い!歩き疲れた!という時に休憩場所としてもご利用してください。
 そして、このミニ動物図書館内には、こども牧場の動物の中でも絶大な人気を誇る、あの!「ホルスフィールドルクガメ」を展示していますので、じっくり観察ができます。

 さらに!さらに!動物図書館で体験できる工作の情報や、ミニミニうんち展もありますので、こども牧場に来た際には、うんちクイズに挑戦してください。秘密のうんちが発見できますよ。
 こども牧場だけでなく園内の動物たちを観察して、もっと知りたい!ここが気になる!と思ったら、動物図書館にはたくさんの動物に関する本がありますのでぜひ立ち寄ってみてください。

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第一こども牧場室内にあるミニ動物図書館
 

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ミニ動物図書館内のおすすめ本やうんち展
 

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秘密のうんちは誰のうんち?
 

こども牧場担当:大河原沙織

ゲンちゃん日記・令和6年2月「環境問題や野生動物との関わりを”自分ごと”と考えられる大人に 」

すなすけ

放飼場の様々な所に興味を持つ
好奇心旺盛な「すなすけ」

冬も後半。この日記が公開される頃には、雪あかりの動物園の開催も目の前ですね。日記を書いているのは1月下旬。厳しい冷え込みが続かず、アイスキャンドル作りに不安を抱えながら準備を進めています。
今、最終調整に追われているのが、知床から釧路までを巡り、人と自然との関わりを考える学生ツアーです。観光・ボランティア・漁業・保全・研究など、様々な形で自然と向き合っている方々の思いや考え方を、体験を通して学びます。コロナ禍で中断していましたが、学生さんを連れたスタディツアーは過去に2回マレーシアのボルネオ島サバ州で行いました。学生の皆さんが、将来の進路を考える上でも、大人になっても、環境問題や野生動物との関わり方を、「人ごと」ではなく「自分ごと」として考えられる人になって欲しいという思いで、このツアーを続けています。厳冬期での屋外体験が多いので、皆さんが体調を崩さず、天気も見方してくれることを今から祈っています。
さらに今月は、ボルネオ島での活動も動きます。コロナ禍での活動空白期間の現状や今後の考え方や関わり方などを、現地に赴きサバ州政府と協議します。本格的な活動再開に向けた仕切り直しになります。
あっという間に春の予感です。春といえばヒグマが冬眠から覚めますね。昨年はドングリの不作などでヒグマの栄養状態が悪かったため、今年は子の生まれる数が少ないと予想されています。これからヒトとヒグマの関係はどうなっていくのでしょうか?旭山動物園の「すなすけ」は、たくましく成長しています。好奇心旺盛な愛らしい姿から、近寄りがたい雰囲気を放つ姿に見る見る成長していくでしょう。つくづく、ヒグマは北海道の自然の優しさと厳しさの象徴なんだなと感じます。  

 

 

                                  令和6年2月6

                                  旭山動物園 園長 坂東 元

雪あかりの動物園の準備中…

 明日からいよいよ2月。雪あかりの動物園まであと10日…。準備が着々と進められています。
ですが、最近の気温がとても温かく、雪あかりの動物園で園内を照らす「しずく型アイスキャンドル」がまだ予定の数まで達していません…。昨年の夏の暑さも異常でしたが、今年の冬の温かさも異常な感じがします。
 

 さて、今日から雪の遊び場の製作が始まりました。
 雪の遊び場では、雪の滑り台2つ(長いの短いの)と、あと2つ雪で製作をしていきます。
 こちらは何ができるのか当日まで楽しみにお待ちください。
 

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 滑り台(ほぼ完成!?)
 

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 板を押さえて何かを製作中
 

 雪あかりの動物園については、ホームページやSNSで随時情報が更新されていきます。
 情報をチェックしながら、ぜひ雪あかりの動物園へお越しください。

こども牧場・教育担当:佐賀真一

雪像製作中です!(こども牧場広場にて)

 昨年12月からこども牧場で勤務しております、清水駿之介と申します。クジャクを担当させていただくことになりました。

 自分は今まで動物についての専門分野を学んできたことは一切なく、何もかも未経験な新人でございます。こども牧場の動物たちや担当のクジャクも0からの勉強になりますので基本的な情報を知っていくとともに身近な目線に立ち、独自の視点からも色々なことを発見できるように広い視野を持ち日々精進してまいります。

