サービス付き高齢者向け住宅事業の登録審査基準
登録基準
サービス付き高齢者向け住宅事業の登録の基準は、高齢者の居住の安定確保に関する法律第7条第1項第1号から第9号(及びそれに関連する条項・施行令等)に規定されています。詳しい内容は次のとおりです。
- 規模に関する基準(第1号)
- 構造及び設備に関する基準(第2号)
- 加齢対応構造等に関する基準(第3号)
- 入居者の資格に関する基準(第4号)
- 状況把握サービス及び生活相談サービスに関する基準(第5号)
- 入居契約に関する基準(第6号)
- 住宅整備前の敷金及び前払金に関する基準(第7号)
- 前払金返還のための保全措置に関する基準(第8号)
- その他基本方針に関する基準(第9号)
- その他
規模に関する基準
基準
住戸の床面積が、25平方メートル以上であること。
ただし、居間、食堂、台所その他の居住の用に供する部分が高齢者が共同して利用するため十分な面積を有する場合は、18平方メートル以上であること。
※1つの住戸に2人が入居する住戸の新設(登録された住戸の改修を含む。)を行う場合は、運用基準(令和6年8月1日改定)が適用になります。当該基準はこちら。
旭川市における「居間、食堂、台所その他の居住の用に供する部分」の取り扱い
旭川市における居間、食堂、台所その他の居住の用に供する部分(以降「共同利用部分」という。)の取り扱いは次のとおりです。
共同利用部分として扱うもの
次に掲げるものは共同利用部分として扱います。ただし、専ら入居者以外の特定の者が利用するもの(※1)や、入居者(及びその来客者)以外の者も利用するもの(※2)は除きます。
- 共用の居間、談話室その他これらに類するもの
- 共用の浴室、シャワー室及びこれらに附随する脱衣室その他これらに類するもの
- 共用の台所、食堂その他これらに類するもの
- トランクルーム、倉庫その他これらに類するもの
- 遊戯室、トレーニングルームその他これらに類するもの
- 共用の洗濯機及び乾燥機等を設置するための室
- 共用の喫煙室
- その他入居者の交流のために設置する室(麻雀室、カラオケ室など。)
※1 専ら入居者以外の特定の者が利用するもの
例えば、事業者による食事提供サービスのための厨房や、職員のための事務所・休憩室など。
※2 入居者以外の者も利用するもの
例えば、併設施設と共同で利用する室や、地域住民への開放を行う室など。
共同利用部分として扱わないもの
次に掲げるものは、共同利用部分として扱いません。
- 共用の階段、廊下、通路、エレベーター、エレベーターホールその他これらに類するもの
- 共用のトイレ(共同利用の浴室に附随するものを除く。)
旭川市における「十分な面積」の考え方
次に掲げる条件をすべて満たす場合は、「十分な面積」が確保されていると判断します。
- 共同利用部分の面積の合計を、25平方メートル未満となる住戸数で除した値が、2以上であること 。
- 25平方メートル以上の住居の入居者も共同で利用する場合は、それらの者の利用を勘案し、支障のない広さが確保されていること。
※1つの住戸に2人が入居する住戸の新設(登録された住戸の改修を含む。)を行う場合は、運用基準(令和6年8月1日改定)が適用になります。当該基準はこちら。
設備に関する基準
基準
原則として、各居住部分が台所、水洗便所、収納設備、洗面設備及び浴室を備えたものであること。
ただし、共用部分に共同して利用するため適切な台所、収納設備又は浴室を備えることにより、各居住部分に備える場合と同等以上の居住環境が確保される場合は、各居住部分が台所、収納設備又は浴室を備えたものであることを要しない。
旭川市における「同等以上の居住環境」の考え方
次に掲げる条件をすべて満たす場合は、「同等以上の居住環境」が確保されていると判断します。
台所
- 台所を備えていない住戸から共同利用の台所まで車椅子で円滑に移動ができること
浴室
- 浴室を備えていない住戸概ね10戸につき1箇所以上共同利用の浴室が設置されていること
- 浴室を備えていない住戸から共同利用の浴室まで車椅子で円滑に移動ができること
収納設備
- 共同利用の収納設備が、収納設備を備えていない住戸の数以上設置されていること
- 共同利用の収納設備が、当該住戸の入居者が自ら管理できる構造となっていること
- 当該住戸から、当該住戸に対応する共同利用の収納設備まで車椅子で円滑に移動ができること
加齢対応構造等に関する基準
基準
こちらのチェックリストをご参照ください。
加齢対応構造等のチェックリスト(PDF形式 219キロバイト)
加齢対応構造等のチェックリスト(エクセル形式 99キロバイト)
