認定看護師リレーエッセイ 糖尿病患者さんにとっての隠れ飲食を考える

最終更新日 2017年8月1日

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糖尿病患者さんにとっての隠れ飲食を考える

認定看護師リレーエッセイ No.21

糖尿病看護認定看護師 増田千絵

糖尿病患者さんにとって食事療法は大事な治療のひとつです。しかし、適正なエネルギー量と栄養素バランスを考えて食べることは、時には食の自由を奪われた気持ちになり “こっそり”と隠れて食べたくなることがあるかもしれません。そこで、当院の糖尿病センター外来に通院している患者さんに聞きました!

Q.“こっそり”隠れて飲み食いをしたことがありますか? Q.“こっそり”隠れて飲み食いする頻度は?
Q1 Q2
n=61 n=40

外来通院中患者さんの3人に2人は隠れ飲食の経験があり、その頻度は1週間に1回が一番多く、次いで1日1回でした。

Q.“こっそり”隠れて飲み食いする理由は?(複数回答)
Q3

隠れ飲食の理由で一番多いのは空腹感で、次いでストレス発散が挙げられました。中には「食べても血糖値に関係ない」と思っている患者さんもいたり、「糖尿病が嫌になった」と感じている患者さんもいることがわかりました。

Q.“こっそり”隠れて飲み食いした時の気持ちは?(複数回答)
Q4

隠れ飲食時の気持ちでは、罪悪感・悪化の不安を抱えて自分の意思の弱さを感じながらも、その一方で、満足感を得たことでまた頑張ろうと意欲的な気持ちもうかがえました。

今回の結果から、隠れて飲食することは決して『稀なこと』ではなく、糖尿病を持ちながら生活する人にとって、療養生活を続けていくためにはある程度必要で『ざらなこと』だと言えます。負のイメージが強い隠れ飲食ですが、我々医療者はそうせざるを得ない患者さんの思いをくみ取り、より良い血糖コントロールに向けて支援していくことが重要だと考えます。

今回の調査に協力していただいた患者さんたちに感謝いたします。