 クジャクの飼育担当になって実際に業務にあたってみた感想を申し上げると、一言で言うなら「分からない」というのが率直な思いです。クジャクという鳥は落ち着いてる鳥かと思ったら他の個体にちょっかいをかけたり、自分のすぐ側まで来て様子を見てきたりする個体もいて性格が全然掴めない。また何と言ってもオスの羽の色、メスの首の色がどちらも美しい。どうなったらこんな色になるように身体が出来るのか、全く分からない。分からないからこそ自分はこの生き物についてもっと知りたい!そして伝えたい!そう思っています。暖かくなると外展示も始まりますので、自分も楽しみな気持ちでいっぱいです。

 また現在、こども牧場広場にて雪像を製作中です!来園される皆様の前で作業してますので秘密裏に進めることは出来ませんが、完成までお楽しみに!そしてその横にはすべり台がございます。こちらの方は出来上がってますので是非遊んでみてはいかがでしょうか!(こども牧場飼育員一同すべりにすべった後に水で固めましたので耐久性は十分だと思います!)

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途中の雪像とすべり台

こども牧場担当:清水駿之介

 皆さんは小さい頃に乳歯が抜けた時のことを覚えていますか?なかなか取れなくて、扉に縛りつけて抜いたとか、抜けた歯を屋根に投げたとか、どんな思い出がありますか?
 乳歯から永久歯に生え変わるのは人間だけではありません。タイミングは違えど、多くの動物が生え変わります。そこで、昨年発見した乳歯を紹介したいと思います。
 まず一つ目がこちら

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キリンのアサヒの乳歯
 

 キリンのあさひの歯(切歯)です。
 キリンには上の前歯が存在しないので、必然的に下前歯ということになります。
 あさひも成長途中とはいえ大きさは3メートルほどになりますが、歯は意外と小さいなという印象です。
 続いてはこちら

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ライオンの乳歯
 

 ライオンの乳歯(臼歯、裂肉歯)です。抜け落ちた日付的にフウか、レイのものですがどちらかはわかりません。
 僕らの奥歯とはちがいとても鋭く、読んで字の如く、肉を裂くための歯、ハサミとしての役割をします。


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ライオン乳歯コレクション
 

 ライオンの歯は今のところここまで集まっています。見つけた歯は個別に袋に入れ、日付と種名、わかれば個体名を入れて保管しています。 記名をしておかないと数年後の自分や、別の担当者になった時にどの動物の物なのかがわからなくなり困るのでしっかりと記入します。必要になれば、ガイドなどで活用しています。
 また乳歯のコレクションが増えたらお知らせしたいと思いますので、お楽しみに!
 

もうじゅう館 フラミンゴ担当 若山晃暉

「旭山動物園だより」「どうぶつえんみにだより」の2024年・新年号を発行しました

ミシシッピアリゲーター

(2015年まで飼育していた「ミシシッピアリゲーター」)
 

先日、旭山動物園だより・みにだよりの最新号を発行しました。

2024年の干支は、十二支のうち唯一実在しない生きもの「辰」。
「動物園だより」も「どうぶつえんみにだより」も、辰年にちなんだ記事になっています。
 

いろいろ資料を読んでいて、わかってきたのが、
「辰」は「は虫類」がベースになっているということ。
「タツノオトシゴ」という魚が海にいますが、「ドラゴン」ではないこと。
西洋の「辰(ドラゴン)」は火を吐く「怪物」で
東洋の「辰(龍)」は人にやさしい「神様」だということ… などなど。
 

旭山動物園では1967年から2015年まで、「ミシシッピアリゲーター」を飼育していました。
今号の動物園だより・みにだよりでは、大きな「は虫類」の「ワニ」を使って「辰」を表現してみました。
 

神社やラーメンの丼にも描かれている「辰(龍)」。
ゲームやファンタジーの世界に出てくる「ドラゴン」。
調べれば調べるほど、いろんな「辰」がいます。

私たちの近くにはいろんな「辰」が存在しています。
今年はぜひ、「辰」のモチーフになった「は虫類」を観察してみてはいかがでしょうか。


追記:
動物読書感想文コンクールの作品募集の締切は1月26日です。
ご応募、お待ちしております!
 

