緩和ケアチーム

最終更新日 2017年12月1日

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緩和ケアと緩和ケアチーム

現代の医療においてもっとも大きな問題となっている疾病は「がん」であり、患者さんの身体ばかりでなくこころや人間関係にも大きな影響を与え、苦痛を引き起こします。この苦痛は、患者さんのみならず家族にも連鎖的に波及します。また、治療中には疾患自体の苦痛に加え、治療から生じる不快な症状にも悩まされます。これらの苦痛を可能な限り癒すための援助を緩和ケアと呼びます。患者さんやご家族の苦痛をいろいろな側面から察知し、苦痛を癒すためには、複数の専門職種の協力が必要であり、医師や看護師、薬剤師などから構成される緩和ケアチームを組んで対応しなければなりません。苦痛を抱える方々のお役に立ちたいと考え、当院においても緩和ケアチームが活動しています。

緩和ケアチームの理念

私たちは、WHO(世界保健機関)の提唱する緩和医療の定義に準じ、生命を脅かすような疾病を有する患者さんやご家族が被るさまざまな苦痛を早期より察知し、これを軽減し取り除くことにより、患者さんの生きる力や意欲、質を向上させるよう支援することを活動の理念とします。人間が人間を助けあうという暖かみのある関わりを通じ、患者さんの「個」を尊重し、よりよく生きる時間がもてるように支援に努め、この支援により患者さん自身が主体的に疾病治療に向き合うための助けとなれば幸いと考えます。

緩和ケアチーム

当院では、2008年11月にチームを作り活動を開始しました。当院の緩和ケアチームは、身体症状緩和医師、精神症状緩和医師、看護師のほか薬剤師、医療ソーシャルワーカーなどの多種の職種からなる医療チームです。

緩和ケアチームの活動

  1. 通常の緩和治療では患者の苦痛が十分コントロールできないような場合に、専門的あるいは多角的な検討を加えることにより身体的、精神的、社会的苦痛を緩和します。
  2. 腫瘍内科、麻酔科、放射線科、精神科、看護科、薬剤科、リハビリ科、栄養給食科、医療ソーシャルワーカーなどの専門家が協議し検討して、よりよい緩和の方策を検討します。
  3. 緩和ケアチームの介入によって、患者さん、ご家族のみならず、担当医、病棟スタッフの支援を行います。
  4. 地域のかかりつけ医との連携により、患者さんの苦痛緩和を計画します。
  5. 院内外医療従事者の緩和ケアの知識、技術向上のための研修等を行います。

緩和ケア外来

当院では緩和ケア外来を開設し、緩和ケアチームの医師及び看護師がスタッフとして診療に当たっています。緩和ケア認定看護師が専従で勤務し、患者さんとご家族を支援しております。「痛みが治まらない」「薬の副作用で苦しい」「気分が落ち込み不安である」などで緩和ケア外来の診療を希望される方は、主治医または看護師にご相談ください。