薬剤科

最終更新日 2025年7月1日

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薬剤師を募集しています

病院薬剤師の仕事内容をご存知でしょうか。
安全で効果的な薬物治療を受けていただくため、病院薬剤師は、お薬に関わった仕事に携わっています。お薬は、病気の治療に欠かせない大切なものです。患者さんから、見えない縁の下の仕事も数多くあり、努力を積み重ねています。薬剤師はお薬の専門家であり、しばしば他の職種とは異なる目線で活動しておりますが、医師、看護師など他のスタッフと連携し、チーム医療の一員として役割を果たしています。お薬について何かお聞きしたいことがありましたら、気軽にお声かけください。

市立旭川病院 薬剤科長
廣川 力教
 

薬剤科内紹介

病院薬剤師の仕事を紹介しますので、クリックしてみてください。

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薬剤管理指導業務(病棟業務)

入院患者さんに適切な薬物治療を受けていただけるよう、病室へお伺いし、お薬の効果・使用方法・注意点などの説明や質問にお答えしています。また、お薬による副作用などについても確認し、医師や看護師などと協力して、お薬が有効かつ安全に使用できるよう努めています。患者さんのお薬について、必要に応じて退院後に通われる病院やかかりつけ薬局の薬剤師に情報を伝えることもあり、すべての病棟で患者さんのお役に立てることを目標としています。

薬品情報室(+無菌調製関連)

医薬品情報管理業務

医薬品に関するさまざまな情報が、医薬品製造会社はもとより研究機関・厚生労働省・マスコミ・患者さんなどから毎日のように提供されます。当院で使用しているお薬に限らず、これらの情報は患者さんの適正な薬物療法に役立つよう、この部門で整理され、必要に応じて問い合わせを行い、評価して医師・看護師・薬剤師などの医療従事者へ提供します。医薬品の情報提供には迅速性・正確性・信憑性が求められます。また、院内で発生したお薬による副作用などの情報を収集し、今後の薬物治療に役立てることも重要な仕事です。現在ではIT化が進み、情報入手・提供もリアルタイムに行われています。患者さんの治療の手助けとなる情報を正確、かつ素早くお伝えできるよう心がけています。

治験・市販後調査

治験とは、新しい医薬品を治療の現場に送り出すための仕事です。現在使われているお薬も治験という厳しいハードルを越えて厚生労働省に認められたものが用いられています。今もお薬を必要とする病気が数多くあり、副作用の少ないお薬も求められており、治験が活発に行われることが期待されています。
病院で行われる治験は、医薬品開発段階も一部となります。それまでにも多くの試験をクリアし、安全性が高く、有益と思われる候補について治療に必要な投与量を決めるために行う試験です。この試験は患者さんに不利益とならないよう、詳しい説明の上、ご理解いただいてから参加するものです。ご協力いただいた患者さんは「創薬ボランティア」とも呼ばれています。治験という業務を通じて、治療の場に新しいお薬が登場する手伝いをしています。
市販後調査は、新しいお薬が多くの患者さんに使われることで、新たな効果や使用方法、副作用など治験では分からなかった多くの情報を得ることができます。それらの情報を収集し、今後、そのお薬がさらに役立つよう、長い期間、調査が続けられます。このような調査にご協力いただくことを「育薬ボランティア」と呼んでいます。
 

注射薬無菌調製業務

病気や手術などのため、免疫力が低下し、感染しやすくなったり、栄養状態が悪くなったりすることがあります。そのような場合には、感染を防ぐため、無菌的な環境で注射薬を混合する必要があります。無菌室内では、クリーンベンチや安全キャビネットを用いて、医師の処方に基づき、栄養を補給する中心静脈栄養剤(TPN)やがん治療に用いる注射抗がん剤を混合しています。また、前もって処方内容に問題がないかを確認し、必要に応じて医師に問い合わせをします。
近年、外来通院で抗がん剤治療を受けられる患者さんが増えています。このような患者さんにも、より安全で適正な治療ができるように、注射薬の無菌調製や薬剤説明を行っています。
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院内特殊製剤調製業務

院内特殊製剤とは「市販されていない特殊なお薬を、医師の申請により、病院として承認後、薬剤師が調製し、その病院のみで使用される製剤」のことです。病院で使用されるお薬のほとんどは、製薬企業で製造・供給されています。しかし、患者さんの症状などにより、院内製剤が必要となることがあります。当院では約40品目あり、治療上の必要性から医師の処方に応じて調製されています。通常、軟膏や坐薬などの一般製剤と、注射薬や点眼薬などの無菌製剤に分けられますが、その調製方法や環境は製薬会社と同等の条件で行っています。