なお、既存の建物を改修し、サービス付き高齢者向け住宅として登録する場合は一部緩和措置を受けられる場合があります。その場合は担当までご相談ください。
入居者の資格に関する基準
基準
入居者の資格を、自ら居住するため賃貸住宅又は有料老人ホームを必要とする高齢者(※)又は当該高齢者と同居するその配偶者(事実上夫婦と同様の関係にあるものを含む。以降同じ。)とすること。
※「高齢者」について
高齢者の居住の安定確保に関する法律上での高齢者は、60歳以上の者又は介護保険法上の要介護・要支援の認定を受けている60歳未満の者で、次の1又は2のいずれかに該当する者です。
- 同居する者がない者であること
- 同居する者が配偶者、60歳以上の親族、要介護・要支援の認定を受けている60歳未満の親族、入居者が病気にかかっていることその他特別の事情により当該入居者と同居させることが必要であると市長が認める者であること
旭川市における市長が認める者について
次に掲げる者は、入居者が病気にかかっていることその他特別の事情により当該入居者と同居させることが必要であると市長が認める者とします。
- 入居者の介護を行う親族
- 入居者の心身の事情により常時又は頻繁に見守りが必要な場合にあっては、入居者の見守りを行う親族
ただし、いずれの場合も入居しようとするサービス付き高齢者向け住宅の通常のサービスの提供範囲で入居者への対応が困難な場合とします。
状況把握サービス及び生活相談サービスに関する基準
基準
次の基準に適合する状況把握サービス及び生活相談サービスを提供すること。
- 有資格者(※1)が、原則として、夜間を除き、サービス付き高齢者向け住宅の敷地又は当該敷地に隣接し、若しくは近接する土地に存する建物に常駐し、状況把握サービス及び生活相談サービスを提供すること。
- 状況把握サービスを、各居住部分への訪問その他の適切な方法により、毎日1回以上、提供すること。
- 有資格者がサービス付き高齢者向け住宅の敷地に近接する土地に存する建物に常駐する場合において、入居者から居住部分への訪問を希望する旨の申出があったときは、状況把握サービスの提供方法を当該居住部分への訪問とすること。
- 少なくとも有資格者が常駐していない時間においては、各居住部分に、入居者の心身の状況に関し必要に応じて通報する装置を設置して状況把握サービスを提供すること。
※1 有資格者について
この場合の有資格者は、次に掲げる者です。
- 医師
- 看護師
- 准看護師
- 介護福祉士
- 社会福祉士
- 介護支援専門員
- 介護職員初任者研修課程を修了した養成研修修了者
- 状況把握サービス及び生活相談サービスを提供する事業者が医療法人、社会福祉法人又は介護系事業者(※2)である場合は、その職員
※2 介護系事業者について
この場合の介護系事業者は、次に掲げる事業者です。
- 指定居宅サービス事業者
- 指定地域密着型サービス事業者
- 指定居宅介護支援事業者
- 指定介護予防サービス事業者
- 指定地域密着型介護予防サービス事業者
- 指定介護予防支援事業者
入居契約に関する基準
基準
入居契約が、次に掲げる基準にすべて適合する契約であること。
- 書面による契約であること。
- 居住部分が明示されていること。
- 敷金、家賃及びサービスの対価(以下「家賃等」という。)並びに家賃等の前払金を除くほか、権利金その他の金銭を受領しないものであること。
- 家賃等の前払金を受領する場合にあっては、その算定の基礎及び当該前払金を返還する場合における返還金額の算定方法が明示されていること。
- 入居者の入居後、家賃等の前払金の算定の基礎として想定した期間が経過する日までの間に契約が解除され、又は入居者の死亡により終了した場合は、一定の基準(※)に基づいて家賃等の前払金を返還するものであること。
- 入居者の入院及び心身の状況の変化を理由として、入居者の合意なく一方的に居住部分を変更し、又は契約を解約することができないものであること。
※一定の基準について
入居後3か月に満たないでの解除(終了)の場合は、家賃等の月額を30で除した額に、入居の日から起算して契約の解除(終了)の日までの日数を乗じた額を除き、前払い金を返還すること。
それ以外の場合は解除(終了)した日以降の期間につき日割り計算により算出した家賃等の金額を返還すること。
住宅整備前の敷金及び前払金に関する基準
基準
サービス付き高齢者向け住宅の整備(新築や既存建物の改修など。)をして事業を行う場合は、工事の完了前に敷金又は家賃等の前払金を受領しないこと。
前払金返還のための保全措置に関する基準
基準
家賃等の前払い金についてサービス付き高齢者向け住宅事業を行う者(以降「登録事業者」という。)が返還債務を負うこととなる場合に備えて、次のいずれかの保全措置が講じられるものであること。
