(小児科)心臓外来
心臓外来(小児の心臓病について)
子供の心臓の病気は、大人の心不全や心筋梗塞・高血圧などとは若干違い、生まれつきの心臓の構造の病気(先天性心疾患)が主です。先天性心疾患は軽いものから重いものまで含めると、100人に1人はいるといわれるほど頻度の高い病気です。さらに非常に病気のバリエーションが多いのも特徴で、診療は高い専門性が必要になります。当科では小児循環器専門医により、完全予約制で患者さん一人一人の時間をしっかりと設け、丁寧に診療することを心がけています。
心臓外来の受診について
かかりつけの医療機関で心臓の病気がうたがわれたお子さんや、健診や学校心電図での心臓の精密検査を勧められた方に対しては、お電話で予約の上診療しています。生まれつきの心臓の病気の患者さんであれば年齢の制限なく成人の方の診療も行なっております。
心臓の検査
レントゲン・心電図(クリックすると、それぞれの検査方法にジャンプします)
心臓外来の診断・治療
上記の検査はどれが一番良いというわけではなく、それぞれ違った面から心臓を観察する検査法です。検査の組み合わせや定期受診の間隔などは患者さんの病状に合わせ診療しております。
治療は経過観察のみから手術が必要な患者さんまで多彩です。先天性心疾患の手術ができる施設は限られており、北海道大学病院、北海道小児総合医療センター(コドモックル)、旭川医科大学など道内の手術を行なっている医療機関と密に連携し検査・治療にあたっています。
検査の方法
心臓エコー検査
超音波を発生する機械を胸にあて、心臓の構造や逆流、狭窄など様々な異常がこの検査でわかります。この検査は痛みをともなうことはありませんが、体が動いてしまうと検査が困難です。一般的にじっとできない小さいお子さんは眠くなる飲み薬や座薬を使用することが多いですが、当科では可能な限り薬剤を使わない工夫をしております(DVDを見せる、検査時間を短縮する、あやす、哺乳による自然睡眠など)。
ホルター心電図
心電図を24時間記録する検査です。胸に電極をはり、心電図を記録する小さな装置を身につけて家で普段通りすごしてその間の心電図を記録します。不整脈の性質や数、重症度を検査することや、ときどき発作のように動悸・胸痛などの症状をもっている人にその症状がどのような心臓の病気につながっているのかを判断します。つけている間は、運動は可能ですがお風呂にははいれません。
心臓カテーテル検査
足の付け根や腕・首の太い血管から細い管を血管内にいれ、血の流れ方やその場所の血圧を測定したり、造影剤という薬を使い血管の構造を確認したりします。かなり低い確率ではありますが、検査による合併症が起こる可能性があります。小さいお子さんの場合には鎮静が必須で、検査は数日の入院が必要になります。
負荷検査(トレッドミル)
運動をしていただき、運動中の心電図を記録します。運動中に症状が出現する方や、運動時に危険な不整脈がでないかどうかなどの確認の際に行います。
CT・MRI
CTは放射線と造影剤を使い、心臓や血管の形を画像にする検査です。近年は小児の細い血管や冠動脈ととばれる心臓の周りの細かい血管まで見える高性能の撮影が可能になっています。撮影時間は短いですが、正確な画像をとるため小さいお子さんの場合には鎮静をかけることがあります。MRIは磁気を用いて、心臓の構造に加え心臓の動きや血の流れ方などがわかる検査です。撮影時間はCTと比べると長くまた大きな音がするので、動いてしまう小さいお子さんには鎮静が必要になります。