認定看護師リレーエッセイ 抗がん剤と手足のしびれ

最終更新日 2020年3月24日

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抗がん剤と手足のしびれ

認定看護師リレーエッセイ No.30

がん化学療法看護認定看護師 鈴木 慎太郎

抗がん剤の副作用の1つに「化学療法誘発性末梢神経障害」があり、感覚神経・運動神経・自律神経障害に分類されます。患者さんが感じる手先・足先のしびれは、主に感覚神経障害にあてはまります。

感覚神経障害は、患者さんの主観的な感覚であり、個人差が大きく医療者が客観的に判断することが難しい症状です。また、有効な治療方法も確立されていないため、早期に症状を発見して悪化二次障害予防していきましょう!。

【症状の感じ方】感じ方はさまざまです

  • チクチクチクチク
  • ピリピリ
  • 違和感
  • 痛み
  • 正座した後のようなビリビリ感ビリビリ
  • 皮膚が分厚い感覚

【表現方法の具体例】日常生活動作と関連付ける

  • ボタンを止めにくくなった落とす
  • 物を落としやすくなった
  • 歩いていると違和感がある
  • 小さい段差でもつまずきやすくなった

【強弱の表現方法】「数字」や「決まった文言」などで表現する

  • 0~10の数字で表現
    「全く症状がない=0」→「 耐えられない苦痛=10」と定めた時の数値
  • 症状が「ない」「少しある」「ある」「かなりある」「耐えられない」

【日常生活の注意点】二次的な障害を避ける

  • やけど

・お風呂のお湯はしびれていない部位(肘など)で確認する

・「湯たんぽ」は低温にして皮膚に触れない

  • 怪我

・刃物は目で確認しながら取り扱う

・靴はスリッパなど脱げやすい物を避けジャストサイズを選択する

  • 冷やさない

・手洗いや洗い物はぬるま湯で行う

  • 異常を早期に発見する

・しびれている部位に発赤や傷などがないか、1日1回(入浴時など)以上は目で確認する

【症状を和らげる】効果には個人差があります

  • 入浴時に軽いマッサージをする入浴マッサージ
  • 運動をする
    (手足の指でグー、パーを繰り返す、軽い散歩など)
  • 厚めの手袋や靴下を履く
些細な症状でも気楽に看護師に伝えてください。看護師
生活スタイルに合わせた方法で一緒に体を守りましょう!