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調剤室(内服・注射)

入院・外来調剤業務

この部門では、飲み薬・塗り薬・貼り薬・注射薬などを取り扱っています。
医師の診断により発行された処方箋をもとに調剤を行います。医師は、患者さん一人一人の症状に合わせてお薬を処方します。入院患者さんと一部の外来患者さんの処方箋について、以下の活動を行っています。
1.処方箋監査
処方箋について薬剤師の立場で組み合わせ・内容・投与量や使用方法などを確認します。
2.処方箋調剤
監査済み処方箋をもとにお薬を取り揃えます。
3.調剤監査
取り揃えたお薬が、処方箋通りに出来ているのか、専用システムを用いて確認します。
4.薬剤情報提供
処方されたお薬の説明書をお渡しします。ご自身に処方されたお薬を正しく理解しておくことは大切です。また、お薬手帳用のシールもお渡ししており、お薬手帳は患者さんが他の病院にかかっている場合に大切な情報源となるため、大事に保管してください。
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※院外処方箋について
外来患者さんには、院外処方箋をご利用いただいています。院外処方は、日本を含む先進国の多くで行われている制度です。これは医師と薬剤師がそれぞれ専門的な立場で患者さんの治療に関わることを基本としています。また、当院以外で処方されたお薬やOTCなどの薬局で購入したお薬も含め、いろいろな確認を行う必要があり、効果的な薬物治療に加え、お薬による不都合を防ぐためにも、信頼できる「かかりつけ薬局(薬剤師)」をご利用していただくようお願いします。
 

注射調剤業務

病院で取り扱う全ての医薬品・検査用試薬などの購入・供給に応じて、それぞれの特性に合わせた保管・管理を行っています。また、入院患者さんに使用される注射薬の個人別セットを行っており、注射薬の投与量や配合変化などを確認し、患者さん一人分ずつ用意しています。病院は24時間365日稼働しており、治療を妨げるような医薬品不足などを生じると大変です。また、品質確保も重要であり、大きいものから小さいものまで数多くの医薬品管理を行っています。
その他、治療には欠かすことができませんが使用方法によっては社会に悪影響を与える恐れがある医療用麻薬・向精神薬・毒薬などにおいては、法律に基づいて厳重に保管・管理しています。
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専門・認定薬剤師等取得状況および施設認定

当院薬剤科では、チーム医療の中で、より専門性を発揮するための能力向上を目指し、専門・認定薬剤師の取得に対し、積極的に取り組んでいます。そして、病院としても必須研修がある場合、必要な補助を行っています。

1.専門・認定薬剤師資格

  • 日本医療薬学会 がん専門薬剤師 1名
  • 日本医療薬学会 薬物療法専門薬剤師 1名
  • 日本緩和医療薬学会 緩和医療暫定指導薬剤師 1名
  • 日本緩和医療薬学会 緩和薬物療法認定薬剤師 1名
  • 日本核医学会 核医学認定薬剤師 1名
  • 日本臨床腫瘍薬学会 外来がん治療専門薬剤師 1名
  • 日本病院薬剤師会 がん薬物療法認定薬剤師 1名
  • 日本病院薬剤師会 感染制御認定薬剤師 2名
  • 日本病院薬剤師会 病院薬学認定薬剤師 15名
  • 日本病院薬剤師会 認定指導薬剤師 1名
  • 薬学教育協議会 認定実務実習指導薬剤師 4名
  • 日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師 4名
  • 日本糖尿病療養指導士認定機構 糖尿病療養指導士 2名
  • 日本臨床栄養代謝学会 栄養サポートチーム専門療法士 2名
  • 循環器系4学会 循環器病予防療養指導士 1名
  • 日本災害医学会 PhDLSインストラクター 1名
 (2025年4月)

2.認定施設

  • 日本病院薬剤師会 がん薬物療法認定薬剤師暫定研修施設
  • 日本緩和医療薬学会 緩和医療専門薬剤師研修施設
  • 日本臨床腫瘍薬学会 がん診療病院連携研修病院
  • 薬学教育協議会 実務実習受入施設

(2025年4月)

ご紹介した仕事の他にも、薬剤師を目指す薬学生の教育や研修、病院を運営する会議への参加など、お薬を基本とした仕事とともに、患者さんや市民の皆さんに「力になったよ、教えてくれてありがとう。」などと言っていただける部署であり続けるよう努力しているところです。

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薬剤科一同