動物読書感想文コンクールの詳細はこちら
募集要領・応募用紙のpdfは、ここからもダウンロードできます。

動物読書感想文_募集要領(PDF形式 121キロバイト)

動物読書感想文_応募用紙(PDF形式 101キロバイト)


投稿者:動物図書館 北川裕美子

旭山動物園だより294号

内容:2024年は辰年 辰年くいず ほか

だより294号

「旭山動物園だより」はこちらからダウンロードできます(新しいウインドウが開きます)

 あさひやまどうぶつえんみにだより127号

内容:2024年の干支は「は虫類」のようないきもの「辰」

みにだより127号
 

「あさひやどうぶつえんみにだより」はこちらのページからダウンロードできます。(新しいウインドウが開きます)

ゲンちゃん日記・令和6年1月「新たな環境で令和6年を迎えます」

ピリカ

娘の「ゆめ」が他の動物園へ移動し

1頭での放飼となったピリカ

皆さん、新しい年を迎えました。今年もよろしくお願いいたします。
辰年はなかなかイメージに合う動物がいなくて動物園的には困ってしまってしまうこともあります。爬虫類の○○ドラゴンとか飼育していれば象徴的に辰年っぽいですね。水族館ならタツノオトシゴでしょうか。ちなみに、辰(龍)は十二支で唯一想像上の生き物ですが、架空でも存在すると信じられていた生き物だとか、本来はワニや恐竜の化石をイメージした動物だったのではないかなど、その由来には諸説あります。自分としては、自然の圧倒的な力をコントロールする存在なのではないかと思います。今年は地球に優しい龍でいてくれたらと願います。
これを書いているのは12月上旬、天気予報とにらめっこをしています。今年中に安定した根雪きになるのか、まだ確信が持てません。過去一番遅かったペンギンの散歩の開始日は12月28日。記録更新にならなければいいのですが…。
ここ数日は日中解けた雪が夜に凍るので、翌日の午前中は園内もツルツルで大変です。融雪や砂まきをしても、海外客の中には夏のスニーカーの方も多く、手すりにつかまって歩くのもままならない状況です。それでも雪と氷を楽しんでいる様子が救いではありますが。
ほっきょくぐま館を見ると、ピリカが一頭でいることがまだ不自然に感じますが、ライオンの子フウとレイ、カバの凪子も独り立ちできる場を見つけなければとも思います。みんなたくましく育っており、胸を張って送り出せることがうれしくもあるのです。
さて、今年はどんな一年になるでしょうか。良い年にしたいなと思います。皆さんにとっても良い一年でありますように。
 





 

                                  令和6年1月7

                                  旭山動物園 園長 坂東 元

新年のごあいさつ

 新しい年を迎えました。久しぶりに澄み渡る青空でした。12月は記録的な積雪で、来る日も来る日もみんな雪かきに追われちょっとうんざり気味でしたので新年早々の快晴でまさに気分一新でした。放射冷却で冷え込みはしましたけど・・・。
 恒例になるのではと危惧された?年越しインスタライブは、何せ今年の干支の語呂合わせ的な生き物が旭山にはいないので、いろいろと画策したのですが断念となりました。どこかホッとしつつも残念でもありました。その代わりにと言うことでもないのですが大晦日と今日の日中に連続インスタライブとなりました。
 大晦日のライブ配信中に自分的には感動的なことがありました。ホッキョクグマのルルの行動です。ルルは今年30歳を迎えます。昨年の暮れから寝室から屋外放飼場に出るのを渋ったり、放飼場でも休んでいる時間が長くなったりと老いたのかなと感じさせる行動が目立つようになっていました。そこで担当者が気分転換にとピリカとルルの放飼場をチェンジしてみたのです。ルルにすると2021年の冬のピリカ出産の都合でサツキ(23年10月死亡)と共に数ヶ月過ごして以来の屋内観察側の放飼場です。
 ライブ配信中にバシャバシャという水の音が聞こえたのでもしやと思い駆けつけると、ルルが水中から上がりポリタンクをくわえて遊んでしました。そして自分に気づくとかくれんぼしている(獲物を狙う、待ち伏せる)ようにこちらを探し水中に飛び込んできました。
 旭山動物園の飼育展示コンセプトのひとつに、動物にとってお客さんがストレスの対象ではなく興味を抱く猫じゃらしのように観える環境を具体化して動物のもつ本来の行動を引き出す、動物も来園者もwinwinになる、という考え方です。他にもお客さんをカラスではなくスズメに見えるように、などなどあるのですが。
 ルルも昔は来園者が少ない時間帯によくやっていた行動です。20年近く前をふと思い出す光景でした。キラキラとした目が若い頃のルルでした。とてもうれしい出来事でした。
 今年もあっという間に過ぎていく予感がしますが、一日一日を大切に動物園の持つ可能性を一つでも具体化し、階段をできるなら駆け上がる年にできればと思います。
 今年もよろしくお願いいたします。

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インスタライブ中の一コマ


園長:坂東 元