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旭山動物園について

旭山動物園ヒストリー・読み物 平成9年

魔法のカード「動物園パスポート」(平成9年)

(補足)平成13年に料金改定

有料入園者のパスポート利用率
利用率
平成9年 29.2パーセント
平成10年 36.9パーセント
平成11年 41.7パーセント
平成12年 45.6パーセント
平成13年 31.6パーセント
平成14年 28.6パーセント
平成15年 23.6パーセント
平成16年 17.2パーセント
平成17年 10.8パーセント
平成18年 7.7パーセント
平成19年 7.7パーセント

平成9年、全国で2番目に動物園パスポートを導入しました。
当時の価格は1枚500円。一般入園料が420円でしたから、いかにも「破格」な値段設定でした。
最初に価格を決めるとき、来園者にアンケートをしました。「あなたは1年間に動物園に何回来ますか。」結果は、1回がほとんど。2回以上がごくわずかという結果でした。一生のうちに動物園に向かう期間は3回あるといわれますが、結局、子供がいても年1回がせいぜいだったのでした。こうしたことから、動物園パスポートは「2回を超えない価格」という料金設定になりました。
さて、この動物園パスポート、これこそが、その後の旭山動物園入園者増に繋がった一因となるのです。
ある休日、来園者が動物園を見て、「動物園も変わった」と実感すれば、家族で、会社で、色々話すのではないでしょうか。それを聞いた人も、「なら、たまに動物園に行ってみるか」となるのではないでしょうか。特に、このことが実感できたのがぺんぎん館ができた後です。何十年ぶりに動物園に来た人たちがどっと押し寄せたのです。口々に「旭山動物園も変わった」と言ってくれました。その言葉が次の来園者を、多くの人々を連れて来てくださっているのだと思います。
旭山動物園は市営ということもあり、ほとんど広告予算はありません。にもかかわらず、急激に来園者が増えたのは口コミという効果が大きかったと思うのです。それも全てはこの頃に動物園パスポートを持って何回も来園してくれた市民(旭山ファン)によることが大きいのです。そのような訳で動物園パスポートは旭山動物園ファンと我々は思ってきました。料金もなるべく上げないように心がけてきました。
今では、来園者の急増により、パスポート購入者の全来園者数に占める割合もずいぶん低くなりましたが、この購入者が核となり、旭山動物園ファンとして、その良さを全国・全世界に発信してくれていると思っています。
ところが、最近、その思いを裏切るようなことがありました。動物園パスポートがオークションに出品されているのです。中には「記名されておりますが、通過できます」などと詐欺まがいのようなことが書いてあるものもあります。
他人のパスポートは使用した時点で詐欺罪です。発見した場合は必ず警察に通報します。今まで写真等の貼り付けを求めなかったのは、全面的に購入者を信頼していたからです。悪用されることを前提につくられたものではないのです。
動物園パスポートは、言うなれば旭山動物園ファンクラブの会員証のようなものです。みなさんには、おわかりいただいてますよね。

参考 ゲンちゃん日記「十年、二十年ぶりの動物園」