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旭山動物園について

旭山動物園ヒストリー・読み物 平成11年

未知への挑戦「冬期開園」(平成11年冬)

冬期入園者の推移
人数
平成11年 26,667
平成12年 40,567
平成13年 28,126
平成14年 62,372
平成15年 88,682
平成16年 223,543
平成17年 392,249
平成18年 753,589

旭山動物園は昭和42年の開園以来、ずっと冬期間は閉園していました。「まさか、こんな厳冬期に来園者は来ない」。これが、常識でした。また、積雪地帯にある動物園は全国的に見ても開園している方が少なかったのです。
でも、動物たちは冬期間も元気でした。
ホッキョクグマやアムールトラなど寒さに強い動物たちはもちろん、ゾウやキリン、カバなど、本来暖かい地方に棲む動物たちも短時間ですが外に出していました。特にゾウのアサコは飼育員と雪玉でキャッチボールするゾウとしてテレビでも全国放送されたほどです。
この動物たちの元気な姿を見せてあげたいと考え、昭和62年1月に始まったのが「冬の動物園観察会」でした。
この記念すべき第1回の日はマイナス27度を超える寒さとなり、昼頃になってもマイナス15度という旭川でも珍しい寒さの日でしたが、たくさんの参加者で元気にくらす動物たちを見学したそうです。
その後も毎年実施したのですが、年々参加者が増え、最初は年2回、各回50名定員だったのが、最後には年4回、各回250名定員でも申込の電話が殺到し、すぐ定員になるという人気ぶりとなりました。
そして平成10年末、新しく完成した「もうじゅう館」と「こども牧場」のみの試験開放を行いましたが、たくさんの来園者でにぎわったそうです。
しかし、いくら来園者の要望があっても全面開放するためには、駐車場や園路の除雪・誘導。観覧ルートの清掃、休憩所の整備、トイレ問題の解決など、様々な困難がありました。
そこで、この年、緊急地域雇用特別対策事業により除雪員他の目処がついたことから、冬期間も開園するようになりました。
当初は他の動物園の状況を考えても入園者がゼロの日が続くと思われていました。でも、開園するとそんなことはありませんでした。翌年のぺんぎん館オープンに向けて既に来園していたキングペンギンの展示もあり、最終的には予想を大幅に上回る2万6千人もの来園者でにぎわいました。その後も平成14年に本格的に始まったペンギンの散歩とあわせて、今や75万人も来園する催しとなりました。
この冬期開園が夏期を含めたその後の入園者急伸の1つの要因となったことは間違えありません。
今までは閉園と同時に動物園の情報が流れなくなり、ともすれば忘れられがちでしたが、冬期開園することにより、切れ目無く動物園の魅力を発信できるようになりました。このことが大きかったと考えております。