認定看護師リレーエッセイ 認知症やうつ状態とも間違われる「せん妄(せんもう)」とは?

最終更新日 2019年3月28日

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認知症やうつ状態とも間違われる「せん妄(せんもう)」とは?

認定看護師リレーエッセイ No.26fukumoto

精神科認定看護師 福本きよみ

入院や手術を受けて、いつもとは様子が変わり「急におかしなことを言い、日にちも分からなくなった、ひどい認知症になったのだろうか」「この状態が続いていくのだろうか」と不安になることがあるかもしれません.このような場合は、「せん妄」の可能性があります。

せん妄とは

  • からだの状態が弱っている
  • 手術の後
  • 薬の影響 など

このような時には、脳の神経も不具合が生じます。
そのため「せん妄」という意識の混乱が生じることがあります。

せん妄の症状

  • 場所や時間の感覚が鈍くなる
  • 落ち着きがない
  • 昼と夜の感覚が鈍くなる
  • ぼんやりする
  • 話のつじつまが合わない
  • 幻覚が見える
  • イライラする
  • 怒りっぽい
  • 体についている管を抜いてしまう

せん妄の治療

  • せん妄の治療薬を使うこともあります
  • 安全に安心して治療が受けられるように環境を整えます

※やむをえず安全のために、体動センサーやミトン等を使用することもあります。

せん妄の予後

  • せん妄の50~70%は治療や環境調整によって、改善する可能性があります。
  • 身体の状況によっては、改善することが難しい場合もあります。

ご家族にご協力いただきたいこと

  • 普段親しんでいる方がそばにいるだけで、ご本人の安心が得られます。
  • 時計(腕時計も可)やカレンダー、ご家族やペットの写真などを見える場所に置いてください。
  • つじつまの合わないことを言っても否定しないで、気持ちを受け止めてください。
当院では、せん妄などの精神的な症状がある場合には、精神科医師、精神科認定看護師、精神保健福祉士からなる、精神科リエゾンチームが支援をお手伝いすることもできます。
お気軽にご相談ください。
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