認定看護師リレーエッセイ No.46(認知症の人の終末期をどうとらえるか~意思確認について~)
認定看護師リレーエッセイ No.46 ~認知症の人の終末期をどうとらえるか(意思確認について)~
認知症看護認定看護師 三浦 睦子
認知症の人が抱える不安
認知症は、記憶障害だけではなく障害される部位によって出現する症状や記憶障害の程度、進み具合は人によって様々ですが、認知機能の低下が徐々に進行し、10年~20年くらいで終末期を迎えると言われています。
認知症と診断されてからすぐに何もわからなくなるのではなく、認知症の人は忘れていくことへの不安や安全で安心できる生活の継続が難しくなることへの不安を抱いていることを理解する必要があります。
認知症の人の望む人生の最終段階について話し合いを始める時期はいつからか
認知症ケアの場面で「その人らしさを支える」という言葉が多く使われています。「その人らしさ」を理解するのに大切なことは、その人と共に過ごす時間の中で対話することです。 認知症の人が終末期にさしかかった時、会話や意思表示が困難な状態となることが多く本人の希望や意見を十分に確認できない状況が突如やってきます。その為に、認知症の診断がついた時期から、認知機能低下が徐々に低下し進行しても本人がどのような人生の最期を望み、その為にどのような治療やケアを望んでいるかを繰り返し話し合い、一緒に考えていくことが大切です。