認定看護師リレーエッセイ No.43(放射線皮膚炎について)

最終更新日 2023年8月7日

ページID 077922

印刷

認定看護師リレーエッセイ No.43 ~放射線皮膚炎について~

がん放療法療法看護認定看護師 永草 麻由美

皆さんは放射線治療をしましょうと聞いて心配になることはどのようなことでしょうか。

今回は、質問の多い放射線皮膚炎についての話をいたします。

皮膚炎はどうしておこるのでしょうか

1
皮膚炎は治療開始後2週間くらいからおこりはじめ、治療終了から終了1週間くらいがピークになり2~4週間で軽減してきます。

放射線はレントゲン検査と同じX線を使用しています。X線は体を通り抜けるため、治療後、放射線は体には残りません。

日常生活で気をつけることはありますか?

皮膚の健康を守るためには、皮膚の清潔・保護・保湿が大切です。

治療開始時から始め、終了1か月後まで続けましょう。

石けんは十分に泡立てて使いましょう。治療開始時から始め 終了1か月後まで続けましょう。2

※汚れを落とすのは泡です。ホイップ状になるまで泡立てましょう。うまく泡立てられないときは、最初から泡で出てくるタイプの石けんを選ぶと良いでしょう。

  • 皮膚を傷つけたり皮脂を取り除き過ぎたりしないようにしましょう。
  • 洗浄時は目の粗いタオルやナイロンタオルなどを使ってゴシゴシ洗わず、綿などの刺激になりにくいタオルや素手でやさしく洗いましょう。
  • 皮膚を傷つけないように、指先ではなく指の腹を使いやさしくなでるように洗いましょう。
  • 熱いお湯は刺激になるので40~42度位の温度にしましょう。
 
  • 放射3線を当てた部分の皮膚への刺激を避けることがもっとも大切です。症状がないときでも、湿布や絆創膏を貼ったり、掻いたりするのはやめましょう。
  • 放射線治療中は治療部分の皮膚は直射日光が当たらないようにしましょう。
  • 照射部位の皮膚への摩擦を避けるため、ゆったりとした下着を着用しましょう。
 
 
 
 

  • 入浴後は保湿剤を塗りましょう。6


     

 ※手を清潔にして保湿剤をとり、手のひらでやさしく丁寧に、すりこまないようにして塗ります。

  ティッシュが皮膚に付く、または皮膚がテカる程度の量が目安です


5

皮膚の発赤・かゆみが出現したら スタッフにお知らせください。

皮膚炎は放射線が当たっている部分に出現します。治療開始時にどの部分に放射線があたっているか確認しましょう。