化学療法センター

最終更新日 2023年10月24日

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【化学療法センターとは】

薬物療法は、3大がん治療(薬物療法、手術療法、放射線療法)の中で治療期間が長く、入院下で行うことが一般的でした。近年、薬物療法(主に新薬)の目覚ましい進歩により、がんに罹患しても長期生存が期待できるようになりましたが、それらの薬は多様な副作用を呈するものが多く、患者さんのQOL(Quality of Life)を維持するためには副作用をコントロールすることが重要となっています。現在、抗がん薬の副作用を軽減させる薬剤が複数登場したことで、日常生活や社会生活を送りながら外来治療を続けることが可能となり、当センターは外来通院での治療を支援しております。

 市立旭川病院では、外来通院においても安全で安心した薬物療法が継続できるよう、2006年12月4日に化学療法センターが開設され、血液内科、消化器内科、呼吸器内科、外科、婦人科、泌尿器科など多くの患者さんが治療を受けられています。さらに2015年9月9日、センター隣接に注射薬無菌調製室が設置され、より安定した業務が行えるよう努力しております。

現在は9床(ベッド:8床、リライニングチェアー:1床)で稼働し、ベッド全てにはテレビ(無料)が備え付けてあります。ご家族の付き添いや食事の持ち込みも可能であり、リラックスした状態で薬物療法が受けられるよう配慮しています。

※2020年度からCOVID-19の感染予防対策として化学療法センターへの出入りは患者さんのみとしています。

【専門家による高度なチーム医療の提供】

 当センターは、「がん統括委員会」によって運営等に関する必要事項を審議しており、がん治療認定医(専従と兼任)、がん専門薬剤師(兼任)、外来がん治療認定薬剤師(兼任)、がん薬物療法看護認定看護師(兼任)、管理栄養士(兼任)など、多くの専門家がそれぞれの専門性を生かし、患者さんがより安全で安心した治療を受けられるよう取り組んでいます。(外来化学療法加算1、外来腫瘍化学療法診療料1の診療報酬基準施設)。また、医療従事者の知識・技術の向上に向けた勉強会も年に数回行っています。

【主な疾患、治療薬剤】

診療科    

疾患名

主な治療薬剤

外科

肺がん

乳がん

ベムブロリズマブ

カルボプラチン+エトポシド

シスプラチン+イリノテカン(イリノテカン単独日のみ外来)

アムルビシン

EC療法(エピルビシン、シクロホスファミド)

FEC療法(フルオロウラシル、エピルビシン、シクロホスファミド)

ドセタキセル

パクリタキセル

エリブリン

トラスツズマブ

トラスツズマブ+ドセタキセル

トラスツズマブエムシタシン

ベバシズマブ+パクリタキセル

血液内科

ホジキンリンパ腫

ニボルマブ

非ホジキンリンパ腫

R-CHOP療法(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニン)

リツキシマブ

リツキシマブ+ベンダムスチン

オビヌツズマブ+ベンダムスチン

多発性骨髄腫

骨髄異形成症候群

キャッスルマン病

Bd療法(ボルテゾミブ+デキサメタゾン)

Kd療法(カルフィルゾミブ+デキサメタゾン)

DLd療法(ダラツムマブ+レナリドミド+デキサメタゾン)

EPd療法(エロツズマブ+ポマリドミド+デキサメタゾン)

アザシチジン

トシリズマブ

消化器内科

潰瘍性大腸炎/クローン病  

ベーチェット病

胃がん

大腸がん、直腸がん

インフリキシマブ

ベドリズマブ

インフリキマブ

S1+CDDP(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤、シスプラチン)

S1+OHP(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤、オキサリプラチン)

mFOLFOX6(フルオロウラシル、レボホリナートカルシウム、オキサリプラチン)

ラムシルマブ+パクリタキセル

ニボルマブ

mFOLFOX6(フルオロウラシル、レボホリナートカルシウム、オキサリプラチン)±ベバシズマブ

FOLFIRI(フルオロウラシル、レボホリナートカルシウム、イリノテカン)±ベバシズマブ

XELOX(カペシタビン、オキサリプラチン)±ベバシズマブ

IRIS(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤、イリノテカン)

SOX(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤、オキサリプラチン)

泌尿器科

腎がん

腎盂がん、尿管がん

膀胱がん

前立腺がん

ニボルマブ

ベムブロリズマブ、ゲムシタビン+カルボプラチン

ベムブロリズマブ

カバシタキセル、ドセタキセル

耳鼻科

皮膚科

歯科口腔外科

咽頭癌

乾癬

舌癌

ニボルマブ

トシリズマブ

セツキシマブ、ニボルマブ

【治療の流れ】

〈前日まで〉

  • 外来での治療が決定後に当センターの見学とオリエンテーションを行います。
  • 希望があれば、ご家族と一緒にオリエンテーションを受けられます。

〈当日〉

  1. 自動再来受付機で受付をします。
  2. 中央採血室で採血をします。

(結果までに1時間前後かかるため、診察予定時刻よりも1時間早く来院してください)

  1. 受診診療科窓口にお越しください。
  2. 体温、体重を測定し、必要に応じて問診票へ記載していただきます。
  3. 担当医の診察を行います(採血結果後)。
  4. 診察にて薬物療法の実施が確定すると、「基本票(青いファイル)」を持って外来棟4階の化学療法センターへ移動します。
  5. 看護師がバイタルサイン(血圧など)の測定、体調の確認、治療の準備を行います。

※治療薬は薬剤師が専用の器材を使って調製します。

  1. 血管穿刺は、化学療法センターの看護師が行います(穿刺困難な場合は医師)。

点滴終了後、1階受付にて会計となります。

〈次回受診まで〉

  • 体調の変化などが生じた場合は、病院へ電話連絡してください。
  • 連絡方法は、オリエンテーション時にパンフレットをお渡しするので参考にしてください。

外来化学療法センター診療実績(外来化学療法加算対象)

外来化学療法延べ件数

2017

2018

2019年

2020年 2021年 2022年

全化学療法件数

1577

1588

1456

1899

1802 1895
〈診療科別件数〉

消化器内科

617

695

719

663

757 755

血液内科

480

438

375

539

462 595

腎臓内科

0

0

0

1

2 3

呼吸器科内科

0

0

0

0

14 17

外科

279

284

224

371

277 204

泌尿器科

65

89

95

183

137 147

婦人科

92

52

3

52

88 141

皮膚科

36

26

31

27

18 19

口腔外科

0

4

9

13

14 19

耳鼻科

8

0

0

50

33 2

※6年分のみ掲示


スタッフ紹介
所属 役職 医師名 所属学会等
医局 診療部長 千葉 広司
Dr.chiba

日本内科学会総合内科専門医
日本血液学会専門医
日本造血細胞移植学会認定医

日本エイズ学会

看護部 看護師

鈴木 慎太郎

すずき看護師

がん薬物療法看護認定看護師
特定行為看護師
日本がん看護学会員
看護師 藤本 雪枝
薬剤科 薬剤師

林 康弘

hayasi

外来がん治療認定薬剤師
栄養サポートチーム専門療法士