認定看護師リレーエッセイ No.42(抗がん薬と便秘)

最終更新日 2023年4月1日

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認定看護師リレーエッセイ No.42 ~抗がん薬と便秘~

がん化学療法看護認定看護師 鈴木 慎太郎

抗がん薬 を使用する患者さんの苦痛症状の一つに「便秘」があります。

便秘は、一部の抗がん薬や、吐き気止めなど抗がん薬治療による副作用を軽減させる薬剤が原因で生じる場合があります。一部の統計では、「入院して治療を受けているがん患者さんの70~100%が便秘を感じている」1)といわれており、多くの方が経験する症状のため、対策を知り便秘を予防しましょう!

1)がんPEPリソース 看護アウトカムを高めるケアのエビデンス 日本がん看護学会 監訳)鈴木志津枝他 医学書院 第7章 引用

治療開始前の対策

  • 便秘になりやすい薬剤の有無を医師、看護師に確認する
    1
  • 軽い運動、食べ物、マッサージなど

※自分なりの便秘対策がある方は、その方法を継続する

よく用いられる便秘薬

  • 整腸剤:腸内細菌を整える
    2
  • 便軟化剤:便を柔らかくする、習慣性が少ない
  • 大腸刺激性下剤:主に大腸の動きを活発にする、習慣性がある

便秘薬の使用例

  • 便軟化剤で調整 +2~3日排便がない場合に刺激性下剤を追加

対策対策のポイント

  • 便秘になる前から対策を開始する。
    3
    便秘する回数や症状の程度、対策には個人差があります。ご自身が便秘になる時期、あるいは排便効果があった方法を知り、次に備えていくことが大切です。