認定看護師リレーエッセイ No.5

最終更新日 2016年2月24日

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認定看護師リレーエッセイ

認定看護師リレーエッセイ No.5 

感染管理分野 木元史子

風水と感染対策は似ている !!の巻
平成24年12月

感染対策に携わりながらも、家での整理整頓が苦手な私は、最近、河出書房新社出版 紫月香帆さんの「やってはいけない風水」という本をとても興味深く読んでおります。
内容をみていると、風水は清掃・整理整頓が基本であり、そしてよく「気」という言葉が出てきます。「気」というのは雰囲気のことだそうです。
例えば「空気がこもっていて嫌な感じ」とか「空気か通っていて気持ちがいい」とか瞬間、瞬間に感じるこの雰囲気が「気」で、仕事運・健康運・金銭運・恋愛運など、あらゆる物事に影響を与えているそうです。
良い「気」はプラスのパワーが、悪い「気」はマイナスのパワーがあるそうです。悪い「気」にどっぷり浸かっていると、その状況に慣れてしまい気が付かないけれど、良い「気」を呼び込むとその人の出す「気」も変わってくるため、周りの反応や地位・立場なども良い方へ向かうらしいのです。


それと感染対策も非常に似ていて、細菌やウイルスなどは眼には見えませんが、環境が整理整頓されていない、清掃がされていない、手洗いをしていないなどで、院内感染を呼び込みます。
そして、汚れた環境に慣れ、処置のみ優先されると、それに慣れてだんだん気がつかなくなります。その結果、病院のイメージ・評判にも関わってきます。
また、換気をして空気の通り(気の通り)を良くすると、風邪をひきにくいなど、共通した解釈の部分があります。
以下、院内ラウンドなどで気がついた当院での感染対策と風水の共通点を事例としてあげます。

風水 感染対策
  • トイレ掃除をあまりしない
    →人からの信用をなくし運気も落ちてくる
    トイレはその人の本質を表すところ
    トイレは悪い気がたまりやすく
    掃除をしないと雪だるま式に運気が悪くなる。
    対策:トイレ掃除は毎日、色・香りを利用し開運トイレ作りを!
  • トイレは毎日清掃
    トイレのレバーやドアの取っ手、手すりなど定期的(毎日)清掃しないと、ノロウイルスなどの流行時には環境に触れた手を介して感染します。
  • シャンプーを床に直置きしている
    →健康面・美容面が優れなくなる
    シャンプー容器を床に置いているとぬるぬるしてきて、直置きしていることでカビを生みやすくしている。カビと湿気には悪い気が付きやすく運気と体調を悪化させるので換気にも気を配ろう。
    対策:カビと湿気も運気の大敵!こまめに清掃を! 
  • 浴室は換気と清掃が重要です。
    浴室内や器具がぬるぬるしているのはバイオフィルムと呼ばれ細菌が作る膜です。緑膿菌など湿気が好きな菌が繁殖しているので、清掃・乾燥が大切です。
    カビ対策にも換気が重要です。 
  • 収納スペースに物がぎっしり
    →新しい運気が訪れない
    捨てられないから取りあえず取っておくという考え方は過去への執着や貧乏性が強いこと。決断力も弱くなり新しい運気に気が付きにくくなる。
    対策:心のデトックスをしながら物を捨てる。 
  • 引き出しや回診車などは、必要なもののみとして不要なものは廃棄・整理整頓をします。
    毎日使用する回診車やサクション用グッズなどは、一日に必要な分を毎日補充することで常に新しく清潔なものを使うことが出来ます。
    回診車に物がぎっしりでは、開けた時に衛生材料が破損したり、物を探す動作で手を介して衛生材労が不潔になります。
    補充する手間が省けるから、多く入れておくとのは厳禁です。
  • バックを床に直置きしている
    →金運が下がる
    床や地面は「足で踏みしめる」ところ、それを足の裏から取り入れている。バッグは財産を守る大事なものなので、地上より高い位置に置いた方が良く、地面と相性が良くない。足元は他人にけとばされる可能性があり風水では大切なものを地面に直置きしない。
    対策:貴重品を守る大切なバック。自分の分身と考えて扱おう。 
  • 病室の床にオムツやバッグ、ペットボトル、洗面器などを置いている光景を見かけます。
    床は汚染の強いところなので、口に入るものや身につける物へ交差感染の可能性があります。また清掃の妨げになり埃がたまります。
    靴にもケアの時にぶつかります。見つけたらすぐに、床頭台や椅子の上など床に置かない工夫をしましょう。
  • 他人が見てわかりにくいデスク
    →仕事仲間からの信頼が薄れる
    仕事はチームで進める事が多く大きなプロジェクトとなれば関わる人も増える。もし、誰かが仕事が続けられなくなった場合、後任者がスムーズに引き継げることが大事である。「誰がみてもわかる整理整頓・収納」をしていることが仕事では重要。仕事を全体で考えられる人の仕事運は成功する。
    会社のデスクはプライベート空間ではない。周囲へ気を配った使い方が仕事運をアップする。
    対策:チームで仕事をする人は特に「わかりやすい整理整頓・収納」を! 
  • デスクに限らず、点滴・注射・処置などは作成した人以外のスタッフが実施する場面も多いです。シリンジには氏名・内容を明記する、高圧浣腸器や経管栄養グッズには氏名を書いて他の患者と交差しないようにするなどの配慮が必要です。
    書類も同様でどこに何があるかを統一すると、誰が実施しても仕事がスムーズになります。
    そして、片づけながら仕事をすることが、何より重要!!
    物も頭も整理され、仕事がスムーズに進むと考えます。


以上、風水と感染対策の共通点をあげてみました。
まだまだ、沢山あったのですが、興味のある方は是非、この「やってはいけない風水」という本を読んで、ご自分の仕事やプライベートと比較してみて下さい。
私には反省と改善箇所が沢山ありました。整理整頓が出来る方は、もう心得ているのかもしれません。
風水も断舎利も、「執着を捨て、物を捨てる」「必要な物のみですっきりさせる」ことにより、環境ばかりではなく心が整理され、必要なものがすぐ見つかるなど、物事がスムーズに運ぶようになることだと思います。
その結果、時間の短縮、仕事などの効率アップとなり、やる気に満ちて生き生きしてくるので、対人面もアップ、金運もアップ、更に健康運、恋愛運と全てにおいて良い「気」に満たされ、運気が上昇するということなのだと思います。
病院も綺麗で清潔で明るい病院、スタッフも身だしなみや言葉遣いもきちんとしているなど、雰囲気つまり「気」が良いと、患者さんから信頼される病院となります。
自分や家族が安心してかかることができる清潔・安心な病院を目指したいです。
言うのは簡単ですが実行・継続ができるように日頃の業務や感染対策活動で心がけたいと思います。

引用・参考文献と図の引用:
河出書房新社出版
紫月香帆 監修
「やってはいけない風水」