初期臨床研修プログラムの特色・内容

最終更新日 2024年7月31日

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プログラムの特色

当院では当初から1年次に内科、外科、救急、2年次に小児科、産婦人科、精神科、地域医療をローテートする7科必須の総合診療方式(スーパーローテート)にて行う研修を基本としています。また2年次の自由選択については、院内のその他の診療科はもちろん、当院にない診療科を他院で研修することも可能です。

研修医が医師として必要な身体疾患に関する基礎知識・基本手技だけでなく、心理社会的側面も含めた患者中心の医療を提供するための技術や態度を身につけることを目標としています。将来どんな診療科に進んでも、必要なのはスペシャリストとしての知識・技術だけではありません。外来や病棟、当直でさまざまな病態に直面するため、初期研修で培った基本的臨床能力は必ず役に立ちます。

2年間の初期研修期間だけで、あらゆる疾患を経験し初期対応を習得するのは不可能ですが、医師として必要なのは、未経験の疾患や病態であっても、それらに対応するために進んで学び、習得しようとする態度や、さまざまな心理社会的問題を抱えた患者・家族に信頼される医療を提供したり、地域社会に貢献しようというプロフェッショナリズムを習得することです。

1.充実したプライマリ・ケア

院内にプライマリ・ケア指導医*3人を抱え、旭川市内基幹病院で唯一の入院診療を行っている総合内科がある当院では、プライマリ・ケアに力を入れています。

*プライマリ・ケア指導医:日本プライマリ・ケア連合学会の認定する指導医

(日本専門医機構の総合診療領域における特任指導医は2人)

総合内科研修

外来初診をはじめ、研修期間内では外来フォローアップ研修も行っています。

午後外来研修

内科系ローテート期間内には、時間外受付した患者さんを領域に関わらず診療する午後外来研修があり、各科指導医も自分の専門領域以外の診療も指導します。

地域医療研修

道立羽幌病院、枝幸町国保病院で毎日のように外来診療を行う機会があります。

豊富な外来診療の機会に、病歴聴取や身体診察をもとに臨床推論を行う力を養うことは、病棟研修とは一味異なる臨床の醍醐味です。

2.高度な専門医療や救急診療

各科ローテートで様々な疾患に対する専門研修を行うことはもちろん、医師として必要な基本手技を身につけます。初期研修のうちに修得すべき基本手技の多くはこの期間内に経験できます。

Procedures on call

未経験の手技をローテート科以外の診療科からオンコールで経験できるシステムで、基本手技を効率的に身につけることができます。

新⼈当直医独り⽴ちプラン

研修医は2次救急当番日の当直を担当し、指導医のもとで救急診療研修を行います。病歴聴取に始まり、段階的に自分で検査を組み立てたり、初期治療を行ったり、専門科にコンサルトしたり、当直PHSを持って救急車受け入れから全てのマネジメントをできるように指導します。

3.症例カンファレンスでの振り返り

症例をたくさん経験すれば良い医師になれるわけではありません。経験した症例を振り返り(reflection on action)、他者と共有し、討論することで理解が深まります。当院ではoff-the–jobtrainingの機会を複数設けています。

救急外来症例検討会

月1回開催。当直で経験した印象に残る症例、典型的症例、ヒヤリハット症例などのcase discussion。プレゼンテーション作成の練習にもなります。

救外レビュー

隔週開催。準備は気になった救急症例リストだけ。At homeな雰囲気で指導医たちとともに振り返りを行います。

Clinical TIPS

2, 3週毎に開催。外来や病棟で遭遇するちょっとした疑問に指導医がお答えする双方向カンファレンスです。

総合内科カンファレンス

総合内科の外来や病棟で経験した診断困難症例や、診療科に関わらず日常的に経験する臓器非特異的な問題に焦点を当てたcase conference。不定期に開催します。

4.研修を支えるメンター制度

初期研修中は、日常業務や将来に対する不安、悩みもつきものです。当院では2012年度より、道内初のメンターシップ制度を導入し、安心・充実した研修生活を送っていただくためのサポートシステムを整えています。

  • マッチングにより希望のメンター(先輩医師)を決定します。
  • 意欲促進・課題達成・キャリアアップのための支援とfeed backを提供します。
  • 悩み事の相談・解決、医学的・技術的相談にも対応します。

研修医の声

  • 将来どのような医師になるかという目標になる先生がメンターで指針になっています。
  • メンターの先生と新たにWebレクチャーの視聴を始めたりよりよい研修を行っています。
  • いろいろな経験があり、知識もより多い上級医といつでも相談できる関係性をつくるきっかけとなっています。

ローテーション例

1年目

内科1

内科2

内科3

麻酔科

救急

(麻酔科)

救急

(CCU)

救急

(ER)

外科

内科

循環器、呼吸器、消化器、糖尿病・代謝、血液、総合内科、神経内科、腎臓内科から選択

救急

救急(CCU)は、CCUで循環器疾患の全身管理を研修します。
救急(ER)は(1)ブロック研修(旭川赤十字病院救急科または旭川医大病院救急科での研修)と(2)並行研修(院内での宿日直20回分を研修とみなす)のいずれかから選択します。

