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旭山動物園について

旭山動物園ヒストリー・読み物 旭川叢書「きたの動物園」(6)

旭川叢書
「きたの動物園-旭山のすてきな仲間たち-」から
著者 菅野 浩

平成9年、旭山動物園30周年記念の時に刊行された本(現在は絶版)の中から、
抜粋して動物たちや園でのお話を紹介していきます。

昭和59年(1984) ホッキョクグマ 飼育下三世誕生を

ヨーロッパやアメリカの動物園では、野性由来の動物は、三世が誕生して初めて、飼育下で繁殖したと認められます。シロウとユキは野性由来の個体ですので、孫が生まれることによって、本当に繁殖したことになります。当園ではシロウ、ユキの最後の子、1982年に生まれたハッピーにお婿さんを捜して三世をと考えていました。
1984年、旭山動物園以外では初めて釧路市動物園でホッキョクグマの繁殖が成功しました。「コタロウ」と名付けられた赤ちゃんは、釧路市民の人気を集めました。そのコタロウをハッピーのお婿さんに迎えて、飼育下三世を誕生させようという話し合いが、双方の動物園で持たれ、コタロウが旭山動物園にやってきました。ぜひとも三世誕生を期待したいものです。
現在、旭山動物園はこれまでのホッキョクグマ繁殖の実績を認められて、国内で飼育されている全てのホッキョクグマを登録するための「ホッキョクグマ登録担当園」となっていて、国内のホッキョクグマの情報は全て集まり、繁殖のためのペアづくりの調整や飼育に関するさまざまな相談にも応じています。

その後の「コタロウ&ハッピー」

コタロウとハッピーは仲むつまじく暮らし、何年も連続して赤ちゃんを産みましたが、様々な理由で成育には至りませんでした。
結局、コタロウは赤ちゃんを見ることなく、ほっきょくぐま館ができる前年の平成13年に死亡しました。