認定看護師リレーエッセイ No.38(人間の暮らしと塩分)

最終更新日 2022年3月31日

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認定看護師リレーエッセイ No.38(人間の暮らしと塩分)   

慢性心不全看護認定看護師 辻 久美       

日本人の暮らしと塩にまつわる話し 

私たちの暮らしに欠かせない塩が使われ始めたのは、5千年前にもさかのぼる縄文時代になります。当時、使用されていた土器から計り知れない量の塩の痕跡が発見されています。戦前は、食材を塩漬けし保存する生活が中心であったことから1日20gという高い摂取量だったようです。現在の日本人の平均的な食塩摂取量は、1日10gです。冷蔵庫の普及や減塩活動の影響から年々減少傾向にあります。

食塩摂取量が少ないヤノマミ族 

ヤノマミ族は、ブラジルとベネズエラの国境近くに住んでいる先住民族です。狩猟と農業中心の生活をしており、栽培した穀物や採取した果物や昆虫などを食べています。バナナ、キャッサバを主食としており、魚介や動物の血液から塩分を補っているため、食塩はほとんど使いません。そのため、塩分の摂取量が非常に少なく、加齢に伴う血圧の上昇が見られていないのです。

塩分と心不全の関係

日本では年々、減少傾向にある塩分摂取量ではありますが、生活習慣を変えることは容易ではありません。塩分の摂りすぎにより心不全となって重症化してしまうケースがよくあります。食塩であるナトリウムは、水分を身体に溜めるという性質があります。食塩を多く摂取することで体内のナトリウムと水分の量を調節するため、循環している血液量が増えてしまいます。心臓は、必死にポンプ機能をフル回転させますが追いつかず、やがて心不全となります。軽症の慢性心不全では、1日6g程度の制限が必要とされています。実際は、なかなかハードルが高い制限数値ですが、始めから目標を高く設定せず少しずつ慣れていくことが大切です。

減塩のポイント

・塩分の多い漬物・汁物などは、食べる回数と量を減らすだけでも減塩につながります。

・麺類の汁は飲まない。

体重や血圧測定を毎日記録し、食生活を振り返ることで塩分の取り過ぎに気づくことができます。ぜひ、おすすめ致します。

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