- 銀行等(※1)との間において、登録事業者が家賃等の前払い金の返還債務を負うこととなった場合に、当該銀行等がその債務のうち保全金額(※2)に相当する部分を連帯して保証することを委託する契約を締結すること。
- 保険事業者(※3)との間において、登録事業者が受領した家賃等の前払金の返還債務の不履行により入居者に生じた損害のうち当該返還債務の不履行に係る保全金額に相当する部分を当該保険事業者がうめることを約する補償保険契約を締結すること。
- 信託会社等(信託会社及び信託業務を営む金融機関をいう。)との間において、保全金額につき家賃等の前払金を支払った入居者を受益者とする信託契約(※4)を締結すること。
- 一般社団法人又は一般財団法人で高齢者の福祉の増進に寄与することを目的として設立されたものとの間において、家賃等の前払金について登録事業者が返還債務を負うこととなる場合に備えた保全のための契約を締結することであって、前3項目に掲げる措置に準ずるものとして市長が認めるもの。
※1 銀行等
銀行、信託会社、信用金庫、農林中央金庫、商工組合中央金庫、信用協同組合で出資の総額が5千万円以上であるもの、労働金庫又は宅地建物取引業法第41条第1項第1号の国土交通大臣が指定する者をいう。
※2 保全金額
家賃等の前払金のうち家賃等の前払金の算定の基礎として想定した入居者が入居する期間のうち残存する期間に係る額又は500万円のいずれか低い方の金額以上の金額をいう。
※3
保険業法上の免許を受けて保険業を行うものをいう。
※4
金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第6条の規定により元本補てん契約をしたもの又は信託契約により保全金額に相当する部分が保全されるものに限る。
旭川市における「市長が認めるもの」について
前例がなく、具体的な基準は設けていません。適用をお考えの場合は担当までご相談ください。
その他基本方針に関する基準
基準
「高齢者の居住の安定確保に関する基本的な方針」及び「北海道高齢者居住安定確保計画」に照らし適切なものであること。
北海道高齢者居住安定確保計画内の基準
高齢者虐待防止及び高齢者の権利利益の不当な侵害防止に向けた適切な対策を講じること。
旭川市における「適切な対策」の考え方
次の内容を実施していただきます。
- 高齢者虐待又は高齢者の権利利益を不当に侵害する行為(以下「虐待等」という。)の未然防止の取組として、サービス付き高齢者向け住宅の業務に従事する職員に虐待等の防止等に係る研修を実施するとともに、その内容を記録し保存すること。
- 虐待等の発生に備え、苦情対応体制を整備すること。また、入居者への虐待等が発生した場合には、速やかに入居者の安全確保・不安解消を図るとともに、入居者及び家族への説明を行うこと。
- 入居者への虐待等が発生した場合には、速やかに事実確認のための聞き取り調査を実施すること。また、組織的な情報の共有、原因の分析及び再発防止への取組を行うこと。
- 虐待等が発生した場合、あるいはその疑いがある場合には、旭川市建築部建築総務課及び福祉保険部指導監査課に情報提供すること。
- 虐待等が発生した場合には、原因分析したうえで、虐待等防止のための改善策を策定し、旭川市建築部建築総務課及び福祉保険部指導監査課に情報提供すること。
- サービス付き高齢者向け住宅の業務委託先又は提供先の職員による虐待等が発生した場合には、当該事業者への注意を行うとともに、旭川市建築部建築総務課及び福祉保険部指導監査課に情報提供すること。
その他
旭川市における面積の算定方法について
- 別に定めがない場合は、壁芯又は柱芯で算定します。
- 各室の面積には、配管や機械設備のための空間、廊下や通路等と共有している部分その他これらに類する部分の面積は含めません。ただし、1箇所あたり概ね0.5平方メートル未満である場合又は該当の部分がその部屋全体の面積に対し著しく小さい場合は、面積に含むことができます。
旭川市におけるサービス付き高齢者向け住宅事業の登録に係る運用基準
現運用基準(令和6年8月1日改定)
旭川市におけるサービス付き高齢者向け住宅事業の登録に係る運用基準(令和6年8月1日以降)(PDF形式 75キロバイト)
旧運用基準(令和2年10月1日策定)
旭川市におけるサービス付き高齢者向け住宅事業の登録に係る運用基準(令和6年7月31日以前)(PDF形式 70キロバイト)
本運用基準の策定前に登録されたサービス付き高齢者向け住宅の更新時に適用する基準について
本運用基準の策定前に登録されたサービス付き高齢者向け住宅の更新時に適用する基準について(PDF形式 35キロバイト)