認定看護師リレーエッセイ 抗がん剤と手足のしびれ
抗がん剤と手足のしびれ
認定看護師リレーエッセイ No.30
がん化学療法看護認定看護師 鈴木 慎太郎
抗がん剤の副作用の1つに「化学療法誘発性末梢神経障害」があり、感覚神経・運動神経・自律神経障害に分類されます。患者さんが感じる手先・足先のしびれは、主に感覚神経障害にあてはまります。
感覚神経障害は、患者さんの主観的な感覚であり、個人差が大きく医療者が客観的に判断することが難しい症状です。また、有効な治療方法も確立されていないため、早期に症状を発見して悪化や二次障害を予防していきましょう!。
【症状の感じ方】感じ方はさまざまです
- チクチク
- ピリピリ
- 違和感
- 痛み
- 正座した後のようなビリビリ感
- 皮膚が分厚い感覚
【表現方法の具体例】日常生活動作と関連付ける
- ボタンを止めにくくなった
- 物を落としやすくなった
- 歩いていると違和感がある
- 小さい段差でもつまずきやすくなった
【強弱の表現方法】「数字」や「決まった文言」などで表現する
- 0~10の数字で表現
「全く症状がない=0」→「 耐えられない苦痛=10」と定めた時の数値 - 症状が「ない」「少しある」「ある」「かなりある」「耐えられない」
【日常生活の注意点】二次的な障害を避ける
- やけど
・お風呂のお湯はしびれていない部位(肘など)で確認する
・「湯たんぽ」は低温にして皮膚に触れない
- 怪我
・刃物は目で確認しながら取り扱う
・靴はスリッパなど脱げやすい物を避けジャストサイズを選択する
- 冷やさない
・手洗いや洗い物はぬるま湯で行う
- 異常を早期に発見する
・しびれている部位に発赤や傷などがないか、1日1回(入浴時など)以上は目で確認する
【症状を和らげる】効果には個人差があります
- 入浴時に軽いマッサージをする
- 運動をする
(手足の指でグー、パーを繰り返す、軽い散歩など) - 厚めの手袋や靴下を履く