臨床器材科
概要
平成6年、医療の高度化が進む中、既存の診療科のみでは対応できなくなり、高度医療の担い手として、当科はスタートしました。 業務内容は生命維持管理装置の操作および保守点検を主に行っています。 具体的には人工心肺業務、心臓カテーテル検査室関連業務、透析室業務、各種ME機器管理業務、それらに付随する業務が上げられます。
人員
昭和46年、胸部外科開設と同時に1名の人工心肺技士が採用されたのが始まりで、昭和62年臨床工学技士法が制定され、業務の拡大と共に増員し、現在は10名(含、パート1名)で業務を行っております。
業務内容
1.人工心肺業務
心臓手術の際に、心臓と肺の機能を一時的に代行する装置で、当院には2台の装置があります。
また、人工心肺に付随して行われる、血流量測定装置や大動脈内バルーンポンプ(IABP)、補助循環(PCPS)の操作も行っております。 さらに、人工心肺を使用する手術は基より、腹部大動脈瘤や人工心肺非使用冠動脈バイパス手術時の術中自己血回収装置の操作も行っております。
業務内容 | 平成23年度 | 平成24年度 | 平成25年度 | 平成26年度 |
---|---|---|---|---|
人工心肺件数 | 125例 | 114例 | 91例 | 111例 |
IABP | 19例 | 16例 | 14例 | 12例 |
術中自己血回収 | 49例 | 50例 | 59例 | 59例 |
2.心臓カテーテル検査室関連業務
心臓カテーテルを用いた、ポリグラフ、IVNS(血管内エコー装置)、ロターブレータ、アブレーション装置等の操作、保守点検や物品管理。心臓ペースメーカ等のテレメトリー操作、除細動器、IABP、PCPS装置の操作等も行っております。
業務内容 | 平成23年度 | 平成24年度 | 平成25年度 | 平成26年度 |
---|---|---|---|---|
カテーテル検査総数 | 659例 | 716例 | 671例 | 638例 |
インターベンション件数 | 207例 | 212例 | 205例 | 205例 |
ペースメーカ埋め込み件数 | 75例 | 69例 | 57例 | 59例 |
ICD,CRTD埋め込み件数 | 3例 | 7例 | 12例 | 6例 |
※ペースメーカ埋め込み件数には手術室で行われた交換症例も含まれる。
3.透析室業務
透析室は平成6年に開設し、当初は9台の装置で稼動していましたが、現在は20台の装置があります。透析は全曜日2クール行っていますが、夜間透析(17時以降の開始)は行っていません。20台の透析装置の内、On-Line HDFが可能な装置が1台、IHDF(間欠的血液濾過透析)が可能な装置を2台有しており、透析加算2を取得しています。その他に、炎症性腸疾患に対する顆粒球吸着療法や、血液疾患に対する造血幹細胞採取なども行っています。さらに患者さんは別の部署で腹水採取を行うため、透析室にはいませんが、腹水濾過濃縮業務も透析担当CEの業務です。
業務内容 | 平成23年度 | 平成24年度 | 平成25年度 | 平成26年度 |
---|---|---|---|---|
透析療法 | 8435件 | 7884件 | 7619件 | 7393件 |
顆粒球吸着療法 | 58件 | 121件 | 50件 | 46件 |
造血幹細胞採取 | 6件 | 10件 | 31件 | 33件 |
血漿交換 | 5件 | 44件 | 13件 | 3件 |
腹水濾過濃縮 | 20件 | 36件 | 56件 | 40件 |
4.ペースメーカ(PM)関連業務
平成19年、業者による立会い規制が強化され、それまで業者に委託していたPMチェック業務をCEが行うようになりました。PM外来は毎週水曜日の午後に2名のCEで実施しています。当院では5社のPMを採用しており、24時間対応できるようにしております。
業務内容 | 平成23年度 | 平成24年度 | 平成25年度 | 平成26年度 |
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定期PM外来 | 700件 | 674件 | 730件 | 726件 |
PMチェック(外来以外) | 115件 | 81件 | 101件 | 103件 |
ICD,CRTチェック | 10件 | 14件 | 34件 | 47件 |
5.daVinch(ロボット支援手術)業務、RFA業務
daVinchは平成25年9月に装置を導入しました。業務は装置の準備、動作点検、装置のロールイン、ロールアウト、エラー発生時の対応などを行っています。
RFA(ラジオ波)業務は主に内視鏡室で実施いているRFA施行時の機器の操作を行っております。
業務内容 | 平成23年度 | 平成24年度 | 平成25年度 | 平成26年度 |
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daVinci業務 | ― | ― | ― | 10件 |
ラジオ波業務 | 207件 | 212件 | 205件 | 205件 |
6.ME機器管理業務、その他
院内全体で使用する医療機器(ME機器)を一括して中央管理し、始業点検、終業点検、定期点検などを行い、安全な装置を提供する業務です。現在中央管理を行っている装置は、輸液ポンプ、シリンジポンプなどの精密輸注ポンプ、低圧持続吸引器、心電図モニタ、体外式ペースメーカ、経皮酸素モニタ(パルスオキシメータ)、自動血圧計などを管理しています。また、除細動器、電気メスなどの定期点検も行っております。
また、人工呼吸器の始業前、使用中、終業点検、集中治療室での各種血液浄化業務を行っております。
装置保有台数
シリンジポンプ | 輸液ポンプ | 低圧持続 吸引器 |
体外式 ペースメーカ |
心電図モニター (テレメータ) |
---|---|---|---|---|
149台 | 102台 | 36台 | 9台 | 88台 |
パルス オキシメータ |
自動血圧計 | 人工呼吸器 | IABP装置 | 除細動器 |
108台 | 155台 | 13台 | 1台 | 17台(AED込) |
電気メス | 経腸栄養ポンプ | 超音波メス | フットポンプ | |
13台 | 20台 | 5台 | 17台 |
7.学会活動、認定士
臨床工学技士会、体外循環医学会などを中心に年10~15題程度の発表、論文投稿を行っています。また臨床実習生も積極的に受け入れ、年間10~15名が学んでいます。さらに、講師としてCE養成学校まで出向き、人工心肺やPM、心臓カテーテルについての講義、指導も行っています。
各種習得認定士
- 体外循環技術認定士 : 5名
- 透析技術認定士 : 3名
- 呼吸療法認定士 : 4名
- 不整脈治療専門臨床工学技士 : 1名
- アフェレシス学会認定技士 : 1名
- 心血管インターベンション専門技師 : 3名
- 臨床ME専門認定士(第1種ME) : 3名
- MIDC : 1名
- 診療情報管理士 : 1名
- 救急医学会認定ICLSインストラクター: 1名