2年目

小児科

産婦

人科

精神科

地域医療

自由選択           

地域医療

枝幸町国保病院、道立羽幌病院

自由選択

市立旭川病院

循環器内科、呼吸器内科、消化器内科、糖尿病・代謝内科、血液内科、神経内科、腎臓内科、総合内科、小児科、外科、胸部外科、耳鼻咽喉科、産婦人科、皮膚科、泌尿器科、眼科、精神神経科、麻酔科、放射線科、放射線治療科、救急科、病理診断科

旭川医療センター

神経内科、呼吸器科、膠原病内科

旭川医科大学病院

整形外科、脳神経外科、腎臓内科

旭川赤十字病院

救急科、脳神経外科、腎臓内科

北海道大学病院

整形外科

札幌医科大学病院

全科

医学生の皆さんへのメッセージ

院長から

当院の研修プログラムは非常に教育的であり、研修医の皆さんに寄り添ったプランであると自負しております。
現在の研修医制度が始まってから20年以上が経過し、振り返りながら多くの診療科の先生達と議論を重ねて徐々にプログラムの改良を重ねてきております。
研修期間中に全人的な総合診療の基本的能力を習得することを基盤として、将来を見据えた様々な高度専門医療の現場にも対応可能な知識・経験をも自然に身につけることができることを目標にしております。教育熱心な指導医による多くのカンファレンス、当直や外来での実践教育、基本的手技の習得プラン、悩みや相談に対応するメンター制度など、どれも誇れるプログラムであります。また、一人一人の要望や将来設計に合わせてフレキシブルな研修希望にも対応可能であります。
当院は急性期病院、救急指定病院としての立ち位置から高齢者の医療まで幅広く対応しており、また少数の研修医であるため、アットホームな雰囲気で十分な指導が行き届くように配慮しております。
当院での研修に来ていただけることをお待ちしております。
市立旭川病院長の写真

市立旭川病院

院長 石井 良直

プログラム責任者から

2年間の初期臨床研修は、将来みなさんがどのような診療科を専門とするかに関わらず、診療能力の広さを涵養するために重要な時期です。自分自身のキャリアプランを決めるために、志す診療科で研修することは大切ですが、その他の領域の様々な病態に対する基礎知識を定着させ、初期対応能力を養っておくことは、今後どんな診療科の医師にも求められることです。
そのための研修期間はたった2年間しかありません。また医療現場で働くには多職種連携が必要であり、社会性を身に付けるための期間でもあります。外来や救急外来で出会うcommon diseasesや、病棟で遭遇するcommon problemsに対する初期対応や適切なコンサルテーションは、繰り返し経験し、適切な振り返りを行うことによって身につきます。救急現場での「新人当直医独り立ちプラン」や、「救外症例検討会」をはじめとする振り返りのための各種カンファレンス、基本手技スキルアップのための「Procedures on call」、キャリアサポートのための「メンターシップ制度」など、みなさんが安心して充実した研修生活を送れるためのサポートシステムが整っています。
情熱のある若い仲間たちが当院に集うことを期待しています。
 
教育研修センター長(総合内科診療部長) 鈴木 聡

研修医から

当院の最大の特徴は、病院の規模が大きい割に研修医が少人数であることです。「症例/手技の取り合い」が少なく、様々なチャンスが回って来やすい環境となっています。
市中病院としては診療科が多く、幅広い疾患を経験できます。必修科を院内でほぼ完結できる点も魅力です。また月3〜5回の救急外来当直を二次救急当番日に行います。院内に救急科こそありませんが、むしろ救急対応の経験は非常に多いです。研修医が率先して診療を行い、各科の当番医へのコンサルテーションも行うため、診療能力とプレゼン力が身につきます。
自分から前に出ることが苦手な方もいると思います(私もそうです)が、研修医の人数が少ない分、指導医の先生方は一人一人に目をかけてくれます。まずは仕事の内容を教えてもらい、聞いたり調べたりしながら徐々に慣れていくことができます。
待遇面でも、当直明けは朝に帰宅できるなど恵まれています。少しでも気になった方は、気軽に病院見学に来てみてください。お待ちしています!
 
令和4・5年度研修医 林 潤希

研修医の出身大学

旭川医科大学、札幌医科大学、北海道大学、福島県立医科大学、名古屋大学、宮崎大学(過去10年間、基幹型のみ)

病院概要・施設認定

当院の病院概要・施設認定などについては、こちら(新しいウインドウが開きます)のページをご覧ください。

診療科・部門紹介

当院の各診療科・部門については、こちら(新しいウインドウが開きます)のページをご覧ください。

令和6年度基幹型臨床研修病院年次報告等

様式A-10 臨床研修病院・研修プログラム変更届出書(PDF形式 500キロバイト)

様式A-10 別紙1 研修管理委員会名簿と開催回数(PDF形式 279キロバイト)

様式A-10 別紙2 患者数・研修医数(PDF形式 351キロバイト)

様式A-10 別紙3 プログラム概要(PDF形式 277キロバイト)

様式A-10 別紙4 指導医名簿(PDF形式 275キロバイト)

様式A-10 別紙5 時間外・休日労働時間数(PDF形式 106キロバイト)

様式A-10 別表 病院群の構成等(PDF形式 134キロバイト)

令和6年度初期臨床研修プログラム(PDF形式 3,150キロバイト)

市立旭川病院研修管理委員会

市立旭川病院研修管理委員会については、こちら(新しいウインドウが開きます)のページをご覧ください。